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2024年10月の読書メーターまとめ

ロビン
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2024年10月に読んだ本
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2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ロビン
2024年度ノーベル文学賞をアジア人女性として初めてハン・ガン氏が受賞した。雪や塩、おくるみ、餅など「白い」ものを効果的に使い、作者が赤ん坊のまま亡くした姉の死、あるはずのないことだがその姉がもし自分の生を借りて生きたとしたら、という蘇生のフィクションを、ヒトラーにより壊滅させられたワルシャワの街の復元ともダブらせながら描き、自分自身の生に還ってくるという構造は、詩的な空気をまといながらも確かに小説のそれである。解説にもあるが、文学という形式だから可能な内面表現であり、久しぶりに文学として小説を堪能した。
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2024年10月にナイスが最も多かったつぶやき

ロビン

人間・・あまりに要領がよくて世渡り上手なタイプは信頼しがたいし、かといって真面目で優しい不器用な人は生きづらくて心を病む世の中だしで、なかなかちょうどよく自分を持していくのは難しいものだとつくづく思う今日。 利用されて嫌な思いをするか、重めの相談されて疲れるか。わたしも真剣さを持ちつつも、程よくいい加減に生きないともたないなあ。

風に吹かれて
2024/10/31 23:08

私、強い人間ではないので、「抜苦与楽」、自分の苦しみを抜いて自分に楽を与えることを第一に考えるようにしたいと思っています、なかなか、できませんが…。心配されている人より心配している人のほうが苦しくなることが少なくない世の中なので、なおのこと、いい意味で「自分本位」も大切かと思います ^^

