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文部省の研究 「理想の日本人像」を求めた百五十年 (文春新書)

感想・レビュー
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Ochiai Kenji
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中山成彬のバカ発言、あったあった! 何ともなつかしい。
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安藤 未空
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文部省が教育に関わるステークホルダーのなかで、「理想の日本人像=教育の大方針」をバランスをとりながら、時局に振り回されつつも何とか定め、最低限の教育を確保してきた、という理解は文部省を評価し過ぎだろうか。どのような時代にも「是」とされる教育方針はない。だから、どうしても時流に振り回されてしまうことはやむを得ないと思う。ただ、一方で「教育ってそういうもの?」という疑問を感じている自分もいる。「ありうべき教育」について、もう少し根幹から考える試みがあっても良いように感じた。 でも、頑張れ、文部科学省!!
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無重力蜜柑
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面白い。種々の製作で示される「理想の日本人像」の変遷、特に普遍主義(啓蒙思想-戦後民主主義-グローバリズム)と共同体主義(儒教-日本主義-ナショナリズム)の間での揺れ動きという部分に注目し、文部省の百五十年史を通覧する。科学技術史をやっている自分としては文部省といえばまず科学行政、大学行政の官庁で、戦前なら商工省や企画院、戦後なら通産省の「お隣」というイメージ。しかし彼らは第一に教育官庁である。そして教育とは知識だけではない。「理想の日本人像」を突き詰める限り、その職務はイデオロギー的にならざるを得ない。
無重力蜜柑

そもそも「理想の日本人」という概念は抽象的であり多義的である。それは国粋主義にも国際主義にも、権威主義にも民主主義にも結び付き得る。ときどきに「理想の日本人像」を打ち立ててきた歴史上の諸教育法は、それゆえ大抵両義的な内容を持っている。右派が賛美する教育勅語も左派が拘泥する教育基本法も、原文自体はどうとでも取れる抽象的なものなのだ。しかるに教育論争では諸問題が雑にパッケージングされ、イデオロギー対立が固定化されている。重要なのは右か左かではなく有用な理念を見つけること、その実行のため細部を詰めることだ。

11/21 04:25
無重力蜜柑

こうして「理想の日本人像」という大上段な視座から教育を通覧してきた本書は、その結論部でプラグマティックな立場へ落ち着く。筆者の立場はバランスが取れているように思う。付言するなら、共同体の理想を構築すべき第一の理由は筆者の言うような「一部の熱心なひとびと」の抑制ではなく社会的紐帯あるいは美徳だと個人的には思うが、これは自分がコンサバだからだろう。このようにデータと出来事の単なる羅列という意味での「実証」ではない「中立」の立場から極めてイデオロギー的な対象を描ける点で、辻田真佐憲は貴重な歴史家だと思う。

11/21 04:35
3件のコメントを全て見る
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ツーラン
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ネタバレ明治維新から150年の文部省を中心とした日本の教育についての本。欧米に対抗するために最初はリベラルで啓蒙主義的なスタート。けど共同体主義への対応のため日本独自の歴史や事情を踏まえつつ教育勅語でバランスを取る。けど日清日露戦争後、教育勅語ぐらつく。昭和になると共同体主義がメインになって天皇に奉仕する国民のベクトル。敗戦後、普遍主義へ。けどすぐ反動で共同体主義へ。高度経済成長時期は黙々と働く日本人とか。そして理想の日本人像の模索は続く。網羅的に日本の教育のバランスが読めて良かったですが、少し難しくもありました
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omemegaro
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文部省は何の意向でどういう教育の方針をとってきたか、その歴史を辿る内容でした。あまり組織的なことは書かれていません。
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Nobu A
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辻田真佐憲著書初読。先日読了の「ルポ 教育困難校」での言及本。副題の「理想の日本人像」に釣られて購入したが、あくまでも視点としてであって、どんな理想があったのか言語化されている訳ではない。その点ははぐらかされたような気分。他方、混沌とした文科省の歴史150年を俯瞰する意味では当該視点が軸となり、比較的読み易く勉強になった。教育勅語の動向等見ると、改めて文科省が「国家百年の大計」と言える教育にどのように関わっていくべきか考えさせられる。あまりにも壮大過ぎて答えが見出せないが、様々な教育方針の説明責任はある。
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棕櫚木庵
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1/2) ここで紹介していただき,「理想の日本人像」という副題に魅かれたのだけど,理想像探求の思想史というよりは,題名の通り制度史寄りの内容だった.「理想の日本人像」が政治的な思惑によって翻弄されるさまが,普遍主義と共同体主義の対立や調和という枠で整理・叙述されている.
棕櫚木庵

