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2025年10月の読書メーターまとめ

りつこ
読んだ本
16
読んだページ
5156ページ
感想・レビュー
16
ナイス
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2025年10月に読んだ本
16

2025年10月のお気に入り登録
6

  • ひっさん
  • はなこ
  • イツキ
  • くものすけ
  • ケイティ
  • 斉藤フィオナ

2025年10月のお気に入られ登録
8

  • ひっさん
  • はなこ
  • 文衛門
  • ☆よいこ
  • M H
  • くものすけ
  • 茜
  • 斉藤フィオナ

2025年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

りつこ
日本統治下の台湾に招待されて、とにかく現地の食を味わいたい内地人の作家・千鶴子と通訳として雇われた本島人千鶴の物語。千鶴子側の視点で描かれているので、千鶴の頑なさが謎めいて見えるのだが、最後まで読んで「それはそう…」と思ったのだった。どんなに心寄り添わせたつもりでも平等ではないしそれは「独り善がりな善意」になってしまう。親しくなりたい心通わせたい親友(あるいは恋人)になりたいと近づけば近づくほど、相手を踏みにじることになるというのはやるせない。台湾料理と景色の描写が素晴らしくて行ってみたくなる。
が「ナイス!」と言っています。

2025年10月にナイスが最も多かったつぶやき

りつこ

9月はなんといっても鈍器本「4321」「風に舞う塵のように」が凄かった。登場人物1人1人の人生を丁寧に描く作品が好きなのかも。「雲」「光を灯す男たち」「ロ・ギワンに会った」「地球の果ての温室で」も良かった。 2025年9月の読書メーター 読んだ本の数:16冊 読んだページ数:6212ページ ナイス数:594ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/7962/summary/monthly/2025/9

が「ナイス!」と言っています。

2025年10月の感想・レビュー一覧
16

りつこ
表紙が素敵だったので手に取ったんだけど、とても面白かったし好きだった。メキシコ生まれの女性による短編集なんだけど、こんなラテン文学もあるんですね…とちょっと驚くような繊細さ。 生き物と人の状況や心情がリンクしていく物語なんだけど、出てくる生き物は好戦的な赤い魚、G(まさかの)、猫、菌(!)、蛇と独特。不穏な雰囲気と緊張感と諦念が漂うけど、それが不快ではなく心地いいのは登場人物の気持ちと自分の気持ちとの距離が近いせい?この近さがどこから生まれたものなのか知りたい。
が「ナイス!」と言っています。
りつこ
素敵で不思議な表紙に惹かれて読んだけど、とても良かった。普段SFは避けることが多いけどこれは近未来の話でもどこか懐かしさがあって、物語に漂う静謐さが好みだった。 一作目の右腕を最新のロボットアームにされて右腕がコロラド州のハイウェイだったという話から面白かったし、表題作も良かったし、一年のうち一日だけベールを上げて記憶を取り戻す元兵士の母の話も良かったし、セイレーンと歌い合う孤児の話も涙腺にきた。謝辞の「物語を読むあらゆる人にありがとう」もぐっときた。
かっこー
2025/10/30 07:57

きれいな装丁ですよねー。最近もでてますね。https://www.takeshobo.co.jp/book/b10144048.html

りつこ
2025/10/30 09:58

装丁がほんとに素敵ですよね。 新しく出たのも短篇集なんですね。これも読みたい!