ロビン
2024/11/01 08:32

風に吹かれてさん、ありがとうございます。自分の心と相談しながら、疲れすぎないように気を付けつつ、友人のことを応援していきたいと思います。

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2024年10月の感想・レビュー一覧
19

ロビン
今年の頭にも読んでいるが、友人を激励するために再読。池田先生は命懸けで、世界を舞台に戦われていたが、そのなかで名もないいち学生の悩みにどこまでも真剣に、真心をもって耳を傾けられ、真摯にまた柔軟にアドバイスをされている。先生は自分自身が強いからといって、くよくよしている学生に「そんなことで悩んでいるのか」なんて無慈悲なことは絶対に言われない。こんなに真剣に話を聞いてくれる大人がひとりでもいれば、悩む学生も自暴自棄になったり自信を失ったりしないであろう。師匠の姿に学び、苦しむ人を抜苦与楽できる人間になりたい。
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ロビン
詩人、批評家の三好達治による詩の読解入門書。音律の分析やリフレイン、ことばの絵画的また象徴的な使い方などの詩的技巧を、北原白秋や高村光太郎らの詩作品に即して解説してくれている。萩原朔太郎の抽象的・概論的な詩論『詩の原理』の真逆と言っていい具体的・各論的な書き方をしてあり、取っつきやすいかもしれないが、その反面「詩とは何ぞや」というような本質論には全く触れられない。「詩を愛する人はすでにして詩人」という門戸の広い詩人の定義はやさしくて有難いのだけれど、解説はやや分かるような分からぬような隔靴掻痒の感がした。
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ロビン
英語力を鍛えたくてKindleUnlimitedにあったこちらに挑んでみた。東大、慶応大、名古屋大等々の短い英文が問題として沢山載っていて、解説も充実している。ややこしい文のSVの特定、基本的な単語の特殊な用法、強調・名詞・因果・分詞構文の読み解き方、asの用法など具体的な読解の方法を紹介。難関大学を受験した人たちはこうした読解に加え、英文を書かされたり長文を時間内に読んだりして本当に凄いなと感心しつつウンウン唸りながら問題を解いたが、一読では分からない問題も多かった。自分の勉強不足を痛感。頑張ります。
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ロビン
俳人の長谷川櫂さんによる「奥の細道」解説本。長谷川さんは芭蕉がこの旅の中で蕉風ー自分の心の風景と現実を取り合わせて詠む句法ーを確立したと書く。確かにそう解説されると分かりやすく、納得感がある。芭蕉がこのみちのくの旅路で「不易流行」と「かるみ」を見出したのは知っていたが、本書では特に「かるみ」に焦点を当てている。しかしあとは歌枕やその土地の風物の説明が主で、長谷川さん独自の読み解きのようなものはそこまで深く書かれていないように感じ、全体的にもう一つ感動がなかった。嵐山さんの本に比べると、情熱も労作感も薄め。
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ロビン
ドイツの詩人ヘッセと、フランスの作家ロランー第一次、第二次世界大戦というドイツとフランスが対立した狂愚の時代も超えて、二人の「詩人」の魂は交流した。戦争の狂熱に対して、友愛と平和を説いた二人は祖国において孤立したが、敵国の中に高潔な友を見出したのである。ヘッセの『シッダールタ』についての世評の無理解に対し、ロランの深い理解と作品に込められている東洋の叡智への熱い共感は、如何にヘッセを励ましたことであろう。ヘッセもまた『ジャン・クリストフ』『魅せられたる魂』を愛読した。響き合うふたつの詩魂の音楽を聴いた。
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ロビン
 嵐山光三郎さんの芭蕉本とは違い、基本的に通説に沿いながら、芭蕉の生まれからその死までを、折々の俳諧を解説しながら辿った評伝。衆道や隠密活動のことには全く触れられていないし、其角や曽良など弟子たちのこともあまり深くは突っ込まれていない。俳諧の読み解きもごく素直で、「古池や」の句についても嵐山さんのように実証実験をして「蛙は音をたてて池に飛び込んだりはしない」ということを突き止めたりはしていない。ひとまず「俳聖」としての芭蕉の通説を知りたい向きにはよいかと思う。これはこれでためになったし、読んで良かった。
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ロビン
金沢出身の作家・詩人であり某クイズ番組の「郷土の偉人ランキング」にも入選するほど愛されている室生犀星の自選詩集。自選だけに、以前読んだことのある愛の詩ばかりのものよりもテーマが多様で良かった。朔太郎が「犀星は直感的な天才詩人」と言っていたが、辛い生い立ちにもかかわらずひねこびた所がなく、透き通るような繊細な表現で喜びや寂しさ、また故郷や自然、我が子への愛を歌っていて、人気があるのも分かると思った。私は犀星の親友・萩原朔太郎のファンだが、確かに作風、生き方共に朔太郎が犀星より人気出る理由ないな笑と思った。
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ロビン
江戸川乱歩と萩原朔太郎を探偵役にした作中作「白骨鬼」と「白骨鬼」が執筆された時代(平成2年)が交錯して殺人事件の真相が明らかになる仕立てのミステリ。よくあるトリックに、歴史趣味をまぶした感じの軽めの作品なのかなと思い読み進めていくと、裏の裏は裏みたいな展開が起こりなるほどと唸らされた。最後まで読んでから最初に戻るとアッ!となる。ただ、朔太郎の造形はちょっと物足りない。詩作を軽んじるような発言があるのもどうかと思った。著者は詩人としての朔太郎をさほど愛していないのではと疑ってしまう。まあまあ面白かった。
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ロビン
どこまでも自由で独立不羈の魂をもって、あらゆる権威からの服従の要求に「NO」を言い続けた強靭な詩人ヘルマン・ヘッセ。この世で最も大事な美徳は「わがまま」ー「自分自身であること」「自分の内面の声にのみ従うこと」である、と彼はいう。環境が彼を詩人にしたのか、そうではない。詩人でありたいというヘッセの内面の声は障害や無理解、嘲笑や悪罵をはじき返す強力なものであり、それは「神」からの召命とさえいえるものであった。「天、我が材を生ず。必ず用あり」と確信していた李白と響き合うものを感じる。勇気をもって自分でありたい。
