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2024年10月の読書メーターまとめ

ばたやん@かみがた
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感想・レビュー
10
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3798ナイス

2024年10月に読んだ本
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2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ばたやん@かみがた
《我々の「関心」は狭くしかも遮蔽できる》(1)先に映画を視聴。アウシュヴィッツ第3収容所モノヴィッツを舞台にしたことは変わりありませんが、登場人物に変更加わったことは映画解説にて把握済み。しかし、被収容者以外の収容所長、親衛隊、情報将校、看守、被収容者を労働者として使役するため常駐する化学メーカー社員、医者そしてその家族たち。彼ら彼女らが、史上最大の人類への大罪が犯されているのを知りつつ、時に目の当たりにしながら、それを自分の関心の対象外に置いていたことは小説・映画とも共通します。(1/4)
ばたやん@かみがた
2024/10/07 11:45

で被収容者を次々と使い潰すところが悍ましい。パウルの非道の遂行を押し付けられる被収容者で死体処理係のシュミルが第3の視点人物として登場するのは、ドイツ人達の無自覚な残酷さをあからさまにするための必然と言えます。作中、ハンナやトムソンもこの戦争が敗戦に終わることを認識してはいる。だが、トムソンが英国人捕虜を経由したある企み(失敗)を行う以外、目前の事態を改善する手立ては何ら取られることは無いのです。 (3)ハンナの初恋やトムソンの叔父に擬せられた実在人物マルティン・ボルマンが行った殺害など(3/4)

ばたやん@かみがた
2024/10/07 11:45

時系列を遡って人物像を掘り下げることが出来るのが映画よりも小説の強みかもしれません。痴話喧嘩のような凡庸な毎日を繰り返しながら、自分たちとは異なるカテゴリと認識した人々に対しては虫の如く潰すことも顧みず、時に正当化できる俗悪さを持つ人間的存在を描いた作品であることは、両者とも間違いのないところでしょう。そして、また自分たちが「潰される存在」にいつ回るか分からないことも含めて視野に入れておかねばなりますまい。(4/4)

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2024年10月にナイスが最も多かったつぶやき

ばたやん@かみがた

2024年9月の読書10冊2984ページ5273ナイス ★先月→ https://bookmeter.com/users/822995/summary/monthly/2024/9 鉱工業生産が8月落ち込んだり、首相に経済が皆目興味ない人迎えたけど、取り敢えず私は元気です。雨のリスクあるんで出かけるときは、雨戸閉めて行くんですが、帰ってくるとムワッ~と。スマート家電みたいなシャレオツなもんは持っとりやせん。でも、窓開けると直ぐ室温下がるんで宜しいかと。今月もお願いします。

かすみん
2024/10/01 18:18

いつもありがとうございます(*'▽')まだまだ日中は蒸し暑いですね~(;´ω`)今月もよろしくお願いします🍁

ばたやん@かみがた
2024/10/01 19:04

湿度が敵ですね、全く

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2024年10月の感想・レビュー一覧
10

ばたやん@かみがた
《情欲という名の引力》前も書いたが、ネグレクトされている少女の作品が最近やたら多いと思う。感情移入と話しの作りのしやすさから選ばれるのだろうが。そんな少女・凛の身の上知ったことで、教師・樹が彼女の引力圏に囚われ落(堕)ちて行く描写が秀逸。極力男を排した状況(樹の夫は彼女に表面的な罪悪感を与える一要素に過ぎない)の下、樹の目を通した凛の肌・足等の描写が堪らない。情欲に囚われるのは女子高生も同じ。長い放置による飢えが人肌へのそれに容易に転化する理由は不明だが、それが彼女の抱えた切実な事情をストレートに伝える。
ばたやん@かみがた
2024/10/29 20:24

いやいや、そこまで行けば「優」貰えますよ(笑)

たか厨
2024/10/29 20:50

わ~い!

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ばたやん@かみがた
《人間的存在と狂気》「移住に良い星と思えた当初→明かされる闇」というパターンも、繰り返されると流石に飽きが来る。その中で「待の星」「懐の星」のような「永遠に失われた相手への懐かしみ」を訴えた作品が良かった。後作はリドリーの越し方にも係るお話。ただ、両作品とも登場した「人ならざる」人間的存在が最後まで理性を失っていない点が、惜しいと思わせた。惜別と悔恨の余り狂気に陥ってしまっても、人間的存在はなお尊厳等を維持出来るものか。十数頁程度の小作では手に余ると考える一方、描写に挑戦して欲しいとも思ってしまうのだ。
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ばたやん@かみがた
《デモクラシーが持つダイナミクス》(1)「藍」=国民党、「緑」=民進党の陣営に画然と分かれてニュース解説する主要メディア。演説の最中も大音量の音楽が流され続け、参加者が感動の涙を滂沱と流して最後締めくくられるライブ感覚の政治集会。台湾語、客家語、16ある原住民(※台湾で「先住民」は「今はもう不在の人びと」を意味する。従って「元からいる人びと」を意味する「原住民」がPC的に正しいとされるので要注意)の言葉ごとに番組が入り乱れ、中には世界のマイノリティとの交歓を取り上げる番組もある……(1/6)
ばたやん@かみがた
2024/10/22 14:59

