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アケメネス朝ペルシア- 史上初の世界帝国 (中公新書, 2661)

感想・レビュー
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アケメネス朝ペルシアの歴史を、王の治世ごとに描く。明晰な文章でとても読みやすい。古代史にはよくあることだが、史料の制約が大きく、多くはギリシア人が書き残した二次史料に依拠しており、実はよく分からないことが多いらしい。有名なダレイオス1世が実はキュロス2世と血縁関係になく、系譜が操作された可能性があること、19世紀を代表する知識人たるヘーゲルによるペルシア帝国理解が後世に及ぼした影響、飼い葉桶の刑に象徴されるペルシア王の善悪二元論的世界観など面白く読んだ。
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nizi
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アケメネス朝に限らないが、幸運なのことに小アジアの隣にはギリシア人やローマ人がいる。記録オタクみたいな連中が書物として残してくれているので、のちの人間が生き様を知ることができた。スキタイに文字があって、ウラルトゥがもっと記録を残してくれれば、さらに知ることができたのにと思わないでもない。
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ごん
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アケメネス朝ペルシャの本です。やはりハカーマニシュ朝という呼び名よりこちらのほうがしっくりします。やはりアケメネス朝の歴史を語るのにギリシャ側の歴史資料に頼らならければならないのが辛いところですね。著者は歴史史料をスルメのように味がしなくなるまで噛み尽くすして歴史を語ると言っておられますが、流石に噛みつくしたスルメは味がしないのではと思います。やはり新たな考古学的な発見がないと新たなアケメネス朝ペルシャの歴史の構築は難しいのではないのでしょうか。
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Porco
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史料は、ペルシア人が残したものより、ギリシア人が残したもののほうが圧倒的に多いのですね。そして、それらには矛盾や欠落が多くあり、謎解きの面白さがありました。
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Myrmidon
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「史上初の世界帝国」アケメネス朝ペルシアの通史。異論のある箇所は「〜という異論がある」など丁寧に示してくれるので、納得しつつ読み進められる。丁寧な書きぶりのなか、藤子・F・不二雄のマンガを示したり、筆者の大学での授業ネタが感じられるのも面白い(ウケ狙いではなく「受容史」という歴史学の分野を踏まえてるんだよ、とエクスキューズがある)。まあ古代ギリシアファンとしては大変面白く読めました。
Myrmidon

各大王ごとに足跡が記述された、ある意味で「古臭い政治史」のスタイルだが、筆者自身も「まずは伝統技能をしっかりと見につけてもらわないことには」と述べる通り意識的にベタな政治史にしたのだろう。自分のような素人には読みやすく、ありがたい限りだ。

11/26 01:37
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つみれ
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紀元前何世紀の歴史について、考古資料は概観するのが難しいため詳細には立ち入らないといって基本的に史料で読み解かれるの、普段日本の考古学に触れてる身としては目眩のする話。随所にこれはギリシア視点なので〜みたいな説明が入ってどこまで信じられるかちゃんと教えてくれる。最初は名前も土地も馴染みがなく全然頭に入ってこなくてノれなかったが、慣れると面白くなってきて、読了後最初から読み返した。列伝が普通に物語みたいだからね。
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わたぼう
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アケメネス朝ペルシアを論じた本の中では、最も詳しく、勉強になる本である。
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とおりもん
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著者がサイード嫌いなのはよくわかったw知りたかった紀元前のイラン高原~小アジア半島に関する情報は何も手に入らず時間とお金を無駄にした。
とおりもん

「アケメネス朝ペルシア-ギリシャ人による客体化の歴史」とかそういう題名だったらよかったのに。

07/25 10:10
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montetsutsu
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2500前に誕生し、アレクサンドロス大王に滅ぼされたアケメネス朝ペルシアの通史。3年ほど前に講談社新書の「ペルシア帝国」を読んでいたためか、サクサクと読むことができた。このあたりの歴史も面白いねえ。ギリシアから見た史料が多くそのあたりに注意するべきという視点も参考になる。
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Tomozuki  Kibe
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今年は世界史探求もやるので古代史読書が増える。メディアからアレクサンドロスまで。例の「ばっかじゃねえーのー」の出店も登場。藤子「キュロスの籤・も「受用史」の一環として紹介される。父親のキュロス・商人のダレイオス。「異教徒に寛容なダレイオス」というステロタイプな理解にも一石を投じる。またゾロアスター教もまだこの頃のは現在のとは大きく違う可能性も指摘されている。
Tomozuki  Kibe

