読書メーター KADOKAWA Group

2024年4月の読書メーターまとめ

ケイトKATE
読んだ本
7
読んだページ
2397ページ
感想・レビュー
7
ナイス
297ナイス

2024年4月に読んだ本
7

2024年4月のお気に入られ登録
1

  • コウジ

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ケイトKATE
『サラの鍵』は、1942年7月16日パリ、ヴェロドローム・ディヴェールで起きたユダヤ人一斉検挙事件で奇跡的に生き残ったサラと、50年後に事件の真相を取材するアメリカ人ジャーナリスト、ジュリアを中心に物語が進む。短い章にサラとジュリアの物語が交互に進行することで、緊張感が伝わり読み出すとページが止まらなかった。『サラの鍵』は、負の歴史と向き合った。それは、当事者にとって辛いものである。しかし、真相を知ることで学ぶことが多い。そして、未来へ生きる人への教訓として繋がる。文学の力が伝わる素晴らしい小説である。
が「ナイス!」と言っています。

2024年4月にナイスが最も多かったつぶやき

ケイトKATE

少し前に、4月7日放送のNHKスペシャル『Last Days 坂本龍一 最後の日々』を観ました。番組を観て、私はデヴィッド・ボウイと比較してしまいます。癌であることを周囲に明かさず、最高の作品を残して美しく人生の幕を降ろしたデヴィッド・ボウイ。苦しい姿をさらけ出しながらも理想の音楽を作り続けた坂本龍一。対照的ですが、二人が目指していたのは同じものだったのではないかと思いました。そして、亡くなる2時間前に撮影されたピアノを弾くような動きをする教授の手を見て、最期まで音楽家であり続けた姿に心打たれました。

少し前に、4月7日放送のNHKスペシャル『Last Days 坂本龍一 最後の日々』を観ました。番組を観て、私はデヴィッド・ボウイと比較してしまいます。癌であることを周囲に明かさず、最高の作品を残して美しく人生の幕を降ろしたデヴィッド・ボウイ。苦しい姿をさらけ出しながらも理想の音楽を作り続けた坂本龍一。対照的ですが、二人が目指していたのは同じものだったのではないかと思いました。そして、亡くなる2時間前に撮影されたピアノを弾くような動きをする教授の手を見て、最期まで音楽家であり続けた姿に心打たれました。
ハナハナ
2024/04/29 09:51

