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アフリカの日々 (河出文庫 テ 9-1)

感想・レビュー
55

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ベルモット
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タイトル通り、アフリカでの日々を描いた作品。土地の人々との交流や美しいアフリカの風景、夢のような生活が繊細に綴られている。しかし訳者あとがきを読むと、本編には描かれていない現実もあったことがよく分かる。かなり長いので読むのに時間がかかったが、一通り読んだところでもう一度読み直してみたいと思わせる魅力があった。ただそんな時間はなかなか取れない……。
0255文字
おだまん
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アフリカの日々 作者の自伝的エッセイ。壮大な営みが見えるような物語。 人種の溝を埋めるのは難しい。どうして人は行き詰るとアフリカに行きたくなるのかな、と思っていたところだったのだけど、その気持ちが垣間見えたような気が。
0255文字
takao
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ふむ
0255文字
Erina
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うっとりするほど贅沢な本。読んでるあいだ、百年近く前のアフリカで大地の様子を目に焼き付けているかのような気分でいられた。500ページほどあるおかげで、だいぶ長期滞在できる。当時のマサイ族やキクユ族の価値観もさることながら、著者の鋭い描写力や詩的な表現など、どこを読んでも新鮮な驚きに満ちていた。訳文のやわらかさも良い。『愛と哀しみの果て』の映画もぜひ観たい。
0255文字
かみしの
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0255文字
しろうさぎ
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作者のアフリカ体験から紡ぎ出された随筆集。自伝・紀行文・短編物語風とジャンルを飛び越え、軽やかに大空を飛翔するような心地がする。前半は雄大な自然美や、欧州とは別次元の先住民文化を捉える透徹した描写に魅せられたが、中盤の「人生の軌跡」と題された文章以降、彼女がここで愛したもの全てを失った記録でもあることがわかってくる。毅然と頭を上げて試練の中を歩んだ、その雄々しい姿勢に学びたいと思った。
しろうさぎ

たとえ踏んだり蹴ったりの人生を歩んでも、最後に振り返れば何か価値を見出せるという信念は、同じ作者の『バベットの晩餐会』でも語られている。

02/26 01:57
しろうさぎ

映画化された『愛と哀しみの果て』(くだらない邦題)を学生の頃見てあまりピンと来なかった。今回読み始めは主演メリル・ストリープとロバート・レッドフォードのイメージに邪魔されたが、そんな美男美女のおちゃらけたロマンスではないとわかり良かった。

02/26 03:01
0255文字
buchipanda3
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「アフリカは一瞬にして果てしなく広がり、その大地に足をふみしめる二人は無限に小さくなった」。アフリカの光景、アフリカの歌、アフリカの踊り。著者が描くアフリカという世界の高らかな鼓動に同期するかのように没入しながら読んだ。それは冒険が見せる一時的な咆哮ではなく、人生の奥底に触れるもの、かつての厳かで自由な心を呼び戻してくれるもの。そう感じさせたのは清然とした揺るぎない文章。著者を魅了した自然と現地の人や動物が示す異なる価値観を余計な修飾などせずに愛を込めて伝える言葉を心に留めた。固有なる鼓動の余韻を残して。
0255文字
i-CHIHIRO
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お気に入りレベル★★★★☆ 255文字では紹介しきれないので、こちらでこの本を紹介しています。https://ameblo.jp/angel-and-poison/entry-12836039445.html
0255文字
Caracal
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う~ん、思わず鼻をくんくんさせてアフリカの風の匂いを感じたり、両手を広げて広大な自然の大地を眺めているような錯覚にさせられる。原文の描写が緻密であることとは思うが、これは訳者さんの多大な貢献にもよるものであろう。アフリカ住民のひとたちの習慣や考え方など、興味深い点が満載だ。
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やいっち
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今回で3回目。改めて感想は書かない。読むたび深まる感銘。いつか4回目はあるだろうか…
moyse_n

もう40年近く前になりますが、メリル・ストリープ主演で「愛と哀しみの果て」という映画になりました。監督はシドニー・ポラック、音楽はジョン・バリーでもちろん素晴らしいのですが、モーツァルトのクラリネット協奏曲(五重奏も)が実にアフリカの大自然にマッチしていました。原作もぜひ読んでみたいです。https://www.youtube.com/watch?v=eWZ2adCaKo4

