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2024年2月の読書メーターまとめ

ばたやん@かみがた
読んだ本
33
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7630ページ
感想・レビュー
33
ナイス
7121ナイス

2024年2月に読んだ本
33

2024年2月のお気に入り登録
1

  • みみりん

2024年2月のお気に入られ登録
2

  • Takaaki Iwamasa
  • みみりん

2024年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ばたやん@かみがた
ネタバレ《これは宜しいな》西武大津閉店に始まって、ミシガン、平和堂、江州音頭etc.と、西川貴教さんも言うように「滋賀愛」を存分に堪能させて頂く。「変わった」と周囲から称される娘、成瀬あかりを中心に据えた連作短編だが、親世代からの変わり行く周辺に対する惜別と共に、それをもバネに自分と周囲を変えていく中高生の著しい成長に目を見張らされた。成瀬の周囲の友人や大人たちの彼女との接し方も、概ね妥当な距離感図ったもので良い。
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2024年2月にナイスが最も多かったつぶやき

ばたやん@かみがた

2024年1月14冊4048ページ5758ナイス→ https://bookmeter.com/users/822995/summary/monthly/2024/1 寒くないのがよろしおす。今月もよろしゅう。

かすみん
2024/02/01 18:44

2月スタートから冷えますね(;´・ω・)今月もよろしくお願いします🥜

ばたやん@かみがた
2024/02/01 23:51

確かに風が吹いてきました。明日は少し寒くなりそうで。今月もよろしくです。

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2024年2月の感想・レビュー一覧
33

ばたやん@かみがた
ネタバレ《ロボットが照らし出す人間の不条理》罪のない盲目の幼女を惨殺して無実の罪を他人に着せる所から、自身にアシモフ回路か作動しないことを悟ったチク・タクの「快進撃」が始まる。この「現代編」での過程が、弱者を食い物にしたり、フェイクを撒き散らし社会を煽動したりする等胸糞悪さの連続。注目すべきは、彼が冒頭の箇所に至る迄の「過去編」が平行していること。そこでも人間からロボットに対するあるいは人間に対する悪業が描かれるが、この過程で彼は人間社会の不条理を学び実践のすべを習得したと思われる。(1/2)
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《驚きの連続》辺見和雄、極上の変態さん。「僕を殺して欲しいです」!彼の望みを見事達した杉元達だが、食材調達・調理に長けた白石のお陰で、食レポのバリエーションが増えてきた。自らエサとなって特大イトウ釣り上げているし。そこで出会ったアシㇼパ父の旧友キロランケが明かす驚愕の真実。そうか、これまでしばしば出ていた彼の人物か。玉井伍長の顔吹っ飛びの印象が強すぎて、彼かとてっきり思っていたわ。後半は、阿仁マタギ谷垣大活躍。世話になったコタンの老幼の無事を最優先し、復活した尾形への反撃成功す。(続)
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《理解困難》近世ヨーロッパにおける地動説弾圧に範を取ったと思しき本作が評価された理由について、連載中も本巻読んだ今も分からない。ラファウが最後選択した行動について、「知識は幾多の圧力にもめげることなく、受け継がれていく」等と受けとるなら、極めて陳腐かつ図式的と思うのだが如何だろうか。現実のコペルニクスやブルーノも、また現代人から見れば「狂信的」と思えるのでね。
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《大団円》これまであったライオス達との縁が回りだし、前のパーティメンバー、黄金郷の人達やオーク、冒険者やカナリア隊までが、ファリン(の竜部分)の完食へ精力的に動き出すのは見ていて快い。ミスルンやシスル、今までの迷宮主達も全ての欲望を失っても生き永らえる理由見いだしたこと、その為の良きパートナー得たことはめでたい限り。ファリンの復活は約束されたことだったが、ここでも「食べることは被食体と一つになること」のテーマが貫かれている。それ故にこそ我々は食べるのさ、と子どもらに語りかける王ライオスの言は頭に染みる。
