形式:新書
出版社:筑摩書房
形式:Kindle版
ちなみに、この本でも当然、デュシャンは取り上げられていた。美術史において、彼は鑑賞を「観る」から「考える」「解釈する」に変えた人だ。そして、取り上げられていた作品は『彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも』である。一応、上が花嫁、下が独身者たちらしいが、マジで取っ掛かりも掴めないくらい難解だった。そして、「芸術=考えるもの」というデュシャンの呪縛は今なお、芸術界に漂っているらしい。ちなみに、デュシャンは絵画も描いていて、『階段を下りる裸体No2』という作品もあるそうだ。
あと、この本では日本画も紹介されていた。雪舟などの水墨画は、禅の深い精神性を湛えているらしいが、それよりも色のない世界だからこそ可能な、こちらが想像の翼を思いきり広げ羽ばたかせることが大切と著者は言っていた。また、色がない分、線に注目することが重要らしく、確かに一発勝負であるため線のところどころに緊張が見えるそうだ。あと、知らなかったのだが、気分が悪くなるほど緻密に描かれた伊藤若冲の作品『動植綵絵』「南天雄鶏図」「牡丹小禽図」「芍薬群蝶図」は凄いと思った。私の新しいお気に入りに入った。
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