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2024年4月の読書メーターまとめ

ばたやん@かみがた
読んだ本
31
読んだページ
7440ページ
感想・レビュー
31
ナイス
6174ナイス

2024年4月に読んだ本
31

2024年4月のお気に入り登録
1

  • ワニ🐊

2024年4月のお気に入られ登録
2

  • ワニ🐊
  • 山川欣伸(やまかわよしのぶ)

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ばたやん@かみがた
《有権者として耳傾けるべき内容》(1)日本において諜報活動を行う外国情報機関や国際テロ組織などを追跡調査し、取り締まる外事警察の一員だった経験を持ち、ドラマ『VIVANT』監修者の一人でもある著者が語るその実態。と言っても手汗握るなどのドラマ性からは程遠く、逆に海外の情報機関には相手の知りたい情報を与えるのが最も喜ばれ、かつ長い付き合いを維持するのに役立つ、という当たり前の記述等が真実味を強めています。また、親官庁が異なる日本の情報機関同士が互いに情報を隠し合い共有しようとしない点については、(1/5)
ばたやん@かみがた
2024/04/01 15:01

中曽根政権の時など除くと議論の俎上にも上らぬことが続いて来ました。しかし、外国の情報機関による知的財産権の侵害、また本書でも「特に荒っぽい」とされる中国による脅迫・慫慂などを用いた情報喝取は日本国民の人権を踏みにじるものです。我々は北朝鮮による拉致が長年日本人に対して続いてきた歴史を忘れる訳にはいかない。また本書では、日本企業の進んだ技術がロシアによって不法に入手され、それがウクライナに対するミサイル攻撃に用いられている可能性を指摘しています。人道上も、また民主主義を標榜する我が国としても(4/5)

ばたやん@かみがた
2024/04/01 15:09

侵略行為への間接的関与は避けるべき事柄ではないでしょうか。更に法制化は、日本国民に対してスパイ行為の類型を明示し、罰せられる範囲を明らかにすることで知らずにのうちに加担することを防ぐメリットがあります。経済安全保障推進法が制定し、その専任の閣僚が任命されることで企業の関心が高まり警察側も啓蒙に努めていることが本書でも述べられていますが、法制化は更にそれを促進するでしょう。「反対」とする勢力や人は、国民に対して納得しうるその根拠・理由を冷静に提示しなければなりません。(5/5)

が「ナイス!」と言っています。

2024年4月にナイスが最も多かったつぶやき

ばたやん@かみがた

2024年3月26冊5868ページ6009ナイス→ https://bookmeter.com/users/822995/summary/monthly/2024/3 一気に暑くなりましたが、ご体調お変わりありませんか。通勤途上、どこかの新入社員か新入生(専門学校?)の群れと行き会いましたが、申し訳ありませんがオッサンには目の毒、耳の毒でしかありません。ややブルーな気分の新年度、低調に始まったようでございます。これと言うのも財務省と植田日銀が…(マタハジマッタ、ニチギンニツイテハオソスギ)