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《朕の新儀は未来の先例》って後醍醐の言そのものをロゼマが宣してる。ま、この場面は今までの帰結でしかなく、本巻の読み所はフェルが彼女の記憶を必死に蘇らそうとする場面に尽きる。その過程で彼の家族への渇望が想像以上のものであるのを悟ることができ、彼のロゼマへの執着をこれ迄になく読者の心に腑に落ちるものにする。これがあってこそ、大団円での下町の家族との祝宴が得難いもの、心底から祝いたい気持ちにさせられるものとなる。ローゼマインにフェルディナンド、おめでとう。この8年間楽しませて頂いたことに心より御礼言いたい。
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《どこまで広がる風呂敷ぞ》 二瓶さん、刺青残してお早い退場。ロボとブランカ夫婦が相手では仕方ない。今まで認識されたきたもの以外にある未曽有の金塊の指摘、北海道独立の夢とか一気に話が広がって来たなぁ。それを追求する「戦友の救済」希う鶴見中尉も、未だ「気分は戊辰」の土方歳三も、3巻で見た日常で生きていくことを断固拒む「変態」だ。彼らに狩られる側の刺青脱獄囚の中にも、柔道の牛山や脱獄・白石のようにストーリーの本筋に絡めるかそうでないか二極化するのは、キャラ立ちする才・性格の持ち主であるかどうかなのだろう。
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《変態さん、いらっしゃ~い♥》2巻でも述べたが、余りに特殊で日常社会には容易に溶け込めなくなる分野でのプロフェッショナリズムは、それが極まるとやがて「変態」と呼ばれるようになる。二瓶鉄造さん、「勃起」ですかそうですか、元気ですねぇ(棒)。盗難防止の為とは言え、刺青人皮を身にまとって「暑い、暑い」という中尉も部下が言う様に大概であるが。このように己の欲望・決め事にのみ忠実で、法・倫理の外側に身を置こうとする人外どもを、思いっきり解き放つ場として開化直後の北海道を選んでいるところが本作の妙ですね、
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《〇〇のプロ》私、偏見を持ってました。反省します。何かというと“殺人”という分野であっても“プロフェッショナル”が存在するということに思いが至っていませんでしたよ。勿論、後の巻で出てくるそれに愉悦を感じる人物は願い下げだが、杉元がそうだったように戦場ではそれは限りなく役に立ち、何より自分自身を守るのに有益だ。課題は平時におけるその発揮のし所だが、彼が平常心を保っているのは未亡人となった想い人への思慕かつ彼女の救済という使命のお陰というのが泣かせる。(1/2)
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《アッララララララ―イ!!》いや、日露戦争帰り、アイヌの少女とその確かな狩猟知識と技能、エゾオオカミ、脱走囚達の体に彫られた金塊の在りか表した刺青、北鎮・第7師団、戦で頭前部吹き飛ばされた軍人、そして新撰組の生き残り…と来れば、突撃の雄叫びを歓喜のそれに変えて狂喜乱舞するしかないでしょ。これだけの大好物を次々と惜しげもなく卓に披露されてしまえば、誰しもこうなりますわね。
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ばたやん@かみがた
《思考の枷を解く政治家》(1)発刊から1年間寝かせていて漸く読むことが出来ました。卑劣な弾を受け無念にもお亡くなりになった一昨年7月、同9月の国葬そして本書発刊の1年前と、いずれの時と比べても、政局や日本経済を取り巻く情勢は著しい変化を見せております。昨年4月には、アベノミクスを安倍氏と共に支え続けた黒田東彦日銀総裁が退任、植田和男氏に交代しています。しかし、憲政史上最長を記録した安倍政権の事績を振り返り、それを評価する必要性については些かも減じるものではないと考え感想を述べさせて頂きます。(1/8)
ばたやん@かみがた
2024/02/22 18:38