講談社「ペルシア帝国」と対比すると、あちらは「ポストコロニズム」というべきか、ギリシア視点の従来の研究批判が強いわけだが、こちらは「まだまだギリシア史も捨てたもんじゃない」とヘロドトスら3人の文献から読み解く。その意味かなり本紀・歴代王の記録ではあり、高校世界史で注目される政治機構については全く触れられない。注目すべしはその疑い深さ・なにしろ出典により名前の違う人物は記号で書くほど。初期二人の王はよくわからないことがわかったが、一番の疑問「初代王がキュロス2世…じゃあ1世は誰だ?」については答えてくれず。

10/01 11:07
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Οὖτις
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古代ギリシアの書籍を読んでいるとペルシアが巨大な影響を与えているのに気が付く。対ペルシア戦争にしても勝った勝ったと自画自賛しているけれど食い止めただけだし、そこからまたギリシア内でペロポネソス戦争が起こりそれも常にペルシアが背後にいますもんね。だんだんギリシアが残念な国家のように見えてきています。
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解析概論
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前6世紀から前4世紀までの中東地域を、アケメネス朝ペルシアの9人の王を軸に記述されていて、古代メソポタミアとアレクサンダー大王の間の期間に起こったことを理解することができました。
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すずゆい
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★★★★☆ 大好きなんですよ、アケメネス朝ペルシア。でもなかなかいい感じの本に巡り会えなくて…。こちらはとても読みやすくおもしろく読めた1冊です。古代の歴史は本当に手探りだなと思いました。真偽はともかくアケメネス朝ペルシアはなかなか史料多いのかな。あと、古代によくある骨肉の争いもバンバンあるな、と。それにしても、あっけない終焉に歴史の虚しさを感じる。
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ふぃすか
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古代ギリシャの本からの流れ。こちら敵役のペルシアさんです!(オイ) 色々と分かんないことだらけだということが分かりました!になりがちな最新寄りの歴史関係本、今までどんだけ…いや何でもありません。憶測で結論出されると、その自信はどこから…?ってなるのでその方がありがたい…というかこれがあるべき姿なんだろう。王様の家系図すらあやふやだけど、そこから見えてくるものもあるのです。内容の真偽に関わらず、そう書いてあるということはそう思ってもらいたかったからってのは理解できる感情。ギリシャ絡みのとこでつい笑っちゃう。
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にしがき
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👍👍👍👍 先日読んだ『古代オリエント全史』では触り程度だったアケメネス朝ペルシア。キュロス、ダレイオス一世、サトラップ、ペルセポリス、ペルシア戦争にペロポネソス戦争 等々、勉強したはずなのに なんだっけ?となっていた言葉たちが繋がっていく。楽しい。だけど、このあたりの人の名前のなんと覚えにくいことか…。きっとすぐ忘れてしまう。そしたらまた読むか。/著者はこの時代が本当に好きなんだろうなーという思いが行間から滲み出るのも良い。
にしがき

よく考えると、学校で習った歴史はギリシア視点だったような気がする。ペルシア主体の章もあったはずだが、先生の好みが大きく反映されてたような。ペロポネソス戦争にやたらと時間を割いていた記憶が蘇ってきた。