かすみん
2024/04/01 18:24

いい話よりも、何とも言えない話が多いですね(;'∀')今月もよろしくお願いします🌸

ばたやん@かみがた
2024/04/01 18:35

よろしくお願いいたします。春先は人身事故が多いのも何となく分かる気がします。

が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
31

ばたやん@かみがた
《ダメだ、目がすべる》バレバレの嘘八百が通ったり、突然奇矯に喋りを始めることが、なぜ事態を良い方向へ転がしていくのだ?ここまで生理的に合わないのも珍しい。
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《陰謀を産衣にした皇女》1頁1話の進行に意表を突かれたが、アンナの境遇と彼女と皇族が直面する環境変化をたどって行くには相応しい形式だと直ぐ納得した。やがて、33頁に及ぶ「緋色の陰謀」では、父帝により宮廷から追放された祖母や義母こそが血塗られた陰謀劇の主宰者であり、アンナの現在の立ち位置も彼女らの謀略とその失敗の結果であることを、彼女も読者も思い知らされる。読者は、さらに父帝自身が、幾多の失敗者の犠牲の上に立った成功せる簒奪者であるに過ぎず、その権力基盤たるや脆弱であることを知るであろう。(続)
が「ナイス!」と言っています。
ばたやん@かみがた
ネタバレ《油断禁物》西沢5ミリさんの可愛らしい絵に鼻の下伸ばしていたら担がれましたわ。やはり、赤坂アカは拗れ捲った人間の性質・人間関係を黒く、そして深く描く。アダルトチルドレンなヒロイン麻里、偽悪的に振る舞うが〈ヤマアラシのジレンマ〉恐れて代行業に頼るマサヤ。彼らの恋愛代行を遂行する男女高校生も訳ありなようで、特に、別テイストだが、麻里に劣らず可愛い容姿の女の子、コンが引きこもるようになった理由に興味がつきない
が「ナイス!」と言っています。
ばたやん@かみがた
ネタバレ《しっかりと青春》してるよなぁ、1巻よりは。今回、クローズアップされたのは表紙絵登場の北条夏希。容貌、体型から男共から「手を出せる」と勝手に思い込まれてしまう彼女を、ピンチから救出するお話…なのだが、実際それを差配しているのは頼れる大家のばーちゃんで、主人公は前線につっ立ってる兵士に過ぎない。とはいえ、唇とか乳○とか直接接触までの距離は、1巻よりは近いので冒頭の感想となりました。どっと払い
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《「虚実皮膜」を突き抜けた先は》五反田と組んで映画制作を通じた、「アイの真実」を発掘するアクアの作業の困難さは、想像に難くない。虚と実の二重生活を生きた人物を、演者の虚と実を撮し取る作業通じて明るみにしていく、謂わば四重の世界が平行していく訳だから。ルビーとかな、二人の少女による、人間関係を破壊しかねない決死の努力により、やっとアイの真実の一端が掘り起こされる。(続)
が「ナイス!」と言っています。
ばたやん@かみがた
ネタバレ《2人あるいは3人の閉じた世界》明里に対する凄惨な暴行・レイプが描かれるものの、冥らの復讐は圧倒的な超常力で成し遂げられる。明里の加害者が全て薄っぺらく、人間的背景に乏しい。いじめの加害者なぞそんなものかと思えるが。最後、冥と栞が明里と再会した、日常と変わらぬ黄泉の世界は、3人を封じ込んだ異境として物哀しく感じられてならない。
が「ナイス!」と言っています。
ばたやん@かみがた
《人も、会社も、国も、ユルい方が育つ!》(1)「高圧経済」とは聞きなれない言葉です。しかし、リーマンショック後中々回復して行かない世界経済の状態を見て、さらにコロナパンデミックを経て「不景気を吹き払うには、経済の需要が供給を上回る状態がしばらく続くほどに、財政政策・金融政策を共に緩和的に運営していくべきではないか」という問題意識から生まれて来た、と言います。本書はその考え方の成否を、経済学者やエコノミストが最近の日本経済について各国と対比することを通じて検証し、「是」として行くのです。(1/5)
ばたやん@かみがた
2024/04/26 17:50

行くことでゾンビ状態からの脱却を促し、雇用を守ると共に清算的でないノウハウや人材を損なうことなく継承できる創造的M&Aが達成できるのだ、と。投資、取り分け波及効果が大きい製造業を中心とするR&D投資は、好況期においてこそ増加するものであり、例えば半導体産業の日→韓移転などを引き起こしていたのである、と (4)高圧経済では、成長率も上がって財政破綻なんてどこへやらで良いことづくめですぜ、岸田さん? 雇用者を中心とする国民や、彼らを雇用する会社に取って良い結果をもたらすのですから、一国の経済に(4/5)

ばたやん@かみがた
2024/04/26 17:51

にとって、高圧経済が悪かろう筈がありません。実際、最後の二つ、永濱論稿ではこれまでの先進各国の長期の経済データを振り返り、嶋津論稿では直近のパンデミックにおける各国が取った財政金融政策がコロナ後、それぞれ各国経済にどう影響したかを論じ、小見出しに掲げた命題を論証します。この文章で呼びかけた人物は、日銀総裁、財務省そして首相ですが、何れも経済政策については無定見で己の政治的立場を守ることに汲々とするばかり。日本経済の健やかな回復も望み薄ですねぇ(5/5)

