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2024年1月の読書メーターまとめ

おとん707
読んだ本
12
読んだページ
3281ページ
感想・レビュー
12
ナイス
299ナイス

2024年1月に読んだ本
12

2024年1月のお気に入り登録
3

  • かどりん
  • さゆ
  • こなな

2024年1月のお気に入られ登録
3

  • かどりん
  • さゆ
  • こなな

2024年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

おとん707
カズオ・イシグロを読むのは「日の名残り」「クララとお日さま」に次いで3冊目。「日の名残り」が過去の淡い追憶なのに対して本作は「クララとお日さま」に似て、近未来で科学進歩に伴って実現する”便利な社会”できっと起こる狼狽とか当惑と言った心の混乱を描く。のっけから「提供者」と呼ばれる人々が当然のように登場するがその正体は不明。読み進めるうちに衝撃の事実が明らかになっていく。ネタバレになるのでこれ以上は言えないが、近未来社会でひたすら合理性を追求するうちに人々が陥ってしまう常識の罠を著者は警告していると解した。
テン
2024/01/03 22:13

いちばん好きな小説です。

おとん707
2024/01/03 22:18

テンさんコメントありがとうございます。何度も読むに値する本ですね。

が「ナイス!」と言っています。

2024年1月にナイスが最も多かったつぶやき

おとん707

昨年は「源氏物語」と「戦争と平和」の大作2篇を読了しました。今年も古典の大作に挑みたいと思います。それと本を片手にその本ゆかりの国への海外ひとり旅を幾つか計画中です。写真は昨年訪れたウズベキスタンの古都ヒヴァの朝焼けです。2023年12月の読書メーター 読んだ本の数:10冊 読んだページ数:3196ページ ナイス数:175ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/876755/summary/monthly/2023/12

昨年は「源氏物語」と「戦争と平和」の大作2篇を読了しました。今年も古典の大作に挑みたいと思います。それと本を片手にその本ゆかりの国への海外ひとり旅を幾つか計画中です。写真は昨年訪れたウズベキスタンの古都ヒヴァの朝焼けです。2023年12月の読書メーター 読んだ本の数:10冊 読んだページ数:3196ページ ナイス数:175ナイス  ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/876755/summary/monthly/2023/12
が「ナイス!」と言っています。

2024年1月の感想・レビュー一覧
12

おとん707
パリ頌歌のような本。セーヌ、島、橋、広場、公園、通り、門、といったテーマ別に歴史を振り返りながら美しい写真と充実したエッセイでパリの街の過去と現在を巡る。逆に言うとエッフェル塔やルーブル美術館や凱旋門のような観光ガイド的対象の扱いは淡白で、もっと日常の匂いが漂うようなパリの隅々を紹介する。掲載されている写真も芸術的で観ていてため息がでる。英語だが固有名詞は当然フランス語で、仏文学の引用などもあるので英文にフランス語綴りが混在してちょっと読み難いが、だからこそパリの香りがするともいえる。パリに行きたい。
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おとん707
再読。ハマスに対するイスラエルの過剰ともいえる報復の根底を知りたかったのが再読の動機。著者は独文学者だがエルサレム・ヘブライ大学イディッシュ文学科留学の経験があり出版時はまだ40代前半。だから内容には部外の研究者のものというより著者が肌で感じたユダヤ人観を感じる。イスラエルのユダヤ人と言ってもルーツも考えも様々だがユダヤ人を結ぶ何か独特なものを感じるという。読んでみてネタニアフの超強硬姿勢も国民の総意ではないがユダヤを結ぶ独特なものが強硬さを増長しているのではと感じた。多少ユダヤに同情的だが概して中立的。
テン
2024/01/29 17:33

