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2024年3月の読書メーターまとめ

のれん
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577ナイス

2024年3月に読んだ本
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2024年3月のお気に入られ登録
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2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

のれん
ネタバレ確かに八犬伝の文字は世界観から浮いていたけども……これはこの作者のファンであるほど衝撃ではなかろうか。ボーイミーツガールを直球で走りつつ、国家戦争という政治に拘りがあった作者の新境地。 時代の変わり目にはやはり裏切り者と悪女は必要というものだが悪の源泉も愛というのがこの作者らしい。むしろ主役らも驕りがあり、悪意があり、差別があったというのが面白い。そういった善悪の二面性を肯定しながら、そのために人を傷つけるのではなく、伏せた姫を守った犬神こそ今作のテーマに直結している。戦記とはこうでなくては。
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2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

のれん

2月はなんといっても『ダンジョン飯』ひいては作者の九井涼子氏の出会いに感謝をささげたい。こんな少女漫画と博物学・神話学からのファンタジーへの美しき融和に感動を覚えたのは萩尾望都氏以来かもしれない。 幻想好きとして出会いに感謝。2024年2月の読書メーター 読んだ本の数:48冊 読んだページ数:12690ページ ナイス数:976ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/743521/summary/monthly/2024/2

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2024年3月の感想・レビュー一覧
25

のれん
ネタバレコントを文章だけで笑わせると思うと、間の取り方やトーンもあるので、中々難しい。 落語とかと同じ二人組の情熱ある青春物語として描写した本作の選択は正解だったろう。素人がネタ用意しても文章だけで笑わせるのはムズイしね。しかも舞台が京都で鴨川挟んで発声練習とか映える情景だったのもGood。あとは盆地特有の暑苦しさとか描写したらもっと良かったなぁ(笑) 物語は恋心で動く男がお笑いに感化され、挫折を経験して確かな栄光を掴むというオーソドックスな展開。毒も皮肉もない熱い青春。(1/2)
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のれん
ネタバレ筋トレ関連は数字を見ると割とリアルに凄いレベルで、作者の興味が分かる。しかしうんちく話どころか、詳しい描写も省き、テーマであるギャル少女のラブコメに注視したのは取捨選択の賜物だろう。 個人的には二人のキャラ付けを掘っていってほしかったが、純情なマッチョとギャルだけでもう十分ということだろう。全体的に甘く、軽いサクサク感が魅力的。
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のれん
ネタバレ驚きの新事実しか上がってこない怒涛の展開。 黒幕の設定は最初から考えていたとは考えづらいが上手く繋げた感想。親子の絶縁話は福祉系としては避けては通れないのでねちっこくやるのと思いきや、アッサリ終わった。アリエルも独立するのかと思ったが、作者としては孤独を救う寄り添いを優先したということかもしれない。 展開も最後まで斜め上で、表紙もネタバレせずに上手く表現している。中々ギャップが多い作品だったが、作者のメッセージ性の重さが感じられた。できれば今作だけで終わらず、次回作にも重いテーマを込めていただきたい。
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のれん
ネタバレ架空史として最高の自然な説明が素晴らしい。飛行船が戦前の日本の田舎に墜落した「事実」を境界におかしい史実が入り込んでいく。 フロッピーディスクで動く個人Windowsと、量子コンピューターがつながるってのもガジェットの立場が逆で面白い。 終盤は青春ものとしてこれ以上ない締めだが、ヒロインの心情が覚悟決まりすぎてる。作者のあとがきが衝撃だったのもあり、疑問を感じるより、作者の外的状況にリンクしているように思えてしまった。故郷と家族にあてた里帰りの手紙。この小説の根幹はまさに私小説であったのだ。
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のれん
