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中国パンダ外交史 (講談社選書メチエ)

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まりも
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生きたパンダがアメリカに渡った1937年ごろに、はじめてのパンダブームが起こる。パンダに「かわいい」イメージが定着していき、世界各地の動物園がパンダに興味を示す。中華民国、中華人民共和国は友好のしるしとして関係強化が望ましい国にパンダを贈与し、パンダ外交が確立されていく。世界にパンダの認知が広まると、パンダが中国を象徴する動物になっていく。確かに、中国語入門の本でパンダのキャラが描かれていなかったことはない気がする!中国の近代史とパンダをめぐる国際社会の価値観の関連が順を追って書かれていて、読みやすかった
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AYK
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欧米が目をつけたパンダを通じて中国は自身の文明性をアピール。パンダを贈呈ないし貸出しないことを「保護のため」「相手側に充分な設備がないため」として動物愛護を演出。パンダ発見直後の清朝末期や満州事変、冷戦期等は相手国の世論誘導にも用いる。パンダの有無で他国の政治方針は変わらないが、世論は「政治方針のせいでパンダが来ない」と短絡的に考え民主主義的に政府への圧力となる。プロパガンダの一環。国内移動に制限はないためイギリスから返還された香港に渡し二制度でも一国であることをアピールをしたり同様に台湾に渡そうとしたり
AYK

パンダの繁殖のために60年代にロンドンとモスクワでパンダのお見合いをさせていたみたい。その背景としては自国でパンダの研究が進まないのに外国で進んでいることに危機感を覚える中国が番を提供しなかったことがある。 昨今は中国人の愛国アイデンティティの一部にも。 1984年以降に日本に来たパンダは中国の動物保護事業への巨額の援助と引換の繁殖研究のための貸出しを受けたレンタルパンダ。

07/05 23:18
0255文字
katashin86
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黒と白のコントラストの体と、のっそりした動き。なんといっても、やはりパンダは可愛い。そんな生き物が中国近現代史において、国の外に対しても国の内に対しても象徴・マスコットとして様々な役割を背負ってきた歴史をまとめた一冊。
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maqiso
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パンダはまず欧米で人気になり、日中戦争期には中国への好感と同情のためにアメリカへ贈呈された。戦後は国家が管理し、保護のために贈呈する数を絞った。共産党政権は国内でも展示して愛国心を養い、アメリカとの交渉では禁輸政策への非難を含めて断る一方、中立国の動物商とは交換に応じた。冷戦中のモスクワとロンドンの間でパンダの繁殖が試みられることもあった。パンダブーム中の日本には友好化とともに贈呈された。中国の統一の象徴ともされ、パンダ人気の薄い国に貸し出すなど積極的な外交も見られるようになった。変わった視点で面白い。
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たまきら
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読み友さんの感想を読んで。中国という国の外交力には、香港返還協定について高校生の時先生が説明してくれたときに「すげえ!」と思ったのですが、パンダという世界が魅了されている動物をフル活用した外交の歴史をまとめているこの本はさらに読みごたえがありました。単なる批判だけではなく、パンダを貸し出すシステムがパンダの保護や繁殖計画に有意義化という説明にはなるほど、と思いました。まあトップはわからないけれど現場は実直な人たちが努力されているんだろうなあ…。一読の価値がある本です。
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榊原 香織
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とても興味深い。 1869年、フランス人神父により”発見”。  パンダカップルのレンタル料1年1億円。 戦中、外交で宋美齢がアメリカに送る。当時日本の新聞はレッサーパンダの写真を載せて揶揄(記者はパンダという動物を知らなかった)
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Garfield
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ネタバレ★★★★☆☆☆ パンダを象徴的に利用する中国の外交(パンダ外交)を主題とした本ながら、今まで読んだパンダ関連書籍の中でパンダの歴史や中国での認知の変化等について最も多くの情報が掲載されていた。また、本題のパンダ外交についても、興味深い点があった。例えば、従来パンダは贈与であったものが、国際的な生態系保護の流れの中でワシントン条約が成立し、中国も加盟し、国家間の移動が出来なくなり、その中で現在のブリーディング・ローンの仕組みとなったこと、また、逆に国家内の移動であると強調して香港にパンダが贈られたこと、等。
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jackbdc
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ネタバレパンダが世界に発見されてから100年弱。すっかり世界を虜にしてしまい国はしたたかに外交ツールとして活用している現状を俯瞰してまとめた作品。印象に残ったのは中国人のしたたかさ。外国人が大騒ぎするまでは、地元の人たちはこの珍獣がこんなに人を惹き付ける魅力があるとは思いもしなかったというのが面白い。秘境の山奥に生存していたからという理由だけではなく、農村で暮らす人よりも近代化した都市生活者の心に訴える癒しの要素を備えているのかも。いずれにしても人気があると分かってからは巧みに政治利用する辺りは流石に抜け目ない。
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せい
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パンダの可愛いさが"発見"されたのはごく最近で、おじいちゃんおばあちゃん世代の人たちは国交正常化の頃までパンダの存在すらよく知らなかったとは驚き。地元民すらも「なんか山で鹿とか取ってる時に時々罠に引っかかっちゃう白い熊?みたいなアレでしょ?」程度の認識だったの面白すぎる。パンダ外交にはその時々の中国と海外や台湾香港との関係が反映されているんですね。
0255文字
ANDO
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パンダ外交。パンダ達が置かれてる立場がよくわかった
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りんご
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中国のパンダ外交についてのみならず、世界から見たパンダの『発見』、中国の歴史なども学ぶことができ良書だった。
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Haruka
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nnpusnsn1945
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中国の国宝とされるパンダを使用した外交を解説している。欧米人の狩りの標的から保護対象へと変わり、日中戦争から政治の手段として利用されるようになった。政治の大局を大いに動かす訳では無いが、ソフトな外交手段としては今だ健在である。近年は北京冬季五輪のキャラクターで注目を集めた。日本人アナウンサーのキャラに対する愛情は本国にも伝わり、実際百度にも掲載されている。
たまきら