ユダヤ教原理主義者たちのほうがハマスたちよりも思想が過激だという意見もあるようですね。

おとん707
2024/01/29 18:22

テンさんコメントありがとうございます。ご指摘の点も含めユダヤについてはもう少し研究してみようと思います。

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おとん707
「春の雪」が濃厚で典雅な恋の物語だったのに対し「奔馬」は硬派。皇室を蔑ろにして国を牛耳る腐敗した軍や政府や財界に憤り、死を賭して維新の礎となろうとする純粋な少年を描く。明治初期の神風連の乱に心酔し自らの命を懸ける少年の思いに発表当時の読者は三島自身を重ねて、のちの三島自決の予兆を感じたかもしれない。少年の思いを知った法律家本多が新風連礼賛に批判的感想を述べて物語上は思想の均衡を取るが、やはり三島の心情は少年にあるのだろう。本書をアンコールワット滞在中に読んだ。小説に流れる輪廻転生観をより身近に感じた。
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おとん707
ちょっと前に「癩王のテラス」を読んだ感想として”滅びゆく肉体の代償のように姿を現す観世音菩薩。肉体を滅ぼして形あるものを現世に残す。これが三島の最晩年の心情なのか。”と書いたが、三島が滅ぶ代償として生んだのが「豊穣の海」ではないかと思い手に取った。この「春の雪」の中にも滅びと転生への淡い思いと切実な期待が見える。時代は明治から大正への過渡期。同時期に漱石が「こころ」で滲ませた明治喪失の先への不安感がここにも滲む。愛する人を奪われそうになってからしか行動を起こせない主人公の自分中心の性格にも共通点を感じる。
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おとん707
マルローが若い頃カンボジアで遺跡の石像持出し容疑で逮捕された事実からそれを題材にした冒険譚かと思ったら違った。遺跡盗掘の話はあるがそれは舞台装置に過ぎない。では植民地政策の告発あるいは擁護かというとそれも違う。結局は熱帯林の中で傷が悪化し死に近づくペルケンの死への期待と敗北感を同行の探検家クロード(著者自身か)が空しく受け止め、自分が生きる意味を自らに問うたということか。難解。装飾過剰な文のわりに登場人物の情報が少ない。ふと思ったが三島由紀夫は癩王のテラスを書く際に瀕死のペルケンが心に浮かんだだろうか。
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おとん707
三島は、アンコールトムを訪れ熱帯の日の下で癩王の彫像を見た時に心の中にこの戯曲の構想が忽ち成った、と言っている。徐々に我が肉体が頽落する王の無念は三島の無念でもあるのか。滅びゆく肉体の代償のように姿を現す観世音菩薩。肉体を滅ぼして形あるものを現世に残す。これが三島の最晩年の心情なのか。なお、本作はその後発禁(Wiki情報)になり全集以外では入手困難に。三島は、この芝居は癩病の芝居ではなくて「絶対病」の芝居なのである、というが今の社会通念下での上演は無理か。格調高い名作だが古本で個人的に鑑賞するしかない。
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おとん707
著者は前に読んだ「アンコール・ワットへの道」と同じ上智大学の石澤良昭氏。前者が写真を使った遺跡のガイド本だったのに対して本書はアンコールワットを中心にしたカンボジア通史といった本。アンコールワットの時代は日本では平安末期から室町初期だがその後没落し忘れ去られる。やがて現地に入った外国人の手で発掘が進むが、植民地化、第二次大戦後の独立、暗黒のポル・ポト時代を経てシアヌーク国王の復権と激動の歴史を歩む。本書の刊行は1996年で当時まだ国内は不安定。そんな中でも著者は自国民主体の調査研究に導く必要性を指摘する。
maxa
2024/07/07 15:28

オススメありがとうございました。前半の歴史的箇所は私にはだいぶ難しかったですが、『アンコール・ワットへの道』とは違った視点からの情報がためになりました。真臘風土記の話も興味深かったです。

おとん707
2024/07/07 16:56

maxaさま、コメントありがとうございます。アンコール・ワットの旅を楽しんでください。本書に書かれているような歴史を知ることで益々深い体験をすることができると思います。周辺も含め時間をかけて回る価値のあるところだと思います。

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おとん707
元々は商人で考古学の専門知識はない乍らホーメロスの叙事詩を信じトロイアの場所の発見に生涯を捧げたシュリーマンの自伝。自伝だが本人が書いたのはその生い立ちを語った一章のみ。発掘過程の記述は未亡人の意向を受けたブリュックナー博士による。シュリーマンの金銭欲は唯々遺跡発掘の資金を作るため。そのぶれない目標に感銘を受ける。素人故に権威からの蔑みや批判もあったようだ。しかし最後は旧来の学説を覆し真の場所を発見する。生まれたのは今から200年前。交通未発達の中で目的の為に欧州中を駆け巡ったその熱意と精力に感服する。
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おとん707
幻冬舎メディアコンサルティング出版の文庫本。幻冬舎文庫ではない。帯によれば「大切な人を胸に抱いて、ともに旅する母の想いに涙する感涙必至の物語」だとか。こんな感想の書出しになったのはこの本がそんな本ではないから。ワールド・ビジョンという宗教系NGO主催の団体旅行に参加した老婦人の素人感想文。何の予備知識もなしに参加したのだろう。明らかな間違いや根拠の乏しい推測も散見。帯の文句に騙された。この文庫は自費出版本のシリーズらしい。自費出版本がダメとは言わないが帯のうたい文句だけ頼りに通販で買うときは注意が必要。
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おとん707
お気に入りさんのお奨めで手にした。小説ではあるが物語を通して辞書編纂という地味な作業の過程が克明に描写されている。でもそれを堅苦しくしていないのは独特のユーモアが漂っているからだろう。そもそもクソマジメな主人公の名前が馬締(まじめ)さんなのだ。ひとつの言葉の意味の多様さに悶々とするさまが面白い。NHKのラジオ番組「サンキュータツオの国語辞典サーフィン」はここからヒントを得たのかも。私の仕事は出版とは無縁だが身内に出版関係がいて、「この紙いいでしょ」とサンプルを自慢げに見せてくれた時の気持ちが今わかった。
おとん707
2024/01/07 11:26