2/2) 「教育勅語」は,意外と開明的な面があった(家永の評など)という指摘,「国体の本義」についてその内容が詳しく紹介されていること,いわゆる天皇の「人間宣言」全文を初めて読めたこと.その辺りが私には大きな収穫だった.なお,「勅令」の形を取ると内容に枢密院が介入できることは本書で指摘指摘されて初めて気付いた.

04/23 20:13
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kaho
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1869年木戸孝允が普通教育の振興に関する意見書を出して以来2016年まで の文部省の状況…何を考え何を誰が主導でどう行ったか…が、新書一冊という限られた中で時間を順に追って効率的に解説される良書だった。しかも、著者は先に読んだ軍歌本の著者と同じとあり、ふとした時に音楽の方向にも目を配る=施行者の精神意図を汲む、という視点があり、自分には願ったり適ったり。組合が取り沙汰されない時代になった現在、経団連と組んでの教育方針であることも、結局の処これまでの文部省の在り方が連綿と継続されている結果だと腑に落ちた。
kaho

ここ十か月程明治探求をしてきながら縷々思ってきていることだが、現在というのは本当に明治末期-大正初期によく似ている。 英語化教育、芸術後回し、という矛盾(音楽家の自分からしたら酷い矛盾だ…和魂洋才なんてのがそもそも非論理的じゃないか?)さても自分がこれを読むまで知らなかった恐怖の味噌汁(今日麩の味噌汁であってほしい)は、『国体の本義』なる戦前文部省の入魂の著作。教育勅語、軍人勅語が読みようによっては素晴らしいとする論理が 今でもぬーっと背後に在ることは、今のプーチン諸々を支持することと同じと、憶えておく。

03/04 02:46
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ころこ
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近代化の150年の間に文科省の方針はその時代によって随分と変化しています。その変化を「理想の日本人像」の形成という観点から解釈しています。本書の裏テーマとなっているのが、そこで闘わされる政治的なイデオロギー、ナショナリズム(右派)とグローバリズム(左派)は何のために行われるのかを問うています。著者の結論は第6章に書いてあります。「「理想の日本人像」は、特定の思想をブーストするための装置ではなく、特定の思想の暴発を制御する安全装置として位置づけられるべきである。」著者は一貫して右派と左派のバランスをとった中
ころこ

庸な考え方をします。さて、本書での発見が二つありました。①西園寺が文部大臣をしていた1895年に掲げていた方針は、科学教育を重視する、英語教育を普及する、女子教育を振興する、と現在と変わらないということです。1996年からの教育課程審議会の三浦朱門の言「できん者はできんままで結構。戦後五十年、落ちこぼれの底辺を上げることばかり注いでいた労力を、できる者を限りなく伸ばすことに振り向ける。百人に一人でいい、やがて彼らが国を引っ張っていきます。」天才は天才を発見する者がいて、はじめて能力を発揮できるはずですが…