01/14 20:10
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chisarunn
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ネタバレ学生時代、世界史を選択した人ならいくらかは古代オリエントに詳しいかもしれない。ペルシア、でも世界帝国って…そんなに広い地域を支配してたの?最大、アジア、アフリカ、ヨーロッパ大陸に及ぶ支配領域があったらしい。広いだけがえらいんじゃないとは思うけど。アケメネス朝ペルシアは、アッシリアの滅びたあと、インド、エジプト、ギリシアなど(ペルシア戦争)と抗争しつつ、西アジアに君臨した…そうだったのか!ばっかりの読書だった。たぶん、アレクサンドロス大王の帝国をはさんでササン朝ペルシアに辿りつくはずだ…イスラムはまだか…
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mirie0908
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どこかでおすすめされてて一読。昔歴史の授業で習った程度で全然詳しくないのに何故か時々惹かれて読んでしまうペルシャ関係本もこれで2冊目か。歴代の王の話を中心に解説。ヨーロッパって歴史と現在がなんとなく続いてる感覚で理解しやすいように思うが、ペルシャにはそれがないのが個人的にはイマイチイメージつかめない原因。そこら辺が本書はまとまったイメージが把握できてよかった。
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タケゾウ
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史上初の世界帝国としてアジア、アフリカ、ヨーロッパの三大陸を股にかけて君臨した「ペルシア」。 その帝国が勃興し、やがて約220年後にアレクサンドロス大王率いるマケドニアに滅ぼされるまでの歴史を9人の王を軸に描く。 「歴史が人をつくり、人が歴史をつくる」という言葉がある。 王はその国の姿を描き出す「鏡」であり、行く末を示す「道標」である。その国が置かれた状況を王の行動が写しだし、 また、王の行動が次の世代の国の行く末を決めていく。 時代毎の王の特徴が目を引き、当時の姿を知るのに最適な一冊だと思った。
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belier
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学びと共に驚きも多い本だった。昔、ヘロドトスの『歴史』でクセルクセスが海に鞭打ちの刑を加えた場面を読んだとき、印象があまりにも強烈だった。プルーストも小説で言及しているぐらい有名な場面。暗愚な王の象徴的な行為として書かれたのだろうと思っていたが、この本でもその場面を紹介していて、ギリシアの印象操作だったとのこと。クセルクセスは暗愚ではなかったのだ。ペルシア戦争敗北後もペルシアの勢力は衰えなかった。あと、説明はわかりやすく、キュロス2世の出自など、説を列挙し、まだ不明だという研究者らしい書きぶりもよかった。
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ソーシャ
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世界史の授業の最初の方に出てくる、アケメネス朝ペルシアの歴史をまだわからないところや後世での見られ方も含めて解説した新書。史料を引きながら、わかりやすい語り口で皇帝の人物像や学界での議論を紹介しています。アケメネス朝は古代ギリシアや古代エジプトとも関わりがある王朝ですが、そのあたりの基礎知識も丁寧に解説してくれているのでこの時代の知識がなんとなくしかなくても読める本となっています。ただ、この時代の研究者はかなりの数の古代語をおさえなくてはならなくて大変そうですね。
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アルビーノン
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新バビロニアを征服し、「捕囚」されていたユダヤ人を解放した救済者として旧約聖書にも記述がある初代キュロス。そしてその息子カンビュセス。この親子とは直系の親族関係にはないのが、帝国の完成者と言われる3代目のダレイオス1世。当初その権力基盤は脆弱だったが、有力者を平定し、キュロスと血のつながりのある女性を娶ることで王権を正当化。そんな彼の功績を伝える史料が、ベヒストゥーン碑文。
アルビーノン

碑文によれば、「真」と「偽」が対立し、「偽」への勝利によって「真」が立証されるという世界観のもと、ペルシア大王ダレイオスはアフラマズダから地上の統治を委ねられた者として、世にはびこる「偽」を取り除くという責務を負っていた。彼の治下でもっとも有名な対外遠征がギリシア遠征(息子クセルクセス時代のものとあわせてペルシア戦争)。この遠征はいずれも中途半端なかたちで終わってしまい、ダレイオスは前486年に死去。

07/23 16:26
アルビーノン

その跡を継いだクセルクセスは、ギリシアに進軍するが、サラミスの海戦とプラタイアの戦いで敗れ、遠征は失敗に終わる。最終的には、マケドニアのアレクサドロス大王の東方遠征(前334)、そしてダレイオス三世の死により帝国は終焉、アケメネス朝ペルシアは220年の歴史に幕を閉じた。/旧約聖書では、ペルシア大王は、つねにユダヤ人に寄り添い、ユダヤの宗教的コミュニティの建て直しに協力する人物として描かれている。