主人公馬締の容姿を描写する地の文で”髪の毛は天然パーマなのか、ボリューミーなうえにぼさぼさだった。”という文がある。あら捜しみたいで恐縮だが、ボリューミーという英単語は存在しない。登場人物の「会話」の中なら和製英語の流行語を登場人物が口にしたとなるが、辞書編纂を克明に綴る小説の地の文としてはいかがなものか。

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おとん707
アンコールワットに行ってみようと思い先ずこの本を読んだ。発行元はJTBパブリッシングだし装丁も旅行案内風なので観光ガイドかと思ったら極めて専門的。140ページほどの本だが細かい活字が3段組で情報量も多く学術的と言ってもいい。一度目を通したくらいでは内容を理解できないので本書片手に実物を観たい。豊富な写真も現物を探し当てるのに役立ちそうだ。アンコールワットはこの地の遺跡群の一部に過ぎないことも分かった。アユタヤやボルブドゥールは行ったことがあるがそれを遥かに凌ぐ規模のようだ。計画している日数では足りなそう。
おとん707
2024/06/01 21:25

maxaさん、楽しんできてください。ツアーに参加されるならゆったりしたスケジュールのものがいいと思います。個人旅行でしたらホテルで日帰りツアーを色々オファーしていますのでそれを利用するのが良いと思います。最寄りの新シェムリアップ空港は去年開港したのですが町までの公共交通機関が貧弱なのでホテルに迎えを頼むことをお勧めします。それから日本からはどこかで乗り継ぐことになると思いますが乗り換え時間に余裕のあるスケジュールを組むことをお勧めします。

maxa
2024/06/01 22:07

重ね重ね適切なアドバイスありがとうございます!海外は不慣れなのでツアーを考えています。空港からは現地係員と共にホテルへと書いてあったので、その点も大丈夫そうです。空港で途方に暮れる人が多かったのかもしれませんね(笑)。おとんさんは英語の本を毎月読まれるとのこと。英語を自由自在に使えるのが本当に羨ましいです。せめて私も英語の絵本でも読もうかしら(笑)。長々と失礼しました。

が「ナイス!」と言っています。
おとん707
カズオ・イシグロを読むのは「日の名残り」「クララとお日さま」に次いで3冊目。「日の名残り」が過去の淡い追憶なのに対して本作は「クララとお日さま」に似て、近未来で科学進歩に伴って実現する”便利な社会”できっと起こる狼狽とか当惑と言った心の混乱を描く。のっけから「提供者」と呼ばれる人々が当然のように登場するがその正体は不明。読み進めるうちに衝撃の事実が明らかになっていく。ネタバレになるのでこれ以上は言えないが、近未来社会でひたすら合理性を追求するうちに人々が陥ってしまう常識の罠を著者は警告していると解した。
テン
2024/01/03 22:13

いちばん好きな小説です。

おとん707
2024/01/03 22:18

テンさんコメントありがとうございます。何度も読むに値する本ですね。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/05/31(2314日経過)
記録初日
2018/05/08(2337日経過)
読んだ本
815冊(1日平均0.35冊)
読んだページ
244547ページ(1日平均104ページ)
感想・レビュー
815件(投稿率100.0%)
本棚
7棚
性別
現住所
千葉県
自己紹介

毎月3000ページ、10冊、そのうち1冊は英語の本を含むことを目安としています。それより多過ぎもせず少な過ぎもせずというのが消化不良を起こさず、空腹感も覚えない私の読書ペースです。毎月ゆるいテーマを決めてそれに沿って、或いはそこから派生した本を選んで読みたいと思っています。読メに参加してから読んだ本は全部感想を書いています。趣味はクラシック音楽(聴くのもやるのも)、ひとり旅、写真、美術館・博物館めぐり、競馬、友達との飲食、そして読書。時間が足りません。

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