09/17 14:54
やいっち

1985年公開の『愛と哀しみの果て』(監督はシドニー・ポラック。主演はメリル・ストリープ、ロバート・レッドフォード)が、1937年に出版されたアイザック・ディネーセン『アフリカの日々』が原作だったとは、恥ずかしながら初めて知りました。この作品をどう脚色して映画化したのか、想像も付きません。吾輩こそ、映画を観ないといけないですね。ありがとうございます。

09/19 18:52
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0255文字
たま
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毀誉褒貶激しいディネセンの本。アディーチェの短編の中でアフリカ人作家が集まり、「イサク・ディネセンは許せない、という点で意見が一致した」※1との下りを読んで読み始めた。アフリカの自然描写が本当に素晴らしく、彼女の農園で働く土地の人々の個性を理解しようとする態度も良心的に見えるのだが…アフリカの作家や批評家には、土地を奪っておきながら良心的に振る舞うのが許せないのだろう。一方最近読んだ『狼の幸せ』のコニェッティはじめ※2、ディネセンのファンは多い。この圧巻の自然描写はいつまでも読まれ続けるだろうと思う。
algon

この本を読んだつもりでしたが著者表示から追っても見つからない・・やっと捜しましたがアイザック表示でした。ピリオドの有無でも書歴集計違うんだよね。ディネセンにそういう評価があるとは初めて知りました。私も好きな作家ですがアフリカ側からするとやはり潰れたとはいえ資本家だったわけなので事後処理とかいろいろあったのかな。アディーチェは近々読むつもりです。

06/28 14:08
たま

algon さん、コメントありがとうございます。名前の表記はいろいろあって、困りものですね。アディーチェもとても良い作家さん。わたしも短編集読んだだけなので、長編にトライしようと思っています。

06/28 17:46
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0255文字
umico
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移動祝祭日に出てきたので以前友人からすすめられて積んでいたのを手に取る。デンマークからの移民である著者が描くアフリカケニアの農園の様子。夜の珈琲豆工場、ナイロビの喧騒、埃、馬やラバの匂い、独特な形に育つ木々、笑い声、バッファローの群れ、鮮やかな赤、黄、黒、ルルの姿、遠くから聞こえる太鼓の音、ライオンを撃った夜…全てが熱とともにむわっと目の前に立ち昇るような書きぶり。アフリカの人々こそがアフリカそのものである…という表現も美しかった。同じ人間であるということそして同時に圧倒的に違うのだということを思い知る。
umico

