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鎌倉幕府と室町幕府 最新研究でわかった実像 (光文社新書)

感想・レビュー
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白隠禅師ファン
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各幕府の朝廷・寺社関係、権力・構造論、滅亡についてコンパクトにまとまっていて良かったです。これを気に各幕府の守護権力論についてしっかり勉強しようと感じましたね。あまりにも知らなさすぎて😭良書でした。
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Οὖτις
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2000年ごろから歴史学が変化してきたという。冷戦構造の崩壊やマルクス主義歴史観の崩壊が大きかったそうだ。また資料の公開と閲覧がしやすくなった事もあると。権力構造というのは必ずしも対立ばかりではなく、もっと柔軟かつ常に変化するのもであるという考え方は納得できる。それにしても面白かった。歴史小説やドラマ、漫画やゲームでイメージを定着させないようにしないとね。
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Francis
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ネタバレ1980年代に生まれた若手研究者たちにより書かれた鎌倉幕府、室町幕府についての最新の研究動向を分かりやすくまとめたもの。鎌倉幕府は突然滅んだ、公家対武家と言うマルクス主義に影響された史観はすでに過去のものとなった、など鎌倉幕府、室町幕府についての研究が進んだことにより従来の学説は大きく書き換えられつつあることが良くわかる。
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美味しい渋谷
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1980年代生まれの4人の若手研究者の方々の論考集。学説は日々新しくなる面もあり、かつての歴史の時間で学んだことやら、小説やドラマで見聞きしたことが改まることの多さに驚くばかり。
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スプリント
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朝廷と距離をおいた鎌倉幕府と 朝廷と近い距離で政権を維持した室町幕府 その比較はなかなか興味深く面白かった。
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momen
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鎌倉~室町~戦国時代における幕府の研究の変遷をまとめた本。幕府と朝廷の関係などシステム的な部分についての説や解釈が、研究者の間でどう変化していったのかが簡潔にまとまっている。どんな説をいつごろ誰が提唱し、その後歴史解釈にどんな影響を与え、どんな批判を受けたかなどを具体的に時系列で丁寧に解説している。新たな資料の発見や旧説の先入観の排除などにより、ここ二十年くらいで歴史学はかなり変わってきているそう。朝廷や寺社などとの協調・所属を超えた派閥の権力争いなど、幕府一強ではなく様々な権力が共存していたのが分かる。
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ろば
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22年刊、全6章を4人が執筆する。帯には「中世最強の幕府はどっちだ」、副題には「最新研究でわかった実像」とあるが、鎌倉時代と室町時代についての近年の研究をわかりやすく紹介する。最新研究の交通整理をした「研究動向」ということだろうが、それにしてもここ20年ほどの間に両政権、特に室町時代の研究が盛んになったことがよくわかる。古い成果を乗り越え新たな研究が生み出される様子が描かれるが、ただ経済史や対外関係への言及がなく、話題が少し政治史に偏りすぎている面も。みなさんそれぞれ饒舌でした。
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nori
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Really unknown for the reasons of termination of 鎌倉幕府? Should not give analysis for transition of economic situation? Those scholars does not refer to succession system. How effect 徳政令 in credit system? I feel they are just criticizing Marxist idea.
Kepeta

Hi, I fully agree with your opinion since I got the same impression on the scholar’s attitudes. It is just a criticizm, not analysis. I expected much deeper digging of the proposition why the successions were incompleted, but it was not satisfied.

03/15 14:01
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たろーたん
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鎌倉幕府と室町幕府の崩壊の理由を探る章が面白かった。鎌倉幕府の崩壊の理由は、蒙古襲来の恩賞問題と永仁の徳政令とその撤回による幕府への信頼の失墜がよく上げられる。しかし、これらは教科書に載っているものの、現代歴史学の場ではほぼ顧みられることがないらしい。幕府は苦慮しながらも蒙古襲来の恩賞給与には尽力していたし、徳政令も撤回されたのは誤解で気まぐれな法令ではなかった。御家人への融資がしぶられるようになったという点は根拠がなく、江戸時代の棄捐令の類推に過ぎない。(続)
たろーたん

中央での殺し合いや、地方での殺し合いなどの反乱がおきた時、室町幕府の方がすぐに相互に波及する。室町時代の守護は、京都の政界で権力闘争に敗れたら屋敷を焼いて地方に変えるというのが定番になっているのに対し、鎌倉時代は、鎌倉で兵をあげて、それでだめだったら一族郎党そのまま滅んでしまう。宝治合戦や霜月騒動のような鎌倉内の抗争は、あまり地方と密着しない。当事者が地方に下って粘ったりしないから、鎌倉幕府の内覧は一日か二日で終結する。応仁の乱のようにだらだらと何年も続いたりしないそうだ。