12/05 12:25
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おっとー
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文部省(文科省)は常にグローバリズムとナショナリズムの間に挟まれ、時代に応じて様々な「理想の日本人像」を追求してきた。戦前の日本は国粋主義的教育を続けてきたイメージが強いが、実は文部省発足当初などはグローバリズムを意識した教育が打ち出されもしたし、現代リベラルの天敵である教育勅語も意外と左右のバランスがとれたもので、色々な解釈を可能にするものだった。教科書問題といい、日教組といい、とかく教育は様々なイデオロギー対立の場となるが、単なる左右の二項対立ではなく、バランスのとれた議論が望まれる。
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みなみ
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明治日本からの教育政策を概略でまとめた一冊。国定教科書の変遷は非常に興味深い。当初は歴史上の人物のうち外国人も多く取り上げられていたが、ある時期から国粋主義に傾倒していったことがわかる。戦後の文部省の歴史については、客観的に書いているようでいて「日教組に連戦連勝1(マルに1)」などという小題で括られている。恣意的な評価で日教組系の教員を排除していこうという動きを指して、「(文部省が)日教組に連戦連勝」と括って書くのは、率直にいって悪趣味ではないだろうか?
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Kazuturas
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明治からの文部省を中心とした教育政策の歴史を、理想の日本人像の変遷として概観する。明治の近代化から始まり国際社会での日本の位置が変化するに伴い、その像が揺れる。 昨今顕著なリベラルと保守の分断を相対化してくれる。歴代の諮問会議の答申や法令条文の多くは、双方陣営に供すると読める。民主党政権下の理想像にも手短に触れられており、これは微妙なアプローチの違いが見えて面白い。 虚構である「理想の日本人像」は全体主義や国粋主義だけでなく平和主義、国際協調主義、立憲主義も用いうるという指摘は重く受け止めたい。
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エレ舞
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文部省、文科省を概観するには悪くない資料。ただし、P15、後ろから3行目、「1781年」となっているのは「1871年」の間違い。書籍冒頭でこの類いのミスを目にすると、その後のデータを信用しづらくなる。
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松村 英治
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ざっくりとした概観といった感じ。
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rbyawa
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j027、「教育勅語」を復活させれば日本は全て良くなるという発言は聞いていたものの、確かにこの条文に妙なところもないし…と思っていたものの、明治初頭の教育勅語の成立にてすでに妙な介入を受けていて読んでいてぐったり疲れる。書き直しにおいても介入を受ける、地位の高い政府高官でもなく天皇でもないどこからか湧いてきた門外漢の意見で本意が変えられる。変化を拒み、他者への強制を盛り込みたい人間たちがあらゆる時代にいるという本でもある。まあまだ…それをずっと疑問に思い続けている人らの系譜も絶えていないからいいのかな…。
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shuuuji
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「「ゆとり教育」の裏の顔」(pp.230-232)
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香菜子(かなこ・Kanako)
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文部省の研究「理想の日本人像」を求めた百五十年。辻田真佐憲先生の著書。現代の文部科学省はモリカケ問題に収賄問題、裏口入学問題と不祥事だらけ。教育に心血を注いで大変な努力をしてきたかつての文部省の職員の人たちが現在の文部科学省の不祥事を見たらどう思うのでしょう。
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Ise Tsuyoshi
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明治以来の教育行政史。国策とのからみで教育目標がどのように定められていったかが論じられる。時の政府が考える「理想の日本人像」は、戦前・戦後のそれぞれの時期でも決して一様ではなく、普遍主義と共同体主義、グローバリズムとナショナリズムの中で相克と調和を繰り返し、常に揺れ動いていた。いま教育の現場で起きていることを歴史的に位置づけて理解するためにも、ぜひ読んでおきたい一冊。
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バッシー
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現在にいたるまでの日本の公教育の成り立ちがわかり、とても勉強になった。別のタイトルはでもよかったかも。
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おさむ
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明治以降の150年間の日本の教育の歩みを、文部省の変遷と、政府が打ち出してきた「理想の日本人像」からまとめた力作。常に理想像は世界の価値観を基準とする普遍主義と、日本の価値観を基準とする共同体主義の間を彷徨い続けてきた。教育勅語や詔書の変化、戦後の日教組と文部省の闘いなどの知識が整理できました。そして、安倍政権になって急に出てきた話ではなく、教育の問題は長い積み重ねの上に成り立っている事も実感。グローバリズムとナショナリズムがせめぎ合ういま、両者の適切な組み合わせを説く著者の意見に賛成です。
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フロム
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本著の特徴は明治天皇やGHQの教育への介入や教育勅語など極めてナイーブなトピックも扱いながらイデオロギーに引きずらなずに適度な距離感を保っているため日本における教育の過去から現在までの概略をザックリ掴める所にある。どの様な歴史であっても背景があり、その選択にはそれぞれの人の立場や思いがあるのだ。その当時の行動及び発想の限界を無視して現代の合理的判断のみで正誤の判断を下すのは快活かつ楽しいが大きな過ちである。新世代の歴史家と過去の歴史家との大きな違いはそこにあると思う。
フロム

戦後、学習指導要領に部分的に採用された期待される人間像は神を社会や企業に置き換えればまんまマックスウェーバーのプロ倫である。「われわれは自己の仕事を愛し、仕事に忠実であり、仕事に打ち込める人でなければならない」「全ての職業は、それを通じて国家、社会に寄与し、また自己と自家の生計を営む営むものとして、いずれも等しく尊い」「重要なのは職業の別ではなく、いかにその仕事に打ち込むかにあることを知るべきである」 凄いでしょ? 他の国はどうなんだろ?こういうのあるのかな?凄い気になるな日本だけじゃないのここまで凄いの