夫の姿がとことんまで消されている書き方に、著者の自分のことではなくアフリカのことを書きたかったのだという強い意志が見える。

05/04 18:06
0255文字
mayuge
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著者の真っ直ぐな目で見たアフリカの風景が美しい文章で綴られる。現地の女性が付けていた美しい腕輪を買い取った瞬間、その美しさが色褪せる。鳥に舌を切られたカメレオンをすぐにたたき潰して殺す著者。罰を受け痛めつけられた末、自ら死を望む少年。いろいろな場面から、自然とは何かを考えさせられる。残酷でありながら、誇りと美しさを含む。今の私達の生活、生死観とはかけ離れている。
0255文字
ジョー
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原題のとおり、アフリカからこぼれ出たような物語。歴史の授業しか受けていないと、アフリカをヨーロッパ諸国が勝手に分割して植民地化するなんて酷い話だ、という程度の認識でしたが、現地アフリカの人たちと本書のような信頼・友好関係にある人たちもいたのですね。アフリカ的裁判の仕方、ものの考え方には考えさせられるものがありました。
0255文字
qwer0987
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正直な話、読んでもピンと来るものは少なかったのだが、著者がアフリカを愛していることは伝わる内容だった。アフリカに来てコーヒー農園を経営する彼女の描くアフリカの風景は美しく、現地の人との交流も丁寧に描かれていて目を引く。農園を去るとき、雇っていた人々が抵抗する部分は植民地の影を見るようで悲しい。またデニスの死も彼女のショックがよく伝わってくるのが忘れがたかった
0255文字
ペコ
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アフリカの人たちの、ものの見方や考え方がまっすぐで惹き込まれた。特にカマンテの話が印象的。そして筆者が見ていたアフリカの農園からの景色を見てみたくなった。
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樽
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端正な文章でつづられる、ヨーロッパ人によるアフリカ記。その文章の力と、作家の取捨選択によってか、小説を読んでいるような感じだった。
0255文字
うた
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アフリカへ用事のある方は、本書を読んでから行かれると良い。彼女が言う通り、そこには大地や動物たちと同じ息遣いで生きる人々がいる。アフリカの部族はそれぞれ全く習慣が異なると聞いていたが、マサイもキクユもスワヒリもこんなに違うものなのか。そういった違いを受け入れて、農園を経営し、この本を残した著者は本当にどんな人だったのだろうか。
0255文字
Fumoh
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この本を読んで思ったのは、静けさ・みずみずしさ・素朴な感動といったものでした。私にはこういった長大なエッセイを読むのは、いささか大変な作業だったのですが、著者の落ちついていて、素朴な眼差しによって書き出される、アフリカのそのままの風景、伝統的な物の見方、文化や風俗といったものを眺めるのは、すごく楽しくって、自分の日常の見方さえ変わってゆくような気がしました。著者は非常に思慮深くて、まっすぐで、妙なこだわりのない人に思えました。美しい精神、といったらいいのでしょうか。そのエッセンスをどうぞ感じて、楽しんで。
0255文字
nobi
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ケニヤの高さ1800m程の丘陵にある広大な(皇居の20倍位)コーヒー農園での18年間。北欧生まれの筆者は「しばらくの時を空の高みで生きていた気」がしたと言う。読者もその“気“にさせるほど、その自然が眼前に展がり、澄んだ空気を肌に感じ、人々の表情が見え、動物たちを身近に感じる。彼女の類まれな感性と知性は、神話、文学と絡ませあるいは彼女独特の比喩で捉えてその世界を差し出してくれる。男爵夫人でしかも植民地。それでも現地の人々への対し方は驚くほど真っ直ぐ。その彼女のout of Africaのつらさは身に応えた。
nobi

《百二十九頭のバッファローが、銀色の空の下にひろがる朝霧のなかから、一頭、また一頭と現れた。力強く水平に張り出した角をもつ、黒くて巨大な鉄のようなこの動物たちは、近づいてくるというよりは、私の目のまえで創りだされ、過ぎさるというよりは、その場でかき消えるように見えた。》

07/24 07:58
nobi

《カンムリヅルたちは、ヤコブの梯子を登り降りする、翼ある天使たちのように、天界とこの世とを結び合わせようと努めているのではあるまいか。気品のある蒼みをおびた灰色の羽毛、ベルベットのような漆黒のまるい頭頂と、扇型にひらいた冠毛をもつこの鳥たちは、かろやかで活力に満ちたフレスコ画を思わせる。乱舞を終えて飛び去るとき、カンムリヅルたちは、いましがた演じた聖なる舞いの風韻をあとに残そうと、羽音で、また鳴き声で、教会の鐘の群れが翼を得て飛翔するかとまがうような澄んだ音色をたてる。》

07/24 07:59
0255文字
piro
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イギリス植民地時代のケニア。ナイロビ近郊でコーヒー農園を経営していた著者が、アフリカでの鮮烈な日々を描いた作品。徒然なるままに綴られた文章は、翻訳ということもあってやや読みづらいものの、自然の描写が美しく、崇高さすら感じるものでした。キクユ族の踊りの祭典・ンゴマの躍動感も良い。どこかで現地の人々との間に一線を引いている欧米人らしさは感じましたが、現地の人々に対して差別なく敬意を持って接し、彼らの文化を尊重する姿勢には好感を持ちました。そしてそれに応えるかのような使用人ファラの忠誠心に心打たれます。
0255文字
タカボー
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著者がアフリカでコーヒー農園を経営していた頃を綴ったエッセイ。文字がぎっしりで500ページ以上のボリュームなので、最初ちょっと怯んだけど。何より文章が美しい。目が覚めて、それまで見ていた長い夢を語るような文。原文を知らないがきっと訳もうまい。農園の中にライオンがいるとか散歩も命がけ。これ本当に体験したの?と思うほど、事実は小説よりファンタジーだった。10回読んだら10回とも印象に残るエピソードが変わるような、気分次第でページを開いて読み返したくなるような本。
0255文字
まさきち
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美しい文章だと思った。特にガゼルのルルについての表現は映像に表れるように美しい。訳者の手腕に寄るところも大きそう。かといえば訳者あとがきにもあるとおり、著者として末節に当たると思うような箇所はグダグダと全てを描かない潔さも感じる。1900〜30年代くらいでアフリカで農園を持つようなヨーロッパ人で「土地の人」、という括り方で彼らと親しく交われる人が何人いたか。稀有な人だと思った。
0255文字
ぼっせぃー
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単純にアフリカへの敬意があるというより、自然、民族、文化を分析し、受け入れ/拒否する中で、"アフリカ"と自らが不可分になっていく様、その自分を愛する様を描いたラブソングと呼ぶべき著作。山々、草原、植物、動物、家畜、人間、催し、全てをフラットに見ながら、それでいてその美しさやおかしさや愛すべき点については妥協できないという気高さが感じられ、ドンズバで大好きな、分解できないタイプの文章。さらにこれだけの量の自然の描写を飽きさせないのも並大抵の技量ではなく、始まって2Pでもう以下のような調子なので一気に読めた。
ぼっせぃー