が「ナイス!」と言っています。
ばたやん@かみがた
ネタバレ《ぶつかる炎と氷》亡き祖父松吾郎の音をただ自分のものにしたくて、彼同様、無欲無名のまま三味線を演じ続けたい雪。当然それでは舞台は盛り上がって行かないので、母梅子が無理やりな高校生大会創設など仕掛ける。下宿での彼女の激白や「竹の華」の竹千代の述懐が示す様に、親族エゴと単純には片付けられない所がミソである。そのような相克と交差する愛好会内の恋愛模様が実にジューシー。嫉妬と意地の二重の想念から雪をサッカー勝負に引き込む海人、それを雪にそれとなく警告する雷など、同性の2年生達とのやり取りも見逃せない。
が「ナイス!」と言っています。
ばたやん@かみがた
ネタバレ《「聴く人に育てられる」》一巻、小藪先生初登場のとき、なんでユナさんがここに、と思ったのはここだけの話。さて、緒方洸輔(神木清流)が雪を評した見出しの台詞、評された彼の行く道の困難さとユニークさを端的に表している。雪の内発的情動を引きずり出せる人物や事象あれば、今回の老人ホームでの演奏の様に爆発的になるが、計算的にそれを演出することは難しいのである。雪の煩悶に呼応する様に、結や海人、朱利ら幼馴染3人がベタにせよ青春している所も先々が楽しみだ。いよいよ暖まって来た。
が「ナイス!」と言っています。
ばたやん@かみがた
ネタバレ《絶えざるハラスメント》紅太少年の家庭事情は、実母も義父も割とできた人物であり、「兄さん」扱いしてくれるキャワワ(重要)な義妹(但し肚に一物あり)がいてくれて、それ位どないかせーよ、と思ったのだが。よりキャワワ(最重要)な少女・小白への母親による現在進行形のハラスメントが、児相レベルで酷過ぎる。「諦めた」と言いながら、行動を束縛するなど人格をへし折りに来てるだろう。次巻に向けて選び取った行動は「そんなものだろう」という感想だったが、少年少女だけで対処し得る程度を超えているので対抗策にはならないと思うな
が「ナイス!」と言っています。
ばたやん@かみがた
ネタバレ《花のかんばせに陶然と》初読みしたとき、特に一花がオークション会場へ連れて行かれる流れなど、場面転換したときの繋がりが悪くて何度か見返したよ。ただ、五つ子達のアップの表情が全て心臓を射抜くレベルで、この作品はやはりそこがセールスポイントだと確認。風太郎の妹らいはが彼と五つ子の接触の機会を増やそうとする天然の策士ぶりに、読者もメロメロですね。今回は一花メインだと思うけど、二乃や四葉とも好感度増すイベントこなしており何より。引きが、五姉妹の過去をクローズアップする所で上手いなぁ。
が「ナイス!」と言っています。
ばたやん@かみがた
ネタバレ《意外と…》ついこないだまで、男ばっかり、明治末期で津軽海峡の向こうにいたんです。突然、同じ顔ばかりとは言え、可愛いしかも胸の大きな女の子が五人もいる環境下に来ると、時差ボケならぬ漫画ボケ起こしますわね。金と意地から始まった風太郎の五つ子卒業計画。五人を乗せたり、ヘイト避けたりする彼の七転八倒が、一人ずつフラグ立てていく契機(ついでに当然ラッキーすけべ)になって行く設定がユニークね。今回の三玖からの好意勝ち取りはなかなか熱いものがあった。
が「ナイス!」と言っています。
ばたやん@かみがた
《経済学もレシピのように使いこなそう》(1)ばたやんのアイコン、ばた健である。今回、主人から任されたこの本、食と経済学の突合せという趣向。似た本にT.コーエン『エコノミストの昼ごはん』(2015年作品社)というのがあった。こちらの方は、コーエン先生が町のレストラン&食品市場へ実際に赴き食レポ、買いレポから「美味しさ」の秘密を経済学的に考察して行くスタイルで滅法面白かった。その点、本書は例えばバナナなどある食品を切り口に植民地主義を主題にしていく等のやり方で、少し生硬に感じられるかも知れない。(1/4)
ばたやん@かみがた
2024/04/19 18:49