12/16 01:39
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N.T
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あの教育勅語を「どうとでも解釈できる」と書く辺りに若手らしい思い切りの良さが垣間見える。 確かに文章自体は文語調だけど啓蒙主義でも儒教主義も無い。 そんな315字しかない勅語に極度のイデオロギー性を与えたのは天皇の権威であり、内村鑑三不敬事件をはじめとする政府による聖典化だった。 本書の後半に当たる戦後のGHQとのやりとりも読み応えがある。教育史を勉強するときには再読したい。
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Myrmidon
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普遍主義と共同体主義という対立軸で「理想の日本人像」が動揺してきた歴史として、文部省を中心とした日本の近代教育行政史を描く。バランスのいい記述だとは思うが、そもそも普遍主義と共同体主義のバランスを取らなければならない理由は曖昧なので、ややモヤモヤする。
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Ucchy
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明治から現在までの教育行政を、文部省が掲げてきた「理想の日本人像」という視点で通史的に描く。国定教科書、「教育勅語」、国民精神総動員運動、「国体の本義」「教育基本法」「期待される人間像」、臨教審、教育再生会議等が挙げられる。内容的には普遍主義(啓蒙主義、グローバリズム)と共同体主義(伝統、ナショナリズム)の相克が明治以来の一貫した図式。近代化、社会主義の抑止、十五年戦争、敗戦、高度成長、グローバル化と時代の動きにより振れてきたが、図式や持ち出される理屈は150年間大きくは変わらないんだなと思った。
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oooともろー
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近代以降の教育150年史。普遍主義と共同体主義の相克。グローバリズムとナショナリズムのせめぎ合い。
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makio37
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明治以降、文部省が追い求めてきた「理想の日本人像」の変遷。普遍主義と共同体主義、グローバリズムとナショナリズムのバランスの中で、時代によって大きく揺れてきたのが分かった。絶妙なバランス感覚を持った井上毅が「教育勅語」を完成させた―。1930年代なかば以降の理想像「天皇に無条件で奉仕する臣民」は偏りすぎていた―。自分などは「責任をもって黙々と働く日本人」という高度成長期のそれの影響を多分に受けていると自覚する。その他、日教組との争いに関する記述なども興味深く読んだ。
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のん
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文部省の掲げる「理想の日本人像」の移り変わりを通じて、文部省の歴史を分析。 時代によって理想の日本人像に変遷はあるも、その軸には、グローバリズムとナショナリズムの二つがあったようである。グローバリズムの名の下に、競争を煽り、階層化が進めば、それはナショナリズムの同胞意識でフォローできるかもしれない。ナショナリズムの自国中心主義は、グローバリズムの経済的合理性で抑制できるかもしれない。 ナショナリズムとグローバリズムをどのように調和させていくかが、「理想の日本人像」を考える上での軸になっていくだろう。
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ishilinguist
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ネタバレあまり森友とは関係ない気がするが、文部省を巡る歴史を一望できる。いわゆる左右のややタブー視されがちなテーマも虚心坦懐に分析していて膝を打つことも多い
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おかむら
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文部省から読み解く日本近現代史。いつの時代も国が望む「理想の日本人像」ってやつは、結局国にとって都合のいい、黙々と言うことをきいて働く国民なのだなー。中教審とか教育再生会議とかそういうやつにいつも曽野綾子がいるのがなんかイヤ。
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新空调硬座普快卧
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「文部省の研究」というより「文部省を取り巻く環境の研究」になってしまっている。それも分析する必要がある立派なテーマだとは思うが,少なくとも私が知りたいこと――文部省という官庁はなぜ往々にしてpoorな政策を平気で打ち出してくるのか,中にいる役人は何を思って執務してきたのか――に応えるものではなかった。それは筆者の執筆スタイルが,公文書や公開の著述を丹念に跡付けることを中心にしていることから,中の「ヒト」の挙動に肉薄できないという限界が露呈したものと思う。筆者の本は好きなので今後も期待。
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aeg55
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文部省という切り口での近〜現代史としてみると秀逸 明治維新以降、"日本人の模範像"を国が示さねばならない、という幻想に囚われ続けているところが本質的問題と言える 著者は"示すべき"という真逆の立ち位置にいるようだが…
