読書メーター KADOKAWA Group

AIの時代と法 (岩波新書 新赤版 1809)

感想・レビュー
74

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
affistar
新着
2019年11月発刊の新書です。自動運転と道路交通法、データマイニングとプライバシー権(例えば購買情報から妊娠の有無が分かる)など法律などを既定したときには想定していなかったことが現実に起きようとしています。AIの間違いや差別的扱い(教師データの「質」の問題に還元される)などについても言及があります。法改正については詳しくないですが、状況はあまり変わっていないのではないかなと思います。そのため、今でも読む価値はあるのではないかと思います。
0255文字
koji
新着
AIの探求を続けています。東ロボ君プロジェクトでは、機械の解答を人間が採点していますが、本書はAIが人を裁く可能性まで言及されており、恐ろしさのレベルが一段あがっています。AIの時代では、法は①モノからサービスへ、②財物からデータへ、③法/契約からコードへという3つの変化をおこしますが、中でも③。トラブルが法ではなく、コードの調整によって解決される社会。絵空事ではなく、現実にTheDAOがハッキング(流出)を、法によらずソフトウェアの切り離し(ハードフォーク)によって追い出したことが起きました。コメントへ
koji

亀太郎さん、コメントありがとうございます。この本に書いてありますが、ヨーロッパには、深層学習を取り入れた高度なAIに法人格を与え責任を負わせるという議論があるそうです。ロボット法というアシモフの世界が拡張していった感じでしょうか。

11/17 12:07
亀太郎

koji様、また懐かしいお名前を。鉄腕アトムにも出てきますね。有り難うございました。

11/17 12:13
4件のコメントを全て見る
0255文字
kazuhiro
新着
AIその他のデジタル技術は、人間の自律的な判断という部分を、データに基づく機械の判断に置き換えていく/「契約からコードへ」という変化だけではなく、「物からサービスへ」「財物からデータへ」という変化も含めたすべての変化が、人間関係を「権利」と「義務」によって表現しようとする「法」の体系との間に不整合を引き起こしつつあると言ってよい/日本は、常にに法の体系と現実社会のズレを意識しながら、それを埋めようと努力してきた。「法」の限界を意識しつつAIのよりよいガバナンスを模索していくことは、日本にこそふさわしい役割
0255文字
わたぼう
新着
旧来の法では、モノの売買や移転、所有を前提していた。しかし、テクノロジーの進展により、サービスやサブスクリプションという新たな商体系が生まれ、法律の前提が揺らぎつつある。請負契約、委任契約に代わる法的な概念が必要なかもしれない。
0255文字
るるぴん
新着
AIを活用したサービスがなし崩し的に?続々と誕生しているが、それらは実態のある「モノ」ではなく、「サービス」でありそもそも「所有」していない状態。所有権、著作権、責任の所在などがあやふやで現在の法律ではカバーしきれない。実質的に情報収集・サービス提供は、国家の枠を超える。プラットフォーマーにどこまで責任を問うことができるのか?が焦点になるのかと。蓄積されたデータ収集とプライバシーの問題もある。新書だが、内容はぎっしり読み応えあり。理系・法務系に弱い自分には概念の在り方自体が難しかった。が、読んでよかった。
0255文字
Hiroaki  Taira
新着
AI、ロボティクス、仮想通貨の登場によりローマ法を原点とする近代的な(西洋)法体系が前提としていた社会の在り方が大きく変わりつつある。例えば物を所有することを前提としていた取引体系が、シェアリングやサブスクリプションによりサービスを中心とした取引に移行しつつあることや、GAFAM等のデータプラットフォーム会社が国家を凌駕するデータ支配力を有する一方で、中国等の権威主義的国家では国家による個人情報の監視が強化されると言う状況。仮想通貨の世界では「法律」ではなく「コード」が参加者を規制する「法」となる事など。
0255文字
ねお
新着
AI時代における社会と法は①モノからサービスへ②財物からデータへ③法からコードへと変化する。その具体例としてアバター、自動運転、ライドシェア、AIスピーカーや仮想通貨等の仕組みの概要を紹介しながら変化の内実を論じていく構成になっている。技術段階が高まり、無人運転をビジネス化するには、ジュネーブ条約に基づく道交法70条の自動車には運転者が乗車していなければならないという法規制の改正を乗り越えなければならないことや現在の無人運転の試行は道路使用許可により行われていること、モノではなくサービス中心の社会になると
がらくたどん

「憲法的価値」をAIが体現できるようにデータ化するという考え方がとても面白く思えました。大昔(記憶媒体が磁気テープだったくらいの古代)の認知心理学教室で日常的な判断概念(横入りずるいよ・・みたいの)をAIが判断できる時代って来るんかね~みたいなことを話したのを思い出しました。データ化ってその概念をとことん分析・微分化する作業が必須と思うので、研究工程で「憲法」の本質的な構成要素がクリアになったらとっても面白いなと思いました。いつも門外漢分野への興味の種をありがとうございます。