我々がメディアの繰り返しによるものか、知らず知らずのうちに平成の30年間のうちに刷り込まれていたこのような根拠レスな「思い込み」に「本当にそうか?」と問いかけ、一部なりともそれらを打破したのが安倍氏でした。勿論、安倍氏を100%肯定するつもりはない。本書では権威国家の独裁者、特にプーチンへの甘い姿勢が気になりました。しかし、日本の現状に甘んじることなく我々を取り巻く「思い込み」の虚妄を身を以て示された点、勇気を与えて頂きました。本当にお疲れ様でした。改めて心よりご冥福をお祈り申し上げます。(8/8)

ばたやん@かみがた
2024/02/22 19:07

https://bookmeter.com/mutters/245010310 国葬直後に書いた文章です。本書でも安倍晋三さんがおっしゃっていた「岸内閣と池田内外の良いところ取りした」の言、そのものズバリのことを書いてますね。是非

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ばたやん@かみがた
ネタバレ《食うことは食われること》漫画版ナウシカに出て来た「大海嘯」そのものだが、ライオスと翼獅子との食う・食われるの泥仕合を見ていると、自然にそう思えて来る。食を介し自他は入り交じり、自己の原動力かつ弱点たる欲望を互いに曝し合うこととなる。一旦、体を乗っ取られ己は魔物の体に封じ込められたかに思えたライオスが、ここで逆転し得たのは、只管魔物と食に忠実であり続けて来たからだ。それを象徴するかのように、「オレの考えた最強の魔物」に成り仰せ登場人物全員を引かせてしまう場面は、シリアスであるにも関わらず笑いこけてしまう。
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《世界の命運に関わる食事》食と料理が、世界の存亡に関わる大きな話になって来た。翼獅子は言う。欲望を実現することとは、食欲を満たすことに相似する。即ち、欲望を満たすイコールそれを食らうこと。マルシルやライオスに寄り添う体を取りつつ、彼らの密やかな願望を満たすことを促し、迷宮外進出を最早隠そうともしない。ライオス一行への姿勢で割れたカナリア隊と迷宮の住人・探検者たち。後者についてはライオス達の「徳」の賜物と言うべきものだが、そんな対立がどうでも良くなる位クライマックスに向けた動きは早くまたダイナミックだ。
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《意地を押し通す》シスルの裏を掻く沈着さ・果断さ示しながら、直後に宋襄の仁で再逆転されてしまうライオスの独り相撲が酷いな。あとは、カナリア隊に問い詰められながら仲間の為に翼獅子と手を組むマルシルの意地が見所か。こういう点を悪魔に利用されているのだが、最後にあったカブル―とライオスの問答にもあったように、個人の意思の追及と全体の秩序維持を如何に両立させるか、ギリギリのところを突いて来る。この問題の解決が残りの巻のテーマとなるのだろうか。
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《1度目の旅を体験する》今までフリーレンの回想でしか触れることの無かった1度目の旅。目の当たりにすると、ヒンメルの一言一言が流石に暑苦しく思えるが、反発を覚えないのはそれを他人に強要することが無いからだろう。戦い方についても、仲間の出方を見て変える柔軟さを持ち合わせているし。あと、フリーレンが未来から来たことを聞きだし納得するのは、コミュニケーション上手く行っていることを物語るが、迎え撃つ魔族の心理攻撃は読者をして「おぉ、やっぱり」と感嘆させたろうよ。よって余り切迫感がない。
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《殲滅すべき敵とは》前巻、フリーレンとヒンメルの「多くの人々の救済目指す」原理と、魔族達の「捕食・共存等、目的のための犠牲厭わない」原理の相剋を指摘した。本巻前半の戦いでのフリーレンと大魔族2人の問答は、その答え合わせと言えたが、ほぼ妥当していたようで満足。そして、ここで本作品は後者のような人類にとって受入れ難い存在への対処について冷徹な判断を下している点、重要だ。即ち「殲滅」。どきつく聞こえるかもしれない。しかし、緩さや癒しばかりが評されがちな本作が、このように果断な面を持つことも忘れてはならない。
