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2025年10月の読書メーターまとめ

Mark.jr
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2025年10月に読んだ本
38

2025年10月のお気に入られ登録
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  • ワニ🐊

2025年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Mark.jr
ホーソーン&ホロヴィッツシリーズ第3弾。小島での殺人事件ということで、いつも以上に古典的なミステリー色が強いですが。日本の作品みたく嵐とかでクローズドサークルにならないのが、海外らしい。3作目になるとコンビが板についてきたというか、ホーソーンの鼻持ちなさと、ホロヴィッツのヌケてる感がいつもより控え目で、これまでで一番読み安いです。他方、周到な伏線の妙も健在。あの描写にはそういう意味が!という驚きを味わせてくれます。まあ、意地悪さが薄くなって普通のミステリーになったなという、擦れた見方も出来ちゃいますが…。
が「ナイス!」と言っています。

2025年10月にナイスが最も多かったつぶやき

Mark.jr

Aldous Harding - Warm Chris とても良い。

Aldous Harding - Warm Chris
とても良い。
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2025年10月の感想・レビュー一覧
28

Mark.jr
Willam Gibsonと並ぶサイバーパンクSFの代表格であるBruce Sterlingですが。デビュー作である本書は、Roger Zelaznyを思わせる、異形かつ綺羅びやかなイメージが飛び交うファンタジー系のSFです。おそらく、著者の作品の中では異色作でしょうが、最も素直に楽しむことのできる一冊かもしれません。
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Mark.jr
金田一耕助シリーズの本書は長編でなく短編集。一見無惨な事件からの爽やかなオチの展開が印象的な表題作を始め。長編の要素をそのまた短編に持ち込んだような「湖泥」。シリアルキラーを題材にし、最もアングラ的雰囲気が強い「堕ちた天女」など。捻れた人間関係と心理といった長編の良さは控え目ですが、謎と伏線、推理がコンパクトにまとまった分、ある意味長編よりも現代のミステリーに近い魅力があるのではないかと思います。
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Mark.jr
スウェーデンのノーベル文学賞受賞者Par Lagerkvist。 著者の代表作「バラバ」はイエス・キリストの代わりに釈放された犯罪者が主人公の話でしたが。本書も十字架を引きずるキリストを邪険にしたために呪いの言葉を吐かれた男と、神の存在が分からなくなった巫女の対話がメインになっており、キリスト教や神に対する愛憎を交える複雑な視点を感じます。フォン・トリアーといい、北欧にはそういうアンチクライスト的流派があるのでしょうか。流石、ブラックメタルの本場というか。
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Mark.jr
タイトル通り「ゲゲゲの鬼太郎」を下敷きにした「ゲゲゲのげ」ですが、鬼太郎らしさと著者のオリジナリティがぶつからずに両立しているのが、何気に凄い。そして、ほとんど別人ながら鬼太郎の台詞がカッコいい。「俺が怒れば天は騒ぎ、気流がうなるぜ。生命のいらない奴は、かかってこい!」「妄想とドラマはちがうぜ、坊や。」他方、一人の青年が時空を超えて自分の両親の結婚までの経緯とある悲恋を知る「瞼の女」。両作ともファンタジックながら、内容は結構重たいです。
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Mark.jr
日本では映画監督として有名なパゾリーニですが、四方田犬彦氏によると本国イタリアでは、まず詩人としての評価があって、次に映画らしいです。となると、日本で一番近い存在は寺山修司でしょうか。その詩のクオリティはAlberto Moraviaをして「今世紀後半にイタリア語で書いた最大の詩人」と呼んだほど。キリスト教に対するシニカルな視点や、アナーキスト的側面など、映画にも見られる要素はありますが。映画作品に見られる意地悪さが薄く、ナイーブな素の姿が出ているのが、詩という表現そのものの特色でしょう。
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Mark.jr
読み返し。 改めて、読んでみると記憶にあるよりも、ずっと探偵小説してましたね(主人ウィリアムの序盤の推理とか完全にホームズのそれですし)。盛り込まれている中世に関する該博な知識や、偽書・偽史を扱いつつ物語そのものも入れ子的メタな構造になっているなど、デビュー作である本書からすでにキャリア全体を貫くスタイルが出来上がっていますが。探偵小説の枠組が強い分、どんなに混乱した状況でも人の知恵を信じる気概のようなものを感じて、凄くポジティブな作品の印象を受けたのが、読み返して自分でも意外でした。
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Mark.jr
海外の視点から日本のメディアミックスカルチャーが辿ってきた変遷を紐解く一冊になります。海外のトランスメディアに対して日本のメディアミックスの何処が特異なのかを解説する序章も面白いですが。鉄腕アトムから始まるアニメ、そしてメディアミックスの歴史の始まりを解説する1章が、アニメに疎い自分からすると発見が多かったです。曰く、ディズニーと比べて絵を動かさないことで日本のアニメは成立しており、それが海外からは実験映像のように見えると…。今書くならば、絶対ソシャゲは取り上げられているでしょうね。