02/05 20:44
たろーたん

そもそも、歴史学において、「滅亡」のような事件史的な問題をどう説明づけていくことは難しい。前提となる社会や制度の構造的な要因がどんなものであったかという点と、直接的なきっかけが何だったのかという点の違いを、意識しておく必要があり、構造的な前提条件の問題に関していえば、ある程度までは趨勢を論理的に説明することが可能だが、何が直接的な契機となったのかという点については個別的・偶然的な要素がかなり左右するそうだ。構造的な前提条件を抑えながら、何が直接的なきっかけになるのかを見極めていくことが大切らしい。

02/05 20:44
16件のコメントを全て見る
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血と鉄
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ネタバレ鎌倉・室町幕府もその発祥から中央と地方、朝幕関係が捉え難く、実際にどのような全国政権であったかわかりにくい。それをある程度イメージできるようになる近年研究の深化が進んでいた鎌倉、室町幕府に関する学説をまとめた良書。定説からどのような反証がなされて最新の研究成果となっているかバランス感覚よく説明されている。  内容としては、恩賞問題に対応しきれずに滅亡したイメージの鎌倉幕府が制度的には成熟していたことや皇位の簒奪者の説は否定されているが朝廷に別格の存在感を示し続けていた足利義満が面白かった。
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kk
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図書館本。タイトルこそ『鎌倉幕府と室町幕府』ではありますが、元々の編集意図は、鎌倉幕府と対比させながら、最近の室町幕府研究の成果と動向を整理する点にあった模様です。いずれの章もざっくりと分かりやすい記述ぶりで、関連分野への知識欲を唆られました。内容面で印象的だったのは、鎌倉幕府滅亡の原因については、いまだ学会での議論が決着を見ていないという点。言われてみれば不思議な展開ではありますね。
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akiakki
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「スタローンとジャン・クロード・バンダムはどっちが強い?そのレベルでいいよ」だと中世最強は鎌倉幕府かと。室町幕府の強さとして挙げられている朝廷へのコミットは鎌倉幕府からすると必要性が低かっただけに見え、承久の乱や元寇のように派手な戦果がないのも強さの説得力で劣る。松尾象山の強さとは「ぶっちゃけワガママを貫く力」の定義からワガママを貫いた鎌倉幕府が上でしょう。
akiakki

一方で室町幕府は直轄領、直属の武力、守護の在京、探題による遠隔地の統治など江戸幕府によく似たシステムとなっている。統治システムの完成度は室町幕府の方が上かもしれない。

09/26 19:56
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かずー
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若手・中堅の研究者たちによる鎌倉・室町研究史の整理。卒論の序論に使えそうだね。
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デューク
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鎌倉幕府と室町幕府、今様々な新発見が相次ぐこの時代の、最新研究をまとめた一冊。鎌倉時代と室町時代は、地味で人気の薄い時代である。いや、「であった」と言ったほうが正確である。なぜならこれらの時代は、歴史研究者の間で最もホットな時代であるからである。気鋭の研究者たちが様々な学説を繰り出し、一昔前の常識が通用しない、歴史マニア垂涎の時代なのである。島津家が九州に移住したきっかけ、室町時代の守護の領国が飛び地になっている必然、末期鎌倉幕府が盤石であった証拠などなど。思わず人に話したくなる話が山盛りの一冊。おすすめ
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hr
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珍しく新本で。興味深い話ばかりで満足。室町研究は今谷明の大量の仕事があったから、そこへの反駁で深まっていったのかも。14〜15ページの旧国名地図で、三重県に紀伊国が含まれていなくて冷めた。ちゃんとして!
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時雨
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表示上単著のようにも見えるが、80年代生まれの研究者4人による共著。2022年3月初版。/日本の中世史に登場する2つの武家政権、鎌倉幕府と室町幕府それぞれに関する研究史の概要を ①公家寺社との関係、②地方支配の実相、③滅亡に至る経緯、以上3つの観点から整理した論考集。単なる自説の繰り返しに陥らないよう、また新たな視角から既存の研究に挑むことを目指すべく、担当テーマが専門外となるようあえて各章の執筆者を配置したとか。この意欲的な趣向は、座談会序盤で触れる問題意識「時代区分にとらわれない歴史理解」に通底する。
時雨