『この風景、そしてそのなかでの暮しの一番の特色は空気である。アフリカの高原ですごしたことのある人なら、あとで思いかえしてみると、しばらくの時を空の高みで生きていた気がして、おどろきに打たれるにちがいない。空は淡い青からすみれ色よりも濃 くなることはほとんどなく、そこには巨大な、重量のない、絶えずかたちを変える雲がゆたかにそびえたち、ただよっていた。だがここの空は青い力を内に秘めていて、近くの丘や森を鮮やかな濃い青に染めあげてみせる。……

01/23 21:02
ぼっせぃー

……日ざかり、大気は炎と燃えたち、活きいきと大地を覆う。そして流れる水のようにきらめき、波うち、輝いて、あらゆるものを写しだし、二重の像をつくり、大きな蜃気楼を産みだす。これほどの高度にいながらも、人間はやすらかに呼吸でき、心臓は軽やかに活きいきと、たしかな鼓動をつづける。この高地で朝目がさめてまず心にうかぶこと、それは、この地こそ自分のいるべき場所なのだというよろこびである。』

01/23 21:03
0255文字
ソフィ
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すごくよかった! アフリカ讃歌というのか、「土地の人」への誠実さと敬意が、アフリカへの賛美が、ファラとのふしぎな主従・信頼関係が、しっとりと伝わってきた。著者の人となりがとても魅力的、真のハンサム・ウーマンという気がする。
0255文字
hasegawa noboru
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同じ作者によるゴシック物語とは打って変わって、ストレートなアフリカへの愛が語られている。作者は一九一四~一九三一年までの一八年間、英領東アフリカ今のケニア高地で農園経営にあたった。<私たち白人はここの人びとから土地を奪った。奪ったのは彼らの父祖の土地にとどまらない。さらに多くのもの、すなわち、ここの人びとの過去、伝統の源、心の寄りどころを奪ったのだ。>との植民者の自覚はいつごろ形成されたのだろうか。アフリカの日々のすべてを過去として回想する今だからこそ言える結実か。<アフリカの人びとは風景と調和している。
hasegawa noboru

このすらりと背が高く、黒い肌、黒い眼をもつ人びとが旅をし><土をたがやし、家畜を飼い、大舞踏会をひらき、物語をしてくれるとき、それはアフリカそのもが歩き、踊り、もてなしてくれるのだ。>語られるのはだから«常に高貴≫な現地の人びとの姿だ。≪植民者はとるにたらず≫だからアフリカを故郷と考えるイギリスの自由人デニスとの交遊も、ともにアフリカの空を飛行する歓びとその死は描かれるが、<私>との愛人関係の部分は一切語られない。もっと言って夫ブリクセン男爵との別居、離婚に至る経緯等も一切書かれない。登場もしない。

12/10 21:24
0255文字
vasejaune
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(^.^)イサク・ディネセンさん、はじめて。読んでよかった。自然などに対する作者の感性がすごい。387~388頁に宇宙との一体感が書いてある。私も20年ほど前に似たような体験があって、すごくうれしくなった!
風に吹かれて

私にも言わせて下さい! 「これは素晴らしい本です」。

12/02 09:52
vasejaune

はい。ディネセンの他の本も読んでみたいです^^

12/02 10:33
4件のコメントを全て見る
0255文字
E
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ネタバレはあ…良かった。血湧き肉踊るような面白さではなく、大地に雨が染み入るような面白さ。特にラストの農園を去るところ。訳者あとがきも含めて良かった。読んでいる間疑問に思っていたところに、やはり、と思ったり、なるほど、と思ったり。「この作品は、なにを書いたかとおなじくらい、なにを書かなかったかによって成りたっているといえる。」書かれている内容もよいが文章もよい。新しい表現に出会う。大地に、待ち焦がれた雨が降るさま。都市での移動は一次元的運動、野原や森では二次元、空中では三次元、という表現が好き。
E

これ好きなんやないかと思うよ!