政権交代を可能にするオルタナティブな態度を野党を取らせ、対立する多数のメディアの中にあっても国民のリテラシーが一定保たれていることについては、日本との対照で羨望を禁じることが出来ません。紹介されている2024年の総統選での民進党選挙放送は、選挙広告を越えて台湾デモクラシーの持つ普遍性への誇り・信頼を示すもので、ここだけでも一読の価値はあります。この他、米台の取った二重国籍制度などが功を奏して、米国の台湾人社会の間に台湾民主化の芽を育て、またワシントンに対し日本を凌駕する影響力築くに至った事情(5/6)

ばたやん@かみがた
2024/10/22 14:59

について興味深く読めました。 (4)ただ、先に触れたアイデンティティの多重性などから、国勢が余りに違い過ぎる日本に台湾のこれまでの経験がストレートに当てはまるとは思えません。選挙前には国政の空白期間が出来るにも関わらず、未だに開拓時代からの流れを頑固に墨守している米国も含めて、選挙制度やそれにまつわる各種活動のあり方はその国の文化そのものであり、当該国民がその気にならねば変え難いものである、ということも改めて感じた次第です。ボリュームあり大変でしょうがおススメの一冊。(6/6)

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ばたやん@かみがた
《三十一文字は無限の扉を開く》SNS使用増大により、寧ろ若い世代の方に文字テキストに触れる機会が広がっているのは、いろんな論者が指摘しているとおり。とすれば、短歌や俳句こそが若者の表現形式として復活しているのは極自然の流れと言えるだろう。後本作について言えるのは、無限にモフりたくなるスクイちゃん可愛い(ガガガさんちの撫子ちゃんと同レベルで)位かな。説得のための短歌による応酬も熱かったが、肝心の爺さん空気。『ロシデレ』でも思ったんが、異世代とのコミュニケーション描くのが上手くない方っているよね。
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ばたやん@かみがた
《異世界エルフとの京案内》作家と作中の真中くんと同窓の私にとっては、東山・左京界隈は完全に生活圏だったのでその辺りの紹介、いささか面映ゆい。最初こそ真中のリードあるものの、途中からアスラさんが行先のイニシャティブ執るんで、完全二人による読者向け京都案内。彼女が全くその気配感じさせないのでラブの「ラ」の字もないが、想像以上に過酷な身の上から彼女を引き留めてしまった真中には時間がまだある。悠久のエルフの時間から見れば須臾の時に過ぎない、不確かな印税を当て込むなんてとか色々あるが、(続)
ばたやん@かみがた
2024/10/17 12:36

今はしばし八瀬の青もみじの傍に佇む、アスラさんの神々しい御姿を我々も目に焼き付けようではないか。

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ばたやん@かみがた
《平常運転》「里予田聖羅」って野田聖子さんモデルね。こないだの総裁選も出れんかったし、将来の総理ではないでしょう…いや「過去の人」と決めつけていたゲル氏が復活するし先は分からん、恐し政界・ワイドショー民。サラ、リディアが安定期に入って(リディアがまた暴走しているが「いつもの奴」以外感想湧かない)、第3の異世界人投入して来たな。結果、友奈がヒロイン格へ踊り出たが、ライヴァル名乗ったアルバ含めて「美濃のトム&ジェリー」として、末永く愛でるしかないでしょう。
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ばたやん@かみがた
《まず「思い込み」を取り除く》(1)コンサルの仕事のあと、専業農家で食べて来た異色の経験持つ著者。農業のことをまるで知らない都会者がボンヤリと思い浮かべてしまう農業像を真っ向からひっくり返します。曰く「大規模であれば効率化できる、というのは幻想。扱う作物や投下可能なリソースに見合った適正規模が存在する。」「既存の農家に一番嫌がられる新規参入者は、農薬をとにかく危険視するタイプ。ろくに虫・雑草を駆除できないで周囲の農地の大迷惑となるだけでなく、「ニコチン液」「木酢液」など農薬よりはるかに毒性の(1/4)
ばたやん@かみがた
2024/10/11 20:03