鎌倉幕府の滅亡に関して ①蒙古襲来での戦功に対する恩賞問題→幕府は恩賞給与に尽力、武士が不満を持ったとの資料的根拠はない ②永仁徳政令とその朝令暮改による幕府の信用失墜→徳政令の社会的・民俗的背景の解明、徳政令は撤回されていない、御家人が融資を渋られたとの史料的根拠はない ……この辺はほとんど初耳の話ばかりだったので、解説が省略されてしまったのは残念至極。高時期の否定的な評価を裏返すと、指導者の個人的資質に依存しない政権の安定ぶりを示すことにもなるとの指摘は、岩田慎平『北条義時』の読後だけに尚更説得的だ。

05/23 19:57
時雨

「鎌倉幕府と室町幕府はどちらが強かったのか?」 歴史オタクの与太話のような座談会の一幕はやはり楽しい。対朝廷では(承久の乱勝利にもかかわらず)消極姿勢が目立つ鎌倉幕府に対し、全盛期の室町幕府はやはり強気だ。他方で純軍事的には元寇対処の実績があり、全国支配の観点では制度づくりと運用に熱心な鎌倉幕府に軍配が上がるようだ。「末期まで組織が正常に機能していながらあっけなく滅亡した鎌倉幕府」vs「内憂外患を抱えながら長らく命脈を保った室町幕府」、硬vs柔のイメージは本書の読了をもってむしろ強化されたかもしれない。

05/23 20:12
3件のコメントを全て見る
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フランソワーズ
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鎌倉幕府・室町幕府、それぞれの研究の最前線といったところでしょうか。”歴史家”や”歴史小説家”といった方たちではなく、真摯に研究しておられる研究者によるものだけに、参考になりました。
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Kepeta
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今、室町幕府が熱い...という学術書とは思えないテンションで始まる本書ですが、内容は過去の研究の流れの紹介ばかりで結論がなく、歴史研究界の内輪向けの「近年の動向まとめ」みたいな印象。読む前に最も興味を持っていた「なぜ鎌倉幕府はいきなり滅んだか、なぜ室町幕府はダラダラ存続したか」については「わからない」という驚愕の投げっぱなしエンドで正直びっくり。 私のように鎌倉殿が面白かったので程度の関心レベルでは、読み物として面白い本ではありませんでした...
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つわぶき
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鎌倉幕府と室町幕府の公武関係、地方支配及び滅亡過程をそれぞれの最新研究に基づいて比較した本。各社会階層間の対立を主軸に研究された時代から協調或いは相互依存の面に重きを置いて研究されるようになって、歴史の見方が大きく変化したことが窺える(あらゆる時代の研究でもそうであるのだが。)。また、中世における中央と地方の関係では、一般的に想起されるより中央の存在感の強さが際立っているようであり(更に言えば、江戸時代の大名でも、在江戸が好まれたとか。)、単純に地方が強いとは言えない実態には驚くとともに、(続く)
つわぶき

(承前)現代日本社会の中央と地方の関係性とのある種の連続性についても考えさせられた。以上を踏まえると、「日本の歴史を研究するには、応仁の乱以後十分である」とは行かないようである。