ワシントンコンセンサスに反旗翻した中南米で貧困層保護など重視する左派政権が次々誕生した「ピンクの潮流」についても、経済発展はそれらの政権下の方が改善したとしながらも、国民の所得向上を真に目指す為の「産業化」を怠っている点には厳しい評価を下してるね。「自由貿易が19世紀の繁栄を築いた」という言説も「神話」だとし、その中核国とされて来た英米が、何れも自国産業が一人前に成長するまでは高関税など「保護主義」の下にいたことを史実で示す (3)財政、貿易、成長etc.どの分野についても「これ一つしかない」(3/4)

ばたやん@かみがた
2024/04/19 19:59

という思い込みやそれによる「強制」を排除していこうとするのが、取りうる経済学を選択する際、顕著に見られる著者の姿勢だ。それは、料理する際に選びうるレシピは食材やその鮮度や自分の得意・不得意等々により千差万別であるのに似る。レシピ同様に、経済学的知見がこれまでの風雪に曝され一定の評価を得つつも、時代の移り変わり等で尚改良や発展の余地が出て来る所も似てるんやないかね。そして、その選択に当たって料理する人、経済政策を選ぶ人々(国民)の主体性が必要なところもね(4/4)

が「ナイス!」と言っています。
ばたやん@かみがた
ネタバレ《神話世界の登場人物たち》とうとう終わってしまった。二か月ほど浸って来た物語世界に別れを告げて一抹の寂寥感。ここまで読者を牽引する魅力の源は何か。それは登場人物たちが創世神話のカムイの如き役割を果たしてきたからだと考える。金塊、北の大地の権利書、生きていた土方(ひじかた)、国境を易々超えるパルチザン、下級将校が恣意的に動かせる軍隊etc.全てが嘘なのだが、それらがダイナミックに物語を牽引して行けるのは、そのように捉える方が筋が通ると思うのだ(1/8)
が「ナイス!」と言っています。
ばたやん@かみがた
ネタバレ《ビターでもどかしい》10代半ばの女の子2人がじゃれ合うお話、性的要素も微少。言ってしまえばそんなことだが、幼少期の記憶を色濃く引きずり、大人への道も半ばの2人には互いの関係性を再構築してゆく過程も大変なのかもしれない。わかばを何処までも追いかけて「尊厳を奪う」などと称して拘束する小牧。口では嫌がりながらその拘束を撥ね退けることは選らばず、小牧のことが気になって仕方ないわかば。言葉にするとスルリとそこから脱け出してしまいそうな2人の関係性。とてももどかしく、とても甘美だ。
が「ナイス!」と言っています。
ばたやん@かみがた
ネタバレ《一人、また一人》都丹庵士、鯉登平二、二階堂浩平そして誰よりもソフィア。今まで舞台を沸かしてくれたキャラクターが退場していくのが物悲しい。味方の死を目の当たりにしたアシㇼパの慟哭。彼女の縁を結んだ相手に対する深い心情そして「不殺」への堅い意思を知る者としては粛然とするしかない。ロシア黒海艦隊かくやを思わせる鯉登駆逐艦隊の全滅は思わずの喝采と共にそんなに上手く行くのかとも。責任を取り自死を選んだ父を眺めても動じない音之進は、ことここに至っても「劇場」を続ける鶴見から心理的な別離を果たすのだ。
が「ナイス!」と言っています。
ばたやん@かみがた
ネタバレ《一気に引き込まれる津軽三味線の世界》ホームでキスの別離って乙女チックと思ったが、少女漫画の書き手でらっしゃいましたね。ユナがチンピラをのす所とか、金満ボディコンおかんの襲来とかのコメディ要素も時代を感じさせたが、雪が一旦、棹と撥を握ればそんな事柄は些細なことになる。津軽から上京した彼が下町と学校に居場所を定め、これから縁を結ぶだろう人々の顔見せで初巻は終わる。津軽三味線の醍醐味に浸れるときを固唾を飲んで待つ
が「ナイス!」と言っています。
ばたやん@かみがた
ネタバレ《最後の戦い》かくて五稜郭で火蓋が切って落とされる。土方歳三の“起用”はこのためにあったと言って過言でないだろう。また、唐突に感じられる「権利書」の出現。アシㇼパが理想とするアイヌの将来と、ここまで読者を引っ張って来た金塊が持つ力とのズレを埋める為に仕方ないところか。だが、権利書の内容が和人ほかによる侵害を絶対的に許さぬアイヌの「居留地」を意味するのか、これでは解らぬし、作者の筆の及ばぬところか。
が「ナイス!」と言っています。
ばたやん@かみがた
ネタバレ《武力発動の論理と倫理》表紙の様に新九郎の表情いよいよ厳しい。それもその筈、今川家家督問題が終局を迎えつつあるのだから。新九郎のここまでの将軍家や背後の伊豆公方への働きかけ、国人に対する調略など見ていると、相手方の実利への配慮や大義名分を得てそれに基づく論理を展開すること無くしては事成らないことに気付かされる。それをグダグダしていると見る向きもあると思うが、現代においても諸勢力との調整にそれらへの目配りなくしては成立しないことは幾らでもあるだろう。武力発動はその為の最終手段であって目的ではないことは(続)
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ばたやん@かみがた
《学問的知識との付き合い方》(1)目次をパラパラと捲ると、政治と経済の関わりについての論考、恩師の話などが収められており、一見雑多な印象があります。しかし、良く読めば例えば、ご自身の専門で日銀副総裁として大きく関与した金融政策について、学説史・その現代的展開、さらにそれへの誤解を正すパートと順番を追っていける構成(6章→7章→12章)となっており読みやすい。(1/5)
ばたやん@かみがた
2024/04/15 17:29

