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日本近代小説史 新装版 (中公選書 110)

感想・レビュー
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owlsoul
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開国により流入した西洋文明と伝統文化の衝突から始まる日本近代小説史は、自然科学の進歩に影響を受けた自然主義文学の台頭と、それに反発する反自然主義各派の活躍によって拡がりを見せる。関東大震災は文学者に老荘思想的な諦念を植え付け、内省により内なる自然へと向かう心境小説を生み出した一方、震災不況の現実はプロレタリア文学運動に火をつけた。やがて、戦争へと突入する日本において、文学は国家主義的な新しい「生活」を描き、そのナルシシズムはロマン主義的な「死への憧憬」へと傾斜していく。浮世と共に移ろう文学の変遷を辿る。
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十六夜未来
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明治時代から戦後高度成長期までの文学史を概説する。具体的な作品を拾いながら流派一つ一つを丁寧に解説する。一つの流派が文壇を牛耳ると、必ずその主張に反対する流派が出でくる。興味がありそう作品もいくつか発見。
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Don
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個々の作品よりも主義や流派に注目した概説書。日本近代小説史の大枠を理解するのにとてもよかった。個別作品も解説したりするけど、分かりやすい解説もあればよく理解できない解説もある(とはいえ概説書だからそこまで求められないけど)。気になった作品を読んでからまたいつか読みたい一冊。
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koke
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クセのないよくできた教科書。メディア論や受容論の視点も組み込まれている。自分の日本近代文学史理解がどう偏っているか、何をそこに求めているのか気づくいいきっかけになる。
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中牟田聖司
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近代日本文学の流れが文体を中心にまとめられ、とても勉強になる。特に、戯作から流れ、影響を強調しているのが良い。「近代日本文学」が読者を意識して演じられた「文壇」、「文学全集」、「研究」の三点によって構築されてきたものだとする考え方は面白いと思う。
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川越読書旅団
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いわゆる日本の近代文学と定義される作品の成り立ちを主義(自然主義等)や派閥(耽美派・白樺派等)ごと、また時系列的に明快に解説、必携の1冊。
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はひへほ
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文豪の名前は知っているが、流れや関係性はあんまり分かってなかったので、コンパクトにまとまっていて読みやすいこの本は良かった。注釈も程よく分量であり、読みやすい位置にあるのがよい。あとは高校の頃の国語便覧でも眺めながら、おさらいしようと思う。
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masasamm
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日本の近代小説の概観。筆者の視点も示しながら日本近代文学を俯瞰的に説明している。
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ぷほは
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村上春樹については『ドライブマイカー』の話題もあって多少なりとも若い読者が例えば中学校の図書館などで、なんとなくラノベの次に手に取っているという状況も、もしかしたら今でも地方では残存しているのかもしれない。とはいえメインの読者層はもう50~60代になってしまっているだろう。そういう作家で終わっているから「現代小説史」ではなく「近代小説史」なわけだが、むしろ村上龍と春樹、もっといえば中上健次などがポストモダンではなくあくまでモダンの枠内で整理できるという見方を示していることに議論の余地がありそうな気がする。
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❁Lei❁
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教授のおすすめにて読了。近代文学(小説のみ)の黎明期から戦後までの歴史が網羅されています。自然主義やプロレタリア文学などの時代の主流に対抗して新たな派閥が生まれるという流れが理解でき、読み進めるにつれて点同士の知識が線で結ばれるようでした。またそれぞれの派閥の代表作品を取り上げ、文体や内容の特徴などがわかりやすく解説されているのもよかったです。何度も読み返して学習したい一冊。
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くす
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図書館にて。文学史は高校の時に学校で渡された本から適当にテストに出る程度で授業もなかったので名前だけ知っている程度だった。明治から現代までの流れが概観できる。当たり前だが、名前も知らないような作家も出てきており、論壇や文化の担い手といっても、時が経てば当時の読者の読書経験や感動も我々の目からは見えなくなってしまうのだと感じた。