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りつこ
ジュリアン・バトラーという美しくスキャンダラスな作家と彼に魅せられ運命をともにするジョージ・ジョンの物語。 虚実入り混じっているのがとにかく楽しくて外文好きにはたまらないし、小説を書くことと愛する人と生きることの苦しみと喜びが両方描かれていて素晴らしかった。 ジョンが本書のタイトルとなるバトラーの回想録を書くという体裁なので、でもこれってジョンの視点からの語りだしなぁと信頼できない語り手に対するもやもやを抱いたところで、あとがきで作者自身が登場するという入れ子構造が見事で、気持ち良かった~。
が「ナイス!」と言っています。
りつこ
読み応えがあって最高だった。読みたい本が増えるのはもちろんのこと、以前挫折した本も再チャレンジしてみようと思えたし、読んで「はてな?」だった作品も「こういう捉え方をすればいいのか」と納得できたし、自分の本への関わり方を考える機会にもなった。とにかく切れ味が鋭くてずばりと魅力を伝えてくれるのが読んでいて気持ちいい。キラーワードの連発で作家さんってすごいなぁと改めて思った。ディケンズ、クリスティ、ルパンとホームズは再読したくなった。 読み終わって買おうと思ったタイミングでの文庫化のお知らせも嬉しかった。
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りつこ
「ヒストリー・オブ・ラブ」が大大大好きなので、同じようなめくるめく物語を期待して読んだのだが、こちらは宗教や民族や自分自身についての思索を深める作品だった。作者自身を思わせる女性作家と成功を収めた初老の男が生まれ故郷テルアビブを訪れ自分探し。作家は謎の老人から亡きあとのカフカの人生を書くように資料を渡される。初老の男は自分の財産をどんどん手放した挙句行方不明になる。 何が起きたかよりも自分自身の中で何を見つめ何を見失ったのかに焦点が当たる。自分のことさえ分からないのだから誰とも分かり合えるはずないか。
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りつこ
ネタバレ満州で出会った3人の少女。開拓民として高知から来た珠子、朝鮮から来た美子、貿易商の父親の視察に付いて来た茉莉。空襲で家族が死んで孤児になったり中国人に攫われて売られたり日本で差別に遭いながら帰る故郷を失くしたり…と想像を絶する経験をしながらも3人の心の中には温かい思い出と友情があった…。 戦争の悲惨さを伝えながらもそれだけに終わらない。極限状態にある時の人間として有り様を考えさせられる作品だった。 「いつまたおかしな時代が始まるかは、だれにもわからなかった」という一文が今を生きる自分にも突き刺さった。
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りつこ
「自転しながら公転する」を読み、山本文緒さんが膵臓がんで亡くなったことを知った。これはがんを宣告されてから亡くなるまでを綴った日記。 診断された時にはもう治る見込みがないと言われて、自宅で緩和ケアを受ける。宣告通り4か月で亡くなってしまって、なんてあっけないと思いつつも、痛みや恐怖と闘いながらも最後まで少しでも楽しく明るく穏やかに過ごそうとする日々に涙した。調子が良くて家でやりたい家事ができる日々を「とても幸せ」と綴り、一緒にいてお世話をしてくれる夫に心から感謝する山本さんが素敵だった。
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りつこ
30年ほど前に会社の上司が「挫折した本」と言って貸してくれて、これを読んで私はラテンアメリカ文学好きになったんだけど、今読んだらどうなんだろう?と思って読んでみた。現在と未来、現実と妄想が入り乱れる話と記憶していたんだけど、読んでみると印象が違っていた。恋愛重視の女性に共感性羞恥を感じたり、社会的立場重視の男性に苛立ちを感じたりしながら、一番心に残ったのは人と人が分かり合うことの難しさ。W218のパートが一番面白かったと感じたのは、登場人物の中で唯一自分で行動を起こした女性だったからかもしれない。
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りつこ
不条理な暴力行為を描いた1作目で度肝を抜かれ、以前読んだ「未来散歩練習」とは違うぞと警戒しながら読んだ短篇集。 何が起きたのかを鮮明に描かず、音や匂い、目にしたものを克明に描くので、物語が映像として頭に残る。 「海満」はじめっとした質感や魚を焼くにおい、「暗い夜に向かってゆらゆらと」は原発事故が起きた時の得もいわれぬ不安感や不確かな感じ。 「じゃあ、何を歌うんだ」では自国の歴史的な(まだ評価もされきれてない)事件を外国語で語られる違和感と近いからこそ語れない雰囲気をリアルに伝えている。 解説も秀逸だった。
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りつこ
