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2024年5月の読書メーターまとめ

ロビン
読んだ本
14
読んだページ
4451ページ
感想・レビュー
14
ナイス
245ナイス

2024年5月に読んだ本
14

2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ロビン
19世紀英の思想家J・S・ミルの代表作の一つ。長らく光文社版を愛読してきたが岩波の新訳にも挑戦してみた。正確さは定かでないが読みやすさはやはり光文社が優る。本書でミルは社会における、エリートによる専制、平均化・画一化した大衆による世論の専制の弊害を指摘し、他者に害を与えない範囲においては個人の自由は守られるべきであること、また人々が多様で個性ある生き方をすることの効用を主張している。また思想と討論の自由については、人間の可謬性を念頭に置き、無謬性に基づく権威によって意見や批判が封じられてはならないとする。
ロビン
2024/05/12 21:39

要約してしまうと当たり前のことを言っているだけのように感じるが、ミルの人間洞察力、大衆の心理解剖は非常に見事で、この人もマルクスやオルテガと同様に―オルテガはミルから影響を受けたらしい―人々が平均化・画一化し社会の歯車となって自己自身を見失うことの危険性を知悉し危惧している。

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2024年5月にナイスが最も多かったつぶやき

ロビン

4月もありがとうございました!師匠・池田先生のご著作を多く研鑽でき、ネルーダなど詩の関連本も読め質量ともに充実していました。5、6月は分厚い本を読む予定なので多分冊数的にはペースダウンすると思いますが、名著との格闘を経て成長したい。今月もよしなに!2024年4月の読書メーター 読んだ本の数:16冊 読んだページ数:4333ページ ナイス数:266ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/906789/summary/monthly/2024/4

風に吹かれて
2024/05/02 22:56

一か月に10冊3000ページは読もうと思っています。4月も何とかクリアしました。ドストエフスキー再読が終わったら小林秀雄に復帰します☆ポアロの次にマープルを読み始めていますが、こちらのシリーズも面白いですね☆いつも向上心を失わないロビンさんがどんな分厚い本を読まれるのか楽しみです ^^

ロビン
2024/05/03 09:15

ミス・マープルシリーズも面白いですよね!『鏡は横にひび割れて』が個人的にはお気に入りです。事件そのものもホワイダニットがカギとなる読み応えある作品ですが、老いを従容として受け入れているミス・マープルの姿に彼女の本当の賢さを感じるのです。 わたしは今月、ネルーダとホセ・マルティはとりあえず読みたいのですが、どうなるやらです(^^;)積読ばかりが増えていきます笑