あと「遺伝子組み換え、ゲノム操作、ピギャー」となる人もボコボコにされてます。版元、意外ですか?まぁ、ミリタリーもよく出してるけど。

Koning
2024/10/11 20:08

そっちの本しか見てないからなぁ(汗>原書房(w。思いっきりアレなのがばれる反応でしたね(w

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ばたやん@かみがた
《我々の「関心」は狭くしかも遮蔽できる》(1)先に映画を視聴。アウシュヴィッツ第3収容所モノヴィッツを舞台にしたことは変わりありませんが、登場人物に変更加わったことは映画解説にて把握済み。しかし、被収容者以外の収容所長、親衛隊、情報将校、看守、被収容者を労働者として使役するため常駐する化学メーカー社員、医者そしてその家族たち。彼ら彼女らが、史上最大の人類への大罪が犯されているのを知りつつ、時に目の当たりにしながら、それを自分の関心の対象外に置いていたことは小説・映画とも共通します。(1/4)
ばたやん@かみがた
2024/10/07 11:45

で被収容者を次々と使い潰すところが悍ましい。パウルの非道の遂行を押し付けられる被収容者で死体処理係のシュミルが第3の視点人物として登場するのは、ドイツ人達の無自覚な残酷さをあからさまにするための必然と言えます。作中、ハンナやトムソンもこの戦争が敗戦に終わることを認識してはいる。だが、トムソンが英国人捕虜を経由したある企み(失敗)を行う以外、目前の事態を改善する手立ては何ら取られることは無いのです。 (3)ハンナの初恋やトムソンの叔父に擬せられた実在人物マルティン・ボルマンが行った殺害など(3/4)

ばたやん@かみがた
2024/10/07 11:45

時系列を遡って人物像を掘り下げることが出来るのが映画よりも小説の強みかもしれません。痴話喧嘩のような凡庸な毎日を繰り返しながら、自分たちとは異なるカテゴリと認識した人々に対しては虫の如く潰すことも顧みず、時に正当化できる俗悪さを持つ人間的存在を描いた作品であることは、両者とも間違いのないところでしょう。そして、また自分たちが「潰される存在」にいつ回るか分からないことも含めて視野に入れておかねばなりますまい。(4/4)

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ばたやん@かみがた
《長い彷徨の終了》八一の下から離れた銀子とあい、漸く相まみえる本来の路線に戻った感。終幕近いこともあり、二人を初め男女棋士たちの懐古や決断それぞれが感慨深い。桂香ちゃん、そっち行くのか、燎のクリアになった目標や珠代の慟哭等々。そして見守る年長者の視線は相変わらず厳しいが温かい。彷徨い続けたのは、八一も同じだった。16巻以降の機械や機械と化した棋士との優劣問う闘いは終わりを告げ、彼は盤面の外、「人生」も将棋と共に背負った旅へと赴く。最終戦は誰か告げられたも同然だが、良きエンドロールを今から期待できる。
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ばたやん@かみがた
《広々とした時空の中で躍動する男女》(1)これは面白い!『隋書』など正史の内容を綴っていると思われますが、人物が語ったとされる内容がとてもくだけた会話文で記されていて、頗る読み易い。文帝・煬帝二代の皇帝から将帥含む群臣、敵・同盟相手の君主他、反乱者といった男性だけでなく、皇后ら帝妃、可賀敦(カガトゥン。遊牧国家君主である可汗の正室)、公主(皇女)から地方の少数民族率いる女領主等に至るまで、政治・軍事における男女問わない活躍ぶりが生き生きと描かれて行きます。(1/5)
ばたやん@かみがた
2024/10/01 16:33

皇后が政治的・軍事的権力を蓄えてゆき、文帝の皇后・独孤伽羅や唐の時代に入ってからの武則天の活躍は当然と受け止められること等が例として上げられましょう。後世の価値観から最良の君主と崇められる唐・太宗と、最大の暴君とされる煬帝との共通性・連続性を指摘しているのもその一つと言えます。 (3)著者もあとがきで触れられていますが、同じ中公新書から同時期に相次いで出された会田大輔『南北朝時代』 https://bookmeter.com/reviews/103780035 、(4/5)

ばたやん@かみがた
2024/10/01 16:34

森部豊『唐』 https://bookmeter.com/reviews/114744430 と合せて読むことで、南北朝時代から隋唐帝国を一連なりで理解し、大運河などの整備により今後益々巨大化していく「中華」を準備した期間として受け止めることが出来ました。是非、同新書さんにおかれては引き続き前後の王朝史を編まれて世に送り出して頂くことを期待しますので、よろしくお願いいたします。(5/5)

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/01/04(2514日経過)
記録初日
2018/01/04(2514日経過)
読んだ本
1366冊(1日平均0.54冊)
読んだページ
432187ページ(1日平均171ページ)
感想・レビュー
1344件(投稿率98.4%)
本棚
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性別
外部サイト
自己紹介

積ん読、借り本優先なので、感想のアップは遅くなります。

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