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2025年1月の読書メーターまとめ

makoto018
読んだ本
13
読んだページ
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感想・レビュー
12
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252ナイス

2025年1月に読んだ本
13

2025年1月のお気に入り登録
2

  • nonpono
  • 紅咲文庫

2025年1月のお気に入られ登録
1

  • nonpono

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

makoto018
「どうか創り続けてください。版画とともに生き抜いてください」。棟方志功の妻チサが主人公のアート小説。志功青年は、雑誌「白樺」で絵画ひまわりに出会い「ワぁゴッホになるーッ!」と絵画にのめり込む。滑稽なぐらい純度の高い芸術への想い、愛嬌のある子熊のような姿が実に魅力的。ゴッホや柳宗悦、河井寛次郎、濱田庄司と原田マハ過去作を読んでいると重層的な物語世界になる。浮世絵に天啓を得たゴッホ。その作品に衝撃を受けた志功。志功はが手がけた版画は浮世絵の後継。見事な循環の輪。太陽たるシコさを追いかけるチヤはひまわりだった。
が「ナイス!」と言っています。

2025年1月の感想・レビュー一覧
12

makoto018
少年院などの勤務経験がある児童精神科医による分析。非行少年は「認知機能が弱い」ことが多く、例えばケーキを均等に分けられない。ほかの特徴として、「感情統制の弱さ」「融通の利かなさ」「不適切な自己評価」「対人スキルの弱さ」「身体的不器用さ」があげられる。そのため、1対1の教育指導だけでは更生は困難(反省以前の問題)であり、コミュニケーション能力向上など社会面の支援が必要。それには教育よりも交流。そして、自分を見つめ直して自分が変わること。すなわち、「子ども心に扉があるとすれば、その取手は内側にしかついてない」
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makoto018
「あのね、多分、大人になるって、逃げだ出さないこと、面と向かい合うことなんだと思う。今逃げたってまたピンチは来るの。逃げ場なんてない」90年代初頭のバンドブームの只中にいた大槻ケンヂの半自伝的小説。文庫版後書きでは、ブームに翻弄される青春物語を描くのが狙いだったと明かされる。バンドブームはそのためのネタに過ぎないとしても、体験や思い滲み出る。そこにこの作品の良さがあると思う。のちに超常現象やUFOに傾倒しメンタルを病むオーケン。「うつぬけ」のエピソードを読み、DAPPIを聴きながら20年の時の流れを思う。
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makoto018
「わたし」を探し、「わたし」を取り戻し、「わたしたち」を生きる。日米における女性労働者の歴史を比較しながら描く。「女工哀史」「富山の米騒動」など大文字で記した歴史からこぼれ落ちる「わたし」「わたしたち」の物語。その手段が日常茶飯。つまり生活と食で、とりわけ間食、焼き芋、ドーナツなどが軸となる。「良妻賢母」「内助の功」「共和国の母」「炉辺の番」などの日米の女性観。米国女性は階層を超えた連帯=シスターフッドで乗り越えた。日本は、現場別・職業別の環境改善に留まった。エピソードの積み重ねが納得に繋がる労作だった。
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makoto018
宮部みゆき責任編集のムック「宮部怪談」の単行本化。今や看板のひとつ三島屋シリーズもまだ3作目。同シリーズファンには買いですね。一作目「曼珠沙華」が収録されてるほか、「古地図で巡る三島屋界隈」のコーナーでは3冊目までの舞台を巡ったりインタビューも。その後の、北村薫との対談でも創作話や北村さんの感想なども載っています。ほかにも「本所七不思議を歩く」「宮部怪談の舞台を歩く」など、宮部みゆきの江戸時代小説がますます楽しめるつくり。時間がある時にパラパラ見るのが良いですね。
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makoto018
著者の文章を読んだことない状態で電子図書館で借りたから。不思議な日常生活にあふれてて楽しい。と、最後まで読んで川上未映子と勘違いしていたことに気づいた… 乳と卵か…
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makoto018
「どうか創り続けてください。版画とともに生き抜いてください」。棟方志功の妻チサが主人公のアート小説。志功青年は、雑誌「白樺」で絵画ひまわりに出会い「ワぁゴッホになるーッ!」と絵画にのめり込む。滑稽なぐらい純度の高い芸術への想い、愛嬌のある子熊のような姿が実に魅力的。ゴッホや柳宗悦、河井寛次郎、濱田庄司と原田マハ過去作を読んでいると重層的な物語世界になる。浮世絵に天啓を得たゴッホ。その作品に衝撃を受けた志功。志功はが手がけた版画は浮世絵の後継。見事な循環の輪。太陽たるシコさを追いかけるチヤはひまわりだった。