12/20 21:27
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まつけん
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「鎌倉幕府と室町幕府はどちらが強かったのか」そんな問いを含めた新進気鋭の日本中世史研究者4名による一冊。「鎌倉幕府滅亡の理由は北条高時の暗愚さではなく偶然が重なり合った結果」「室町幕府は応仁の乱後も強かに存在感を発揮し続けていた(鎌倉150年に対して室町250年と徳川幕府と同じくらい結果として続いた)」等の最新学説や最後の座談会を面白く読了。
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[A lie]
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★★★★★
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akiakki
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鎌倉幕府と室町幕府を公武関係、守護による統治、滅亡と存続の3つの観点で最新の研究結果に基づき比較しています。公武関係や統治は一概にこうだった!と言い切れるほど短絡的ではなく、人や地域によって様々なグラデーションがあるのが最新の学説のようです。元寇の恩賞を苦しいながらも出して以降も最盛期だった鎌倉幕府、守護大名頼りではなくそれなりに独自の支配力を全国に張り巡らせていた室町幕府、と従来の幕府像が大分覆されました。良書。
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パトラッシュ
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鎌倉と室町の両幕府については多くの本が出ているが、両者の制度や構造を比較検討するのは初の試みか。鎌倉が皇位継承に介入したり、義満が皇位簒奪を図っていたとする従来の説を別視点から否定したり、どちらも幕府が全国を支配していなかった実情は、強力な中央政府による一元的支配という現代の常識で過去を裁断する誤りを思い知らされる。また鎌倉は全盛期に偶然の要素で滅亡し、応仁・文明の乱後も室町権力は衰えながら存続し得たとの見方は、政権崩壊理由を簡単に説明することの危険性を示す。躍動的に展開する中世史の最新研究は実に面白い。
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娑婆乃呼吸
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筆者のラインナップが、自分より少し年代が上なだけの、80年代生まれの熱い「気鋭」の方々。 副題にあるようにこれまでの定説や研究史を整理しつつ最新説を分かりやすく書いてくれており、自分のような素人にも助かります。 「はじめに」 で書かれていた、 「頼朝と尊氏、どっちが優秀か?」 「一ノ谷の合戦と湊川の合戦、戦略がすぐれていたのはどっちだ?」 という話題ならば、歴史ファンの口にものぼるかもしれない。 という文に対しては、それ話題にするのはレベルの高い歴史ヲタでは……と感じました。
0255文字
とも
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もともと鎌倉時代に興味があったものの、幕府滅亡が突如として起こったものだとは考えてもいなかった。もとより室町時代の理解は薄かったのだが、その理由も室町幕府のそもそもの捉えにくさにあるのだと分かり妙に納得できた。最後の座談会での鎌倉・室町両幕府の強さの比較は面白かった。 中学校の教科書を日頃よく見ているのだが、本書を読んで、日々研究が進み情報が更新されているのだと実感した。それが教科書に反映されてくるのはいつだろうかということも気になった。
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ぐんまくん。
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そもそもこの時代に疎いのと、本書が掲げるポイントが渋い?ので、新しい事実に驚いたというようなことは残念ながらないのだけど、今までの定説とされていたことが研究によって覆される、実は本当のことは分からないということが明らかになるなど、歴史研究の面白さを感じることができた。
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LUNE MER
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「研究によって更新されていく歴史像と歴史学の魅力」、本書を読んでいてぐいぐい惹きつけられる誘因は正にそれ。鎌倉時代への興味がメインで読み始めた本書であるが、ついつい室町幕府への興味も湧いてきてしまった。内容もさることながら、冒頭にも書いたように研究現場の最前線近くならではの熱量や興奮が伝わってくるということが本書最大の魅力じゃなかろうか。歴史学の面白さそのものが読者に伝わってくるようなエネルギュシュな一冊。こういう本をきっかけとして自分の進路を考える受験生がもっと増えてもいいんじゃないかと思う。
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とりぞう
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「幕府は苦慮しながらも蒙古襲来の恩賞給与に尽力していた。武士たちが不満をもったという史的証拠も特にない」なんて話など。知識がまったくないぼくに「判定」なんてできないけれど、刺激的で面白かった。
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かわかみ
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1980年代生まれの若手研究者が鎌倉幕府と室町幕府の研究の現在の到達点をまとめた書で本年3月に出版されたばかり。私などが高校日本史で学んだ内容はすでに古くなっているようで、なかなか面白かった。従前はマルクス主義の階級闘争史観に準拠したスキームで研究がなされていたので鎌倉幕府と朝廷の関係も敵対的であり、鎌倉幕府への叛乱は武士階級の利益を体現しなくなった北条得宗専制のせいだというのが定説だったが、最近の研究成果ではもっと実態に即した史実が判明している。その他、日本中世史の知識をアップデートするのに格好の一書。
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onepei
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「守護大名」はもういない「鎌倉幕府」の滅亡のあたりがおもしろかった