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2024年5月の感想・レビュー一覧
14

ロビン
「100分de名著」での内容に大幅に加筆した評伝で、時代背景や当時の童謡作家たちの作品、みすゞが師と慕った西條八十の作品と、彼がみすずのために描いた哀悼の言葉なども紹介されている。みすゞの家庭環境や作品投稿の努力、弟・雅輔や夫との関係についても詳しく知ることができた。みすゞの死後時代が戦争へと傾斜していき、みすゞの持つ小さなものへの優しさは軟弱さと批判されるようになる。殆どの文学者が戦争礼賛の作品を作ってしまったことを考えると、みすゞの自死は悲しいが、あんな時代を生きなくて良かったのかもしれない・・。
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ロビン
「私と小鳥と鈴と」「こだまでしょうか」などの作品で知られる、大正期山口に生きた童謡詩人金子みすゞの童謡集。王子や王女に憧れる子ども心をファンタジーを交えて美しく歌った作品もあれば、海の魚や積もる雪の悲しさや寂しさを優しく、つぶやくように歌った作品もあり、平易な言葉で独自の詩世界を築き上げるみすゞの才能が輝いている。「蓮と鶏」「蜂と神さま」など、蜂や自分を「生み出し、それとして在らしめる」何かに対する宗教的ともいえる感覚を持った人であったと思う。時代の抑圧の中で若くして自死するという最後はあまりに悲しい。
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ロビン
毎日の勤行や学会活動の中で、何回も耳にしていて分かっているようで、本当には分かっていないことはたくさんあると思う。池田先生が教えてくださっている自他共の仏性への確信が本当に分かれば、振る舞いが変わるはずである。単に知識として、頭で分かっても仕方がない。仏法を学んだならば、自分に対する自信と困難を乗り越えられるという確信がわき、人生に希望を持て、かけがえのない使命と仏性を潜在的に持っている他者に対しても尊敬の気持ちを抱くのが本当なのである。経文通りの実践と巻き起こる諸難との戦いに師弟不二に徹して勝利したい。
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ロビン
kindleunlimitedにあったのと、150ページ程の薄い読みやすそうな本だったのとで一読。大塩平八郎や吉田松陰に影響を与えたと言われる儒学の一流派・陽明学の入門書である。形骸化した朱子学と知識偏重教育への危機感によって実践重視の陽明学を提唱した王陽明の生涯、「知行合一」「良知」「事上磨練」「万物一体の仁」「抜本塞源論」と陽明学の基礎知識と理解のポイントを押さえてくれていて分かりやすい。基本が儒教なので生死の問題は扱わないようだが、民衆への同苦の重視や「理解するとは行動すること」の教えが素晴らしい。
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ロビン
1255年日蓮大聖人が門下の富木常忍に与えられた重書『一生成仏抄』について、池田先生が講義されたもの。「己心の外に法ありと思はば妙法にあらず」ー大聖人は、万人の己心に内在する仏性を触発し、仏界の生命として湧現させる「唱題」の実践をもって、法華経の理想である万人の成仏を実現する道を確立された。成仏とは、見果てぬ聖なる仏への遠き旅などではなく、一人の胸中における生命の変革である。自他共の仏性を讃嘆し磨きゆくたゆまぬ勇猛精進によって、仏性を信じられない生命の「無明」との内面の闘争を制覇してゆきたい。
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ロビン
方便も比喩も、そして涅槃ー仏自身の死でさえも、仏の智慧であり、皆を自分と同じ境涯に高めるため、民衆を救うために行うのである、とのお話に胸打たれた。戸田第二代会長の講義には、妙法を唱える凡夫が仏であることを何としても教えたいという熱誠がおありであったと。池田先生も名もなき庶民をいつも最大に称賛して下さった。池田先生は亡くなられたが、先生の志を受け継いで「自立の実践者」として全力で戦うことのなかに弟子の道がある。偉大な師に甘えていられる時期は終わったのだ。師と同じ心で、民衆の中で仏法に生きる決意を新たにした。
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ロビン
創価学会員が毎日の勤行で読誦している法華経の方便品・寿量品について池田先生が講義されたもの。末法の全民衆を救おうとの大慈大悲のご境涯から日蓮大聖人が説かれた文底の法華経ー南無妙法蓮華経の立場からこの二品を読むということは、たんなる知識ではなく、現実の中に生活する民衆をどう救い切っていくかという<実践釈><人間釈>であると先生は説かれる。これは読書や学びの姿勢にも通じている。「何のため」に勉強をするか、それは自分のまた民衆の幸福のためである。たんなる物知りになるためでも人から偉いと思われるためでもないのだ。
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ロビン
元警官のルークが、ロマンチックな恋に破れ好きでもない金持ちと結婚しようとしている「従姉妹」ブリジェットとともに、ルークが偶々列車の中で出会った老婦人の話と彼女の意味深長な事故死の真相を探るノン・シリーズもの。クリスティらしい「こういう人いるな」と思わせるイギリスの田舎町ウイッチウッドの人物群の造形とミスリードで読ませる佳作。流石にクリスティのミスリードには引っ掛からなくなってきたが、それでも犯人と対峙する最終章はドキドキさせられた。ゴードンが「成り上がり」と馬鹿にされているのが気の毒でイギリス的であった。
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ロビン
チリの偉大な詩人ネルーダの長編詩で、有名な「マチュ・ピチュ山頂」「樵よめざめよ」を含む。巻末に解説がまとまっているもののチリ独特の風物についての注釈などはなく、田村さと子訳のものと比較すると訳文も練られた感じはあまりしないが、ネルーダの心の海ともいえる豊穣で多面的で生命力に満ちた膨大な詩群には全く圧倒されたし、内容面は私としては最高であった。無名のチリの庶民たち―ミゲルやファンーを歌う詩や権力者を糾弾する詩には、弱者に優しく強者に容赦ないネルーダの高貴な人間性が表れていて胸を打たれる。美と人間愛の詩集だ。
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ロビン
19世紀英の思想家J・S・ミルの代表作の一つ。長らく光文社版を愛読してきたが岩波の新訳にも挑戦してみた。正確さは定かでないが読みやすさはやはり光文社が優る。本書でミルは社会における、エリートによる専制、平均化・画一化した大衆による世論の専制の弊害を指摘し、他者に害を与えない範囲においては個人の自由は守られるべきであること、また人々が多様で個性ある生き方をすることの効用を主張している。また思想と討論の自由については、人間の可謬性を念頭に置き、無謬性に基づく権威によって意見や批判が封じられてはならないとする。
ロビン
2024/05/12 21:39

要約してしまうと当たり前のことを言っているだけのように感じるが、ミルの人間洞察力、大衆の心理解剖は非常に見事で、この人もマルクスやオルテガと同様に―オルテガはミルから影響を受けたらしい―人々が平均化・画一化し社会の歯車となって自己自身を見失うことの危険性を知悉し危惧している。

