Audible。宮澤賢治の生涯を、父・政次郎の目から描く。同じ人の親として身につまされる。長男だし学業も優秀なので内心で期待をかけてしまうが、「進学したい」「質屋は継がず、人造宝石を作って売りたい」などと言いだし、客あしらいも苦手そうなのも悩ましい。進学を禁じたら宗教にふけり始める。それでも感情的にならずに、家長としての威厳を保ちつつ対応するところが明治の、旧家の男だという感じがする。結核が死の病だった時代とはいえ、2人も子供に先立たれた心境たるや。付きっ切りで看病するその姿勢にこそ愛情が見られる。
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