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スピノザ――読む人の肖像 (岩波新書 新赤版)

感想・レビュー
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Washoe Takumi
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【Audibleにて】〝歴史が悲しい出来事に満ちていることはいうまでもなく、ある言語が悲しい歴史を背負っている場合も少なくない。人間が関わる事象に、悲しみはつきものである。ところが、ある言語を学ぶことは、それをつくりだしたのが人間であるにもかかわらず、どこか人間的な悲しみから自由である。言語は人間に完全に内在していながらも、どこか人間を超えている。そんな性質を持っているからだろうか、事実、言語は人間がつくり出したものであるけれども、決して、人間の思いのままにはできないのである〟
0255文字
キャラモ
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認識論を唱えたカントが、合理論や存在論をいかにけちょんけちょんにしたのか、気になり本丸に。そして、Wikipediaの難解な説明にけちょんけちょんにされ本書に。 認識論は実を伴う理解が少しできるが、スピノザ曰く「実体は神にのみあり」「個々物は、すべて神の変状した様態として、現実界に表現されているに過ぎず」「本質としてではなく、結果として神の存在証拠を引き出すだけにすぎない」らしい。難しい。神の下、無限に広がる表象の中で、個の限定はどのように言い得たのだろうか。一つひとつの単語が、今日の意味と異なりすぎる。
0255文字
TM
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國分先生のスピノザ読解講義のような内容。そもそも私自身が哲学を専門的に学んでいないため、哲学の世界での共通認識を前提とできておらず、理解できていない部分も多々あるのだろうけれど、何よりもスピノザの考え方というものが、現代社会で当然とされていることを前提としておらず、各用語の定義も、一般的な用語法とは異なるため、理解していくことの難易度が格段に高まっているように感じられる。ただ、その論証のプロセスは非常に緻密に出来上がっているようで、現代の人間について考える際にも有用な指摘が多いように感じた。
0255文字
K
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ネタバレ・他者と共有できる真理の基準は存在しない ・コナトゥス:おのおのの物が自己の存在に固執しようと努める力。その物の現実的本質≒ホメオスタシス ・自由意志:行為は(外部影響により)多元的に決定されている。しかし我々は「意志」が一元的に決定していると感じてしまう ・自然物を完全だとか不完全だとか呼び慣れているのは、物の真の認識に基づくよりも偏見に基づいている ・目的原因の批判:目的は、無数の原因によってもたらされる衝動ないし行為が意識されることで生じる一つの結果。結果である目的が行為の原因と取り違えられる。
0255文字
かじかじ。
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スピノザを勉強したいと思い読み始めたが、完全に沼にハマっていっていることに気づく。言葉が難しすぎて文章が入ってこない。完全に自分の知識不足なので、後から本書を読み直したい。
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ヘビメタおやじ
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難しかったです。それでも、言葉という制約を超えて、自分の考えを伝えようとする哲学者の苦労がよくわかりました。人間は自己の身体の変状を観念として理解し、その観念を理解するという観念をもつ。それを「観念の観念」と呼んでいて、まるでギャグのようだけれど真実が伝わるなぁと感心しました。それから、衝動(欲望)が起こるのは、それまでの複雑な要因の結果であって、目的が衝動を起こすのではないというのも、言われてみればなるほどと思いました。自己の中からの原因による力の行使・発揮が、人間を幸福にする、ぞの通りです。
0255文字
メイジトップ
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p103「定義は然るべき仕方で形成された時、その対象の本質そのものを描き出す観念となる」。外部からの刺激ではなく、内的要因や本質によって行動すること。総じてスピノザが言うところの能動性を促す。それは未完の『国家論』からも垣間見える。また、(本書5章の)履行されている契約に注目する点など、現状を基準に具体的な思考や行動を重要視する。 p40あたりから面食らうかもしれないが、一見難解だったり迂遠に見える箇所もじっくりと読んでいけば理解できると思う。一度興味をもったのなら最後まで読み進める価値があるはず。
