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2024年11月の読書メーターまとめ

Mark.jr
読んだ本
39
読んだページ
12004ページ
感想・レビュー
27
ナイス
204ナイス

2024年11月に読んだ本
39

2024年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Mark.jr
「カササギ殺人事件」まさかの続編。前作で散々な目にあった編集者のスーザンでしたが、今回もまたアラン・コンウェイのアティカス・ピュントシリーズにまつわる事件に巻き込まれることに。基本は前作と同じ路線ですが、完全にパワーアップしています。前作ほど人を食った趣向はないですが、作中作自体が単体で出ても評判を呼べるぐらいの完全度なうえに、事件との絡み、伏線の量も相当なものです。イジワル成分も(これでも)著者にしては控え目なのでオススメし安く、クオリティを含めてここ数年の現代海外本格の中でもズバ抜けた作品でしょう。
が「ナイス!」と言っています。

2024年11月にナイスが最も多かったつぶやき

Mark.jr

R.I.P.谷川俊太郎さん…。 もうあなたの新しい詩が読めないと思うと、とても悲しく寂しいです…。

が「ナイス!」と言っています。

2024年11月の感想・レビュー一覧
27

Mark.jr
魔神のスランプ好きです。
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Mark.jr
〈亡くなった父から、兆にも昇る遺産を相続した一華だったが、一族から命を狙われるようになってしまう。それを阻止するために、事件が起きる前にトリックを見抜く探偵が雇われる…。〉 いわば非常に変則的な倒叙ものなわけですが、予想を上回る探偵の能力とスピード感に、こちらも「早すぎる…」と呟いてしまいます。あの手この手で殺そうとするトリックもアイデア満載で、山田風太郎にも引けをとらないです。ただ、あまりの探偵の万能感や展開の圧縮に加え、倒叙なので犯人側に描写が割かれているので、なんか悪役を応援したくなってしまう…。
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Mark.jr
イケメンなのに守銭奴で性格がカスな日下先輩のオカルト部加入より、コメディ成分が増した2巻目。
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Mark.jr
〈本書は、欧州危機の原因解明に関するありふれた本ではなく、欧州のエリート腐敗と無能を批判する小冊子でもない。…本書は、これから起こりそうなことについてただ思いめぐらすこと、また、われわれが個人的に経験した歴史の急激な変化が、いかにわれわれの現在の行動に影響を与えるかを分析することが目的である。〉 だいたい、上記の言葉通りの本です。短いですが、押さえるべき文脈が多いので、あまり易しくはないでしょう。しかし、もはや世の中はアフターヨーロッパどころか、アフターアメリカになりつつある…。
が「ナイス!」と言っています。
Mark.jr
芥川賞受賞作ですが、いい意味であまり芥川賞らしくない作品です(基本芥川賞は、こういう幻想っぽい作品はあまり買わない)。ジャンル分けするなら不条理文学でしょうが、カフカやベケット、安部公房にも似ていません(ちょっと残雪には似てるかもしれない)。その不可思議さは、ストーリーの定石やこちらの予想を、少しハズしてくる展開によるものが大きいでしょう。そのハズし具合が絶妙で、こちらの想像力を刺激されます。こういう謎々のような文学は大好きです。
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Mark.jr
残酷な童話を現実的かつ暴力的に介錯すると、こんな風になるのかもしれません。
が「ナイス!」と言っています。
Mark.jr
「カササギ殺人事件」まさかの続編。前作で散々な目にあった編集者のスーザンでしたが、今回もまたアラン・コンウェイのアティカス・ピュントシリーズにまつわる事件に巻き込まれることに。基本は前作と同じ路線ですが、完全にパワーアップしています。前作ほど人を食った趣向はないですが、作中作自体が単体で出ても評判を呼べるぐらいの完全度なうえに、事件との絡み、伏線の量も相当なものです。イジワル成分も(これでも)著者にしては控え目なのでオススメし安く、クオリティを含めてここ数年の現代海外本格の中でもズバ抜けた作品でしょう。
が「ナイス!」と言っています。
Mark.jr
ヤスミンという名の美しい黒人女性の体内に住むウィルスが語り手というぶっ飛んだ設定ですが、虚仮威しの作品ではないです。この設定は第三者から客観的に内面を描写する視点の成立させるのと、黄色人種日本人である著者がアメリカの黒人の常日頃合う差別やそれに対する感情を書く傲慢さを和らげる役目がありますが。もう一つ、生物学的には完全な生物ではないウィルスを、動物でありながら他の動物とは違っている人間のメタファーとしている側面もあります。変則的な手法で著者の得意な領域をさらに押し広げようとした、理想的な意欲作かと。