11/28 22:00
umico

買うわ!

11/28 22:01
4件のコメントを全て見る
0255文字
ウミネコ
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初読。「1Q84」と「ライ麦畑」に導かれて。第一次世界大戦前後に東アフリカ・ケニアに入植したデンマーク人ディネセンの目に映るアフリカの大地。全体を通して、著者に関する背景の描写が少ない、というか限りなくゼロに近いのが特徴か。飽くまで、ディネセンが知覚するアフリカの大地、生き物、人々の描写。それでいながら滅私的な描写を通じて著者の内面も感じられて、興味深かった。個人的にもケニアには一度だけ、1週間ほど滞在したが、そのとき見た光景と重なる部分もあった。地名はナイロビとモンバサ以外分からなかったけど。
0255文字
🐾ドライ🐾
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家畜を放していたらライオンが襲ってくるとか、すごい。 農園経営が失敗に終わり、帰国後、アフリカへの思いを書き綴った自叙伝的滞在記、エッセイ。著者(デンマーク人)が見た自然多きアフリカの大地とアフリカ人の民族性。アフリカでは欧州の論理や合理性は通用しない。諸問題には、彼ら特有の解決法や考え方がある。古くからの慣習を残しながら、入植者によって変わっていくのが残念である。もうひとつ決定的な違いは時間の観念。全ての人にとって1時間は60分だが、彼らの60分は我々よりゆったりしている。そんな鷹揚さを感じる。
0255文字
バーニング
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素晴らしい読書体験だった。約100年前、ケニアはナイロビの高地におけるコーヒー農園経営の話から始まり、現地の部族の風習や文化、人間関係、あるいは争いなどの描写を小説に書くような筆致で感情豊かにかつディティールにこだわって書きこんでいる。ヨーロッパ出身者との交流も様々描写があり、中でもデニスとの関係は複雑で切ない。最後はコーヒー農園の経営難が続き、アフリカを去る日の出来事までが書かれる。まさに、作家にとってのアフリカの日々が色濃く凝縮された一冊。
0255文字
ちえ
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ネタバレ氷点下の毎日、この本を開く時6000フィートを越える高地、ンゴング農園の空気に触れた。100年程前アフリカのケニアでコーヒー農園を経営したカレン。キクユ、ソマリ、マサイ、部族によりそんなに違うのか。野性動物の魅力的なこと。農園経営は失敗し手放すことになり働いていた人達の為に奔走、愛した人と2つの意味での別れ…彼女のこの強さはどこから来るのだろう。〈この作品は、なにを書いたかとおなじくらい、なにを書かなかったかによって成り立っている〉読み終えて10日も経つのに思い出すと心が震える。本当に素晴らしかった。
ミカママ

映画は公開当時に観ました。子ども過ぎてわからなかったんですが、今観る(読む)と違うのかな。

02/04 22:35
ちえ

ミカママ、私も映画はずっと昔に見てうろ覚えなんですが、この本では夫には一言しか触れていないし、映画とは大分違うと思います。アフリカに魅せられていた事が伝わって来るの(#^.^#)