08/21 19:17
ねお

がらくたどんさん、こちらこそいつも考えを深めるコメントをありがとうございます😊本書では、憲法的価値を既存の弱いAI(過去のデータを関連づけるだけ)が体現していくのは難しく、人間の介入を含めた全体としてのシステムが、憲法的価値を実現するものでなければならない、という方向で書かれていました!ご指摘の通り、憲法的価値を緻密に細分化・言語化するのは難しいと思います…本書でも、スピード違反取締の法執行システム開発で、エンジニアの裁量だけでプログラムを作ることの危険性を例証する興味深い事例が挙げられていました!

08/21 19:40
5件のコメントを全て見る
0255文字
じめじめ
新着
AI(IT)が浸透する社会は、近代法が前提とする社会形態とギャップがあり、権利/義務や責任の所在が不明瞭になることを実例だけでなく法の基本的な考え方含め解説。「モノからサービス」への移行により、基本的な売買契約が成り立たない。さらにデータ活用にあたっては所有者/受益者の整理が困難となっている。今後AIが浸透していく場合、AIに「自律した個人」としての格を与えるべきか?表層的問題だけでなく本質的な問いが投げかけられる良著。
0255文字
あったろう
新着
AIが既存の法制度になじむのかについて以前から疑問に感じていたが、本書では具体的な事例に則して問題点が記載されており、参考になった。 技術が法制度を変えることはよくあるが、AI の出現によって、法を超越する現象が現実に起きつつあると感じた。この問題については今後も関心を持ち続けたい。
0255文字
akanishi
新着
法学の分野からAI社会を見ると、いろいろ考えるべきことがたくさんある。ただ、書き方、語り方によるが、めんどくさかったり、既得権益擁護論にも思えそう。
0255文字
Yuichi Tomita
新着
再読。やはりかなり面白い。 モノからサービス、財物からデータ、法からコードという観点は、しっかり意識しておきたい。
0255文字
Yuichi Tomita
新着
「モノからサービスへ」「財物からデータへ」「法/契約からコードへ」という変化の中で、法がどのように変わっていくかについて述べたもの。 テーマが壮大なので、筆者も自認しているとおり明確な答えがある訳では無いが、普通に暮らしていると考えることの無いことばかりで興味深い。実体験としても、売買契約なんかより無体物であるデータや知的財産に関する契約に関わる事の方が多い。 個人的にももう少し思考を深めてみたい。
0255文字
oooともろー
新着
AIが仕事を奪うとかいう浮わついたこと以前の現実的な問題。近代法学は自律した個人が前提。AIによってそもそもの前提が変わってしまう。かなり深刻。
0255文字
こもも
新着
経済取引のルールが契約からコードへと変化する中で、法はコードに置き換わるようになる。現場の警察官は、その時々の状況で法をどのように執行するかを判断する裁量権が与えられているが、法の執行を自律的なロボットに任せる場合、その判断を事前にプログラムしなければならない。法律の中には「正当な理由」「相当の期間」など、幅のある文言で規定されているものがある。こういった具体的なルールが明記されていないものに対して、プログラム化することは容易ではない。法を執行する側のコードと、執行を受ける側のコードとの対決…。うーん複雑
0255文字
Mareep
新着
レッシグ教授「Code is law.」コードが法に代わる(1999)→by designの設計へ。国家権力による端末のCodeへのアクセスをどこまで許してよいか。
0255文字
ねこり
新着
ディストピア論ではAIの作用とプライバシーが大きな要素を占めるが、技術を人間主体の考え方に基づいて社会的に統制していくことが求められている。伝統的に法は国家権力に対する牽制力を自律的個人に与える点に意味があった訳であるが、国家権力と同等以上の力を持ちうるプラットフォーマーへの牽制が課題となっている。一方で、国家権力が技術を活用して個人の力を圧倒的に抑制することを防止することも不可欠。社会のガバナンスの構図は極めて複雑になっていく。
0255文字
リョウ
新着
モノの売買からサービスの提供へ、そしてAIによる自動的な行為が増えて行くにつれて、これまでの法律が前提としていた行為とは全く異なる類型の取引がますます増えていくし、これまでの解釈では対応できない事態はどんどん生じていくことになる。かといって、実態をよく見ずに勇んで法律を作っても、全く見当外れの内容になってしまう。今後も様々な事案を見ながら、だましだまし対応していかなければならないのだろう。
0255文字
California
新着