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Mark.jr
データを正しく読み取る指南本「FACT FULNESS」では、世界の多くの問題は改善の方向に向かっていると説明されてますが、唯一全く改善されておらず、しかも多くの人がそれを認識しているのが地球温暖化になります。環境問題と戦う組織"未来省"の奮闘を描いた本書は、とにかく環境科学だけでなく経済、宗教まで巻き込む情報量とエピソード量、尚且つ保たれている読み安さに舌を巻きます。故に直線的な物語というよりも、シュミレーション風の科学専門書の色が強いですが、一読の価値は十二分です。
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Mark.jr
2010年代のリアリズム小説の最高峰ではないか。
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Mark.jr
絶対に何か一言物申したくなってしまうので、基本音楽を題材にした(特にバンド)漫画や映画などを、観たり読んだりしないのですが。そんな私が唯一心許せるバンド漫画がこれです。UKのジャズ・ロックに影響受けたインストもの中心の変なバンドが主人公で、パッション溢れるサクセスストーリーや青春ものでなく、もう既にプロになった人たちのルーティンワーク的日常を淡々と見せてくれる漫画なんて、本作ぐらいですよ!
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Mark.jr
作家アリスシリーズ第2長編。「海のある奈良で死す」と並んでシリーズの中でも異質なタイトル。厳密なロジックというよりも関係者の証言や視点で引っ掻き回すプロット中心のミステリー構成(だから、著者の作品の中でも犯人や仕掛けは分かりやすいかも)。さらに、樺田警部などの警察の面々とまだ馴染めてない感じや、減らず口叩きがちな火村英生のキャラ描写なんかにも、まだシリーズが始まったばかりで作風が固まってない感じが、よく出てます。それでも、読みてを引っ張る筆力は、もうすでに熟練してます。
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Mark.jr
生魚などの生物の素材でオブジェを作り、写真として作品の残す作家今道子。その生臭さとファンシー佐賀入り混じった作風は唯一無二。モノクロの写真の撮り具合も良いです。Jan Svankmajerや岡上淑子みたいなフェチなシュルレアリスムアートが好きな方にも、おおいにオススメ。
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Mark.jr
本作から主人公が著者の分身ではなく、(おそらくモデル的人物のいないであろう)女性画家に交代。それによってエッセイ成分が薄れ、逆に夢の中を彷徨っているような雰囲気と、明らかにフィクショナル部分が大幅に増えました。つげ義春はつげ義春でも、旅行記ものではなく、「ねじ式」になった、そんな一冊。
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Mark.jr
発表されたのは1980年ですけど、後のHal HartleyやGus Van Santのような90年代のアメリカのインディーズ映画に近い内容だったように思います(勝手な感想ですが)。
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Mark.jr
正直、注釈はいらなかったな…。
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Mark.jr
女子高生の語りを使った小説と言えば、橋本治氏の「桃尻娘」がありましたが。あちらが既存の文芸に対するアンチテーゼの意味合いがあったのに対し、こちらはもっと実用的な面で使っています。とにかく、スピードとリズム感がうりの著者の文章と、ポップに性と暴力がミックスされた世界観がガールズトークと相性が良く。また、過度に誇張していない分、岡崎京子的女性漫画の雰囲気まで取り込んでいます。そんな饒舌な語りも、愛というテーマも、途中語り手がスイッチする構成も(なので若干出力が落ちる所がある)、非常に典型的な舞城作品かと。
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Mark.jr
夢の中での映画館で映し出される両親の馴れ初めに"止めろ!"と叫ぶ表題作から、知識人たちのどん詰まりを描いた「この世界は結婚式」まで、人生のままならなさに翻弄される人々が描かれており、序文もとい著者に捧げる詩を書いているLou Reedノバンドvelvet undergroundの"candy says"の一節を思い出します。 "I'm gonna watch the blue birds fly over my shoulder I'm gonna watch them pass me by"
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Mark.jr