02/05 22:12
6件のコメントを全て見る
0255文字
てつこ
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第一次世界大戦前後の時代、デンマークからアフリカに移住しコーヒー農園を経営した著者の記録。エッセイでもあり日記でもあり文学でもあり。現地のキクユ族やソマリ族と交流などを描く。著者の感性のフィルターを通すと、アフリカの大地にある文明の差、人種の違い、人間と動物の世界の垣根は曖昧になり、全て溶け合って融合しているように思える。「あるがまま」を受け入れる人だったのかな。
0255文字
なつ
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時間の関係で第一部の「カマンテとルル」しか読めなかったけれど良かったです。人知を超えた見えない力みたいなものに触れた気がします。男性なのに柔らかい表現するなぁって思っていたけれど。ペンネームで騙された。第一部読んだ後、訳者あとがきでなんだよーってなった(笑)
0255文字
風に吹かれて
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1937年刊。イサクは、1914年~1931年、ケニア(当時はイギリス領東アフリカ)でコーヒー農園経営。キクユ族、ソマリ族、マサイ族との交流の中で知る彼らの気高さや農園に訪ねてくるイサクの友人について語る。長年暮らしてきている現地の人々が守る生活や棲んでいる土地における自然に対する保護者のような思い、アフリカにやって来るヨーロッパ人の、直接には書いていないけど、ヨーロッパで塞がれた息を開放するような安堵。➡
風に吹かれて

➡今もそのような土地であるのかどうかは分からないし、理想郷と言えるのかも分からないけど、落ち着いた人間の暮らしのひとつが間違いなく実現されていたように思う。本作は名作である、もちろ「アフリカ」に棲む人々も自然も名作である故に。

03/03 09:20
風に吹かれて

『白人なら、耳ざわりの良いことを言いたいとき、「あなたのことを忘れられません」と書くだろう。アフリカ人はこう言うのだ。「私たちのことを忘れられるようなあなたではないと思っております。』(p108)

03/03 09:21
0255文字
魚53
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アフリカの熱気が伝わってくる本。アフリカの土地の人々の野生動物のような高貴で賢いものの考え方、立ち居振る舞い。西欧文明とは違う価値観。アフリカの土地に根ざす者の魂を描いている。特に、第1部、第2部が印象的だった。美しい一つの天国のような場所で、現地の人々と独自の関係を築きながら過ごした日々は本当に素晴らしいものだったろう。アフリカを出ることはそれらの日々と別れを告げることで、一つの死のようなものだ。しかし、それらの日々の美しさを際立たせることでもあるのだ。
0255文字
輪
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ネタバレすごく印象に残ったのは、 自分の起きたことを、書いてもらい、 それを大事に持っている。 そして、それを取り出して読んでもらうと、 自分が苦労して思い出したものが、 するすると読みあげられる。 記憶が、「記録」「歴史」になるということ。 アフリカでの日々も、あとがきを読むと、 すべてのことを記録したものではなく、 作者が書いていないものもある。とあったので、 自分が思うことだけを、載せているのであろうけれど、 書かなくてもいいかなと思った日々も、読んでみたいと思う。
0255文字
法水
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約100年前、ナイロビでコーヒー農園を経営していたデンマーク人作家による回想録(本名はカレン・ブリクセン)。映画『愛と哀しみの日々』の原作ということは知っていたけど、ノンフィクションだったのね。ついつい「アフリカ」と一括りにしてしまいがちだけど、それぞれの種族の習慣や価値観などが窺い知れて興味深い。中ではソマリ族のファラによる『ヴェニスの商人』の解釈が面白かった。映画は未見だけど、ハリウッド的味付けがされていそうで観るのを躊躇ってしまうな…。
0255文字
子牛
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初めは少し退屈だったのですが終盤になってからの展開に驚き、改めて読み直してみると一つ一つのアフリカの場面が胸に迫ってきました。
0255文字
コジ
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★★★★★ およそ100年前、つまり第一次世界大戦前に移民としてアフリカ渡り農園を営んだ著者の回想録的な作品。雄大にして神秘的なアフリカの大地と動物達、そこに暮らす敬虔で実直な人々に注がれる著者の敬愛が語り尽くされ、ページを捲ると目の前に広がる大平原、異文化を体現する土地の人々にアフリカに魅了されてしまった。単なるアフリカ賛美の言葉が並ぶのではなく、冷静且つ客観的なのに美しい文章でそれらを表現しているのが良い。これまで読んだ本の中で読了まで最も時間が掛かったが、それに見合うだけの素晴らしい読書体験だった。
racco201

愛する人を失ってなお強く生きる主人公の姿が忘れられない小説ですね。映画のメリル・ストリープが凛として好演でした。

08/31 21:31
コジ

raccoさん、この強さは何処からくるのか?当時の女性像からみて主人公はどのように映るのか?と気にしながら読んでました。映画はたしかアカデミー賞取ってますよね。

08/31 22:55
0255文字
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アフリカの日々 (河出文庫 テ 9-1)評価83感想・レビュー55