途中まで頭の中が？だらけになりながら読み進め、続編であることに気づいた。みんなが幸せな生活を送れるようになって良かったと思う反面、北原先生のような利他的な人によってその幸せが保たれていることに疑問を感じた。編集長2人の話は今の夫婦の在り方の典型例のようで面白かった。

途中まで頭の中が？だらけになりながら読み進め、続編であることに気づいた。みんなが幸せな生活を送れるようになって良かったと思う反面、北原先生のような利他的な人によってその幸せが保たれていることに疑問を感じた。編集長2人の話は今の夫婦の在り方の典型例のようで面白かった。

６つの短編集。テンポの良いストーリーで一気に読み進めて、予想外の展開に驚かされた。歯車の狂った登場人物の心の重しや追い詰められる心理が伝わってきてゾッとしたり、ホッとしたり、どの話も胸に響いた。

無名画家の１枚の絵に心を揺すぶられ、展覧会を開催すべく放送局イベント事業部の2人が画家について調べる。糸口となる秋田の石油化学会社一族の人間関係や戦争の影響、調べが進むにつれ複雑な人間模様が明らかになる。調べている当人もそれぞれ、家族に対する後ろめたさを抱えている。心の苦しみを抱えて生きる登場人物ばかりだった。残された人たちの心が軽くなることを祈りながら読んだ。