短編「盗聴された殺人」に登場した常人離れした聴覚を持つ探偵・山口美々香の長編作品になります。タイトル通りの誘拐もので、犯人と警察・探偵側の出し抜き合いだけでも相当な読み応えですが。さらに殺人事件や美々香の個人的問題など、デビュー作程ではないですが、なかなかの詰め込みっぷりです。正直、美々香とそのバディである大野糺の探偵役が超人的過ぎて、若干白けるところもありますが、この熱量は一目置かざる得ないです。
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Mark.jr
タイトルだけだと、いかにも幻想的かつホラーな作品を想起しますが。内容は全然違って、自伝的かつ切実でヘビーなものです。読者というより、一番自分のために書いたような一冊。なので、正直自分には上手く受け止め切れなかったところが…。複雑な文章から、元々詩人だということが伺えます。
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Mark.jr
逆又セツは憧れの伊丹(弟)先輩と付き合うために10人の邪悪(?)な元カノと対決する、という道満晴明風スコット・ピルグリムに見せかけた百合ハーレムものです。掲載元が成人雑誌なので、下ネタ及びパロディも自重なし。怪作「ぱらいそ」ほどのキレはないですが、4コマでない分、ヒネリの効いたネタの使い方はもちろん、前者にはない乾いた叙情も含まれており、何気に著者の良さが余さず味わえる作品かもしれません。唯一の欠点は、あまりちゃんとオチがつかずに連載が終わってしまったこと。
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Mark.jr
四季4部作の2作目です。繋がりはないので、本書から読んでも問題はあまりないかと。そして、前作が気に入ったなら、本書も気に入るはずでしょう。サービス精神を感じる凝った語り口ながらも、登場人物の心の機敏を逃さず拾い上げる文章のキレといったら…。熟練の料理人が出す美味しい手料理を食べてるかのような満足感ですよ。
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Mark.jr
著者の十八番であるモキュメンタリー形式の「オンライン福男」や「クランツマンの秘仏」も安定感はありますが、設定でオチてしまっていて飛躍が足りないです。むしろ、故人となったバーチャルアイドルの最後のライブをVR技術者の家族とのわだかまりと絡めて書いた表題作や、実在のクソゲーに苦しむ著者の実録もの「姫日記」みたいな変に語り口をイジってない作品の方が、良く感じました。
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Mark.jr
SFに分類できそうな異文化の描写に、女性と男性の立場を反転させたフェミニズム思想。そして、それにも負けないくらい濃い百合描写。基本保守的な芥川賞ではかなり珍しい毛色の作品と言えますが。短編作品というより、続きの書かれていない長編の第一章みたいな感じは、やっぱり芥川賞っぽいです。
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Mark.jr
野菜と果物の王国を舞台に玉ねぎの少年チポリーノが、わがままな王様であるレモン大公に対して反旗を翻る児童文学。基本カートゥーンのようなノンセンスかつ牧歌的な雰囲気が魅力ではありますが。かなり硬派な左翼・反骨の精神が作品には埋め込まれており、実際第二次世界大戦中にレジスタンス活動をやっていた著者の経歴が反映されています。
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Mark.jr
読み返し。 銀河ヒッチハイク・ガイド・シリーズ第2弾。まんま前作の続きから始まっているので、一作目は読んどいた方が良いでしょう。基本あらゆるものをチクチクと皮肉るような笑いのセンスは、シリーズ全体を通して一貫してますが。改めて読むと地球人の先祖や宇宙の支配者の描写など、本書はひときわペシミスティックというか、人間や世界に対する悲壮感みたいなものを感じます。完全にキレイに終わっちゃってるようなオチなので、実は長いこと今巻で完結してると思ってました。
が「ナイス!」と言っています。
Mark.jr
孤高の医師・荊木歓喜が探偵役を務める唯一の長編作にして、連作短編形式やトリッキーな趣向の多い著者の作品の中でも、最も王道かつ真正面から本格ミステリーと取っ組み合った一冊ではないでしょうか。丹念に積み上げられた論理と伏線。横溝正史を思わせる情念溢れる人間関係。藤田和日郎氏の表紙絵もピッタリです。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/03/23(2450日経過)
記録初日
2017/01/24(2873日経過)
読んだ本
3196冊(1日平均1.11冊)
読んだページ
1090792ページ(1日平均379ページ)
感想・レビュー
2388件(投稿率74.7%)
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乱読者
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