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《トニカクカワイイ。》え、タイトル盗作?真っ先に思い浮かんだのがこれなんで仕方無かろうもん。表紙の律花さんに尽きます。ジョブチェンジ前の2人の事情は私的にはどうでもいい。折角の弁当を夫が忘れて、挙句後輩女性とランチしてたので絶賛食事ストライキ→カワイイ。猫を飼おうよ~と猫耳つけて語尾に「にゃ」→カワイイ。兄貴が夫を採点すると称して押しかけて来たので、きっついセリフで追い払う→カワイイ。色々訳あって結婚1年後に初めて同衾するところは、メデタサで鼻血出ました。お幸せに。いいクールダウンができたなぁ。
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《重なり合う2つの主題》本巻発刊1年前に勃発した露ウ戦争に引き寄せて言えば、ブチャの民間人虐殺を行った露兵は、後ろめたさを感じつつも母なるロシアに抵抗すると見なす民を苛むことに愉悦を感じていただろう。マハトはそんな「罪悪感」「悪意」を理解したいと言いながら、受容することが全くできない。だから、人類との共存を唱えつつ、気まぐれからあるいは魔法協会の妨害があれば簡単にそれを放擲し「やり直す」等と言ってしまう。ソリテールも含め、魔族にとって、人命の一回性などはハナから眼中に無いのだ。(1/2)
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《繊細な線が描く理解しがたさ》最初の頃と比べると描線が細くなり、フリーレンはじめ登場人物が更に流麗になった感あり。単話完結の話群は、相変わらず勇者の挿話をつなぎ合わせて彼の全体像を紡ぎ出すことに余念がない。聖雪結晶はこれまでもあった故郷を誇りを持って守り伝えて行こう人々のお話。福島原発や能登地震など被災地の“英雄”たちと自然に姿重なる。前巻再び姿見せたデンケンがフリーレンにそして読者に伝え寄こすは、人間の悪意の感情を知りたい、そのため「共存」したいと言う奇怪な想念持つ魔族マハトに関する記憶であった。
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《物語のもう一つの顔》千年前の酒を追い求め実現する話は、如何にもこの作品のテーマ「下らなさを楽しもう」を現してる小品で良かった。ただ、一行が魔法協会から派遣されてきた魔法使いと共に、魔族討伐に乗り出すようになると、2-3巻でも見た物語のもう一つのテーマがせり出す。「話が全く通じない相手との闘い」である。魔族の話す内容、見せる姿態が如何に人間臭かろうが、擬態でありこちらを欺瞞する意図しかない。メトーデやゲナウとの連携通じ奇跡の勝利上げる若手二人だが、共に試験を闘い抜いた老魔法使いの再登場がキナ臭さを漂わす。
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《近くにいるのが英雄だ》回想の勇者が本巻でも前向きな事ばかり発言しているので、そろそろ飽きが来たかなと思った。しかし、お気に入りさんの感想見て反省。ヴィアベルは、子どもの頃大人たちは、ヒンメルがちょっとした手伝いをしてくれたことを何度も嬉しそうに語った、とフリーレンに話す。効率目指すばかりが能ではない点、これ迄と同じだが、今目前の人を見棄てないことが英雄の条件であり、各地に銅像が立つ大衆的基盤になっていることを改めて思い知らされた。「南の勇者」の犠牲精神は、英雄は独りにして成らずを教えてくれる。
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《♪繰り返す 彼のフレーズ》Perfumeのリズムでどうぞ。二次試験はダンジョン探索だが、執拗なほどヒンメルが語ったあの言葉が繰り返される。すなわち「くだらない」が「楽しい」ことなら何度でもやって行こうという呼びかけだ。不要不急だけど迷宮探査は「楽しい」からOKというフリーレンの楽観的態度は、フェルンから「弱点を見つけました」と魔法使いとしては致命的と思われる言葉を受けても崩れない。それが、魔災により打ち捨てられた故郷へ帰心矢の如しの老宮廷魔法使いを初心に還らせるのが、本巻の見どころだ。