手ほどきを受けた著者が、それを応用して発表した論文が宇沢弘文氏の高い評価を受けたなどの記述に接すると、その感はより強くなるでしょう。 c)さらに、経済に限りませんが事象やその評価語る際のデータ、エビデンスの重要性です。金融政策に無理解・無知なことを口走る論者の一人として岩田先生は池上彰氏を一例に挙げていますが、彼がアベノミクス期の日銀が「ジャブジャブお金をばらまいて」という評をしたことを次の様に批判します。お金は簡単に言えば我々がATMから出した時、実際の使われたときに初めて実現するもの(4/5)

ばたやん@かみがた
2024/04/15 17:29

なのだ、と。この期間に日銀が保有国債を3.4倍に増やしたが、貨幣量はたった1.4倍しか増えなかった。池上氏の言ったことは端的に間違いであるし、貨幣量増加を妨げたものは何かを追求する方が実りある議論なのだ、と。 (3)おしまいに、黒田日銀がそれまでの日銀執行部と違って画期的だったのは、政策決定に当たって市場の誰もが「予想可能な」ものとし、その実現に当たって具体的手段を明示したことによるものだ、ということを再確認しました。現在の植田日銀がまた元の黒田以前のそれに戻っていることを実感した次第です(5/5)

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ばたやん@かみがた
ネタバレ《弔いと癒しと》旧知だった菊田と杉元のエピソード回。菊田が杉元を見る眼差しは亡弟へのそれと完全に一致。イポㇷ゚テにも慕われる訳だ。妻子への惜別の情すらも己の野望に供しようとする鶴見とは、菊田が「中央」から派遣されたスパイという事情を無視しても、土台合わなかったろう。しかし、本作が彼らも含めて今は亡き親しい人々への鎮魂とそこからの前進を描いた物語だと、改めて確認する。それぞれの流儀は全く異なるが。鯉登くん、やはり教会でのやり取りも「鶴見劇場」の一幕と気づいていたんだね。(続)
が「ナイス!」と言っています。
ばたやん@かみがた
ネタバレ《いよいよラストスパート》遂に現在の正確な年が明らかになる。鶴見と月島のウラジオ訪問が1897年。長谷川写真館の焼失がその6年前、そしてソーニャと再会した鶴見の述懐でそれから17年経ったことが判明、1908年となる。日露戦から3年、冬が2回来たので物語の開始は1906年秋だったか。鶴見が最大の謎だった「アイヌ7人殺し」「のっぺらぼう」の誕生を、アシㇼパに説き聞かすのに正確な時系列が必要となって来た点、終局が近いことを予感させる。ソーニャそしてアシㇼパに、自分の妻子の死について「負い目」を負わせること(続)
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《う~む、唐突》えっ?「24枚全部は不要」ってアシㇼパ、鶴見、土方ら三陣営首脳部以外の人物も当たり前の知識としてるが、そんな伏線あったかな?墜死の彼、リッパーも併せて共感全く寄せられない卑小な奴らだった。ここで『ピエタ』(笑)宇佐美の小指噛みちぎった様に、サディズムは鶴見の本性だが、応える宇佐美(加害時は極端なS)もマゾヒストでなくては関係成立しない。鶴見に狂信することで自分を納得させている月島といい、やはりカルト集団だ。混乱中に定番の裏切り。房太郎のアシㇼパへの囁きは、一面甘美に聴こえるが。
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《山場直前の喧騒》北海道の豊かな自然とそれを巧みに利用してアイヌが作り出す文藝品を堪能したのは、久しぶりに思える。が、それに続いて杉元らも巻き込まれた自然破壊の実態、上等兵同士の確執など殺伐としたシーンが描かれる。鶴見が刺青人皮に仕掛けたフェイクに惑わされるアシㇼパの焦燥に共感する。リッパー追捕に誰も予想もしないクリーンヒット放った啄木の執念と動機に驚き笑う。1回切りのゲストじゃなかったんだなぁ。ヴァシリ―(もう皆名前を忘れてしまったと思うが)の『空の贈り物』パロディには苦笑しかない。(続)
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《ヒロインがいい!》吸血美少女旭日が可愛いんですよ。指の力なく「ン」と言ってジュースのプルタブを有町に開けさせる所なんかね。今まで見てきた多くの作品で漠然と吸血行為は性的行為のメタファと捉えて来たけど、有町が旭日に対して行う「殺人」もそうですな。少女→少年、事前に「早くシてよ」事後に「しちゃったね」て言ってるし。後輩鳴坂は「契約行為」なんて呼んでいる。両者の関係を成り立たせるのはウイルスと言うことになっているが、後付けのようなもの。本質は互いに相手にとって特別な存在であり続けることだ。(続)