ネタバレ現代は「モノからサービスへ」「財物からデータへ」そして「法や契約からコードへ」という変化が起きている。法や契約は、人が定め、人が人に対して運用することで、社会を円滑に動かしてきた。これが崩れつつあるのだ。自動運転の事故の責任は、乗員か、メーカーか、プログラマーか。ビッドコインなどの暗号通貨の流通には(暗号資産取引業者を除いて)法も契約も存在しない。AIに与信審査をやらせると、学習を正しくするが故に人種差別をしてしまう。このような「AIの時代」に、社会のルールとしての法のあり方を考えるきっかけを与える一冊。
0255文字
むむむ
新着
取引の矛先が具体的なものから、情報という目に見えないものに移ったことで、これまでの規則に綻びが生じている。 コードが法になる。この言葉が印象的だ。もちろん、法による規制もあるが、AIが物事を運用するようになれば、そのAIを動かすコードこそが運用の実質的な基準となる。法律のこともさることながら、現場のことを理解した上でコードを書くことが必要になるため、横断的なプログラマーが望まれる
0255文字
土萠ほたる
新着
内容が興味深かったのはもちろんのこととして、とにかく文章がとても分かりやすかった。 法学者が書いた文章らしく(?)キレイな三段論法が用いられてられいる箇所を所々見かけた。 社会と西洋由来の「法」のズレを埋めるべく様々な取り組みを重ねてきた日本がAI時代において果たせる役割は大きい、日本こそが役割を果たすのにふさわしいのではないかという指摘には大きく唸った。 今後の社会の行方について考える手がかりの一つが得られたという点で大いに有意義な本であった。
0255文字
buchipanda3
新着
社会のデジタル化に伴って権利や責任の主体をどう捉えていくべきかというのをこれまでの法や原則の概念を通じて考察している内容だった。近年のモノからサービスやデータへと移行するデジタル経済のスキーム、さらにはCASE、MaaS、情報銀行などの動向にも言及している。自動運転の事故責任は欠陥の定義や更新の仕組みなどから単純ではなさそう。コードが法に代わるという現象からプラットフォーマーの担う責任が大きくなる傾向があるが、仕様は人間次第であり、学習データのバイアスの有無で差別も生じる。課題は尽きないと思った。
0255文字
ま
新着
法が前提としてきた「個人を主体とした」「権利義務によって規律する」体系は、AIの台頭によって限界を迎えつつある。契約からコードへ。プラットフォームの作ったルール(コード)に悖る取引・操作は自動的に排除され、それが秩序を作る。コードに纏わるトラブルは法律の埒外にある。一体どうやって解決するのか?国の司法権はもう揺らいでいる?なかなか危機感を覚えるけど非常にためになりました。最後の、近代法というサイズの合わない既製服をなんとか身につける経験をした日本こそが重要な役割を担っているという指摘、抽象的だけど好きです
0255文字
Kai Kajitani
新着
紙の本なら購入すれば、自分の財産になることははっきりとしているが、電子書籍ではそうはいかない。モノがデータ化することで、近代的なモノとヒトの二分法はあいまいになる。このような状況下では、技術的なスタンダードのほうが、法よりも、実質的な社会のルールを決めてしてしまいかねない。中国政府がデジタルテクノロジーを通じて行っていることも、そのような実質的なルールをつくりあげることかもしれない。
0255文字
ただの人間
新着
自動運転や仮想通貨などの具体例や、プラットフォームやブロックチェーンといったシステム面にも触れつつ、伝統的な法が前提としてきた社会像と技術革新で来るべき社会とがどのような点で差異があるのかという観点から論じる。(日本が適合的かという点をすぐに首肯できるわけではないとは言え)日本における近代法の導入やコーポレートガバナンスを取り上げつつ、法や技術だけでなく、それを取りまく規範意識にまで言及がなされていたのは興味深い視点だと感じた。
0255文字
酒井 敦
新着
AIの時代と書いてあるが、モノからサービスへ消費形態が変わることから書いてある。さらに、単なるデータではなく、AIの時代となり、データ解析で可能となることに伴う法律の可能性についても記載している。技術屋が見た法律とは異なり、法律やが見た情報に関する法改正の必要などを述べており参考になった。
0255文字
やす
新着
AIの発達に遅れぬよう法整備を進めて行ってほしい。
0255文字
はなけん
新着
★★★★ AIの発達が法にどのような影響を与えるかを論じた本。難解な技術論や複雑な法律論は全く展開されておらず、技術や法律に疎くても理解できる内容である。本書は、特定の問題に対する具体的な解決策を提示するのではなく、法に関わる今後の変化の大きな方向性を示してくれる。本書の示す視点を頭の片隅にでも入れておくことで、AIにまつわるルールの設計といったこれからの法的対応を知り・考えることにつき、多少なりとも抵抗感を下げることができたのではないか、と感じた。