面白そう!ぜひ読んでみます♪

01/04 12:38
nnpusnsn1945

おすすめですよー。

01/05 11:05
3件のコメントを全て見る
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Satsuki
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改訂前の新書は既読なので、新章を中心に読む。大国化が進んだ2010年代以降のパンダ外交を描く。2015年の米中首脳夫人パンダ命名セレモニーは、外交失敗の印象を薄める「パンダ・ウォッシング」との指摘。日中関係悪化の中でも日本社会でパンダ人気は続いたが、パンダ誘致に取り組めば日本の政治家は中国に対し萎縮せざるを得なくなる可能性。一方の中国側から見ると、パンダを提供する国の増加というパンダ外交の多角化。また北京五輪でのピン・ドゥンドゥンには、パンダ自体に加え、科学技術や宇宙、未来といった要素もあるとする。
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たろーたん
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二頭で年間レンタル料約1億円のパンダ。パンダ外交は中国が金を得るためにやっていると思っていたが、歴史を紐解けば、レンタルの起源は1973年のワシントン条約に遡る(中国が批准するのは1981年)。もともと気前よくパンダを贈呈していた中国だったが、ワシントン条約締結及びパンダが絶滅危惧種付属書Ⅰに分類されたため、贈呈をやめた。しかし、それでも各国でパンダ需要があったため、ワシントン条約に抵触しない保全研究という名のレンタルに切り替えたのだ。高額なパンダ外交は、中国のがめつさよりもワシントン条約の産物だろう。
たろーたん

ちなみに、パンダの腸は栄養を吸収する効率が悪く、にもかかわらず栄養価の低いササを主食にしている。パンダの体重は100キロほどなのだが、1日10~15キロのササを食べるらしく、毎日自分の15%の量のササを食べるわけだ。これは人間で表すと、体重60キロの人が1日9キロのサラダを食べてる状態だ。そう考えるとちょっとすごい。

