形式:単行本
出版社:文藝春秋
形式:Kindle版
あー、苦しい!これだけの感想を書くのに時間がかかりまくっているし、考えがまとまらない。 何をするにしても、早くうつから抜け出さないと駄目だな。 今日の体調では、何をするにしても困ってしまう!
第2篇の『らしゃかきぐさ』が印象的。これは「ラシャ掻き草」つまり毛織物の毛立てに使うチーゼルという花。その押し花が、かつて夏目漱石が訪れたこともあるカーライルの家にあったことを記憶していた主人公が再訪する話。アスベスト対策で用いられる電動剥離機の名称が「チーゼルワイス」。チーゼルの花言葉は「人間嫌い」。なかなか奥深い作品でした。
以前水俣病患者の話を聞く機会があったのだが、教科書にも載っていて誰もが知っている病気なのに、その今なお続く症状は初めて聞くことばかりだった。アスベストももっと知られないといけない。装画=加藤智哉「屋根兎」、装丁=中川真吾
7年前にキャンベラでは吹きつけアスベストを使用した住宅1000軒以上を政府が買い取るということがありました。劣化に伴って空中に出てくる可能性があるとのことで、全て特別な業者が解体して更地になりました。以来DYIで自宅を改修する人などもアスベストに関しては敏感になっているようです。
日本では業者もだけど政府は消極的。アスベストの危険性が認識されてからも、多少の犠牲者が出るのはやむを得ない、それより産業的な有用さが肝心という姿勢をずっと。役人は産業界しか見てない。
【追記】「スレート」と言われる屋根外壁材、事務所天井材「ジプトーン」、さらには外壁塗料にまで、かつては当たり前に石綿が使用されていた。これらはいずれも「レベル3」の軽微な含有量だが、解体工事では万全の備えでバラし方を行う。またかつては車のブレーキパッドにも使用されており、我々の暮らしに密着した万能素材だった石綿。国の不誠実な対応が、ここでも被害者を痛めつけていると思うと腹が立つ。
設備更新でたまに出て来るアスベストやPCBなどは専門業者に廃棄を依頼していますが、そもそも知識がないとか経費がかかるので中小だと倉庫に放置したままなど、いまだにあると聞きます。フロンを吹き付けて埃を飛ばすスプレーなども以前はガンガン使用していました。サバゲ―のエアガンも昔はフロンガスでした。利便性と経済は考慮されても環境を考慮しない時代が長くありましたね。
ケンイチミズバさん、住宅のリノベーションの際にどこにアスベストが使われているのかあいまいな部分が多くあると聞きます。バブル時代に経済優先で建築ラッシュだったのが、今になって建て替えの時にアスベストを考慮しているとは思えない景色を見ると、ツケを払わされるのはいつの時代も後の世代だと感じます。
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