07/23 16:27
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古隅田川
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アケメネス朝の歴代皇帝が残した碑文、ヘロドトスの「歴史」に代表されるギリシア人史家が残した著作を主な史料として、アケメネス朝の歴史を論述している。近隣のメソポタミアの状況、ペルシアによるエジプト支配、北方の遊牧民についても触れている。支配地域がだぶるためか、読んでいてオスマン帝国の歴史を読んでいるような気になった。皇帝毎にその治世と即位の経緯が書かれている。 著者は真正面、かつ多方面からアケメネス朝に迫っている。 高校世界史でペルシア戦争を「西洋民主政治の東方専制政治への勝利」と教えられたがうそだった。
竜王五代の人

西洋民主政治うんぬん? そういう教え方するんだ。

06/19 10:33
古隅田川

40年以上も前ですが、世界史の試験にペルシア戦争の意義を述べよという問題がり、その正解が「西洋民主政治の東方専制政治への勝利」でした。(私は正解できませんでしたが。)ギリシアの都市国家を現代の西欧民主主義の根源(祖先)とみなしているのだと思います。逆にペルシアは遅れた政治体制の国ととらえているようです。

06/19 22:54
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579_UHJMqshYx2
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この時代に小アジア、エジプト、ギリシアを手に入れれば世界帝国と言うのは確かにそうだわな。チャイナなんて想像するよりはるか遠くだし。分かり易いし、資料をできるだけ多く読み解くのは好感。事実上の後継者がアレクサンドロス大王と言うのは実に面白いわなー。その後はローマを待つ。
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たくぞう
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素人にとてもわかりやすく書いてあってよかった。研究は生もの。
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ねぼすけ
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紀元前6世紀半ばから紀元前4世紀頃まで存在し「世界帝国」であったアケメネス朝ペルシアの概略を解説した本。初学者にも分かりやすい比較的スッキリとした解説でとても読みやすかった!内容としてはペルシア帝国の建国される前のオリエント世界の解説から始まり、始祖のキュロス2世からアレクサンダー大王に攻め入られ暗殺されてしまうダレイオス3世までの9人の王を満遍なく解説していた。とても分かりやすくオススメである。
ねぼすけ

自分が読んでいて印象に残ったのは3人目のダレイオス1世であった。それまでのキュロス2世、カンビュセス2世の子ではなく一応遠戚とされる人物が王になったというのは意外だった。またペルシア帝国とギリシャの関係性や新バビロニアとの関係性も興味深かった。ちょうどスパルタの戦闘が有名なペルシア戦争やユダヤ人のバビロニア捕囚の話も扱われ個人的にはとても満足であった。古代ギリシア、オリエント世界に興味のある方には非常にオススメ!

01/13 19:58
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みのくま
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西洋のオリエンタリズムを排しつつギリシア由来の文献を中心に読み解く事で、実物大のペルシア像を描き出そうとする本書は、大変気づきが多く面白かった。ヘーゲルを筆頭とする西洋中心史観はうんざりだが、だからといってバランスまで失ってはいけないのだろう。しかしスパルタもアテナイもかなりペルシアにお世話になっているし、マケドニアにおいては属国になっていた時期まである。ギリシアにとってペルシアは隣国であり、恐怖と憧れの大帝国として屈折した感情を抱いていたのであろう。オリエンタリズム的発想の源泉を垣間見たような気がした。
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Toska
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近代国家でも珍しい広大かつ多様な土地を支配する政治体制を誇りながら、史料の少なさから実態がさっぱり分からない。このもどかしさこそが逆説的な古代帝国の魅力と言えそうだ。「真」と「偽」の二元論で世界を解釈し、ペルシア王を「真」の体現者と見なして他者に服従を求める古典的な帝国スタイル。「真」を文明や民主主義、共産主義などに置き換えるなら、近現代の帝国も同じようなことをやっている。人類の性なのだろうか。
Toska