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akuragitatata
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新装版。参考文献にちょっと追加がある程度だが、内容面での増補はあまり期待できない。途中の記述と最後のマニフェストみたいな近代観は矛盾しているようにおもう。
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ほうすう
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作品の時代背景や思想の流れに特化していて、特定の作家のエピソードや関係性が知れるといったたぐいのものではなかった。 明治から戦後にかけて小説の流れ、思想の流れというものをシンプルに説明している。既知の作家が流れの中でパチパチっと当てはまっていく感覚は心地よかった。ただまあ細部に関していえばその読み取り方は一面的に過ぎないか、戦後がやけに駆け足というかそれだけ多様性に富んでしまったのかもしれないが急にとっ散らかったという感覚を受けたりもしたが、一つの見方としてコンパクトにまとまった良い小説史だったと思う。
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Hiro
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簡にして要を得た文学史だ。テーマを小説に限り詩や評論への言及を避け、また、理屈っぽくて手間の掛かる思想的な流れの整理を淡泊に手際よく処理したことで、見晴らしのよいすっきりとした日本文学の輪郭が描かれている。文明開化の戯作、言文一致から始めて、鷗外漱石、大正昭和、戦後、そしてハルキまで、勿論どれも深掘りされない不満はなしとしないが、これだけきちんとまとめられ要領よく評価されればあとは好みに従って個々の作家に向き合えそうだ。最後の文学全集の役割、文学部の消長についての考察も面白い。
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Mosu
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日本の小説の話をするときに無頼派だとかそーゆうのが出てくるけど自分は詳しく知らないので買ってみた。意外と楽しんで読めて、高校のときにもやったけどきちんと覚えてなかったから面白くないかもと思っていたけれどよかった。学校の授業より詳しかったのではと思う。詳しいほうがより楽しさが感じられる。難しすぎると挫折しちゃうけど(笑)
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ころこ
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大学で従来の文学を教える機会が無くなっていくことを嘆いていますが、これを大学生に読ませるのは無理でしょう。現在、社会で発言が注目されているのは小説家ではなく経営者です。発言に影響力が無ければ作品も読まれません。小説が読まれないことを問題にするのであれば、経営者が言えない事を小説家が言っていると論じる必要があります。少なくとも、近代史であっても今の小説に接続して小説史をつくる問題意識を持つべきです。最も新しい個所がW村上では、大学生に興味を持てというのが酷というものです。
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mori009
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小説の歴史について知りたくなり読んでみた。明治から昭和後期にいたる流れが分かりやすく整理され、ところどころに主要な小説からの文章引用もあるので読み物としても面白い。小説を読んだだけでは分からない「この作家とこの作家は同時代だったのか」と雑学要素、どういう時代の流れの中でこの作品は生まれるべくして生まれたか、という物語の背景を知ると作品を楽しみかたが増える気がする。
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Lieu
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文学史を作るとき、文学作品そのものよりも綱領的テキストを並べればイズムの歴史が図式的にわかりやすいのだが、それでは作品を読みたい気にならない。この本の面白さは、どちらかというと小説の文体や技法の変遷に重点を置いているところにあるだろう。読んでいないものも読んでみたくなる。
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庄屋之者
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近代の文化史に疎いため、まずは複雑な小説史をと思い読んだが、それぞれの作家や主義の特徴を概略的に感じることができた。頻繁に小説の一部分が紹介されているため、説明だけでは理解し難い特徴をも掴むことができる。個人的に、田山花袋の『蒲団』は花袋の異質な性癖を記した小説だと思っていたが、小説界の潮流や主義が背景にあったと知り、浅薄な考えに反省した。
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お抹茶
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ネタバレ『舞姫』など鴎外の初期三部作では,所属すべき“何か”を掴み取れない「現実における断念と見果てぬ夢」を雅文体で表した。花袋など自然主義系統の作家は,封建的な家の桎梏と闘って上京する若者の挫折と絶望を表現。実篤ら白樺派は,明治以来の自然観を継承しつつ,一人称を使い,芸術と実生活との距離を限りなくゼロにした。戦後文学の実質的担い手となった作家達は,戦前の左翼運動の挫折と戦中の抑圧を経験し,極限状況に置かれた人間の姿を実存的・哲学的に追求。女性文学の性は,実体的な桎梏から感覚的で自由な世界に変移した。
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