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ばたやん@かみがた
ネタバレ《変な力み不要》「恋愛編」と銘打っているが、家族愛なども含め対象を広く取り扱っており、急かれるような感情を扱った物語を期待すると肩透かしを食らう。また、SFというジャンルについても確かに円塔らしいゴリゴリ(かどうか私には定かならぬ)理系作品『ムーンシャイン』なんてのもあるが、短時間のうちに人生を煮しめたような小田雅久仁『人生、信号待ち』(大阪弁の使い方絶妙)もあり、肩肘張らずに頁繰れば良いのではないか。個人的には共に歴史改変扱う高野史緒『G線上のアリア』、新城カズマ『月を買ったご婦人』かな
が「ナイス!」と言っています。
ばたやん@かみがた
ネタバレ《変態たちは札幌を目指す》新規の刺青囚たち、海賊房太郎はともかくどいつも気色悪いな。小児殺人犯・上エ地 圭二は確定として、ジャック・ザ・リッパーもどきの外国人もそう?宇佐美とのスペル〇飛ばし合戦って誰得。杉元くん、アシㇼパさんのことになるとバーサーカーモード直ぐ発動してしまってるよ。後で房太郎にからかわれているしね。このときの姫御前の反応がとおっても可愛い。これで刺青は全て登場したことになるのかな?3勢力+刺青囚が札幌に集って、さぁどんな惨劇&コメディが展開するんでしょ。
が「ナイス!」と言っています。
ばたやん@かみがた
ネタバレ《もう一つの成長劇》アシㇼパだけではない。終盤の鯉登の呼び掛けは、月島だけでなく読者も虚を突かれたろう。正義を希求して鶴見に付いて行くならば、自らの意志で新しい生命と共にフォロワーから降りた男女を、裏切り者として粛清することは、自分自身を裏切ることではないか?屍山血河を築くことだけが、鶴見の指し示す道か?これが鶴見の意志に適うことだとして、己を虚しくすることが正しいのか?これは、21巻でアシㇼパが杉元に指し示した「第三の道」にも通じるものだろう。完全に毒気を抜かれてしまった月島が、その後男どもと共に(続)
が「ナイス!」と言っています。
ばたやん@かみがた
ネタバレ《数歩前行く年少者》後半は「砂金取り男」巡る『ねじの回転』風心理ホラー。もちろん、H.ジェイムズだが。前半の大泊~北海道逃避行は、果たして最善手かは別として船から流氷に下りるなど、アシㇼパの果断さが際立つ。それ以上にこちらの心を打つのは、彼女自身が杉元を良く観察し、行動を共にする覚悟と戦略が出来ていることである。アシㇼパに関係することに激し易く、単独行動に走り勝ちな杉元に全てを明かすことは、彼の心身をさらに傷つけてしまう。鶴見たち(土方たちも)は私の身体を害することは敵わぬのだから(続)
が「ナイス!」と言っています。
ばたやん@かみがた
ネタバレ《第三の道》ロシアン狙撃手にエコロ爺さん、「不死身」の人大杉。さて、一度切りの杉元とウイルクの出会い(14巻)以来、私が疑問を抱き続けて来た杉元のアシㇼパに対する「思い込み」が、本人と白石によって糺されるときが来た。白石の「お前は樺太での彼女の成長を見ていない」も尤もなのだが、映画撮影を初めて目にしたアシㇼパがアイヌ文化の保存について真剣に考え始めたのが出色である。マイノリティ地位向上は、ウイルクや土方が今までやってきたようなテロ活動を意味しないのかも知れない。先に見た文化保存運動然り、(1/2)
が「ナイス!」と言っています。
ばたやん@かみがた
《有権者として耳傾けるべき内容》(1)日本において諜報活動を行う外国情報機関や国際テロ組織などを追跡調査し、取り締まる外事警察の一員だった経験を持ち、ドラマ『VIVANT』監修者の一人でもある著者が語るその実態。と言っても手汗握るなどのドラマ性からは程遠く、逆に海外の情報機関には相手の知りたい情報を与えるのが最も喜ばれ、かつ長い付き合いを維持するのに役立つ、という当たり前の記述等が真実味を強めています。また、親官庁が異なる日本の情報機関同士が互いに情報を隠し合い共有しようとしない点については、(1/5)
ばたやん@かみがた
2024/04/01 15:01