ネタバレ面白かった! 図書館で見つけた謎の本(自分しか知らない少年時代の出来事が書いてある)、秘密の図書館、本やゲームや恋愛や親子の絆や友情が魔法要素モリモリで描かれる。 なぜこういうことになったのかの納得いく(笑)説明が不足していて、後半少し失速した感じはあったんだけど、それでもワクワクドキドキ楽しい読書だった。 この本は図書館でイチオシされていたから読んだんだけど、そういう出会い方をした人が感想をあげてる人の中にも何人かいて、それもまたこの物語のストーリーの一部のようで感動してる。
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りつこ
数ページ読んで「わ、私には無理かも」と挫折しかけたんだけど我慢して読み続けて良かった。面白かったー。 実在の科学者たちを扱いながら、科学的概念については忠実に…それ以外の部分はフィクション成分多めで書かれた短篇集。 探究する科学者の狂気と紙一重の情熱。自分の発見が戦争で大量殺戮に利用されても平然としている人もいれば、その未来を予測して雲隠れする人もいる。 エピローグで最初に戻るところが物語としてとても好みで良かった。
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りつこ
中学生の時に読んで「は?なに?」と理解できなかった作品。シンクレアがデーミアンという少年(達観した大人のような両性具有のような存在)に導かれながら少年から青年になっていく過程を描いている。人間がキリスト教の説く善なるものだけでは成り立たないことに気づき混乱するシンクレアだが「自己を探求する」という道を突き進むことが大事なのだという気づきを得る。 戦地に赴きそこで一種異様な高揚感に包まれ新しい人間性の鼓動を感じながらも「その多くが死んでいった」という言葉が印象的だった。
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りつこ
学術的な評論だったら私には読めないかも…と腰が引けた状態で読み始めたが、図書館や書斎、本について、様々な角度から連想の赴くままに書かれていて、全然違うけど昔読んだゼーバルトの「アウステリッツ」を読んだ時の感覚が蘇った。本の分類法から始まり図書館の成り立ち、さらに権力者による破壊、危険を察知した人がどのように本を避難させ守ってきたか等。破壊する権力者は今の歴史改変や文化や本を軽視する政治家に通じるものがあって寒気。「人間が本を読み、考えることによって、過去は現在となる」という言葉が頭に残った。
が「ナイス!」と言っています。
りつこ
日本統治下の台湾に招待されて、とにかく現地の食を味わいたい内地人の作家・千鶴子と通訳として雇われた本島人千鶴の物語。千鶴子側の視点で描かれているので、千鶴の頑なさが謎めいて見えるのだが、最後まで読んで「それはそう…」と思ったのだった。どんなに心寄り添わせたつもりでも平等ではないしそれは「独り善がりな善意」になってしまう。親しくなりたい心通わせたい親友(あるいは恋人)になりたいと近づけば近づくほど、相手を踏みにじることになるというのはやるせない。台湾料理と景色の描写が素晴らしくて行ってみたくなる。
が「ナイス!」と言っています。
りつこ
短篇集。できるだけ短い文章で多くを表そうとしているような文体なので、ゆっくり味わいながらの読書になった。表題作は既読だった。一家の大黒柱にならざるを得なかった女性がどうにか滑り込んだ木材会社で社長の日本出張になぜか毎年呼ばれるようになり、社内では「愛人」「奴隷」と噂されるが決してそんなことはなく…。鈍さを装って踏ん張る主人公の強さに涙。一番好きだったのは「春のワルツ」。これは泣いた。3人の母が素敵。愛情たっぷり受けたポムも素敵。 それにしても韓国文学にハズレがないのはなぜなんだ?
が「ナイス!」と言っています。
りつこ
え?綿矢りささん芸風変わった? 私が一番面白かったのは「眼帯のミニーマウス」。整形したことを正直に話したばかりにいじり倒す職場の女性たち。ここまで執拗にいじる裏側には、自分もきれいになりたい、でも整形まではなぁという気持ちがあるからなのか?これはいじってもいいとなったらどこまでも意地悪になれる人間の本性を見たような嫌な気持ちになっただけに、この顛末はスカッとした。 タイトルに惹かれて読んだけど表題作はもうこの男どうしようもない!でも「嫌いなら呼ぶなよ」には「確かにそれはそう!」
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2008/10/28(6257日経過)
記録初日
2008/10/29(6256日経過)
読んだ本
1833冊(1日平均0.29冊)
読んだページ
577848ページ(1日平均92ページ)
感想・レビュー
1739件(投稿率94.9%)
本棚
25棚
性別
URL/ブログ
http://mritu47.hatenablog.com/
自己紹介