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《君は完璧で究極のヒーロー》タイトル、鎖繋がれた猫耳ゴスロリ小学生の表紙絵(扉絵がもっと凄い)、そして何より作者名。もう不穏さしか感じませんね!その通り、ある事情から表紙の雪見の他に幼なじみの月子とケシカラン場面繰り返す高校生・夏目ですが、同じ作者『二人目彼女』に登場する腐れ外道との違いは、我が身削ってヒロイン達を生きながら得させることを最優先すること。その意味では、作者もおっしゃる様に倫理的人物で(確かに三日三晩あれをやり続け、己は欲望満たさないと言うのは)、本作も古典的なヒーロー物かも知れない。
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《これは宜しいな》西武大津閉店に始まって、ミシガン、平和堂、江州音頭etc.と、西川貴教さんも言うように「滋賀愛」を存分に堪能させて頂く。「変わった」と周囲から称される娘、成瀬あかりを中心に据えた連作短編だが、親世代からの変わり行く周辺に対する惜別と共に、それをもバネに自分と周囲を変えていく中高生の著しい成長に目を見張らされた。成瀬の周囲の友人や大人たちの彼女との接し方も、概ね妥当な距離感図ったもので良い。
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《頭脳戦と力任せ》あら、女の子(ラフィーネ、カンネ、ユーベル、ラオフェン等)が増えて嬉しいわ。試験後の女子会も楽しそう。北部高地通行を賭けた一級選抜試験。やはり、フリーレンの成すことは規格外だけど、パーティ戦であることを踏まえて、臨時で仲間になった娘たちの特性を最大限活かすところに瞠目するな。歴戦の戦士である傭兵隊長や老宮廷魔法使いが、水際だった戦いを仕掛けつつ最後は己れの矜持を守る振舞いをするところも良かった。
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《癒しと慰めが繋ぐ絆》ザインがパートタイムで僧侶役で入った巻。一話完結の話が多く、比較的淡々と進行していった様に思える。だが、ザイムがフリーレンより同行促された話、領主から一時的に亡くなった息子の代役押し付けらる話、フェルンが高熱で倒れフリーレンの介抱受ける話など、それぞれの過去と現在周囲から受けた働きかけや施し等が読者を沁々とさせる。正しく癒しである。ヒンメルがかつてフリーレンに贈った指輪。無くした彼女はあわてていたが、ヒンメルは花言葉に気がついていたのだろうな。
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《良き顔を残しし者は》魔族との争いは、比較的あっさり終わった。寧ろ、フェルンやシュタルク、若手組の試練と成長の為に戦われたと見るべきだろうか。しかし、本巻で争いの場となった領地の領主、記憶の中の師匠フランメ、ヒンメルに戦士アイゼン、実に良い顔するのよな。その表情は、領地のため命を擲った領民や今を旅するフリーレン一行の方を向いていて、読者共々彼らを奮い起たせ、先に逝きし者達を何度となく弔う契機となる。生者と死者の間で繰り返し行われる往還、これこそ本作の類い稀なところだと思う。
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《忘れ形見達が教えるもの》僧侶に戦士から、二度目の旅の供としてフリーレンに委ねられたフェルンとシュタルク。彼らは、彼女にとって鍛えていく対象であると共に、彼らを通して一度目の旅仲間の考えや望みを再認識させる貴重な存在である。「下らなくて楽しい旅を」と説いた勇者ヒンメル。フリーレンがそれに欠かせない人物であることを我々も知る。そして、彼女の恐るべき実力の断片を魔族との戦いで見せつけられる。亡くなった仲間を見取るのが「葬送」の意味と思っていたが、魔族を次々葬り去る意味付けもあったのか。何たるダブルミーニング。
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《これは先に逝きし者を追い求める旅》短命な人間の最期を長命種が見送るのは、これまでの作品にもよくあった筈。面白いと思ったのは、エルフのフリーレンが、マイペースで他者に興味抱かぬ、姿形通りの幼い精神の持ち主である点。一本気だが物に拘らない勇者や、酒浸りの僧侶ら、遥か短くしか生きていないパーティー仲間達が、そんな彼女を慈しむ様が逆転の妙を醸し出している。勇者の葬儀に際し、フリーレンが流した涙が再出発の契機となるのはじんわりと良い。実際の旅立ちは僧侶に委ねられた少女の成長待ってから、というのがこの作品らしい。