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ろくせい@やまもとかねよし
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ネタバレ近現代日本の教育行政変遷を論説。世界協調を優先する「普遍主義」と国内を優先する「共同主義」とに大別し、教育行政変遷を分析する。普遍主義が求められる背景で共同主義が色濃く反映された「学制」が1872年に整備したが、普遍主義の揺り戻しで「教育勅語」が1890年に発布。戦争勝利を経験した後の昭和初期は共同主義に強く傾斜し、明治期の教育行政の主旨が歪められていく。戦後の1947年の「教育基本法」は普遍主義を重んじる内容だが、冷戦で共同主義的運用に傾斜。その後、画一的教育から個性的教育へと変遷。良く理解できる良本。
0255文字
なななな
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明治、欧米列強に対抗して日本を守るために理想の教育を進めるという高い志から、現在のグローバリズムとナショナリズムの狭間(どちらも問題あるようだが)までの流れが、とてもわかりやすくまとめてあり勉強になりました。教育の大切さを、今こそもっと議論すべきなのでしょう。
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貴船綏子
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国の求める日本人像が押し付けがましいので、読んでいて疲れる。いつも前時代を引きずり、古臭い。その時代に中身が追いついていたのは、明治の初めくらいだけなのではないかと思った。
0255文字
とっぴぃ
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近代日本政治を文部省から見た文脈で切り取ったもの。今の時代に教育勅語を造るとしたら、どんな言葉になるだろう。
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tatuki
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なかなかタイムリーな読書ができた。作者辻田氏の近現代史への切り込みはセンスいいよね。文科省の果たした役割は重大だ。「教育勅語」の歴史も実に興味深かった。グローバリズムとナショナリズムの対立相克も興味深い。今後も文科省「改革」の政治介入が起こるとしても「歴史の時系列」から事態を見ていくことが肝要だろう。憲法改正への下地を整えながら。
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council
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組織体としての文部省、というより明治維新以降の日本の教育行政の歴史をまとめていて政治家が政治思想を刷り込むために学校教育へのコントロールに腐心し続けて来た歴史が垣間見える。特に戦後は対日教組「抗争」に重心をおいて、これを達成した後中曽根第二臨調のメンバーに現日本会議系メンバーが結構入っているのが発見で、日本の右傾化?(って言っていいのかな)が80年代半ばに教育現場に入り始めた様だ。ただ国家が教育をコントロールする事がそろそろ限界に近づきつつある気がするんだがこれからの教育行政はどうするのだろう?
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tolucky1962
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戦前からの文部省について述べられる。理想の日本人像を求めてきた歴史であり、グローバリズムとナショナリズムの綱引きともいえる。欧米列強へ対抗して普遍主義を取り入れるが、独自の理想像も求められた。教育勅語は理想像として臣民(天皇国家に奉仕する国民)が定められた。共同体主義に傾斜した『国体の本義』や『臣民の道』では敗戦へつながる。戦後教育基本法で普遍主義的理想像となる。高度成長期は企業戦士が。グローバリズムはエリート教育による格差、ナショナリズムは国旗国歌など安易国民統合が問題というがバランスが大事だという。
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樋口佳之
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やがてそれは、学校の教員を集めて禊や神拝、清掃作業や農作業に従事させて「国体観念」「日本精神」を叩き込むがごとき、ファナティックな事業へとたどりつく。「理想の日本人像」はかつてなく明瞭に示されたが、しかしそれは、日本を破滅に導く諸刃の剣でもあった。/これはどういう意味で「諸刃の剣」なんだか
樋口佳之

理念より実装と説かれているのだけど、悪しき実装の隠れ蓑としての理念ではと。著者の著作は知らない話を知る事が出来て(この本では教育勅語に対する家永三郎の態度とか)読み続けているのだけど、今回は立ち位置の違い(元々違っていると思いながらも読み続けているのだけど)を強く感じる記述が多かった。

05/28 09:49
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Pio
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「対立」という視点でたどる文部省の歴史。儒教対啓蒙に始まり近年の右翼対左翼、そして現在のナショナリズム対グローバリズム。筆者はその連綿とした対立構造に、危うさを指摘する。確かにこの問題、視点を矮小化しがちなように思える。
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文部省の研究 「理想の日本人像」を求めた百五十年 (文春新書)評価71感想・レビュー52