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Mark.jr
この漫画の好きなポイントは色々ありますが、やはり個人的に一番は絵ですね。この巻で言うなら、きさらぎ駅に到着した際の見開きや、"ミスト"編での黒桐くんとみちるちゃんが手を取り合う場面など、グッと来てしまいます。いつか画集とか出して欲しいですね。
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Mark.jr
毎話の引きの強さもさることながら、現在と過去の2つの軸の絡め方や(過去の年代設定が1999年なのにも理由がありそうなのも凄い)、ネット発怪談のアレンジの仕方など、ここ数年のホラー漫画の中でもトップクラスのクオリティではないでしょうか。
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Mark.jr
例えばシリーズの初作でいきなり"最後の事件"とタイトルつけたり、恋愛を本格的に盛り込んだりなど、様々な野心的要素が見られる作品ですが、今のミステリー読者には大体の展開は読めるでしょう。それでも、本書が現代探偵小説の出発点の一つなのは、間違いないです。
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Mark.jr
「路地は小説の帝国主義。いや物語の走狗となった私の収穫しきれないほどの宝を無造作に放り出してある暗黒大陸…」 泉鏡花のような幻想的説話ものから、生々しい著者の心情の吐露が漏れる私小説まで。著者の育った紀州熊野地方の物語を丸ごと収めようとするかのような、まさにタイトル通りの一冊です。
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Mark.jr
読み返し。 嫌気が差してモリアーティ教授共々ラインバッハの滝へと突き落としてホームズを葬ったドイルでしたが、熱烈なファンの声に圧されて、ホームズを復活させます。そして、復帰第一弾がこの短編集です。まったく乗り気でなく書いていた訳ですが。暗号の面白さが詰まった有名な「踊る人形」(私を含め小学生の頃読んで、真似して人は数しれず)を筆頭に、「プライオリ学校」の犯人指摘シーンは、私ならホームズ名場面集に選びますし、初期を彷彿させる「六つのナポレオン」など、読み所は多々あります。
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Mark.jr
こうなりたいと思うポイントは、たくさんあるのですが。(多分誰もが)一番羨ましいと思ったのが、家で仕事やって一ヶ月の仕事が一週間で終わっちゃうところ。でも、そう思う自分がちょっとイヤです。
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Mark.jr
〈タイタニック号に乗り合わせて九死に一生を得たジョン・ファーンリー。爵位と遺産を相続したが、そこに自分こそが正統な相続人ジョン・ファーンリーと名乗る人物が現れ、やがて自体は思わぬ方向に…。〉 ギデオン・フェル博士シリーズ第9弾。いつものようなオカルト風味は控え目かと思いきや…。これは著者の作品の中でも何を言ってもネタバレになってしまう作品というか…。その思いきや…という展開が続く、読者を最後まで翻弄するサービス精神溢れる一冊かと。
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Mark.jr
壊れて本を読むことしかしなくなった2つのロボット〈トムとジェリー〉のために集められた本の抜粋集。レムの「完璧な真空」や「虚数」のように架空の本の形を借りた連作短編になります。この時期の著者の十八番の手法で日本のポップカルチャーの記号を取り込みつつ、カルヴィーノの「見えない都市」やサイパーパンクの割に分かりやすいパスティーシュも盛り込んだ、日本文学界を代表するポップ・ポストモダン文学の旗手という著者のパブリックなイメージに最も近い一冊と言えるでしょう。意外とSF度も高く、その手のファンにもオススメです。
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Mark.jr
めちゃくちゃ特撮感が強くて、正直「ソラリス」より後に出た作品とは思わなかったですね…(てっきり初期の作品かと)。
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Mark.jr
例えば親しい人の死や、予期せぬ妊娠など。生きていることにつきまとう、苛烈ではなくとも確かに心を傷つける、まさに"優しい暴力"を描いた、語りは柔らかくも重たい短編集です。
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Mark.jr
"キリストのいない教会"を立ち上げ布教する男、ヘイズの物語。人間と世の中に対する根源的な不安と、それと相反するようなグロテスクな笑い。カフカと蛭子能収漫画を思い浮かべながら、読んでいました。すなわち、パンクな一冊です。
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Mark.jr
歴代のボンドガールが懇親会を行う「ボンド」。女性と男性の立場を逆転させた「男性ならではの感性」など。お約束事を蹴り飛ばすような、パンクな短編集です。中でも、物語の都合上で死んだり、結婚したり、妊娠したりする女性の扱われ方に対する怒りに満ちた表題作は、出色の出来。ただ、個人的にはバルテュスの「街路」は、あんまりパンに見えなかった…。
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Mark.jr