ネタバレ作者は米国出身で、英国で作家として大成したらしいが、個人的には米国SFの香りを感じた。なんといってもかの国の皮肉は現実的で直球で壮大なのだ。 その「現実的」な思考はなんと差別的なことか。白人に倣って黒人がアジア人が手に入れてきた人権とは、さらに弱い者を奴隷にしようとする。 人権を持つ者は即ち支配欲と性欲を持つ者だ。下等なものがそれを持つことは嗤われるだろうが、それを恥辱と感じ、復讐して初めて人権は手に入れられる。 ロボットは西欧哲学においてクジラと同じ、いつか人権が広がる種族であり、(1/2)
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のれん
ネタバレロマンティックな寓話でありながら、同時にとても現代風刺の見方もできる。 ロボットの討論だけを好む集団思考はSNSの好意的解釈にとれるし、そんな無駄で幸せな議論を続けられる理由として視覚を奪われる、矛盾の命題を与えられるというのが意外としっくりくる。彼らは与えられた仕事を黙々とこなすリーマンであり、仕事に茶々を入れるパーソナリティを娯楽にするリスナーである。 大統領もロボットもマリアベルも結局誰一人ゴールにたどり着けず、大半はその道程すら掴むことはなかった。むしろ敵の「アイザック」が(1/3)
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のれん
ネタバレ【困惑】 とてもタイトル通りなのでこんな感想を抱くのは恥ずかしいが、軍上層部を小馬鹿にする主人公がなぜこんな軍務に拘っているのか疑問。彼の出生(過去の偉人が転生した?)に秘密があるようだが、その秘密と関係するキャラも出てこないので推測の域を出ない。 無能描写が目立つモスピッツァ上司のやりとりは最早コントで(挿絵が一番力入ってて笑った)、そんな小物の蹂躙を若干楽しんでる主人公の行動が心情と嚙み合っていない。 あと主人公が腐敗する帝国に対してのスタンスが受け身。本当に成り上がるだけで終わったら凄いけど……
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のれん
ネタバレ喪失を回復する王道ファンタジー。心が壊れてしまった戦争帰りの男と、喪失する機会を与えられなかった少女。 特にイルミナの慈しみの源泉が悲しい。機会がないものは泣くことさえできない。失った眼窩はその象徴か。 魔術の設定はシンプルだが、20世紀前半の科学と組み合ったイギリスモチーフ世界観は雰囲気がある。 展開も小出しにしつつ上手くかみ合っているが、ただ一つ時系列が分かりにくかった。インパクトあるシーンを冒頭に入れるのは構わないが、時系列の説明する1文を入れてほしい。 本当に珍しい丁寧な王道なので続いてほしい所。
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のれん
ネタバレ個人的に百合とは「同性愛以外に障害がある恋愛」だと思っている。その多くは思春期の青春なわけだが、今作ではかなり凝った関係が描かれている。 インパクトがあるのは傍観視点で見る世界と戦う百合がタイトルになっている「恋澤姉妹」だが、「馬鹿者の恋」「百合である値打ちもない」の他者(世間)からの目線によって自分が変えられていく脆くて切ない心情が印象的。 しかし「九百十七円は高すぎる」の共有する推しの言動を推理するという展開はある意味一番衝撃。偶像への疑似恋愛を通して目の前の愛を語る。百合は不健全で美しい。
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のれん
ネタバレ猥褻物の閲覧全てを禁じる我が国では、白塗・黒塗・モザイクという秘術を用いて、諸外国をはるかに抜きんでた性描写を表現した。 しかしどこまでいっても秘部は隠されたままであり、愚かな男はその中をあーだーこーだと想像するだけ。 今作はそういった陰部描写に拘りがある一作。視覚的な匂いの過剰描写、肉厚な絵柄、インフレした女体表現。21世紀日本にしかない作品がここにある。 ……しかし言っては何だが、こうしてみると徐々に私の感性は縄文時代の土偶に回帰しているように思える。人間の感性も周回巡りというわけか(笑)
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のれん
ネタバレミステリーではないと一丁前に否定構文を使うあたり、中々にフォーマットとしてミステリサスペンスがハマっている。 ドスケベ単語が踊っているものの、誰が犯人なのかミスリードが複数あって楽しめた。 今作はメインヒロインが一番恋愛から遠く、サブヒロインたちの恋愛ミステリが童話に例えられ、フォーカスされているのが面白い。 ドスケベ催眠術師を「泣いた赤鬼」とするなら、果たして今作において真に深刻な被害を受けた青鬼はいただろうか。世間の目線は大事だが、そうでなくたって幸せであると実感することはできるのだ。(1/2)
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のれん