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ロビン
積読してあったが、オルテガがニーチェに影響を受けているというので読んだ(ニーチェは中途半端にかじってはいた)。「神は死んだ」と叫びーこれは同時代人たちの感じていたことに明確な形を与えるものだったろうーキリスト教とソクラテスやプラトンに始まる西欧の価値観を根本的に転倒させ「超人」「永遠回帰」「力への意志」という新しい価値基準を提示したニーチェ。果たして人類は「超越的なもの」との紐帯なしに己を高めルサンチマンを克服して生きていくことが可能なのか。仏法者としてニーチェとは意見を異にするが、素晴らしい入門書だ。
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ロビン
「満足した豚より不満足な人間の方がいい。満足な愚者より不満足なソクラテスの方がいい」(『功利主義』)との名言で知られる19世紀英の哲学者ミルの評伝。人生を辿ると共に主著『自由論』『代議制統治論』『功利主義』の内容をコンパクトにまとめている。ミルに対して現代の眼から批評するということも余りなく、手堅く著述されている印象。『自由論』自体から受ける強いインパクトを考えてもやはり解説書を読んで分かった気になるのは危険と思う。ミルは宗教には距離を置いていたようだが強い使命感を持って仕事をしたことに興味をひかれた。
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ロビン
作品は再読だがこの版は初。「人には時代に働きかける義務がある」ーそうした高貴な義務感により書かれたであろうスペインの哲学者オルテガによる高名な時代批評。歴史についての深い造詣と鋭い洞察、精妙で複雑な現実認識は圧倒的で舌を巻かされる。明言は避けられているが、オルテガのいう「貴族」たる者が背負う「義務」や「使命」には、宗教性の響きがあるように思う。「貴族」は「自分を遥かに越えた上位の規範に自らを従わせようとする」が「大衆」は自らを生の主権者と考える、という書き方にもそれは感じられる。非常に深い叡智の書である。
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ロビン
パブロ・ネルーダの長編詩『大いなる歌』のなかで讃えられている、奴隷制度と戦った19世紀ブラジルの詩人カストロ・アウヴィスの代表作である『奴隷船』の英訳版(原著はポルトガル語と思われる)。海の美を歌い上げつつ、それと対比するように奴隷船の不衛生で非人道的な航海が歌われ、自由を奪われた黒人たちの自由だった過去と鎖につながれた現在が歌われ、また、神に対して人間の非道を訴えている。詩人は奴隷船の悲惨さにダンテの『神曲』の地獄篇のイメージを重ねており、奴隷制度をこの世の地獄と考えていたのであろう。熱い詩である。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/08/29(2128日経過)
記録初日
2018/08/02(2155日経過)
読んだ本
973冊(1日平均0.45冊)
読んだページ
302051ページ(1日平均140ページ)
感想・レビュー
954件(投稿率98.0%)
本棚
1棚
性別
血液型
O型
現住所
富山県
自己紹介

ナイスしてくださる方、その他つながりを持とうとしてくださる方、ありがとうございます。読書メーターの先達の皆さんには遠く及ばない浅学の身なのですが、洋の東西を問わず古典文学を中心に読んでいるので、よろしくお願いいたします。現代文学には基本的に疎いです。

好きな詩人・歌人:アルフレッド・テニスン、パブロ・ネルーダ、ヴィクトール・ユゴー、ダンテ・アリギエーリ、杜甫、屈原、藤原定家(全作品読破はできていません&昔読んだものはだいぶ忘れています・・(-_-;))

好きな作家:ロマン・ロラン、チャールズ・ディケンズ、ヴィクトール・ユゴー、中島敦、夏目漱石、藤沢周平(上に同じ)


好きな画家:ワシリー・カンディンスキー、カミーユ・コロー、ジョルジュ・ルオー、伊藤若冲、岡本太郎

好きな音楽家:シューベルト、ベートーヴェン、バッハ、沖縄音楽の方全般、山下達郎、B`z(歌は好きなのですが、楽器はほぼ弾けません)


好きな映画:チャップリン「独裁者」、アキ・カウリスマキ作品、三谷幸喜作品


好きな戦国武将:黒田官兵衛、上杉謙信、大谷吉継


好きな孔子の弟子:子路


ファンタジーは、指輪物語、ナルニア国物語、ハリー・ポッターシリーズ(頑張って原書で読みました)と上橋菜穂子作品、十二国記シリーズ、SF(?)は銀河英雄伝説本伝&外伝、ミステリーはアガサ・クリスティのポワロもの、コナン・ドイルのホームズものくらいです。
漫画も手塚治虫「鉄腕アトム」から中村光「聖☆おにいさん」までいろいろ好きです。

仏教徒(創価学会員)です。宗教間読書対話大歓迎です(あまり難しい話はできませんが・・)。



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