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2024年1月の読書メーターまとめ

Inzaghico
読んだ本
15
読んだページ
2816ページ
感想・レビュー
14
ナイス
188ナイス

2024年1月に読んだ本
15

2024年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

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タイトルに重大なヒントが隠されていて、読み進めていくうちに「ああ、そういうことか!」と得心がいく。帯の神田伯山の「大切なひとを命懸けで守ることが『忠義』ならこのあだ討ちは、間違いなく本物だ」が本書の核心を突いている。菊之助の人となりが浮き彫りになると同時に菊之助の世話を焼いていた人々の人となりと来し方も浮かび上がる。みなそれぞれ過去があるが、それを恨むでもなく日々生きている。衣装係兼女形の二代目芳澤ほたるの章が味わい深い。芝居小屋にたどり着く前の隠亡との暮らしが、その後のほたるに与えた影響の大きさを思う。
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2024年1月にナイスが最も多かったつぶやき

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2023年12月の読書メーター 読んだ本の数:11冊 読んだページ数:3223ページ ナイス数:109ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/793867/summary/monthly/2023/12

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2024年1月の感想・レビュー一覧
14

Inzaghico
東日本大震災当日は帰宅できず、作家の桜庭一樹の自宅に泊めてもらったという。小出は、一緒に泊めてもらった同僚と一緒に、翌日、廊下で雪崩が発生して崩れた本を積み直したという。 著名な賞の受賞作や候補作の発注の裏話には驚いた。が、やはり大手だし、時代もあるのだろう、ほぼ問題なく入荷できてた。最近、大阪の書店のコミック入荷の苦労話(と一言で片付けてはいけないだろうけれど)、あれこれ考えている。お客があらかじめ予約入れておけばいいじゃないか、という考え方もあるかもしれないけれど、そうじゃないんだよな。
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主人公はできるだけ淡々と、平々凡々に仕事がしたいと思って仕事探しをする。紹介された仕事も「へ?」というものが多いのだが、次第に主人公も馴染み、コツを覚え、続けられるかと思いきや、外圧や変化に揺さぶられる。 「だいたい何をしていたって、何が起こるかなんてわからないってことは、短い期間に五つも仕事を転々としてよくわかった。ただ祈り、全力を尽くすだけだ。どうかうまくいきますように」。このメッセージが働いている人、これから働く人だけでなく、日々生きているすべての人に届きますように。
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追悼・池央耿氏。大好きな翻訳者だった。一言で言えば、池さんの文章と相性がよかった。これに尽きる。リズムや言葉の選び方が、まさに好みだったのだ。このエッセイを読んで、文章が好みなのは、日本の古典や演芸文化に通暁しているからだ、と得心がいった。落語の「蒟蒻問答」が出てくるは、土井晩翠が出てくるは、びっくりする。土井晩翠は『イーリアス』と『オデュッセイア』も訳していたとは(それも完訳)。 大好きなヘンリー(アシモフの「黒後家蜘蛛の会」シリーズの名探偵の給仕)にもページが割かれていて嬉しい。
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2002年の単行本にボーナストラックとして北村薫のインタビューを追加して、オリジナルのタイトルに三点リーダーをひとつ追加して(笑)文庫化。 これだけジャンルが違うインタビューイーが集まっているのに、それらを貫くものが抜群に面白い。それは、小森もあとから気づいたというが、「欧米の文化の影響下で発想することの実際」だ。 北村薫が熱弁を振るっているイーディス・ウォートンの「ローマ熱」が俄然読みたくなった。ググったらオリジナルのPDFがあったのでダウンロードした。こういうときにネットの力に深く感謝する。
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1960年代末、「東京の日本橋では白木屋と三越の間だってタクシーに乗る」有吉が、3日かけてニューギニアのジャングルを歩いて、友人の人類学者、畑中幸子が拠点としているヨリアピに到着する部分から引き込まれる。立派な装備も役に立たず、最後は気力だけが残り、その気力も尽きるとネイティヴに豚の丸焼きのような格好で運んでもらう。イラストを見て思わず吹き出した。 最後は有吉がニューギニアでもらってきたマラリアで終わる。人によっては命を落とす病気だが、天が味方して無事回復して、この愉快な文化誌を書けたのは喜ばしい。
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タイトルに重大なヒントが隠されていて、読み進めていくうちに「ああ、そういうことか!」と得心がいく。帯の神田伯山の「大切なひとを命懸けで守ることが『忠義』ならこのあだ討ちは、間違いなく本物だ」が本書の核心を突いている。菊之助の人となりが浮き彫りになると同時に菊之助の世話を焼いていた人々の人となりと来し方も浮かび上がる。みなそれぞれ過去があるが、それを恨むでもなく日々生きている。衣装係兼女形の二代目芳澤ほたるの章が味わい深い。芝居小屋にたどり着く前の隠亡との暮らしが、その後のほたるに与えた影響の大きさを思う。
