2024年10月の読書メーター 読んだ本の数:17冊 読んだページ数:5516ページ ナイス数:387ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/794442/summary/monthly/2024/10
以下、登場人物たちへの所感。 西條泰己:主人公/人間は出世欲の下僕という私見から逃れられない視野狭窄男。 真木一義:ライバル/どんな理由があっても患者に絶対助かる、と言う医者は信用できない。 雨宮香澄:秘書/社会に母の論理を持ち込む。“だから女性は”という言論を引き込む存在。 曾我部一夫:院長/“患者と向き合う”という行為をただ字義どおりにやった医師の行きつく先の見本のような存在。ある意味ではもっともリアリスト。
こういう作品の主人公の少女は 精神を女性の肉体から切り離したところで自立することが多いけれど、 この物語ではおさげを切り、セーラー服を脱ぎ捨て、 それでも女性の身体で自立しようとする。 マントという男性性に庇護は受けるけれど、 自立というものが、独りで立つというだけのものではないと教えてくれる。
どれだけ科学が発展しても隙間に怪談は発生する。 そういうガス抜きは必要なものだし、 日本人はそういうのは上手いイメージ。 それでも大分下手になってきているよな。 人生に怪談を。
日本人建築家の目線から日本の“建築”が語られて、少し解像度が上がった。日本全体が欧化の流れになる中で、日本人は歴史的裏付けのない大掛かりな建築を立て続けにしなければいけなかった。これは歪みを生まないわけはなく、むしろこの程度に収まったことは誇ることなのかもしれない。
特徴的な建築は目を引くし代名詞にもなるのかもしれない。でもそれを求められて似たものを繰り返し建てていけば、それはありふれたデザインになる。ときには陳腐にも。 自分にとっての“いい建築”は景色に調和して我を極力削った美しさと均整のあるもののことを指すのだと思った。
お気に入りの文を引用 ――入院とかそういうトラブルをきっかけに冷えた家族が和解するとか、仲違いした人間関係でもちゃんと腹を割って話し合えば童話的なハッピーエンドが訪れると信じているのだ。めでたしめでたし。そういう生産者はみんな機械化されてほしい。
読む本はほぼフィクション。
ライトノベル・ミステリー・時代小説が中心。
漫画は嗜む程度に。
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