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《She is My…》有希の抱えたモノが重い。原因は、幼少からの兄と母・祖父との確執、父母の離婚で彼女が自責する要素は一つも無いのに。綾乃も無表情の下にあるピュアな心情を吐露したが、あの場面と出会うよう誘導されても政近を孤独から救い出そうとするアーリャも神過ぎる。ただ、後二者をそう仕向けたア奴はdevil。エレナ先輩もマーシャに次ぐ聖母。色々読者向けに体張り過ぎるけれども。/さて、以前より燻り続けて来たがいよいよ焦眉の急を告げてきた感あるのが、政近が自身の「トラウマ」と向かい合う必要性である。(1/2)
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《出色な新メンバー》(上巻から続く)少年王子の冒険活劇も健気で汗を握るのだが、今回の新メンバーのうち出色なのは、艦隊司令官の無二の親友であり良き副官のトゥエンティ・シケイダである。帝国主流派からはかけ離れた宗教集団に属する彼は、それ故にエイリアンを全個体の思考・体験を瞬時に共有する集団的個体(諸星大二郎『生物都市』のような)であることを見抜き、彼らとの回路を拓くことに成功する。マヒートでも彼女の恋人でバディでもあるスリー・シーグラスでもなく、彼のみが成し遂げるのである。(3/4)
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《筋目と実力》荒淫の報いが顔に現れてきた義尚。周囲から早速後嗣探しをされ出して不機嫌なれど、口喧しい父母を遠ざけ、侫臣のみ側に近づけた結果なのでやむを得まい。龍王帰駿と家督回収に乗り出す主人公(あ、後継ぎおめでとう)だが、龍王が守護として相応しい器量あるか示すに四苦八苦。しかし、父・正鎮や駿府の老臣が見抜いた様に、幼少期の「うつけ」とはやがて花開く器の原型かもしれぬ。それを、駿河諸臣、伊豆坂東諸将そして幕府に証明するべく、さあ行け新九郎。ここからは、筋目争いでなくハッキリと力で物言わす時だ。
が「ナイス!」と言っています。
ばたやん@かみがた
ネタバレ《成長遂げていく太郎》前巻から蠢動始めていたマリョウ軍が、遂に剥き出しの暴力を村人たちや太郎らに発揮する。ここらが近現代のポンドやドル支配と一線を画す。実のところ、そんな剥き出しの暴力に依存するほどマリョウの〈カネの支配〉は脆弱なのだ。力には「力」を、で祭祀長や村軍に接近する太郎だが、その際、遅れていると看なしていたこの時代の人々の意外な天文学的知識やそれを得る独自の方法に触れ、文明の傲慢を反省始める太郎。今まで訝しく思うだけだったパルの文明への反発について、彼の内面を察すようになってきたのが頼もしい。
が「ナイス!」と言っています。
ばたやん@かみがた
ネタバレ《カネと暴力による支配》病魔をかろうじて生き延び、貨幣経済が浸透したヤープトにたどり着いた太郎とパル。彼は不満顔だが、太郎は久しぶりの文明の味を満喫する。しかし、ここもやはりと言うかパルの村より尚一層マリョウによる支配に喘いでいた。支配の源泉の1つがマリョウによる通貨発行の独占にあることを見抜いた太郎は、村の土地全体の購入とその代価による村独自の通貨発行を村長らに申し出る。もう1つの源泉たる駐留軍を太郎が看過している様が気になるし、現に行動開始している。あと、村長と祭祀の長、聖俗二権の分立描くのが面白い。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/01/04(2373日経過)
記録初日
2018/01/04(2373日経過)
読んだ本
1312冊(1日平均0.55冊)
読んだページ
414828ページ(1日平均174ページ)
感想・レビュー
1290件(投稿率98.3%)
本棚
0棚
性別
外部サイト
自己紹介

積ん読、借り本優先なので、感想のアップは遅くなります。

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