
などに若干くすぐられつつも、志賀直哉は哲学の人だと思った。/俗世から距離を置き、読むか書くかして自分の内にあるものを掘り起こす。そんなのは裕福だったからこそだろうという読み手の邪推を干上がらせるほどの圧倒的な眼力からくる筆力。小林秀雄が「見ようとはしないで見ている眼」と評したのには頷くしかない。/末の豊富な解説、かかわりのあった人たちのエピソード、代表作のこと、そして年譜も添えられていて、志賀直哉という人となりを時代背景とともに知ることができる、読み応えのある1冊だった。
この本は、細やかな描写を通して、家族や親子の絆、人生の複雑な感情を描いています。物語は温かく、深みがあり、人と人との微妙でリアルなつながりを感じさせてくれて、とても心に響きます。読み終えると、生活や親子の関係について改めて考えさせられます
も買い揃えたいものばかり。/次に手に取る1冊を決めかねている時の拠り所だなぁと思いつつ、読みたい本が増えすぎてそんな時はしばらくやってこない気がする。最高の1冊だった。
自分でも他者でもあるかのような主体のあわいから、祈るような2行が添えられる。そうして閉じられた本書は、広大な彼方に開かれてゆくように終わった。途轍もない1冊だった。(『傷のあわい』から続けて読了)
世間体を思って留学へ出される富裕層の学生が一定数いる、という事実なんかには へぇー と声に出して驚いてみたり。/けれど中盤以降、PTSDや領事館の邦人援護、人種や民族への偏見、そしてパレスチナのことを読むにつれ、めくるページに重みが帯びる。個人的な話の背景にある国籍や国家、偏見、生と死の普遍性。我が身を省みては、知らずにいたことの多さに衝撃を受け、もう声を出して驚く余裕なんてなくなっていた。/「手紙」というのが本書のキーワードの1つだろう。届かなかった手紙もあれば、6年越しに返事のあった手紙もある。⇒
紙におとした言葉が放たれ、時差の波のうねりに漂う。その意味では、決して抗えない自然の摂理をも感じさせるものがあった。/著者の原点であるという本書を読み終えたからには、もはや『傷を愛せるか』を手に取るしかなさそうだ。
記録のために読書メーターを始めて約8年。
たくさんの本と出会うことができました。
そんな出会いのひとつ、宮下奈都 著「神さまたちの遊ぶ庭」を読み、
自然豊かな暮らしに憧れたのが2019/1月。
そして2022/4月からの1年間、家族で鹿児島の離島暮らし。
(2023/4月に大阪へもどる)
時間があれば大体とりあえず本屋へ。
本に呼ばれるというのは、本の声を聞き取れること。
いつも本はそっと話しかけてくれている。
なんて最近そう思ったりしています。
登録やコメント等は、どうぞお気軽に。
2024Ranking
https://bookmeter.com/users/743009/bookcases/12087053
2023Ranking
https://bookmeter.com/users/743009/bookcases/11979748
2022Ranking
https://bookmeter.com/users/743009/bookcases/11886358
2021Ranking
https://bookmeter.com/users/743009/bookcases/11777790
2020Ranking
https://bookmeter.com/users/743009/bookcases/11644941
2019Ranking
https://bookmeter.com/users/743009/bookcases/11505313
〜2018Ranking
https://bookmeter.com/users/743009/bookcases/11368401
------
※2025/1/14更新
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます
自分でも他者でもあるかのような主体のあわいから、祈るような2行が添えられる。そうして閉じられた本書は、広大な彼方に開かれてゆくように終わった。途轍もない1冊だった。(『傷のあわい』から続けて読了)