01/05 19:52
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はたえす
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本書はタイトル通りパンダという視点で中国の外交史を紐解くような内容。そもそも中国本国ではもともとパンダは重要視されておらずその愛らしさは欧米によって発見され、外国の要請により「パンダ外交」がスタートした。やがて中国が能動的にパンダによるイメージ戦略を行うようになりパンダが中国人のアイデンティティとなっていく歴史は興味深った。反面、「わかっていない」「中国政府発」などの記述もあり、まだまだ研究途上の分野なのかとも思った。
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kana
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パンダを軸に中国の外交が語られる。最初にパンダに価値を見出だしたのは外国人。ただ可愛いだけの動物だけれど、その魅力ゆえにみんなが欲しがるから値打ちが付き、友好の証として外交に利用されるように。現在日本にいるパンダはレンタルであることに驚いた。中国という国の成り立ちに関する解説も分かりやすくて勉強になった。
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さくは
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2011年刊『パンダ外交』を全面改訂し新章を加筆。パンダから見る中国近現代史。19世紀半ばに世界に「発見」されたパンダ、1941年に日中戦争中にアメリカに贈られたプロパガンダのためのパンダ、中華人民共和国によるパンダ外交、黒柳徹子、日中国交正常化・田中角栄とパンダ贈呈と日本でのパンダブーム、WWFのロゴマーク、繁殖のための長期レンタル、北京冬期五輪のビン・ドゥンドゥンなど。
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もち
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パンダが「発見」されたのが近代というのに驚いた。和歌山のアドベンチャーワールドにパンダがいることは知っていたが、パンダがどのように発見され、欧米で人気を博し、中国が外交のカードの一つとして利用してきたか等、全く考えたことのない方向からの文章でおもしろかった。
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パット
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かつての中国のパンダ外交は、国際社会からの要求をその時々の対外宣伝戦術に巧みに応用した、ある意味受動的なものだった。欧米や日本におけるパンダブームであれ、動物保護に関する国際ルール整備であれ、初めから中国が狙って引き起こしたものではなかったのだ。ところが、近年はより能動的なパンダ外交展開の姿勢が目立つようになっている。最近では、サッカーW杯開幕を控えた22年10月、中東で初めてカタールにパンダ2頭が到着。中国のプレゼンス誇示に一役買っているようだ。
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電羊齋
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近代になり、パンダが希少動物として欧米人に「発見」され、米国でパンダブームが起き、やがて国民党政権がパンダの持つ外交的価値に気づきパンダを外国に贈る「パンダ外交」を開始していく過程をつづる。そして共産党政権もまた「パンダ外交」を受け継ぎ、パンダを外交、国内での愛国教育に戦略的に利用してきたことを豊富な事例を挙げて解説。また、日本でのパンダブームと日中関係に多くの紙幅が割かれ、さらにはパンダと自然保護の関係、台湾問題とパンダという話題についても取り上げられていて、非常に面白く読めた。良書。
電羊齋

そして、著者が、中国の「パンダ外交」が、近年、外国人が勝手に発見したパンダの「可愛さ」を利用した多分に受け身の外交戦術から、かなり能動的、主体的なものへと変貌を遂げつつあるという指摘は目から鱗だった。

12/15 16:54
電羊齋

ただ、私の個人的な感想としては、本書でも言及されているように、日本でのパンダ人気が必ずしも中国という国への好感度にはつながっていない点など、「パンダ外交」にも一定の限界があると思う。それから、中国がパンダを外国に送る形式が贈呈方式からレンタル方式へと変化した背景について、環境保護、ビジネス、外交の要素から説明しているところも参考になった。

