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2025年11月の読書メーターまとめ

@nk
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2025年11月に読んだ本
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2025年11月のお気に入り登録
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2025年11月のお気に入られ登録
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2025年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

@nk
これまで感銘を受けた本の核心が幾つも散りばめられているようだった(たとえば「そこにいるだけでいい(p15)」や「未来を捕捉する言葉が必要(p60)」)。“感情労働”や“儀礼的無関心”など、初めて知る用語には学びがあり、ベトナム戦争を改めて捉え直す機会でもあった。けれどそれら以上に圧倒的な印象として、精神科医でいながら医療に対する疑問を吐露し、医療の限界をも告白する場面。そして専門家である著者自身も傷付きうるひとりの人間だという当然への言及。/最後、傷を愛せるかという自問に著者の想いが繰り返される。⇒
@nk
2025/11/09 23:55

自分でも他者でもあるかのような主体のあわいから、祈るような2行が添えられる。そうして閉じられた本書は、広大な彼方に開かれてゆくように終わった。途轍もない1冊だった。(『傷のあわい』から続けて読了)

が「ナイス!」と言っています。

2025年11月の感想・レビュー一覧
4

@nk
旺文社文庫にて1974(S47)年に編まれた6作(和解/清兵衛と瓢箪/城の崎にて/小僧の神様/ 焚火/濠端の住まい)。やはり『和解』の感想になってしまうが、死と生の対比描写は目に焼き付くほどで、父への手紙を書きあぐねる逡巡と葛藤の心情描写も圧巻だった。ついに父と対峙するクライマックスはあまりにも鮮烈で、和解がなされた直後、母の束髪に口をぶつける感触が読み手の私の口元に生じたような錯覚さえ。/Mこと武者小路実篤の「ファザーは相変わらず頑固だネ」、解説に書かれた著者のいう「自分にあるものを mine する」
@nk
2025/11/25 20:05

などに若干くすぐられつつも、志賀直哉は哲学の人だと思った。/俗世から距離を置き、読むか書くかして自分の内にあるものを掘り起こす。そんなのは裕福だったからこそだろうという読み手の邪推を干上がらせるほどの圧倒的な眼力からくる筆力。小林秀雄が「見ようとはしないで見ている眼」と評したのには頷くしかない。/末の豊富な解説、かかわりのあった人たちのエピソード、代表作のこと、そして年譜も添えられていて、志賀直哉という人となりを時代背景とともに知ることができる、読み応えのある1冊だった。

山下奈绪
2025/12/09 22:04

この本は、細やかな描写を通して、家族や親子の絆、人生の複雑な感情を描いています。物語は温かく、深みがあり、人と人との微妙でリアルなつながりを感じさせてくれて、とても心に響きます。読み終えると、生活や親子の関係について改めて考えさせられます

が「ナイス!」と言っています。
@nk
大橋鎭子の自伝的エッセイを読んだのが1年半ほど前。花森安治が特集された別冊も読んだ(レビューは未)。隔月刊を定期購読するほどではないものの、いつも執筆陣が気になっている。そんな『暮しの手帖』の読書案内を見かけ、迷わず買った書店の店主は[目利きの本屋さん]に登場していたりもする。数年おきに本特集的な雑誌を手しているが、まず読みものとしていちばん心地よい。紹介されている人たちの、その人自体の書く文章がよすぎて、案内された本の前にあなたの著書を読んでみたいとさえ思うほど。暮しの手帖社のやっているショップの品々⇒
@nk
2025/11/16 01:06

も買い揃えたいものばかり。/次に手に取る1冊を決めかねている時の拠り所だなぁと思いつつ、読みたい本が増えすぎてそんな時はしばらくやってこない気がする。最高の1冊だった。

が「ナイス!」と言っています。
@nk
これまで感銘を受けた本の核心が幾つも散りばめられているようだった(たとえば「そこにいるだけでいい(p15)」や「未来を捕捉する言葉が必要(p60)」)。“感情労働”や“儀礼的無関心”など、初めて知る用語には学びがあり、ベトナム戦争を改めて捉え直す機会でもあった。けれどそれら以上に圧倒的な印象として、精神科医でいながら医療に対する疑問を吐露し、医療の限界をも告白する場面。そして専門家である著者自身も傷付きうるひとりの人間だという当然への言及。/最後、傷を愛せるかという自問に著者の想いが繰り返される。⇒
@nk
2025/11/09 23:55

自分でも他者でもあるかのような主体のあわいから、祈るような2行が添えられる。そうして閉じられた本書は、広大な彼方に開かれてゆくように終わった。途轍もない1冊だった。(『傷のあわい』から続けて読了)

が「ナイス!」と言っています。
@nk
精神科医である宮地尚子。彼女の初の単著として2002年2月に出版され、 ちくま文庫から改題を経て2025年4月に出たのが本書。/1990年前後のボストンに住む日本人。彼ら彼女らの個人的な話が医療人類学の見方から(プライバシー保護の観点で脚色を混じえつつ)綴られていたのは、「渡米」という言葉の輝かしい響きに埋もれがちな苦悩。とはいえ、夢を掴むためにアメリカへ、仕事での海外異動、渡米して生活を心機一転…などには無縁の私からすれば、そんな人たちにも色々あるんだね、という軽い印象を受けながら読みはじめた。⇒
@nk
2025/11/02 20:19

世間体を思って留学へ出される富裕層の学生が一定数いる、という事実なんかには へぇー と声に出して驚いてみたり。/けれど中盤以降、PTSDや領事館の邦人援護、人種や民族への偏見、そしてパレスチナのことを読むにつれ、めくるページに重みが帯びる。個人的な話の背景にある国籍や国家、偏見、生と死の普遍性。我が身を省みては、知らずにいたことの多さに衝撃を受け、もう声を出して驚く余裕なんてなくなっていた。/「手紙」というのが本書のキーワードの1つだろう。届かなかった手紙もあれば、6年越しに返事のあった手紙もある。⇒

@nk
2025/11/02 20:19

紙におとした言葉が放たれ、時差の波のうねりに漂う。その意味では、決して抗えない自然の摂理をも感じさせるものがあった。/著者の原点であるという本書を読み終えたからには、もはや『傷を愛せるか』を手に取るしかなさそうだ。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2017/02/05(3231日経過)
記録初日
2016/10/01(3358日経過)
読んだ本
440冊(1日平均0.13冊)
読んだページ
118640ページ(1日平均35ページ)
感想・レビュー
431件(投稿率98.0%)
本棚
12棚
性別
年齢
44歳
職業
専門職
現住所
大阪府
外部サイト
自己紹介

記録のために読書メーターを始めて約8年。
たくさんの本と出会うことができました。
そんな出会いのひとつ、宮下奈都 著「神さまたちの遊ぶ庭」を読み、
自然豊かな暮らしに憧れたのが2019/1月。
そして2022/4月からの1年間、家族で鹿児島の離島暮らし。
(2023/4月に大阪へもどる)

時間があれば大体とりあえず本屋へ。
本に呼ばれるというのは、本の声を聞き取れること。
いつも本はそっと話しかけてくれている。
なんて最近そう思ったりしています。

登録やコメント等は、どうぞお気軽に。

2024Ranking
https://bookmeter.com/users/743009/bookcases/12087053

2023Ranking
https://bookmeter.com/users/743009/bookcases/11979748
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※2025/1/14更新

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