ホンヤクモノが好きだったのですが、最近日本の作家にも目覚めてきました。

【大好きな本】

コレクションズ(ジョナサン・フランゼン)
ヒストリー・オブ・ラブ(ニコールクラウス)
もしかして聖人(アン・タイラー)
13番目の物語(ダイアン・セッターフィールド)
抱擁(A.S.バイヤット)
日の名残り(カズオ・イシグロ)
螺旋(サンティアーゴパハーレス)
天使の恥部(マヌエル・プイグ)
白の闇(ジョゼ・サラマーゴ)
オリーヴ・キタリッジの生活(エリザベス・ストラウト)
ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(ジョナサン・サフラン・フォア)
無垢の博物館(オルハン・パムク)
寝取る女(マーガレット・アトウッド)
未亡人の一年(ジョン・アーヴィング)
ウォーターランド (グレアム・スウィフト)
ベルリン3部作(クラウスコルドン)
魔法 (クリストファー・プリースト)
百年の孤独(G. ガルシア=マルケス)
ジェイ(エリザベス・バーグ)
ビッグフィッシュ―父と息子のものがたり(ダニエル ウォレス)
第七階層からの眺め(ケヴィン・ブロックマイヤー)
残念な日々 (ディミトリ フェルフルスト)
蛙鳴(莫言)
待ち暮らし(ハ・ジン)
空高く(チャンネ・リー)
ベイツ教授の受難(デイヴィッド・ロッジ)
シネロマン(ロジェ・グルニエ)
すべての終わりの始まり(キャロル・エムシュウィラー)
素数たちの孤独(パオロ・ジョルダーノ)
ぼくを創るすべての要素のほんの一部(スティーヴ・トルツ)
静かなアリス(リサ・ジェノヴァ)
ノーバディーズ・フール(リチャード・ルッソ)
ラストオーダー(グレアム・スウィフト)
生存者の回想(ドリス・レッシング)
ストーンダイアリー(キャロル・シールズ)
楽園への道(マリオ・バルガス=リョサ)
哀れなるものたち(アラスター・グレイ)
ロンドン(エドワード・ラザファード)
アスタの日記(バーバラ・ヴァイン)
ミスフォーチュン(ウェズリー・ステイス)
冷血(トルーマン・カポーティ)
驚異の発明家の形見函(アレン・カーズワイル)
死を忘れるな(ミュリエル・スパーク)
シャルビューク夫人の肖像(ジェフリー・フォード)
ある家族の会話(ナタリア・ギンズブルグ)
パイの物語(ヤン・マーテル)
望楼館追想(エドワード・ケアリー)
世界の果てのビートルズ(ミカエル・ニエミ)
カレーソーセージをめぐるレーナの物語(ウーヴェ・ティム)
タイムトラベラーズ・ワイフ(オードリー・ニッフェネガー)
天使の牙から(ジョナサン・キャロル)
荊の城(サラ・ウォーターズ)
彼方なる歌に耳を澄ませよ(アリステア・マクラウド)
愛の饗宴(チャールズ・バクスター)
ハイペリオン(ダン・シモンズ)
精霊たちの家(イザベル・アジャンデ)
ブルックリン・フォリーズ (ポール・オースター)
よくできた女(ひと)バーバラ・ピム(バーバラ・ピム)
石のハート(レナーテ・ドレスタイン)
恋のお告げ (ブルースパーマー)
ジャイアンツ・ハウス (エリザベスマクラッケン)
シッピング・ニュース (E・アニー・プルー)
ジャン・クリストフ(ロマン・ロラン)
モンテ=クリスト伯爵 (アレクサンドル・デュマ)
エデンの東(ジョン・スタインベック)
カラマーゾフの兄弟(ドストエフスキー)

砂の女(安部公房)
センセイの鞄(川上弘美)
津村記久子]君は永遠にそいつらより若い
しゃべれどもしゃべれども (佐藤多佳子)
刺繍(川本晶子)
ラジ&ピース(絲山秋子)
夏の葬列(山川方夫)
いのちのパレード(恩田陸)
奇貨(松浦理英子)
死の泉(皆川博子)
雲をつかむ話(多和田葉子)
母の遺産―新聞小説(水村 美苗)
漁港の肉子ちゃん(西 加奈子)
鳥類学者のファンタジア(奥泉光)
旅のラゴス(筒井康隆)
宇宙のみなしご(森絵都)
ポケットの中のレワニワ(伊井直行)
俺俺(星野智幸)
ポプラの秋(湯本香樹実)
遠くの声に耳を澄ませて(宮下奈都)
桐島、部活やめるってよ(朝井リョウ)
1Q84(村上春樹)
抱擁(辻原登)
死の棘(島尾敏雄)
西の魔女が死んだ(梨木香歩)

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