ネタバレ2020年代前半において、最も盛り上がった(主観)ボカロの一つを題材にしたコミカライズ。 曲の歌詞の時点で、自己中でメンヘラ気質な現代ヴァンパイア少女による若い破滅の恋を連想させる。ポップな廃退さ、キャッチーなディストピア、茶化した滅びの美学。 そういったイメージを持った作品の物語化だっただけに肩透かしな面は否めない。特に今作はシリーズ化を見越していて、ニーナ・デコ(作曲家名をそのまま使っているのも狙いすぎな面がある)というヴァンパイアの秘密と音楽を掛け合わせた青春小説となっている。(1/2)
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のれん
ネタバレ同時発売していた2巻。 原作1巻までやりきると思いきやテレサリサのぐらぐらと揺れる魔女像を解明しないまま、気になる引き。 確かに原作1巻でも終盤で点が線になっていたが、これはむず痒いものがある。キャラ的に立っているのもパドと物語開始前から故人である王の娘であるスノーホワイトというメインじゃないところも、ミステリチックなこの作品の難しさ。 次回から爆発することを考えると、もう少し巻きでも良かったのでは、と思うのは素人考えだろうか。
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のれん
ネタバレグリム童話型のダークファンタジーのコミカライズ。 正直、原作のイラストレーターの色彩と比較するとやはり幾分か迫力は劣る(特にあの瞳は中々真似できるものではないが)。 しかし、主人公ではなく先にパドみたいに世界観と物語をグイグイ動かしていくキャラを明快に打ち出す原作の良さはそのまま。 今作において魔女ら(と猟犬)は中々に辛気臭いので、こういった清涼剤となるキャラが多く出ている1巻は楽しい。 アクションもコマ割が基本形で読みやすい。てかロロの剣、間合いズラすぐらいと思ってたが、まんま蛇腹剣とか蛇尾丸で笑った
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のれん
ネタバレ絵柄というのは不思議だ。今作の頭身は低く、ゆるいコメディでもできそうな雰囲気。 しかし、ここにザラついたタッチを入れて、原作に忠実なモノローグと台詞を入れれば、立派なWW1兵士物語に激変する。 戦争ものに必要なのは血と臓物ではない。理不尽への慣れと規律への恐怖、消失する人間性にある。 原作の歴史視点はない他、隊長の英雄的側面が比較的多く描かれており、画として映えるよう再構成されているのは良きコミカライズといえるのではないだろうか。次巻でやってくる死への恐怖と郷愁にも十分こたえてくれるだろう。
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のれん
ネタバレ水星の魔女に限らずガンダムは戦争をする子供を取り扱うが、やはりZ以降必ず出てくるのは強化人間の物語だ。 ガンダムとパイロットの制限距離を設けるというのは面白い設定で、そのまま彼女たちの戦争への距離感に繋がっている。あらゆる暴力と犯罪すらも周囲にあれば遊んでしまう。これを狂気といわずなんというのか。 この作品の強化人間見てるとプルってまともだったのかなぁと思ってしまう。眼光が光りすぎていて逆に怖い。漫画の迫力を改めて感じる。
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のれん
ネタバレ少女たちのハイライトが失せる迫力を多用しすぎて、顔芸一歩手前まで行ってしまっている。またフリが多く、それがすぐに消化されてしまうので(原作の構成に寄っているからこそだが)、あまり驚く前に展開が来てしまうのは残念。 しかしラスボスの彩禍のデザインはとても良い。病んでるだなぁって分かる雰囲気と白黒背景の対比は、結構背景が薄い今作だから映える演出。 次巻で1巻終盤だけは薄いと思うが、どっと盛り上げがくるかもしれないので期待。
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のれん
ネタバレ付き合ってからの行動は非常に男女どころか個人ごとに意見が分かれると思う。 別になにか変化があるわけではないけれど、関係が変わったとお互いが認識している以上、どこかアクションを起こさないといけない気がする。しかし相手がどう思うか。 キッパリ言ったら傷つけそうだし……とウジウジ悩むその姿勢。大人にはない思いやりだ。大人は傷ついても隠しちゃうから、こういう一歩を踏み込ませるのが大変難しい。 先輩とはいえ女子として踏み込ませた千夏さんは流石。ハグで喜んでる大喜の方が最早可愛い。
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のれん
ネタバレザ・芸人みたいなちょう朝は新鮮。 この漫画は青年風というか、いい意味で打算をもって芸風というものをそれぞれ演じてるって人が多かったので、性根からキャラになれるってのがあんまいなかった。 実際芸能界では、こういう肌で演じる「似せぬ位」は朱音の武器だし、彼女に合った師匠といえるだろう。 しかし父は今作にとって悩み深いテーマだ。超えたとも言えるし、失うとは言いたくない。なんとも不思議な背中。 今作の父娘の物語の終着点が一切分からない。早く再会してほしいなぁ。