中曽根政権の時など除くと議論の俎上にも上らぬことが続いて来ました。しかし、外国の情報機関による知的財産権の侵害、また本書でも「特に荒っぽい」とされる中国による脅迫・慫慂などを用いた情報喝取は日本国民の人権を踏みにじるものです。我々は北朝鮮による拉致が長年日本人に対して続いてきた歴史を忘れる訳にはいかない。また本書では、日本企業の進んだ技術がロシアによって不法に入手され、それがウクライナに対するミサイル攻撃に用いられている可能性を指摘しています。人道上も、また民主主義を標榜する我が国としても(4/5)

ばたやん@かみがた
2024/04/01 15:09

侵略行為への間接的関与は避けるべき事柄ではないでしょうか。更に法制化は、日本国民に対してスパイ行為の類型を明示し、罰せられる範囲を明らかにすることで知らずにのうちに加担することを防ぐメリットがあります。経済安全保障推進法が制定し、その専任の閣僚が任命されることで企業の関心が高まり警察側も啓蒙に努めていることが本書でも述べられていますが、法制化は更にそれを促進するでしょう。「反対」とする勢力や人は、国民に対して納得しうるその根拠・理由を冷静に提示しなければなりません。(5/5)

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/01/04(2369日経過)
記録初日
2018/01/04(2369日経過)
読んだ本
1310冊(1日平均0.55冊)
読んだページ
414148ページ(1日平均174ページ)
感想・レビュー
1288件(投稿率98.3%)
本棚
0棚
性別
外部サイト
自己紹介

積ん読、借り本優先なので、感想のアップは遅くなります。

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