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不純文學交遊録
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鎌倉幕府と室町幕府はどちらが強かったのか?という一見ナンセンスな問いを掲げながら、守護の実像、中央と地方の関係、幕府滅亡の理由など、近年大きく進展する中世史研究の動向をまとめた良書。鎌倉幕府は全盛期に滅亡したというのが一番の驚き。佐藤進一、石井進、今谷明といった重鎮の説が、批判を受けながらも現在の研究の礎となっている。歴史上の人物よりも研究者の名前が多いのは、新書とはいえ初心者にはとっつきにくい印象。室町時代の研究者が3人なのに鎌倉時代が1人なのもバランス的にどうか?(文中敬称略)
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山家
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鎌倉幕府と室町幕府を、公家寺社関係や地方支配、滅亡という3つの視点から比較論考した新書です。かつて自分が学生時代に学んだことが、完全に古くなっていて、最近では否定されているのか、と気づかされることが幾つもあり、最新研究の進展を改めて学べました。そうした中で、私がもっとも面白かったというか、えっと驚かされたのは、鎌倉幕府の滅亡。元寇の襲来以降、鎌倉幕府体制は完全に動揺しており、後醍醐天皇の倒幕運動によって、すぐに崩壊と学生時代に私は学びましたが、そんなことは無く、安定期に滅亡したようです。本当に意外でした
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さとまる
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鎌倉幕府と室町幕府を公家や寺社との関係性、守護などの地方統治、その滅亡という3つの観点から比較し、最新の研究成果を紹介する内容。全体的に研究史のまとめといった感じ。教科書的な内容はもちろん、一般書で書かれていることすら古くなっているとこの時代の研究の進展の勢いを感じさせられる。終章は関わった研究者4人の座談会なのだがこれがまた面白い。歴史好きにはたまらない。
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Kelevra Slevin
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鎌倉幕府と室町幕府を比較しながら、既存の研究から最新の研究内容まで目配せしつつ、それでも冗長でなくコンパクトにまとめられていて読みやすい。特に印象に残ったのは最終章の座談会。鎌倉幕府がなぜ滅亡したかについても、偶然に左右された側面があると素直に認めつつも、「わからない」で終わらせない、と研究者の矜持を示されていた。
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nishiyan
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公家寺社、地方支配、滅亡と三つの設題を元に鎌倉幕府と室町幕府を比較検討することで、その実像を明らかにした新書。対比することでわかった問題点は多くあるのだが、各項目の紙面が少なく、若干の物足りなさを感じるのは否めない。詳細は参考文献・引用文献をとなってしまうのは残念かしら。ただ突然、滅亡した鎌倉幕府としなやかにしぶとく延命した室町幕府という視点は面白く、今後の研究の進展で、どのように説明されるのか、期待したい。
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設定温度
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鎌倉幕府の実像に、教科書的理解とは異なる解釈が生まれていることに驚いた。幕府と朝廷の関係性や、鎌倉幕府末期の様相は新たに知った内容も多く、最新の研究はこんなに進んでいるのかと衝撃を受けた。鎌倉と室町を同一の観点で比較することで、両者の対照性や類似性が浮き彫りになっていて興味深い。
0255文字
kumoi
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初の武家政権として成立した鎌倉幕府の本質は源頼朝とその仲間たちである。東国武士たちの利権を守ることを目的としており、彼らは御家人と呼ばれる。承久の乱以降、日本全体を統治するために御成敗式目を制定し、統治能力が高かった。一方の室町幕府が直接統治したのは畿内周辺であり、東北や九州への関与は小さかった。畿内に本拠地を構えたことから朝廷を取り込んでいき、複雑な権力基盤を持っていた。中世社会の権力構造から現代の都鄙関係のあり方が見えてくるかもしれない。
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餅屋
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80年代生まれの研究者たちが定説から最新研究への更新状況を解説。古典的な鎌倉期守護論は守護領国制論と一体であったが、室町研究の成果を踏まえ問い直された。鎌倉幕府滅亡の説明は「いかに」は容易だが「何故か」は至難と「全盛期のなかで突如滅亡したというのがおおよその学会の共通認識」で、研究すればするほど末期鎌倉幕府の盤石ぶりが明らかになるそうだ。「当時の人たち自信の視点を重視、どのような感覚・論理で、状況に直面していたのか」に研究の視点が移行し、最近とみに進む室町研究、いや中世研究から目を離せない(2022年)
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Go Extreme
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部分的な存在としての鎌倉幕府: 対立<協調 皇位継承と公家政権 介入を呼び込む人々 公武にまたがる縁故 公・武の関係: 武家側の視角 公家側の視角 鎌倉時代の守護: 守護は影が薄い 守護の特定と国衛吸収 守護は過大評価されているのか 守護は地方にいなかった : 守護領国制論→室町幕府ー守護体制論 熱き議論の果てに 滅亡は必然か 偶然か?: 全盛期のなかでの滅亡 滅亡の必然性 専制化 存続と滅亡: 存続を支えた人々 戦国日本のなかの将軍・幕府 畿内近国の実力者たち 鎌倉幕府と室町幕府はどちらが強かった
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Tetsuji Yamaguchi
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★★★
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鎌倉幕府と室町幕府 最新研究でわかった実像 (光文社新書)評価82感想・レビュー51