12/15 17:11
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お抹茶
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題名通りパンダが中国外交の利用価値になる過程を記す。おもしろいし,読みやすい。「中国はパンダを愛する心を共有する」という文明性をアピールすることで,戦時中の中華民国は平和を愛する平和国だから日本軍との戦いを支援してほしいというメッセージになった。また,こうしたパンダを用いたイメージ戦略は日本も行っていたことがわかる。パンダ・ビジネスと野生生物保護の関係もしたたかだ。
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転天堂
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ちょうどNHKの「アナザーストーリーズ」や「ザ・プロファイラー」を見た後だったので、上野にパンダが来るまでの状況や再び上野にパンダが来るまでのゴタゴタについても復習できた。最初のほうにある仕留めた写真はちょっと衝撃的。
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Sumiyuki
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パンダが注目される時期と日中戦争が重なり、パンダを通じて、イメージアップを図った中国。海外でパンダの研究が先行した。追い付くため、パンダの供給を絞る。供給先は、その対中国政策を支持した国のみ。84年までは所有権の移転だったが、ワシントン条約以後レンタル方式に。冷戦期に繁殖のため、モスクワに飛んだイギリスのパンダがいた。
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Yuki2018
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パンダは、とにかくカワイイ外観と草食で害のないキャラクターを持ち合わせる珍獣。ブームが最初に起こったのは1930年代の米国だった。世界で愛されるパンダという生物を中国が外交的に活用してきたことは確かだ。一方、パンダ欲しさに国益を譲歩するような国は流石に無いので、パンダ外交と言ってもそれほど陰惨な話は登場しない。蒋介石・宋美齢による米国での宣伝工作や、黒柳徹子とパンダの関わり等、知らなかった話も結構あって、面白かった。
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yoshiko
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「パンダ」は中国のシンボルであり、野生動物保護のシンボルであり、多くの人に好かれる外見である(結構重要)。その多面性に、それを上手く利用する中国に改めて膝を打つ。こんなこと出来んのパンダ先生だけっすよ、と。あとは「可口可楽」のネーミングの主が知れたのが結構「ヘー!」だった。
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zuzu
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杏仁豆腐のパッケージのような可愛い表紙だけど中身は骨太。中国の戦略が強か。そのおかげでパンダは絶滅を免れたのだろう。上野のリーリーをアイコンにしているパンダ好きの私にとって非常に興味深く有意義な一冊。
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under
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パンダという一貫したテーマから中国の外交しを紐解こうとする試みが面白い。欧米にパンダが発見されて以降、はじめは意識的ではなかったにしろ次第に能動的にプロパガンダとしてパンダを利用していく中国の手腕はうまいと思う。
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spatz
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パンダという観点から中国の歴史、特に外交の歴史を斬る。 とても斬新な試みの書。 各時代のパンダの個々のデータも挙げられ、研究をまとめあげられた印象の内容の濃い作品だった。 それにしても、パンダ、珍獣として、どうしてここまで人々の心を掴んで離さないのか。そのせいでこうやって、存在が「利用」されていることに複雑な気持ちにもなる。 今の、レンタル、という方法をとるようになった変遷も書かれている #NetGalleyJP
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takao
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ふむ
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6
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○熊猫:一時期、英語圏で使われた「キャット・ベアー」の訳語。ワシントン条約、「国内」を示す指標、トロイのパンダ
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kuroma831
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非常に面白い。地元住民しか知らない獣だったパンダが欧米の探検家によって国際的に「発見」され、国際的な人気を博していくことで歴代の中国政権がその価値に気付き外交の中でどのように活用してきたかを辿る。国民党政権は抗日戦争の中でのアメリカからの同情票を集めるために宋美齢によるプロパガンダとして扱われたり、また、冷戦の中での融和を象徴して西側の動物園に寄贈されたり、国際的な動物愛護のムーブメントにも乗る形で現在のレンタル方式が確立したり。中国パンダ外交だけでなく、国際社会がパンダをどう見たかの歴史でもある。
kuroma831

日本におけるパンダへの関心は70年代以降で新しいというのも面白かった。唐突に出てくる黒柳徹子にもびっくり。パンダは見た目が愛くるしいだけでなく、草食で温厚ということがイメージ作りに非常に適しているということなんだなぁ。

10/22 10:42
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さとうしん
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2011年刊行の『パンダ外交』の修訂増補版。メインのパンダの政治利用の話や日本でのパンダの受容のほか、プロパガンダとしての価値・手段の限界や、中国の政治的文脈を離れて動物愛護のシンボルとなるなど、パンダに関わる多面的な内容を扱っていて面白い。ただ、第1章の蔣彝の童話については仮に著者の言うような意図で書かれていたとしても、主要な読者である海外の子どもたちが蔣彝が意図したことを読み取ったかどうか、プロパガンダの効果には疑問が残る。
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