アケメネス朝はヨーロッパ理念と対立する「東洋」の象徴として取り上げられてきた時代が長く、その反動でポストコロニアリズム的な傾向を持つ研究者は従来のギリシア中心史観に批判の目を向けるようになった。難しい問題だが、著者はこうした動向に是々非々の態度で臨んでおり、まずは妥当なところと思う。歴代のペルシア王は被支配地域に合わせて自己の呼び名や見せ方を変えていたから、現代日本で「ダーラヤワウ」を「ダレイオス」と呼んでも怒りはしないはずだ、というコメントはなかなか気が利いている。

12/29 11:04
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しましま
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ネタバレいやあ…これは実~に解りやすく読みやすい、私のごときペルシア初心者にはうってつけの名著だよ~、あな有り難や有り難や☆が、だ…ただでさえカンビュセスの籤にドン引きしつつ読み始めたのに、飼い葉桶の刑にゃのけ反った😱😱😱で、いささか本筋から逸れちゃうけど、受容史ナニそれオモシロいし興味津々…!現代だとマンガやアニメやゲームといったものが、わんさとあるぞっ♪うがあ楽しすぎるわ~(*^▽^*) …ああ、ここにも沼がまたひとつ…自分の首を絞めまくってる気が猛烈にするぞぉ私はさ😅
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ぐっち2525
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バビロニア史の書籍を読んだ流れで、挑戦。センター試験は地理選択だったので、アケメネス朝といえば「アレクサンダー大王に滅ぼされた国」ぐらいしか知らなかったが、それぞれの王たちが如何にして国を治め、戦争をふっかけ、内部抗争を制してきたかについて、楽しく読み進めることができた。様々な史料が、互いに相反することを主張している際、研究者たちがどのように解釈しているかについても興味深かった。特に、クセルクセスのギリシャ遠征(ペルシア戦争)失敗は、ペルシアにとって大した問題ではなかったのではないかという説は面白かった。
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coolflat
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10頁。新アッシリア時代には行政言語としてアラム語が採用され、帝国共通の言語となる。アッシリアから帝国統治の技法を取り入れたアケメネス朝でも、引き続きアラム語が使用された。98頁。それまでペルシア語はもっぱら話し言葉であって、書き言葉としては新アッシリア時代から引き続きアラム語も広く通用していた。このような状況下、ダレイオスはアケメネス朝独自の文字システムとして楔形の古代ペルシア文字を考案させた。古代ペルシア文字は急ごしらえで導入された文字であって、ペルシア王が作成した公的な碑文以外には広く浸透しなかった
coolflat

177頁。古代のギリシア本土では長らく、戦争は陸戦を基本とした。武具防具を自弁できる市民が兵士となった。しかし前5世紀に入ると、戦闘の比重が伝統的陸戦から海戦へとシフトした。海戦は、陸戦とは比べ物にならないほど軍事費がかさむ。アテナイはこの膨れ上がる軍事費をデロス同盟から吸い上げた資金によって賄うことができた。一方で、伝統的に陸戦国家であったスパルタには、戦争当初から資金難が大きな課題となった。そこでペロポネソス同盟側の打ち出した奇策が、かつての敵国ペルシアに資金援助を請うというものだった。

09/22 06:11
coolflat

229頁。マケドニアの位置するギリシア北部は天然資源(木材と鉱物)に恵まれており、国家が成長する条件を持っていた。しかしマケドニアの背後に住む山岳民族イリュリア人との抗争や度重なる王位継承争いが王国の発展を阻害してきた。それが前4世紀半ばにアレクサンドロスの父ピリッポスが王位に就くと状況が変わった。彼はまずライバルとなる王族を排除すると、強力な常備軍と卓越した外交手腕を武器に、悩みの種だった周辺部族の平定に成功。即位から20年余りでギリシア北部全域とテパイとアテナイを含むギリシア中部にまで勢力を拡大させた

