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ナラティヴと共同性 ―自助グループ・当事者研究・オープンダイアローグ―

感想・レビュー
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くろめ
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ネタバレここ数年で1番の本となった。教員という自分の職業と結びつけて読まざるおえなかった。 ナラティブアプローチは精神科領域で行われている治療実践の一つである。「外在化」「無知の姿勢」などその理念は言葉こそ違えど、日々の生徒指導で私たちが意識していることそのものであった。しかし、社会や家庭環境が複雑化するいま、生徒指導の困難を感じていた。「解放の物語から共同の物語へ」。この本を読んだ上で最後に出てくること言葉が何より示唆的である。他者と正面から向き合い続けている全ての人に読んで欲しい。
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(木々)
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ネタバレⅠ「言葉と現実」Ⅱ「物語と社会」Ⅲ「対話とネットワーク」それからⅣ「当事者性と共同性」の中の「自助グループと当事者研究」を読んだところで図書館返却の時間切れ。あわてて「おわりに」を読んだ。続きはまた。Ⅲの「対話とネットワーク」でのナラティヴ・アプローチとオープンダイアローグとの対比検討の部分が最も面白かった。現在自助グループにも参加しているので、「言いっぱなし聞きっぱなし」の効用についての論考も興味深かった。「あとがき」にあった「『愛』はネットワークのなかに宿るときに安定する」ということについて考えたい。
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oyagamo3
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ネタバレ覚書き 言葉は現実を定義する 評価と査定のない空間でこそ自分のために語ることができる 問題を外在化し問題をめぐって語り合うネットワークの生成(オープンダイアローグ)←→患者や家族の認知変容を目指すという意味である意味病理モデル(ナラティブ・アプローチ) 問題を個人ではなくネットワークで背負うこと
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terke
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社会構成主義、ナラティブアプローチの歴史的流れ、基本的な考え方と課題がよくわかる良書でした。 「ナラティブと共同性ー自助グループ、当事者研究、オープンダイアログ」という本タイトルがこのことをよく示してます。 読後に、論語の「言を知らざれば以て人を知ること無きなり」とダンマパダの「心は、動揺し、ざわめき、護り難く、制し難い」がふと心に浮かんできました。
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ckagami
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初学者は第三章から読んだほうがよかったかな。まるきりの初心者な自分には少々読みにくかった。が、明快な理論紹介なのでわかりやすかった。
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コジターレ
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良書。複数の論考をまとめたものなので、多少重複するところがあるが、くどいと感じることはなく、かえって理解を深めるのを助けてくれる。特にナラティヴとオープンダイアローグの関係についての論考が興味深かった。
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saiikitogohu
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【現代において語られる物語の際立った特徴は、それが個人の人生を分節化/節合する際、個人の運命と、社会全体が動く仕方や方法を結びつけている繋がりを突き止める可能性を排除したり、抑圧したりしている】56【そのような状況のもとでは、人生を営むことは、システムの矛盾を個々人の人生において解決していく営みとなる】57【リスク社会において、解決は現在に対する決定力を失う。決定権を持つのは未来である】60【自分のために語る。このシンプルなことが、通常の応答を前提とした会話の場面ではなかなか成立しないことがわかる】97
saiikitogohu

【ネットワークメンバーは単に本人の適応を支えるための手段なのではない。それは本人にも必要なものそれ自体、治療の目的それ自体といえる。普通のコミュニケーションをする場から疎外され孤立していることが問題なのだから、普通のコミュニケーションができる場をつくることが目的となる】115【感情の司法モデル…被害と感情の対応関係が問われ、次に傷つきの程度が問われ、適切であれば賠償の対象という手順をとる】137【法の体系を無理やり当てはめることによって、問題を処理するシステムである】143

06/12 11:21
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言いたい放題
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図書館にない
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kky45
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良い本でした。オープンダイアローグ、当事者研究、セルフヘルプグループ、ナラティヴ・セラピーに関心がある方はぜひ読まれることをお勧めします。ナラティヴ・セラピーをベースに、各アプローチとの相違が分かりやすくまとめられています。著者の論文を集めたものなので重複する記述が見られる部分もありますが、そこまでくどくなく、むしろ繰り返されることで理解が深まるのではないかと思います。多少難しく感じるところがあり、具体的な逐語や技法があるわけではないですが、自分のケアに対する意識改革に役立ちました。
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がん太まん♥♥
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ナラティヴについて各分野の視点から書いてあったのでわかりやすかった。ナラディヴ・セラピーの予備知識がある人向けかも。一般向け、臨床向け、学校現場向け、文学向け、社会学向けと分類されているので、ナラティヴの概念をどういかせばいいのか非常にわかりやすく理解が進んだ。
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まろすけ
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ネタバレ明晰で練られた論考。援用されている各思想の解釈にやや著者の偏りがなくはない、でもそれを差し引いても総じて示唆に富む良書。こういう研究や論考があるからこそ、実践となる臨床でより質の高い支援ができるわけで。研究って、まわりまわって実務的にも大事なもの、ですよね?さて内容メモ。⚫短い言葉も、実は短い物語。言葉の癒しの力とは、癒しの物語を想起させる力といえる⚫言葉でできている物語は、言葉によって容易に傷つけられる⚫家族療法でいえば、社会的現実は共同で構成すべきもの。探そうとして見つからないならつくってしまえばいい
まろすけ

⚫当事者のネガティブな感情を消失させるのでなく、ポジティブな感情をとうと専門家が共有することによって事態を打開する。個人モデルではない、『感情の共同化』⚫ギデンズの再帰性。我々は絶え間ない再帰的モニタリングのまなざしを自己に向ける。そして「生活史の物語」を修正し続ける(再帰的自己)⚫自分の問題を自分で処理する「個人化」、問題の処理を専門家に委ねる「問題の専門化」。これらを乗り越えるのが「問題の公共化」失敗もまた共同化される⚫個人化。個人が共同性による保護なしに社会に直接投げ出されていく過程。

11/18 19:56
まろすけ

⚫社会構成主義。現実の相対性を、現実の可変性と捉え直す。なんでもありでなく、現実は限られた複数性で成り立つ⚫専門家が知っているのは疾患の知識であり、患者が生きる世界すなわち『病い』については何も知らない。病いと疾患の区別。など。『ひとりでも頑張れる能力でなく、みんなで生きていく関係をつくること、そうすれば個人の能力は変わらなくても生きていける。この点がオープンダイアローグと従来のアプローチとの違い』。てか、これはもはやソーシャルワークともほぼ重なる。ふーむ。ヒントをいっぱいもらえた良書でした。

11/18 20:06
7件のコメントを全て見る
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りょうみや
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ナラティヴアプローチの本2冊目。精神医療に主に適用されている話だが、人生やアイデンティティを物語として考えることは日常のコミュニケーションにも十分役に立ちそうなので読んでいる。ナラティブと発展型のオープンダイアローグについても詳しい。著者の論考集のため同じ話題が重なって何度か述べられるがそれによって理解が深まる。精神医療もコミュニケーションを掘り下げていくと根本はやっぱり「愛」に行くつくらしい。
りょうみや

>moshiさん コメントありがとうございます。実は私がナラティブについて初めて知ったのはmoshiさんの「ナラティヴ・セラピーの会話術」のレビューがきっかけです。それでナラティブアプローチに興味を持ちましたが、その本は図書館になかったため違う本から読み始めました。それでやっぱりおもしろくこの本が2冊目となりました。きっかけをいただきありがとうございます。

10/27 05:14
moshi

そうだったのですね!?なんだか嬉しいです^^私もいつも楽しくりょうみやさんのレビューを読ませていただいてます♪

10/27 08:05
3件のコメントを全て見る
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しゅん
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世界が言葉を作るのではなく、言葉が世界を作るという反転認識を特徴とする社会構成主義。本書はその思想をベースに展開される精神医学(あるいはもっと広く、人が人と関わりあう試みすべて)の新たな概念群を、それぞれの違いを紐解きながら紹介・検討していく。今の世界で「物語」をどう扱うかは非常に大きな問いだと思っていて、本書で描かれる「物語の語り直し」には一つのヒントが含まれていると感じる。自分自身を研究対象とする、そして愛や感情の機能を無視せず医療に導入するという姿勢は、人が言葉を扱う際に今後必要になる発想だ。
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サダルメリク
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個人や社会におけるナラティヴの機能、ナラティヴを利用した精神医療の変遷などが、非常によくまとまっている。良著。
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センケイ (線形)
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物語を応用する観点も、当事者研究も興味あるものであり惹かれたが、その延長線上にある、共同性自体を構築する方法論に魅力を感じた。精神ないし感情における解決したい課題を、個人の病理とみなすやり方は一見自明かに見えたが、それを相対化できるオープンダイアローグという方法があるという。下手にレッテル貼りをしない点でも、症状というよりは置かれている環境自体を(共同性をもたらすことで)充実させる点でも、期待できる方法だ。また文体として、わずかに冗長かもしれないが非常に関係性が読みやすく、一読で多くの理解が得られる良書。
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YASU
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社会構成主義,ナラティブアプローチ,当事者研究,オープンダイアローグ,これらを総合的にこれほどわかりやすく解説した専門書はかつてないと思う.対人援助に関わるものとして必携の書.
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nyamo
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筆者自身が述べているがオープンダイアログとの出会いを境に、前半と後半でかなり論文の色が変わる。前半では個人化、リスク社会、当事者性への注目とナラティブの関係について考察するという視点がおもしろかった。後半は、個人のナラティブの変容ではなく、ナラティブを通して関係そのものの変容にナラティヴ・アプローチの可能性を見いだしていく点がおもしろかった。共同のナラティブ……
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ワッピー
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OPD関連2冊目。ナラティブ・アプローチ、当事者研究、そしてルーツの1つとしての自助グループ(特にAA)の流れからつながるオープンダイアローグ手法への橋渡しを丁寧に追った論考集。ストーリーを重視し、現時点で動かしがたく見える「ドミナント・ストーリー」から個人の「オルタナティブ・ストーリー」を生みだし、問題を解決もしくは解消していくというナラティブに対し、患者たち自身が自らを研究対象とする当事者研究による問題の共同化、そして物語ではなく、患者を取り巻く人間関係を変化させるOPDの比較は、医療における対話↓
ワッピー

の変遷を丁寧に論証。医師のあり方も、かつての権威・家長主義的から、民主・平等主義方向へ変化して患者との関係性がフラット化したこと、また社会の進展と共に人が「個人」として投げ出され、孤立化する風潮のなかで、かつて「家族」が担っていた人的ネットワークを復活させる方向に動いていることも非常に興味深く感じました。これは職場その他の人間関係にも及ぶ変化の波ですね。最初のうちは耳慣れない用語に翻弄されましたが、通読すると流れが見えてきました。臨床心理手法に興味ある方には、入門書の次ぐらいの位置づけでおススメ!

07/12 10:13
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nobu
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ナラティブ・アプローチを分かりやすく解説してきた著者の現時点での到達を分かりやすく述べられている。その上でオープン・ダイアログ(OD)の特徴とナラティブ・アプローチとの相違についてわかり易く解説。加えて当事者研究と自助グループの相違をコミュニケーションの視点から整理されている。ナラティブ・アプローチと社会構成主義との関係を含めて、これまで理解が不十分だったところが整理でき、ODとナラティブ・アプローチとの関係や特徴について今まで理解が不十分であったことが整理できた。
0255文字
qbc
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インポート
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shimaryu
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個人内の変化ではなく、個人を取り囲むネットワークを変えることが重要。 物語を手段として、あらたな共同性を生み出す。そのモデルとして、オープンダイアローグや当事者研究が挙げられていました。
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