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のれん
ネタバレ桐島は可哀そうな女の子に瞬間瞬間惚れるヤツだと思っていた。しかし、それは高校の間だけだったようだ。大学生を大人かどうかはともかくとして、自分に尽くし嫉妬する程度では惚れなくなるぐらいには彼のクズ度は成長した。 自分のために泣きながら身を引いて、それでも未練がましい目を向けながら、倫理で自ら傷つく。コイツが惚れた女はもっともっと可哀そうなのだから。 今回の主役は遠野、早坂以上に浜波。だって桐島のすべてを知って、すべてを慮ってるんだぞ。コイツが自分の心を隠してたら一番可哀そうだろ。この作者ならやりかねない。
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のれん
ネタバレ三雲岳斗氏を想起させる文章と思ったら、本人が解説していた。やはり気に入る文章だったのだろう。主人公・ヒロインのカッコよさを示すキメの構図に拘った装飾単語が印象的。 そして無遠慮で人心がなかった少女が、オリジナルと分けられた上で、人心を獲得する物語がもう……型月というか上遠野浩平というか00年代でいいなぁと。 ただ解説でもいう通り、能力の概念が欠点。ジョジョ理論でキャラのドラマの整合性があっていれば良いが、アーカイブの運命論以外はちょっとぼんやり。もっと理論風の熱さを込めれば化けるかもしれない一作。
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のれん
ネタバレ前巻からディストピア描写は苛烈だったが、今回の脱獄展開はそれ以上だった。粛清レベルの苛烈な統制と並行して、欲望にあらがえず権力者側がグレーな立ち位置で違法物生産を許すってところが、腐敗真っ只中の80年代ソ連すら想起させる。 結局、ドラマ的にはハッピーエンドだが、勢力図も世界観の動きもまったくなかった。 唯一ヒロインの心情だけは脱獄した後のめっちゃ好き好き感出すのは、ここまでブラック世界だと違和感。世界観設定とキャラの掛け合いの温度差が個人的に気になってしまう作品だった。
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のれん
どこで文を区切るかは自由に決められるのは日本語最大の特徴だ。美しい、読みやすい文章として挙げられるのは複数あり、日本では正しい文法区切りが存在しない。 音、意味、前後の単語……様々な区切り方はそのままその書き手の主題に繋がる。なんと自由で書きにくい文章だろうか。 その日本語に対する著者の愛おしさが怒りへと転化しているのが後半にある「論理国語」を導入した現在の大学受験共通テスト。我々は言葉以上の世界を作るために言葉を書く。正しい文法を作りたかったら、まず日本のシェイクスピアでも作ることから始めなきゃな(笑)
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のれん
ネタバレ私にとって三島由紀夫はニーチェに並んで「青年学士なら一度はかぶれてみたい」と勇んで結局ノリきれなかった人物。しかし、彼の奇怪なほどまで端正な文章は好きだった。省略と入れ替えが真骨頂の日本語において、これほどまでにフォーマットに落とし込んだ文節はない。 さらに今作のようなエッセイ(思想)だと、ちょっと洒落を入れ込んだ英文学みたいな形式ばった文節が重なり、理性を剥がしたような本音がこれでもかと叫ばれている。(1/3)
が「ナイス!」と言っています。
のれん
ネタバレ確かに八犬伝の文字は世界観から浮いていたけども……これはこの作者のファンであるほど衝撃ではなかろうか。ボーイミーツガールを直球で走りつつ、国家戦争という政治に拘りがあった作者の新境地。 時代の変わり目にはやはり裏切り者と悪女は必要というものだが悪の源泉も愛というのがこの作者らしい。むしろ主役らも驕りがあり、悪意があり、差別があったというのが面白い。そういった善悪の二面性を肯定しながら、そのために人を傷つけるのではなく、伏せた姫を守った犬神こそ今作のテーマに直結している。戦記とはこうでなくては。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2017/02/06(2637日経過)
記録初日
2017/02/06(2637日経過)
読んだ本
2508冊(1日平均0.95冊)
読んだページ
714833ページ(1日平均271ページ)
感想・レビュー
2416件(投稿率96.3%)
本棚
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性別
自己紹介

静かにゆっくりラノベやら娯楽小説を読むのをモットーとしております。

たまに変な方向に走ることもあるけれど、大抵趣味だから仕方ない

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