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ロビン
ネタバレ萩原朔太郎の詩になぞらえた連続殺人事件が起こるという朔太郎ファンにはドキドキのミステリもの。内田康夫さんと言えば「浅見清彦」シリーズだが、本作の探偵役は岡部警部補であり、またドラマでなく小説を読むのは初めてであった。『ABC殺人事件』に似た構造で、殺害トリック自体はそこまで意表をついてこないが、文章が上手で、人間描写もちゃんとしており、現代警察の捜査のやり方も詳しく書かれていて、流石に良くできていると感嘆した。ただ朔太郎について怨念の詩人的なおどろおどろしいイメージがついてしまうのはちょっとなあと思った。
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ロビン
生前朔太郎と交友があり萩原家の娘と結婚もした三好達治が朔太郎の詩業を批評した文章や、その人となりや振舞を思い起こして綴った文章などをまとめたもの。朔太郎の『詩の原理』は大変な名著であるが、その執筆にはやはり相当苦労したようで、十数年の思索の果てに一、二か月部屋に籠りきりになって書き上げたとある。朔太郎曰く「カントが『純粋理性批判』を書いた苦労がよく分ったよ」-しかもその原稿はまだ版元さえ決まっていなかった。締め切りや依頼があるから書くのではない。生来の詩人だから書くのだ。犀星とは褒め合っていて微笑ましい。
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ロビン
『悪党芭蕉』執筆から11年経った頃に書かれた本書では、前書より更にディープに、さらに詳細に芭蕉の生涯が描き出される。相変わらず実に良く調べてある。中晩年の枯淡な作風とは全く違い、芭蕉のイメージを変えるデビュー作『貝おほひ』についてもちゃんと書いてあるのが偉い。芭蕉といえば『奥の細道』であり、そのイメージだけで芭蕉を見てしまうが、江戸に出たての頃は水道工事をしてお金を稼いでいたのだ。また、東照宮再建にともない伊達藩の内情を探る隠密の旅としての『奥の細道』についても大いに紙幅が割かれていて、読み応え十分。
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ロビン
2024年度ノーベル文学賞をアジア人女性として初めてハン・ガン氏が受賞した。雪や塩、おくるみ、餅など「白い」ものを効果的に使い、作者が赤ん坊のまま亡くした姉の死、あるはずのないことだがその姉がもし自分の生を借りて生きたとしたら、という蘇生のフィクションを、ヒトラーにより壊滅させられたワルシャワの街の復元ともダブらせながら描き、自分自身の生に還ってくるという構造は、詩的な空気をまといながらも確かに小説のそれである。解説にもあるが、文学という形式だから可能な内面表現であり、久しぶりに文学として小説を堪能した。
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ロビン
2024年度のノーベル平和賞に被団協が選ばれた。被爆され、地獄の苦しみと絶えざる不安のなかで「ふたたび被爆者をつくらせない」との決意をもってこつこつと活動してこられ、2023年に発効した核兵器禁止条約にも多大な貢献をされた。本当に頭が下がる、凄いことである。日本政府がいまだに戦争責任に真摯に向き合わず、被爆者の方々に対して正当な補償を拒み、あの愚かな戦争で国民が受けた苦しみをも「受忍すべきこと」と考えているという話には慄然とした。核兵器を「抑止力」としてその存在を容認する考えを日本はもう捨てるべきだ。
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ロビン
芥川賞作家の田辺聖子さんと、編集者やカメラマンの4人連れが「奥の細道」の芭蕉の旅路を辿った旅行記。嵐山光三郎さんの描く、詩には厳しい一方世故に長け衆道の愛に身を焦がす芭蕉とは異なる、弟子たちや親類の面倒見の良い徳の高い芭蕉像が結ばれる。悲運に倒れた歴史の敗者を愛し、点取俳諧を嫌う点は間違いないようだが。芭蕉沼の恐るべき深さに、観念して沈むしかない思い。戸田如水という大垣藩の高官が芭蕉のことを日記に「心底はかりがたけれども、浮世を安くみなし、諂わず奢らざる有様なり」と記しているというのが印象的であった。
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ロビン
中三の頃芭蕉の旅路を辿って旅行して以来、長い人生を芭蕉と共に生きてきた嵐山さんが、芭蕉の故郷伊賀上野から、『野ざらし紀行』『笈の小文』『更科紀行』そして『奥の細道』等の旅をいわば聖地巡礼した記録である本書は、嵐山さんの芭蕉に懸ける思い、敬意、謎を解きたいという執念に満ちていて読んでいて襟を正させられる。芭蕉の重要な文章は暗記しているというし、句もすらすら出てきそう。該博な知識を基にした分析も緻密で唸らされるばかり。真の芭蕉ファンとはこういう人を言うのであろう。内容が『悪党芭蕉』と被る所もあるが面白かった。
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ロビン
気骨のジャーナリスト布施祐仁さんが、対米従属一辺倒の日本が、このままその道を行くならば台湾有事という米中戦争に巻き込まれて日本の国土を戦場にしてしまうかもしれないことに警鐘を鳴らした本。日本人は敗戦からこっちアメリカのもとで主権意識を喪失し、自主的にものを考えなくなってしまったが、フィリピンまたASEAN諸国を始めとするアジアの国々は日本と違いその団結と経済力を背景にアメリカや中国と渡り合い対話による平和を構築することにかなり成功している。日本人一人一人が政治を厳しく監視し自国の在り方に関心を持つべきだ。
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ロビン
詩人・萩原朔太郎-実際探偵小説を愛好していたーをホームズ役、親友の詩人で小説家だが人間性のいい室生犀星をワトソン役にした軽めの時代ミステリ。朔太郎が美女の書いた下手な詩を褒めるところに文句がある―いくら何でも詩には厳しかったと思うのでー以外は、朔太郎ファンとして小ネタ(タイトルは『太陽にほえろ』と『月に吠える』のパロディだし7話は明らかにホームズオマージュ)や犀星のツッコミにクスクス笑いながら読めた。大正時代の勉強にもなる。『青鞜』の女性たちや竹久夢二、菊池寛、北原白秋なども登場して楽しかった。続篇望む。
ロビン
2024/10/03 20:10