「ごきげんよう、我が人生、と私は声をかけた。私たちは、その昔、二十七年間にわたって一緒に暮らしていた。だからそういう言い方をしてもかまわないだろうと思ったのだ。」 「クリスマスの二週間前にエレンが電話をかけてきた。「フェイス、私死にかけてるのよ。」と彼女は言った。その週は私も死にかけていた。」 著者の作品は、まず話の筋ではなく文体が大きな魅力になっていると思います。ギクシャクとした独特のリズムに、時にユーモラスでちょっと意地悪なそんな文体。
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Mark.jr
ホーソーン&ホロヴィッツシリーズ第3弾。小島での殺人事件ということで、いつも以上に古典的なミステリー色が強いですが。日本の作品みたく嵐とかでクローズドサークルにならないのが、海外らしい。3作目になるとコンビが板についてきたというか、ホーソーンの鼻持ちなさと、ホロヴィッツのヌケてる感がいつもより控え目で、これまでで一番読み安いです。他方、周到な伏線の妙も健在。あの描写にはそういう意味が!という驚きを味わせてくれます。まあ、意地悪さが薄くなって普通のミステリーになったなという、擦れた見方も出来ちゃいますが…。
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Mark.jr
(著者の意図に反して)60年代のカウンターカルチャー、ヒッピー世代の代弁となったコミックがRobert Crumbの「Fritz The Cat」だとしたら、その後のグランジ世代、ジェネレーションXの代弁となったのが本書「HATE」です。シアトル在住の青年Budd Bradleyのうだつの上がらない日々の独特の倦怠感と、ヒッピーカルチャーを嫌悪してクラムに対して、グランジ世代に愛憎交じる複雑な視線を感じる本書は、後追いの読者からすると「Fritz the cat」よりも身近に感じます。
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Mark.jr
悪霊憑きと称された少女シエルバと聖職者カエターノの呪われた愛。著者の恋愛ものの長編では、本書よりも前に「コレラの時代の愛」がありましたが。あちらが60年越しの恋愛を描いた純愛ものだったに対して、こちらは言ってしまえば悲恋もの。しかし、ラテンアメリカ文学特有の色彩感と、明るい日差しの下に照らされた死の影は、本書の方が強く出ており、個人的にはこっちの方が好みだったりします。宗教にとっては、場合によれば愛も悪霊の内ということですが、言うまでもなく迷信に囚われた心が一番の悪霊でしょうが。
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Mark.jr
〈気がつくと石造りの部屋で目覚めていた中三女子たち。そこには「ドアを開けられた部屋の数をnとし死んだ卒業生の数をmとする時、n−m=1とせよ」と張り紙が…〉 こう粗筋を書くと、いかにもなデスゲーム・バトルロワイヤルものですが、そこから完全にハズレた展開となります。量的にもSF的にもアホみたいな奇想を真面目にやった補遺版が読みどころでしょうが。個人的に推したいのは、デスゲームもののテンプレを利用して、青春、卒業、人生を箱庭的に封じ込めたような無印版。
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Mark.jr
マーダーボット・ダイアリーシリーズ第3弾。いつものような長編ではなく、中編と短編2つからなる本ですが。あの独特"弊機節"は健在。目玉は派遣先で他殺体に遭遇したことから事件に巻き込まれる、ちょっとしたミステリー風味の表題作。前2作が気に入ったなら、読んでまず損はしないはずです。しかし、本作の内容は弊機の厭人的語りと相まって、人間がめちゃくちゃ野蛮な生き物に見えてきますね…。 「おや、そうですか。この程度では気分を害したりしません。いいえ全然。慣れています。いつものことです。」
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Mark.jr
トランプ大統領支持層のもっとコアな部分を担い、その中二病的陰謀論思想で日本でも知られるようになったQアノン。本書はその来歴を纏めると共に、何故それを人は信じるのか、信じてしまった人に対してどう対処すべきなのかまで書かれた一冊。非常に真摯に書かれた本だとは思いますが、本書の時系列的にはバイデン大統領の選挙勝利時点で終わっており、この後第2時トランプ政権が出来て、Qアノンという言葉が薄くなるぐらい、アメリカがシッチャカメッチャカになるとは、著者自身も予想してなかったでしょうよ。
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Mark.jr
ちゃんと歌うシーンがあるのですが。そうでない場面でもセリフの節回しにリズムとメロディを感じる。ある意味「三文オペラ」よりもオペラ的な作品かと。
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Mark.jr
例えばフライシャー兄弟の作品のような黎明期のアニメーションにあった悪夢めいた雰囲気を抽出して漫画に再現したら、この作品になると思います。つげ義春氏は「マンガは芸術ではないが。どんな芸術も最終的には意味を排除することが目的だ。」と言っていますが。だとしたら、最も芸術に近いマンガの一つだと思います。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/03/23(2823日経過)
記録初日
2017/01/24(3246日経過)
読んだ本
3640冊(1日平均1.12冊)
読んだページ
1240565ページ(1日平均382ページ)
感想・レビュー
2710件(投稿率74.5%)
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自己紹介

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