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2024年5月の読書メーターまとめ

Chiyo K.
読んだ本
16
読んだページ
3310ページ
感想・レビュー
15
ナイス
376ナイス

2024年5月に読んだ本
16

2024年5月のお気に入り登録
1

  • 海人

2024年5月のお気に入られ登録
4

  • yari
  • やけ
  • 海人
  • にたいも

2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Chiyo K.
ネタバレ装丁の端正さと本の厚さからは意外に感じたが大変読みやすかった。満月の夜の不思議な現象が厄介な風土病を引き起こす、森の国レーエンデ。父と共にこの地へ赴いた少女ユリアの物語と、地域の平和と発展を目指す父、彼を敬愛する青年トリスタンの旅の物語が同時展開する。ユリアは政略結婚を拒否し自分らしく生きようとし、そう促してくれたトリスタンを愛するものの結ばれないのが切ない。結末には偉大な統治者となった姿も描かれる。クロニクルの肝はレーエンデの謎と見た。各州の勢力関係や地理的情報、ここに至る歴史を押さえておこう。
が「ナイス!」と言っています。

2024年5月にナイスが最も多かったつぶやき

Chiyo K.

Audible。大手出版社に勤める明日花は学年誌の歴史をたどるプロジェクトチームに加わることに。不本意な人事で意欲を失っていたが、80年前の入社名簿に祖母の名を見つけ、祖母がどんな仕事をしていたのか興味を持つ。物語は戦前の学年誌を調べる明日花と、出版界が戦時色一色だった困難な時代の祖母の奮闘、1960年代に児童文学にとりくむ学年誌編集者の物語を交互にたどる。いま子どもの読み物は多様化し選択肢が増えたようだが、心の豊かさや将来のためを願って書かれたものがどれだけあるか。読み物の送り手たちの胸熱な物語。

が「ナイス!」と言っています。

2024年5月の感想・レビュー一覧
15

Chiyo K.
ネタバレ人類がメソポタミア文明の時代からストローを使っていたことを初めて知った。中国や南米でも飲み物を飲むとき使うチューブが存在していたという。どちらかといえば高貴な人が使う食器のようなものだったのだろう。現在のような工業製品になったのは19世紀で、紙製だった。プラスチック製になったのはせいぜいここ数十年。しかしプラは自然に還らないため、自然(や人類自身)にも悪影響を及ぼす原因となっている。長い歴史を通じてみると、小さなことが大きな弊害を及ぼすこと、しかしそれを解決せねばならないことがよくわかる。絵が見やすい。
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Chiyo K.
ネタバレ国連職員を目指したり、英会話サークルに入ったり国際関係論を学んだり、やる気はあるのに道がなかなか定まらない。銀行やインターンで色々な人の話を聞いたり、ウガンダでシングルマザーの多さや女性の立場の低さに気づいたから、現地の文化の豊かさに触れたからこそ、現地の人をパートナーとしてビジネスにすることに思い至った。誰にでも起こりうる紆余曲折。でも人生ってこんな感じなんじゃないかとリアルに感じた。バッグの柄を選ぶ時のように「自分の心の声に正直に生きよう」主体的に仕事を選ぼうというメッセージも今風だ。勇気づけられる。
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Chiyo K.
ネタバレ1950年代ケニア。父が営む農場でマシューは何不自由なく暮らす。黒人使用人の少年ムゴは動物の扱いや自然のことを教えてくれ、父も使用人たちを信頼している。しかし同級生ランスやその父親は、いつか黒人たちが農場を襲撃してくると警戒する。ある晩ムゴは、自分の父親ら使用人たちが集められ、白人に反抗する誓約をさせられるのを見てしまう。支配側ゆえ、今まで自分のわがままや無知に無自覚だったマシュー。それに気づいた時は、すでに遅かった。その後のムゴは支配者たちを恨まずにいられたろうか。子どもの目から見た植民地を描く。
が「ナイス!」と言っています。
Chiyo K.
ネタバレグラフィックノベル。実話。ソマリアの故郷を追われ、弟と二人だけでケニアの難民キャンプにたどりついたオマル。障害があるハッサンの世話と家事に明け暮れていたが、勉強することをすすめられ戸惑いながら学校に通い始める。生活は厳しく、余裕がない中でなぜ勉強しなければいけないのか悩んだり、空腹と試験のプレッシャーでイライラしたり、といった描写がリアルで胸をつかれる。国連が支援しているものの、将来が見えないということがどんなに辛いか。牢獄のような毎日の中で「ここは神様の待合室」と説く里親ファティマに無限の愛情を感じる。
が「ナイス!」と言っています。
Chiyo K.
ネタバレ装丁の端正さと本の厚さからは意外に感じたが大変読みやすかった。満月の夜の不思議な現象が厄介な風土病を引き起こす、森の国レーエンデ。父と共にこの地へ赴いた少女ユリアの物語と、地域の平和と発展を目指す父、彼を敬愛する青年トリスタンの旅の物語が同時展開する。ユリアは政略結婚を拒否し自分らしく生きようとし、そう促してくれたトリスタンを愛するものの結ばれないのが切ない。結末には偉大な統治者となった姿も描かれる。クロニクルの肝はレーエンデの謎と見た。各州の勢力関係や地理的情報、ここに至る歴史を押さえておこう。
が「ナイス!」と言っています。
Chiyo K.
ネタバレスウェーデンの難民児童施設の職員レベッカの日常。朝、少年らの個室をノックする時のかすかな緊張。母国語で会話する彼らを前にしての戸惑い。時に友人どうしのように和やかに、食卓を囲んだり外出したりする。宗教や個性や、それぞれに抱えるトラウマを受け入れ寄り添う。一方で行動を管理し、日誌に逐一を記録する。仕事でそれをしている、という彼女の語りは淡々としていて、とても読みやすい。こんなに読みやすくていいのか、と戸惑うくらいの内容もあり、かえってリアル。3人の少年のうち里親が見つかったのは一人。それもリアルなのか。
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Chiyo K.
ネタバレ2年くらい前、生徒に今何が流行ってるの?と聞いて教えてもらった。流行っているのは楽曲で、本書はそれを下敷きにした小説。人と関わらず半分引きこもりな生活を続ける高校生が、何事にも自分らしさを貫き明るく突き進む同級生と過ごすうち、自分の中に何かが芽生えるのを感じる。人物造形も物語展開も目新しくはないが、よい台詞がいくつかある。「いつも自分らしく生きていた方が絶対に人生面白いでしょ!」(p.67)「夢を持っているといつもありのままの自分でいられるんだよ」(p.80)歌も聞いてみたけど全然別モノ。
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Chiyo K.
ネタバレAudible。かつて手がけたドラマが大ヒットしたが今はしがないゲーム脚本家の女性。失意のうちに不思議な珈琲店にたどり着き、マスターに星のめぐりを読んでもらう。以前彼女と仕事をしていたディレクター、スキャンダルを起こした女優、IT起業家らの物語が少しずつ重なり合う。満月の晩にだけ開くその店で、見失いかけた自分の道を指し示してもらった人々にはつながりがあった。優しい物語。普通の占星術店ではなく、星を象徴するネコの店員が不思議な飲み物やスイーツを供してくれるカフェというファンタジー設定がユニーク。
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Chiyo K.
ネタバレ牛乳、パン、魚、肉、卵、青果について、それぞれ小規模生産者と大規模生産者でどのように生産、加工、出荷しているかを紹介する絵本。作者が自ら取材し、余計な印象や形容を用いず、見たままをよく整理されたイラストで表現。だが決して無味乾燥なものではなくそこはかとないユーモアも感じさせる。牝牛が乳を出せるように人工的に妊娠させるのだとか、鶏はオスだと卵を産めないから性別がわかった段階で処分するだとか、効率を考えるとそうならざるを得ないのだろうが、生産という場は生物の命をコントロールすることと切り離せないことがわかる。
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Chiyo K.
ネタバレ初読み作家さん。人と話すのが苦手な朔弥が担任に誘われて入った園芸部。部員は、見た目が怖い西森と帰国子女のアズサ、合わせて3人。野菜と花を組み合わせた家庭菜園ポタジェを作ることに。それぞれの理由で教室に居心地の悪さを感じていたが、園芸部で栽培方針や役割分担を話し合うとなぜか忌憚ないやりとりができた。母親との関係で息がつまりそうな朔弥には、園芸部のつかず離れずの関係、花や野菜の世話をすることが、潤いと支えになっていく。西森やアズサに言いたいことを言い、母親に心情を吐露するまでになった朔弥の成長がまぶしい。
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Chiyo K.
ネタバレドイツのユダヤ人アンナは、ナチの迫害を逃れてひとり英東部ケント州の家庭へ引き取られる。その家の子らと学校へ通うが、ナチのスパイだなどと言いがかりをつけられ家の子とも仲違いしてしまう。戦況が悪化し、ドイツ軍の上陸に一般家庭も備えよと言われる中、家の納屋に見知らぬ男が隠れているのを見つけてしまう...。タイトルと装画から少女が健気に頑張る話を連想してしまうが、アンナの行動はなかなかに大胆で果敢だ。母の言いつけ「与えられた機会を最大限に」生かした。ハラハラさせられるだけでなく、彼女の緊張や不安も伝わってくる。
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Chiyo K.
ネタバレAudible。京都の地域病院の内科医・哲郎は、亡くなった妹の息子を育てるため大学病院を辞めた過去を持つ。当時の先輩には未だ期待をかけられ、大学へ戻るよう繰り返しの誘いを受けているが、哲郎は今の病院で高齢の患者たちと向き合う毎日を選んだ。凄腕でどんな難しい症例にも顔色一つ変えず対応する哲郎だが、大好物の甘い物を見ると理性を失ったようになるのが可笑しい。終末期を迎えた患者たちのエピソードが重なるが、これが正統という答えを出さず一人一人と向き合う哲郎の静謐な思慮もあいまって落ち着いて読める。文章が美しい。
が「ナイス!」と言っています。
Chiyo K.
ネタバレバッタ研究奮闘記続編。一作目では研究途上のためあまり触れられなかったテーマ設定の過程、調査方法、フィールドであるモーリタニアはじめモロッコ、アメリカ、フランスや日本の所属先での成果や失敗、友人・同僚たち、バッタ大発生中に降りかかった大災厄と論文執筆に苦心惨憺する様子など、書きに書いた600ページ。バッタ研究史に触れたり収集したデータをどう使うかなど学術的知見も披露しながら(レック、性的対立という考え方は人間の行動にとっても示唆に富む)、タジン鍋の素晴らしさや相棒ティジャニの面白さも同じくらいの熱で語る。→
が「ナイス!」と言っています。
Chiyo K.
ネタバレ気鋭のYA文学作家たちによるジェンダーをテーマにしたアンソロジー。好きな幼馴染に恋人ができ、傷心の鈴。紹介された相手とは../セクハラまがいにからかう父親に嫌悪感を抱くすももだが、母や姉は味方してくれない。あまり親しくない級友と話すうち共有できる感情に気づく。他5編。主人公はみな中学生。ジェンダーフリー概念が画一的になりかねないが、まさに十人十色の物語がつむがれる。男子のメインキャラが少ないが、この年代だと性的に未熟な子が多いから?でも男子だって色々なはずというのが鎌谷悠希、にかいどう青の両作品でわかる。
が「ナイス!」と言っています。
Chiyo K.
ネタバレ読み友さんに教わり読む。英領ビルマの時代。チーク材の積み出しに現地のゾウとゾウ使いが従事。英貿易会社社員のウィリアムズはゾウをよく観察し、その賢さや偉大さにほれこむ。とくにバンドゥーラというゾウは抜きんでていた。バンドゥーラとウィリアムズのエピソードと、野生ゾウの種類や生態を絶妙なイラストで紹介する。大きなゾウが10センチ四方のスペースに何頭も書き込まれているが、その重量感やダイナミックさは十分。片やうっそうとしたジャングルは見開きで描かれる。知られざる歴史に光をあてたノンフィクション絵本。表現力に脱帽。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2017/01/07(2729日経過)
記録初日
2015/03/01(3407日経過)
読んだ本
1499冊(1日平均0.44冊)
読んだページ
306906ページ(1日平均90ページ)
感想・レビュー
1384件(投稿率92.3%)
本棚
1棚
性別
現住所
神奈川県
外部サイト
自己紹介

中学校司書です。同業者さんを、お気に入り登録させていただくこともあるかと思います。よろしくお願いします。

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