ミステリとしては本当にごく簡単な作りだし、人物造形も浅いので、本格小説を期待して読んではならない。気楽な読み物です笑

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ロビン
アフガニスタンの武装解除に携わられるなど戦争の現場に通暁した伊勢崎さんの非戦論。14歳からと銘打たれているが本格的な内容だ。ウクライナとガザ問題、日米地位協定、朝鮮国連軍等に絡む日本の国家主権の問題を「安全保障化」「緩衝国家」を主なキーワードとして、それぞれの問題に具体的な日本の取るべき選択肢を提示している。台湾有事の蓋然性は低いとの分析にホッとしつつも、日本のみにある地位協定での異常な互恵性のなさの改善や、「仮想敵国」の「悪魔化」の克服という課題は重い。毅然と主権を主張しつつ対話、外交を重視する日本に。
風に吹かれて
2024/10/01 23:16

ロビンさんのAmazonレヴュー、拝読いたしました。ご自分の考えを明快に語っておられ感服いたしました。私も同じ思いです!

ロビン
2024/10/01 23:57

Amazonレビュー読んでくださりありがとうございます🙇‍♀いい本でしたし、少しでも非戦の考えが広まればと思い書きました。ともどもに自分なりに人に語り広めていきましょう✊

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/08/29(2278日経過)
記録初日
2018/08/02(2305日経過)
読んだ本
1045冊(1日平均0.45冊)
読んだページ
319969ページ(1日平均138ページ)
感想・レビュー
1026件(投稿率98.2%)
本棚
1棚
性別
血液型
O型
現住所
富山県
自己紹介

ナイスしてくださる方、その他つながりを持とうとしてくださる方、ありがとうございます。読書メーターの先達の皆さんには遠く及ばない浅学の身なのですが、洋の東西を問わず古典文学を中心に読んでいるので、よろしくお願いいたします。現代文学には基本的に疎いです。

好きな詩人・歌人:アルフレッド・テニスン、パブロ・ネルーダ、ヴィクトール・ユゴー、ダンテ・アリギエーリ、杜甫、屈原、藤原定家(全作品読破はできていません&昔読んだものはだいぶ忘れています・・(-_-;))

好きな作家:ロマン・ロラン、チャールズ・ディケンズ、ヴィクトール・ユゴー、中島敦、夏目漱石、藤沢周平(上に同じ)


好きな画家:ワシリー・カンディンスキー、カミーユ・コロー、ジョルジュ・ルオー、伊藤若冲、岡本太郎

好きな音楽家:シューベルト、ベートーヴェン、バッハ、沖縄音楽の方全般、山下達郎、B`z(歌は好きなのですが、楽器はほぼ弾けません)


好きな映画:チャップリン「独裁者」、アキ・カウリスマキ作品、三谷幸喜作品


好きな戦国武将:黒田官兵衛、上杉謙信、大谷吉継


好きな孔子の弟子:子路


ファンタジーは、指輪物語、ナルニア国物語、ハリー・ポッターシリーズ(頑張って原書で読みました)と上橋菜穂子作品、十二国記シリーズ、SF(?)は銀河英雄伝説本伝&外伝、ミステリーはアガサ・クリスティのポワロもの、コナン・ドイルのホームズものくらいです。
漫画も手塚治虫「鉄腕アトム」から中村光「聖☆おにいさん」までいろいろ好きです。

仏教徒(創価学会員)です。宗教間読書対話大歓迎です(あまり難しい話はできませんが・・)。



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