0255文字
ピラミッド
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スピノザの哲学解説或いは伝記として読んだ。 スピノザという人について全く知らない状態で読む。なので一度目を通した、というぐらいの理解度でしかないが、スピノザという偉大な『読む人』のかっこよさに触れられて面白かった。読めば読むほど『エチカ』は難しそうだがトライしてみたい(畠中訳で)。 本に触れるというのは著者との対話であり、そこに何かを感じて反応をするという営みを生涯突き詰めたスピノザをはじめとする哲学者たちに敬意を抱いた。その著作に触れられる喜びと感謝を忘れないようにしたい
0255文字
ゆうや
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「スピノザなんてあまり読む気にならないけど、國分さんの書いた本ならまあいっか」と言う気軽さで読み始めました。400ページほどの本書を読み終えましたが、読む以前と以後では、自らの行為に対する視点の転換というか、より深い振り返りをできるようになった気がします。「自己の本性の必然性のみによって存在し、自己自身のみによって行動に決定されるものは自由である」これはスピノザによる定義の一つですが、印象深いです。ただこんなフレーズも、一冊の本の読書を通して一貫した理解を得ないとピンとこないですよね。僕はピンときました。
0255文字
mikio
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「私は人間の諸行動を笑わず、歎かず、呪詛もせず、ただ理解することにひたすら努めた」デカルトの哲学原理を、ホッブズのリヴァイアサンを徹底的に読み、矛盾を見出し整合的な解釈や考え方を作り出したスピノザ。スピノザの全著作を理路整然と丁寧に読み解いていく本書であるが、執筆に10年以上を要したという。新書の域を超えている素晴らしい作品でした。『エチカ』読めるかな、また読みたい。
0255文字
遊動する旧石器人
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2022年10月20日第1刷発行(2022年12月5日第2刷発行)。スピノザの著作を解説し哲学する、國分功一郎氏による渾身の1冊。新書なのに400頁超というヘビーな書物だが、とても面白かった。スピノザの哲学、そして潜在的な哲学者へ向けられたメッセージとは、「意識」という二文字に尽きるかもしれない。「意識高い系」と揶揄される時代においては、ホモ・サピエンスという「意識高い系」が幻想だったことを物語る。代議士と呼ばれる「代表」を選出し、彼らに権力を預ける現代の国家像も、彼らがただの「意識低い系」なら終わる。
0255文字
nagata
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毎年、ふとしたことから哲学関連の本を手にするのだが、今回は相手が悪かった。デカルト哲学、いわゆる「我思う 故に我あり」の根本矛盾からはじまり、哲学体系がどのように発生するのか、自らが駆使する総合的方法の出発点となる原理の発掘。さらに幾何学的様式を用いて真理を追い求め続けた。そこにはユダヤ教からの破門も辞さない揺るぎなき意思と強靭な認識のつながりがそこかしこで見て取れる。この大著についていくのは至難の業。手元に用意した「エチカ」をいつ手にするか、思案中…。
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隠居
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何故スピノザ論を新書で二冊も出す必要があるのかと思ったら、こちらは超本格的な発展的解説だった!
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t
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最後の、畠中尚志さんへの思いに感動した。先人へのリスペクトは、忘れてはいけない。身が引き締まった。
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りっとう ゆき
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著者の「はじめてのスピノザ」「スピノザの方法」そして本書を読み、やっぱスピノザいいなあと思う。なんというか、河の流れに乗って、無理のない、けれど向かうべきところは意識してこうよっていう感じが個人としてもすごく楽になれるものだし、そこから社会のあり方へとつながる理論も納得。また、彼の世界観は現代の物理学生物学心理学などにも通じ、そこには「絶対」じゃない仏教的な宇宙観みたいな心地よさがある。→
りっとう ゆき