09/22 06:11
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ナリツカ
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中高の世界史は範囲が広い分断片的な知識の記憶に終始しがちで、点と点を結ぶにはこの種の書籍が不可欠である。本書は複数の視点からアケメネス朝の概歴を記述しており、専門的にもなりすぎず高校世界史の空白部を埋めるのにちょうどよいボリューム感だった。かの有名なヘロドトスの「歴史」からの引用が多く、現在判明している史実との相違なども考えながら読んでみたいと思った。
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遊動する旧石器人
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2021年9月25日発行。世界史未履修の自身は、西アジア史に疎いので、機会を見て勉強。中華帝国との比較で、史上初の世界帝国アケメネス朝ペルシアの本書を手に取った。何かの本でアケメネス朝ペルシアについて読んだことがあるかもしれないけれども、それだけに特化にして読んだのは初めてかもしれない。本書を読みながら気付いたことは、文献が豊かであること。特にギリシア文献が豊かで、それに加えて粘土板文書が存在し、遺物としての文書とクロスチェックできる利点はいいと感じた。そうした考古資料的文献との比較研究は一層重要となる。
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shimashimaon
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『小説聖書』でバビロン捕囚の終焉がキュロス王によってもたらされたことを知ったことが読書のきっかけです。アケメネス朝ペルシアの研究は、ヘロドトス『歴史』などのギリシア語資料に頼っていることがわかりました。べヒストゥン碑文、エラム語やアッカド語といった言語、ナクシュロスタム王墓など、ペルシア側の資料の存在を知り、興味深いと感じました。ヘーゲル関連本を読んでいるので、『歴史哲学講義』への言及が特に印象的でした。「ヘーゲルにとってペルシア戦争はそれ以降のアジアの停滞とヨーロッパの発展の分水嶺になったのである」。
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くいっく
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「アレクサンドロス大王に3回負けたダレイオス3世の国」という認識しかなくて申し訳無いので読んだ。雰囲気が分かってきたので久しぶりにインペロやってみようかと(やらない)
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in medio tutissimus ibis.
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青木健先生の『ペルシア帝国』が描くハカーマニシュ朝はかなり非宗教的な現実主義政治の世界だったけれど、こちらでは真偽による名分論や現在知られている形ではないにしろアフラマズダをはじめとする神への信仰も見られて興味深い。現代でも実権と名分は中々分かちがたいものなのでどっちが本当とかではないとは思うが。何分資料が少ない上にポストコロニアリズム批判が絡んで歯に物が挟まったような書き方が多くなってしまうけれど、ペルシア帝国への憧れと蔑視のないまぜになった微妙な心情とそのマチズモな顕れ方は私のギリシア人像も新しくした
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中島直人
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(図書館)慎重な記述を心掛けるあまり、スピード感に欠けていて、読んでいて、あまり楽しくはない。あくまで学術的な研究成果の発表。
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Cica
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とても分かりやすかった。私の中の名著 ★★★★☆
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はおう
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ネタバレヘロドトスとかギリシアの文献は自分的には懐かしい感じ。ペルシア戦争やエジプト征服・独立をペルシア視点で見るのは面白い。ペルシアの国教はプロト・ゾロアスター教だが、寛容と排斥の政策によりバビロニア、ユダ、ギリシア、エジプトの信仰が交錯する。飼い葉桶の刑!唐突なグロ描写、やめちくり~。
0255文字
よしださいめい
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阿部拓児『アケメネス朝ペルシア- 史上初の世界帝国』 (中公新書, 2661) 世界史の授業で、数行、数分程度で終わった、でもすごく興味のあった「アケメネス朝ペルシア」。 数少ない第一次資料を読み込み、帝国の興隆から衰亡までを、丁寧に解説してくれている。 最初から最後まで、大変興味深く読めた。 仮に大学の講義であったら、受講したいなと思った。 歴史学者だけあって、第一次資料を徹底的に読み尽くすという著者の姿勢にも感服。 入門書として最適。
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竜王五代の人
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中華の帝国は、自己が世界の覇者であるという中華思想をもっていたけど、アケメネス朝はどうなんだろう? そういう思想を持っていたとして対ギリシア政策をこの著者は見ているけど、その辺の掘り下げが(著者の言うほどには)この本ではなされていない、と思う。/大王の暗殺も多いし、きちんとした後継者確定制度もない、割には尾を引く王位継承争いが少ないのは不思議だ。
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アケメネス朝ペルシア- 史上初の世界帝国 (中公新書, 2661)評価62感想・レビュー78