0255文字
ダック
新着
コードが法に代わる。この本で1番印象に残った言葉でした。今後AIが発展していった際、法はどういう位置づけとなっていくのか。仕事柄法律は身近な存在なので、新しい知見を得ることができてよかったです。
0255文字
6ちゃん
新着
情報技術が社会の有様を根底から変える現状について、法が抱える問題点から政策まで考慮して概観するには良い書。やはりAIをテーマにすると個人の自由の問題について深慮せざるを得ない事を再認識する。数多のITサービスから個人情報が収集され、個人に先んじて欲しいサービスが提供され、後は選ぶだけの環境が整う。法は常に「自律した個人」を前提するが、認知科学的知見からもこの社会状況からも無理のある前提に見える。本書もその根本問題に触れていたが、米中の動きを見るにつけ、事態はかなり切迫しているのではないか。
0255文字
そんれい
新着
自動運転の車が事故を起こしたら誰の責任か?法律がコードに置き換えられた場合、幅のある文言をどのようにプログラムするのか?AI時代の問題点と対処の道筋を分かりやすく解説してくれる。近い将来の様子がイメージアップできた😄
0255文字
矢場町
新着
個人情報が莫大な財産になる仕組みが少しわかった。
0255文字
ゲオルギオ・ハーン
新着
2019年11月発行。題名以外にも5Gや暗号資産、キャッシュレス決済との関連についても書いており、著者の問題関心の広さと専門外だからと恐れずに調べていく姿勢に感銘を受けた。少し話題が散らばっている印象もあったが、最新技術について法学の世界ではどんな議論がされているか知れたし、出発点として読むのに最適な本だと思いました。注意点としては法学博士であってAIや5Gなどの専門家ではないのでそれぞれの技術については専門書を読んで概略を掴んだ方がいいと思いました(というのも5Gについての説明に少し違和感が)。
0255文字
ハイジ
新着
技術の進歩に対して法律が後追いになってしまう、ということは仕事でも痛感しているけれど、AIの進歩スピードは本当にまったをかけられないところまで来ているのだなと。義務教育レベルの法律の知識しかなくいささか難しかったけれど勉強になりました。
0255文字
エリナ松岡
新着
このトピックは前々から興味があって読んでみたのですけれども、やはりまだ少し遠い未来の話なので結論はふわっとした感じはしました。とは言え、もちろん面白い角度からの考察が何点かあり勉強になりました。「コードが法になる」というのは、既に浸透している感じはします。
0255文字
はるたろうQQ
新着
AIを始めとするデジタル技術の発達と法の対応につき分りやすく解説する。法の対応より新しい技術やビジネスの説明が個人的には参考になった。AIの時代では、個人を主体とした権利義務関係を社会構成原理とする西洋近代法では対応不能の齟齬が生じており、別の規範をもって補完する必要がある。その点で日本の明治以来の近代法受容の経験が活きて来るとの結論である。学生時代に丸山真男、大塚久雄、川島武宜などを読み個人の主体の確立という問題認識を叩き込まれた。その後日本人がこの点で大して変化したようには思えないが、隔世の感がある。
0255文字
じんべえざめ
新着
業務を遂行するなかでも、AIが関わるようになった。本書は未来を先取りするかたちで、AIと法について述べている。内容としては応用的な法知識を必要とし、難しく感じたが、読み応えがあった。有形から無形の時代へ。データからビッグデータへ。非常にイメージを困難にさせる世の中が到来している。
0255文字
けん
新着
現在の秩序では、規定しきれない世界がすぐそこに迫っていることを感じた。難解であるが、感覚的には良く分かるし、こういう一冊を頭に入れておくことで、結びつく智慧が一層増えることは間違いない。
0255文字
けんとまん1007
新着
タイトルにはAIの文字があるが、もっと広い分野をカバーしている。データが今の時代、何よりも重要性が高い。モノではなく、サービスが価値を持つ。それを支えるのがビッグデータであり、通信であり、分析し推論するAI。ただし、そこにはまだまだ人間が介在するし、方向性を決める。だからこそ、ルール、法が意味を持つ。
0255文字
かずや
新着
タイトルはAIだけど、近年のデジタル技術全般に対する法整備がどうあるべきか?を、考えさせてくれる一冊でした。 結論は出ないよねー、だけど考えることをやめてはいけないと思った。 そのためには、社会インフラやトレンドに含まれるそれに、意識的に接しておきたい。とりあえずマイナンバーカード作ってみようかな。
0255文字
全74件中 1-40 件を表示
AIの時代と法 (岩波新書 新赤版 1809)評価80感想・レビュー74