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谷川俊太郎との対談で、谷川が佐野洋子について語っている部分がいい。佐野から「情が薄い」と言われたというが、わかるような気がする。だけど、結婚という制度は信じていた(から何度も結婚した)というのが、人間の面白さだ。 甲本ヒロト(我々世代は「リンダリンダリンダ」とか「TRAIN-TRAIN」だろうか、やっぱり。わたしでもサビは歌える)は、ロックは歌ではなくて人生のスタイル、以外のことは何も言っていないが、それでもロックとはなんぞやがわかるのが、やっぱりすごい人。
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カレーというのがイギリスがもちこんだ概念だということに、蒙を啓かれた。プラオとビリヤニの違い、チキンティカ・マサラはイギリス発祥、バターチキンは最近生まれたカレーなど。インド料理を俯瞰的に見られ、一般読者に視点を合わせて説明している。 日本のレストラン紹介も充実している。ジャイナ教レストランが御徒町にあるとは。また、日本にカレーを紹介した初期のレストラン三巨頭は、中村屋、ナイル、アジャンタだという。初代のナイル店主が料理ができず、日本人の妻が料理を担っていた、というのは知らなかった。
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シリーズ最新作にて初の前後編。6年ぶりに黒猫探偵が戻ってきた。そしてこれがきっかけで全作揃えて年末年始を過ごすことができた。 セントラルパーク、地下鉄、コニー・アイランド、そしてクロイスターズまで出てきて感無量。最後に壊れた橋はジョージ・ワシントン・ブリッジかブルックリン・ブリッジか、はたまた別の橋か。 栄枯盛衰なんてたかが一瞬のこと、諸行無常ということが、フランスのアーティストによってニューヨークを舞台にして描かれた。シリーズはこれで完結なんだろうか。はてさて。
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黒猫探偵シリーズ第5作。 冷戦期のアメリカ各地が舞台になっている。今回はルート66。アメリカといえばルート66である。 売れない作家ってこうだよねえ、と思わせる人物造形だ。金持ちだけど幸せではない家庭から飛び出してきた娘。さまざまな境遇や過去をもつ人を受け入れる場所がサーカスだった。そういえば、昔は子どもに「悪いことをするとサーカスに入れるよ!」と言う親がいた。もうちょっと時代が下るとサーカスが吉本興業になる(笑)。 こちらも最後の最後でダンディズム。かっこいいなあ。ジョンの妹も登場する。家族いたんだ。
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黒猫探偵シリーズ第4作。冷戦期のアメリカという設定は変わらず、今回のテーマはジャズでニューオーリンズが舞台。 今も昔もジャズミュージシャンは食えない職業というのが相場だが、当時はもっとそうだった。そして、金が絡む話が必ず出てくる。貧乏じゃないジャズミュージシャンは、逆に魅力がない気がしないでもない(笑)。 今回はクライマックスにやられた。最期の力を振り絞って演奏で悪を告発するピアニストにやられた。こういのをダンディズムっていうんですよ。 第5作へ。
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映画『オッペンハイマー』が日本でも公開されることになったが、そんなタイミングで本書を手に取った自分を褒めたい(笑)。原水爆を開発したオットー・リーバーというフクロウに大学時代に束の間教わっていた黒猫探偵のジョン。そこにかっこうだけフィランソロピストや左翼の絵描きが絡み、ジョンも否応なしに見えない大きなものに巻き込まれてゆく。平和のためにと思ったものが、人間の手によって簡単に悪用される。また、その平和のためにと思ったものが、人間に手に負えなくなるのも一瞬のことだ。
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今回も時代は1950年代で、人種差別激しい大都会の郊外が舞台だ。ビリー・ホリデーの名歌「奇妙な果実」を踏襲し、描いている。白色至上主義を動物で描くというアイデアに感心した。そもそも、アメリカを舞台にしようとしたところが不思議。今回は第1作よりさらに重い題材だ。動物のなかにも存在する階層が、人間のそれににうまく取り込まれている。そこにpassingなども取り込まれ、アメリカの「地べた」(ブレイディ流に言えば)の歴史の一コマが見事に再現されている。おまけの短編「天に唾を吐く」も、2ページなのにずしんと響く。
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Inzaghico
舞台は1950年代のNYCで、なぜか登場人物が全部動物だ。とはいえ、帯に「人間とはすなわちケダモノである」とある。ブラウンストーンにも、バーにも、通りにもいろいろな動物がよりどりみどり。人間が生きている場所は、無法地帯のサファリということなんだろうか。とはいえ、動物なのは頭だけで、首から下は人間だ。黒猫探偵ジョンは、伝統的な探偵の服装(トレンチコート)だし、愛した女性のナタリアはセクシーボディ。用心棒、社会の裏側で暮らすものは、それらしい体つきだ。第二作へ。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2017/09/23(2470日経過)
記録初日
2017/09/23(2470日経過)
読んだ本
894冊(1日平均0.36冊)
読んだページ
270926ページ(1日平均109ページ)
感想・レビュー
856件(投稿率95.7%)
本棚
2棚
性別
血液型
A型
外部サイト
自己紹介

好きなものを好きなように読んでいます。

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