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makoto018
いちばん響いた言葉は「リアルに淡々と」「事実に語らせる」。直接的な言葉で感情を書いた文章は、独りよがりでつまらない。ところが、五感に響くことを意識し、シンプルな文章を積み重ねると、他人の共感を得られる。手垢のついた常套句や凝った表現をを使わない、などは自分もやってしまいがち。今回、本書を再読して気付いたが、若者にヒット中の新書「好きを言語化する技術(三宅香帆)」でも同様の記載がある(一般論より自分の言葉、感情の細分化、具体例の積み重ね。)。今の若手社会人にも通じる考え方だから長く読み継がれているのだろう。
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makoto018
「不便は人を進化させる」。記者時代、原発事故を契機に電気使用量の削減にチャレンジした著者。オール電化の社宅に居住後は、電気製品を断捨離する生活に。掃除機、電子レンジ、エアコン、冷蔵庫、電気温水器などを捨てていくごとに、家事スキルがアップして家事が楽しいものになる。風呂や冷凍庫は、地域の銭湯やスーパーで代替することで解決して、知り合いが増えてお互い様意識が醸成される効果も。家電による時短はの結果、家事は「面倒くさい退屈な時間」に変貌した。著者の脱・家電生活は清々しく豊かなものと感じられ、羨ましくなってくる。
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makoto018
ネタバレ三体3部作を読了。長い長い旅を終えた気分。ページ数が多いだけではなく作中の時間経過が長い。人口冬眠を駆使して400年以上の時を超え、最後は1890万年と、宇宙創世規模の話にまで広がります。2作目までの地球人類と三体星人の戦いを超えて、宇宙全域の暗黒森林での争いにり三次元を二次元にたたむとか時間の外の世界など、もはやハードSFファンしかついていけないところまで。小説自体が無限に広がる宇宙のよう。下巻前半部分、脳だけで通信した雲天明が命をかけてメッセージを込めた寓話。これを読み解く部分は、読んでて楽しかった。
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makoto018
日常は経営であふれている。「経営」とは、目的に対して手段が見合うかの意味。このエッセイでは、仕事、健康、家庭、憤怒、孤独、老後などを「経営」で読み解く。作者がいう令和冷笑体(曰く、風刺と諧謔は経営にも必要)の効果もあり、スラスラと読める。最も、本人は熱血熱弁唾飛ばし系を自認し、その生真面目な姿も垣間見える。例えば孤独の章。「メールや電話は手段であり目的ではない」「自己開示しなければ、他者が自分を理解してくれない」などでわかる。「有限の価値を奪い合うのではなく、価値を無限に創造していく思考」は今後重要になる
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makoto018
雪ふれば炬燵櫓にたてこもりうつて出づべきいきほひはなし(太田南畝)。出版人・蔦屋重三郎は、直接批判ではなく「編集」を駆使して幕府の「治世完璧主義」に対抗した。本書は、出版や印刷の歴史、蔦重の生きた時代を踏まえつつ、吉原、洒落本、狂歌、浮世絵、芝居という視点から蔦重の編集術を探る。特に狂歌の項目に学びが多かった。美のみ切り取る「和歌」、日常にも目を向けた「俳諧」、それに笑いという視点を加えた「狂歌」。言語化ですることで世界の見方や人の感じ方を変える狂歌こそ、前の時代を受け止めながら創造する編集の原点だった。
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makoto018
熊への贖罪意識もめられたような8つの寓話。精霊熊、罪食い熊、下水グマ、市民熊などユニークで哀しみや諦観のような不思議な読後感。可愛い愛玩動物でなく凶悪さや生存のために食糧確保する熊。英国では、狩りにより11世紀には熊は絶滅している。日本では、アイヌ文化や東北のマタギ猟などで、熊に畏敬の念もいだきながら、共存を図ってきた。いたずらに恐れるのも、必要以上に愛護するのもどちらも勝手な考え方。人間の居住域を守るため、また、文化としての狩猟は必要だし、一方で個体数を考えながら狩りをしたりと共存していくしかないのでは
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2010/11/07(5216日経過)
記録初日
2012/01/01(4796日経過)
読んだ本
1140冊(1日平均0.24冊)
読んだページ
353338ページ(1日平均73ページ)
感想・レビュー
627件(投稿率55.0%)
本棚
34棚
性別
血液型
A型
外部サイト
自己紹介

本があれば大丈夫

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