ケイトさん、私も観ました。教授の最期の姿は痛々しく涙しましたが、最期まで音楽家であり続けましたね。あの姿忘れる事はできません。私も深く感銘をうけました。

ケイトKATE
2024/04/29 11:13

教授は、作りたい音楽がたくさんあったと思います。それでも、残された時間の中で完全燃焼した生き方は、見事な幕引きだと思いました。

が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
7

ケイトKATE
ヴァージニア・ウルフの日記を読むと、常に心の中で葛藤していたのが分かる。日記には、創作の苦悩を告白していて、鬱を持っていたウルフにとって他人には分からない苦しさがあったと思う。日記には創作の苦悩だけでなく、ハーディ、E.M.フォースターなどの名だたる作家、恋人のヴィタとの交流が記されている。特に、フォースターへの信頼が高く微笑ましい。ウルフの日記で最も登場するのが夫レナードである。レナードの支えがなければウルフの小説は誕生しなかった。この日記は、作家ヴァージニア・ウルフを知ることができる貴重な記録である。
が「ナイス!」と言っています。
ケイトKATE
日本の古典文学で最も興味があるのは万葉集である。1300年前の人々、天皇から一般の人まで、様々な人の歌に託した思いを知ると、長い歳月が経っているにもかかわらず心に届いてくる。テキストは、別れや死と向き合った歌を中心に取り上げられており、万葉集研究の第一人者である上野誠の解説が分かりやすいのに加え、歌の原文と訳文が並列されているのが親切である。これを機に万葉集を読んでみたくなった。
が「ナイス!」と言っています。
ケイトKATE
フィクションであれ、ノンフィクションであれ、有名人に関する本を書いてみたいという気持ちを掻き立てられるものである。『あなたの迷宮のなかへ』は、フランツ・カフカの恋人ミレナ・イェセンスカーの消失してしまった手紙を創作した本である。私は、カフカの小説も、カフカに関する本も読んでいないためか、ミレナのカフカへの思いの強さは伝わったものの、全体的に楽しめなかった。カフカ好きや詳しい人には楽しめるのかな。
が「ナイス!」と言っています。
ケイトKATE
1948年に起きた済州島4・3事件を題材にした小説。ハン・ガンは、『少年が来る』で光州事件を舞台とした小説を書いたが、済州島4・3事件と光州事件は、共に韓国においてはタブーとされた事件であった。ハン・ガンは、タブーとされた事件を書いたのは、タイトルの『別れを告げない』が象徴しているように、犠牲となった人たちを忘れてはいけないという決意があったからだろう。凄惨な事件を小説にしているにもかかわらず、繊細で美しい文章や犠牲者や体験者の汲み取った言葉に引き込まれていった。
が「ナイス!」と言っています。
ケイトKATE
『サラの鍵』は、1942年7月16日パリ、ヴェロドローム・ディヴェールで起きたユダヤ人一斉検挙事件で奇跡的に生き残ったサラと、50年後に事件の真相を取材するアメリカ人ジャーナリスト、ジュリアを中心に物語が進む。短い章にサラとジュリアの物語が交互に進行することで、緊張感が伝わり読み出すとページが止まらなかった。『サラの鍵』は、負の歴史と向き合った。それは、当事者にとって辛いものである。しかし、真相を知ることで学ぶことが多い。そして、未来へ生きる人への教訓として繋がる。文学の力が伝わる素晴らしい小説である。
が「ナイス!」と言っています。
ケイトKATE
第二次世界大戦末期のイタリアで、全身大火傷を負った「イギリス人の患者」と呼ばれる謎多き男性をめぐる物語。「イギリス人の患者」を献身的に看護をするハナ、ハナの父親の友人でイギリス軍スパイだったカラバッジョ、イギリス軍の爆弾処理班の工兵であるインド人のキップが関わり、やがて「イギリス人の患者」の正体が明らかになっていく。『イギリス人の患者』はブッカー賞50周年記念で最も優れた作品に選ばれている。確かにマイケル・オンダーチェ書く文章は詩的で美しいものがある。だが、靄が掛ったような構成に正直夢中になれなかった。
が「ナイス!」と言っています。
ケイトKATE
最も近い外国なのに、韓国について自分が知らないことが多いことに気付かされた。海外養子としてフランスで育ったナナは、ドキュメンタリー映画出演のために韓国へ帰国し、自分のルーツを探しに行く。途中、ナナは偶然立ち寄った食堂のおかみポクヒと知り合う。ポクヒは、かつて保護した少女を海外養子に出したことがあった。韓国では、朝鮮戦争後、アメリカ軍兵との混血児を海外へ出すことが続いていた。読んでいて、貧しい女性や子供たちへ偏見の激しい韓国社会の中で、懸命に生きる女性たちに幸せを願わずにはいられなかった。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/01/29(2291日経過)
記録初日
2011/07/08(4688日経過)
読んだ本
420冊(1日平均0.09冊)
読んだページ
154318ページ(1日平均32ページ)
感想・レビュー
391件(投稿率93.1%)
本棚
23棚
自己紹介

海外文学(ヨーロッパ、アメリカ)、歴史ノンフィクション(第二次世界大戦関連)の長編物の本を読むのが大好きです。
好き作家…ドストエフスキー、トルストイ、ディケンズ、ハーディ、E.M.フォースター、ヘルマン・ヘッセ、ヴァージニア・ウルフ、トーマス・ベルンハルト、W・G・ゼーバルト
岩波文庫ファンで毎月チェックしています。
洋楽とクラシック音楽も大好きで、好きなアーティストの来日公演を観に行くのを楽しみにしています。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう