形式:単行本
出版社:KADOKAWA
形式:新書
形式:Kindle版
『食寝分離』 職住分離とはよく聞くが、食寝分離とは本書で初めて知った文言だ。1950年代に公共団地の建設ラッシュが始まると、広々とした間取りで暮らすことができるようになった。するとそれまでの台所に布団を引いて寝るという、食と寝が一体になった生活から、台所とベッドのある寝室は別物という食と寝が分離された生活への移行が進んだのだ。 この布団からベッドへの寝具の移行や生活スタイルの洋風変節を食寝分離というようである。この食寝分離は職住分離と同時並行で起こった。というのも、郊外の公営団地を官主導で普及させたのは、
働く都市中枢部と生活する都市郊外部を分離するのが目的だ。その郊外公営団地の普及が同時に台所と寝室の分離をもたらした訳であるから、両者はへその緒で繋がっているといえる。 『農地から団地に』 もともと都市部郊外には農地があった。ここに団地を建設し地方から若い労働者を呼び寄せる。当然農地を半ば強制接収されるかっこうの農家は反対した。だから団地というものは、もともとその外部からは忌み嫌われた場所であり、だからこそ団地内部の紐帯は強くなったのではないだろうか。ここにいきなり外国人が入ってきたのがフランスである。
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