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2024年9月の読書メーターまとめ

Inzaghico (Etsuko Oshita)
読んだ本
9
読んだページ
3038ページ
感想・レビュー
8
ナイス
136ナイス

2024年9月に読んだ本
9

2024年9月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Inzaghico (Etsuko Oshita)
父の親友の息子に嫁いだ千代と、その家を仕切る「女中頭」の初衣、そして女中のお芳が加わった最強トリオがこの物語の要であり、華だな、としみじみ。幾年を経ても、立場が変わっても、この3人はいざというときに困ったメンバーに手を差しのべる。押しつけがましくもなく、困ったときはお互いさま、受けた恩に報いたい、という感情が底辺にあり、まったく私心がないので気持ちよい。そして、助けられたほうも、助けてもらって当たり前という態度ではないのが、これまたよい。
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2024年9月にナイスが最も多かったつぶやき

Inzaghico (Etsuko Oshita)

2024年7月の読書メーター 読んだ本の数:6冊 読んだページ数:2000ページ ナイス数:117ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/793867/summary/monthly/2024/7

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2024年9月の感想・レビュー一覧
8

Inzaghico (Etsuko Oshita)
「あおい」でわたしが一番好きな登場人物は主人公の友人で書店に勤めるみいちゃんだ。ほかの登場人物同様、みいちゃんも大きな心の傷を負う経験をし、摂食障害になり、太った。性同一性障害でもあるが、主人公が妊娠して産婦人科に行ったとき、同行したみいちゃんが来ていたTシャツが前見頃はROCK、後ろ身頃はROLLというのがしびれた。そして最後の一文。この作品の真の主人公はみいちゃんだ(独断)。 「空心町深夜二時」は、男の子もドジなのがかっこいいし、女の子もくどくど言わないのがかっこいいな。
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Inzaghico (Etsuko Oshita)
語尾が敬体というのが時代を感じさせる。表題作の「盲目の目撃者」は、わたしにしては珍しく犯人の見当がついたが、主人公を助けてるんだか危機に陥れてるんだかわからない、場をひっかき回す緑川という登場人物がアクセントになっていて楽しい。最後の緑川の退場のしかたときたら(苦笑)。「山荘の殺人者」も、昭和のお金持ちの生活(別荘、射撃、ドレスを着た女性招待客など)が虚構感を際立てている。電話線が切断され、雪で孤立した山荘というまたとない設定で、消えた夫の無実を信じる妻……かつての土曜ワイド劇場にありそうなネタ。
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Inzaghico (Etsuko Oshita)
大沢在昌が帯で「昭和の神戸を舞台に、名探偵陶展文が活躍する本書は、まるでモノクロの名画を観ているかのように懐かしい」と推薦文を寄せているが、まさに。神戸の洋館の庭でパーティしたり、DP屋さん(写真を現像する店)が出てきたり。人間関係や男女関係にも温度と湿り気があった時代である。大岡裁きも登場する。暴力は暴力じゃないのか、と思うのだが(苦笑)。 こういう呑気な小説はもう読めないだろうな。収録作品に出てきた、くわいが入った幻の点心が食べたくてしかたがない。
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Inzaghico (Etsuko Oshita)
これ、第3巻まで出るはずだったんだけど、続巻どうなった?! 実在の事件をセイヤーズが分析した「ジュリア・ウォレス殺し」が読み応えがあった。ジュリア・ウォレスの殺人事件で夫が最有力容疑者となり、裁判員裁判で有罪を宣告されたが、その後、裁判官があえて評決をひっくり返したという曰くつきの事件だ。セイヤーズは本評論では白黒をはっきりさせていない(あとがきにあるように、夫は無罪と考えているのがうっすらわかる)。これ、真犯人はわかったんだろうか、それとも迷宮入りしたままなんだろうか。
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Inzaghico (Etsuko Oshita)
父の親友の息子に嫁いだ千代と、その家を仕切る「女中頭」の初衣、そして女中のお芳が加わった最強トリオがこの物語の要であり、華だな、としみじみ。幾年を経ても、立場が変わっても、この3人はいざというときに困ったメンバーに手を差しのべる。押しつけがましくもなく、困ったときはお互いさま、受けた恩に報いたい、という感情が底辺にあり、まったく私心がないので気持ちよい。そして、助けられたほうも、助けてもらって当たり前という態度ではないのが、これまたよい。
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Inzaghico (Etsuko Oshita)
本書では、立ち上がるときに「ヨイショ」の掛け声が欠かせない、とある。黒井がこれを書いた時点では、ヨイショは伴奏程度のもので、それが不可欠になる日が怖いとあるが、しみじみよくわかる。最近、とにかく低いところから立ち上がることが辛くなった。当然、座敷も辛いし正座も辛い。わたしの年齢でこれなのだから、わたしがヨイショ不可欠になるのは、きっとずいぶん早い段階だろうと思う。 「必要以上に若く元気でいたいとは思わない。かといって慌てて店仕舞いするつもりもない」という姿勢がいい。見習いたい。
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Inzaghico (Etsuko Oshita)
初刊は1917年、スウェーデンで出版された。日本では1963年に宇野がドイツ語版から翻訳したものが刊行された。宇野は東京帝国大学独文科卒業だが、ドイツ語からの翻訳はこれ一作だけだそう。 珍しく早い段階で犯人はわかったのだが、大正時代(!)のスウェーデンの風俗など楽しめた。この時代って、どの国も「博士」とか「技師」が登場するんだな。あと、仮面舞踏会もあったし、社交界の華もいた。 日記形式というのは、書き手が自分でいかようにも内容をコントロールできるので、どこまで読者が信じるかが難しい。
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Inzaghico (Etsuko Oshita)
日本人も本家イギリス人も、セイヤーズは後期の文学的香りが高い作品のほうが好まれるそうだが、ドタバタのファースこそがイギリス小説のエッセンスという話を聞いて、「そうだよそうだよ」と、ガンガンとヘッドバンギングした次第。イギリスの強みは自虐満載のダークなユーモアなのに、しかつめらしいのは肩が凝るではないか。本作もまさにドタバタドタバタで、最後に「え? それがオチ?」という、実にイギリスらしい作品。ピーター卿は本国で好き嫌いがかなり分かれるというが(軽薄すぎるというのが理由らしい)、わたしは好き。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2017/09/23(2648日経過)
記録初日
2017/09/23(2648日経過)
読んだ本
941冊(1日平均0.36冊)
読んだページ
285828ページ(1日平均107ページ)
感想・レビュー
899件(投稿率95.5%)
本棚
2棚
性別
血液型
A型
外部サイト
自己紹介

好きなものを好きなように読んでいます。

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