図書館本。コロナ禍で失ったもの。我々大人にとってはありふれた日常の一部だったのかもしれませんが、中高生たちにとっては、同じ時間の一日一日が本当に掛替えないものだったのですね。閉塞感に喘ぐ毎日の中、偶然の出会いから生まれたある天体観測イベント。それを契機に拡がっていく、人と希望の輪。「実際に失われたものはあったろうし、奪われたものはある。それはわかる。だけど、彼らの時間がまるごとなかったかのように言われるのは心外です。子どもだって大人だって、この一年は一度しかない。きちんと、そこに時間も経験もありました。」

図書館本。70余年に及ぶロシア太平洋艦隊・戦略原潜勢力の栄枯盛衰を振り返る。その上で、その戦略・能力・態勢の今日的状況を点検し、ウクライナの状況などを加味しつつ、今後の展望や我が国安全保障へのインプリケーションなどを語る。あとがきに「オタク気質を全開にしてみた」とあるとおり、内容的にはかなりのディテールに言及。それだけに、ある意味とても実証的で信頼できる論考。しかも、この先生の文章、読ませる。これほどのものが新書で出版される時代が来たのかと、少なからず感心。最近読んだこの手の書物の中では出色の一冊か。

図書館本。コロナ禍で失ったもの。我々大人にとってはありふれた日常の一部だったのかもしれませんが、中高生たちにとっては、同じ時間の一日一日が本当に掛替えないものだったのですね。閉塞感に喘ぐ毎日の中、偶然の出会いから生まれたある天体観測イベント。それを契機に拡がっていく、人と希望の輪。「実際に失われたものはあったろうし、奪われたものはある。それはわかる。だけど、彼らの時間がまるごとなかったかのように言われるのは心外です。子どもだって大人だって、この一年は一度しかない。きちんと、そこに時間も経験もありました。」

図書館本。日本警察きっての唐変木男、竜崎警視長の活躍を追う「隠蔽捜査」シリーズの長編第10弾。今回は有名作家の誘拐事案を取り巻く虚実に迫ろうというお話。竜崎の原理原則野郎っぷり、本作ではいつもより薄味な感じもしてちょっとさみしいものがありますが、お話の中で語られる作家論的なくだりには、なかなか読ませるものを感じました。次の長編が待ち遠しいです。

ポジティブな気持ちで世間に臨み、大切な人間関係をうまく回していくための、モノの見方のちょっとしたコツや平生からの心の持ち方を紹介。脳科学の見地から、それらの効用を簡単に説明。読んでるだけで人生が少しだけ明るく感じられるような心持ちになりました。

図書館本。核兵器誕生の背景、技術的な側面、運用構想の発展、軍備管理・軍縮をめぐる議論、さらにはミサイル防衛イニシアティブの変遷など、核をめぐる様々な問題を、極めて簡潔に説明しようとする入門書。コンパクトに要領良くまとまっているものの、説明ぶりは必ずしも懇切丁寧というわけではなく、前提知識が全くない場合などには、すごく読みやすいという感じにはならないかも。