→スピノザというと、神とか目的論否定とか、あるいは倫理善悪良心とか、言葉だけだと宗教的道徳的なイメージを持たれそうだけど、全然違う、とりあえず読んでほしい。そして例えば人を攻撃する人にも読んでまずは自分を大切にしてほしい、と思う。

05/24 15:17
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tyfk
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新書で扱う内容じゃないだろう。1章はライプニッツやデカルトとの比較で展開して、まあ読みやすかったが、残りの章を読みすすむうちに、なぜいまスピノザが重要なのか、その文脈や意図がわからなくなり、思想哲学の研究者向けの議論を側で聞かされてる気分になってくる。ネグリやドゥルーズ のスピノザ理解との違いもわかりにくい。
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miyuko
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これまで漠然とした存在だったスピノザが、はっきりとした形で目の前に現れた。そんな一冊だった。副題の「読む人の肖像」という言葉はもちろんスピノザを指しているのだが、著者もまた「読む人」なのだと感じる。言葉を読むということは、その背後の意味の諸関係と系譜学を分析することだと著者は言う。ひとつひとつの言葉の意味が慎重に汲み取られ、スピノザの意図が明らかにされていく。哲学者の言葉は、こうやって丹念に読み解いてこそ理解できるものなのだと知る。難解な箇所もあったが、納得しつつ読み終えた。
0255文字
kentaro mori
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⚫︎存在する実体は神ただひとつだけであるが、神は実際には、常に既に変状して存在している。この自然ないし宇宙は、どこを取っても神の変状である。つまり神は無数の仕方、無数の様態で存在している。万物はそのそれぞれが神の存在の仕方、つまり様態であって、だからその意味で個物は様態と呼ばれるのである。これは言い換えれば、あらゆる個物は、神がいったいどのような仕方で存在できるのかを、それぞれがそれぞれの仕方で説明しているということだ。
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読書の鬼-ヤンマ
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2022年12月5日第2刷、図書館本。國分功一郎氏、5冊目。414頁の大書。神の教えと存在、真理の追究が哲学、する人が哲学者。神の名の下で繰り返される殺戮。宗教≒神を信仰する精神・人が理解出来ない。P39:①デカルト:私は疑う(神の存在を)、私は考える。故に私は存在する。②P63:スピノザ:神は存在する。PS.①ガリレオ・ガリレイ(~1642年):地動説で裁判に。②ニーチェ(~1900年):キリスト教は邪教。③ジャン・ロスタン(~1977年):一人殺せば殺人者、百万人殺せば征服者、皆殺しにすれば神になる。
読書の鬼-ヤンマ

2024年5月3日讀賣新聞P6:主題「人類を特別視せず環境議論:編集委員清水美明氏」の左欄に寄稿あり。大阪大学名誉教授上野修氏。題:スピノザが示した「自然」と「権利」。スピノザのいう"神"は、世界の創造とは無縁で人間を含む無限の事物となって表われ出る。如何なる目的のためにも活動せず、だれも愛さず、だれも憎まない。そんな"神"にスピノザが与えた別名は『自然』。一つしかなく、すべてがその中にあり、だれもその外に出られない。『自然』は『現実』と言い換えてよい。近く刊行:スピノザ考-人間ならざる思考へ(青土社)。

05/03 14:33
0255文字
林克也
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「自分は神によって欺かれているかもしれないという疑いがどうしても出てきてしまう。この疑いを斥けるために神が存在していることが証明されなければならない」(デカルト)。・・・こんなことを日々考えていたなんて、デカルト哀れ。この本スピノザの本だけど。
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かおす
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『エチカ』を始めとしたスピノザの著作を、スピノザの人物像や置かれた時代背景なども踏まえながら体系的に紐解いていく本。國分氏の綴る文章は行間がほぼなく明瞭である一方で、内容自体は非常に難解だった。理解できたと言えるのはほんの一部だと思う。だが、その一部でさえ非常に面白く、時には驚くほど核心をついているように感じられた。スピノザの描く人間というものは等身大で、だからこそ腑に落ちるような感覚がある。原著の邦訳を読んだ後で、また読み返したい。
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うえぽん
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主著エチカを中心にスピノザの著書のエッセンスを、「読む人」の観点から潜在的哲学者に問いかけた好著。スピノザの言葉遣いが独特で、かつ結論と言える定義と公理を先に挙げて論述する様式のお陰で読み解くのは骨の折れる作業だと思われたが、それ故に筆者がのめり込んだのだと想像。関心を持った概念としては、自己の存在に固執しようと努力するコナトゥスというホメオスタシスに似た概念や、至高の権力を承認する契約だけでは足らず、道徳心に従うとした神との契約(法制度や理性的計算だけに還元できない何か)が必要とした独特の国家論がある。
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taq
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恥ずかしながら、一人の哲学者の思索をこれほど地道に辿ったことがなかった。 哲学史の本で数ページにまとめられているスピノザの哲学の全貌を掴めるようになっている。哲学の場合、用いられている既知の言葉一つ一つが、実は哲学者独自の定義を持っていることも多く、独りで原典に当たるのは厳しいと躊躇していたが、じっくり考えながら読むと理解でき、また理解できたという喜びを感じさせる国分さんの筆力に圧倒された。それにしてもスピノザの思索の射程は広く深い。
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lsfid
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スピノザ哲学はデカルトのコギト命題の書き換えが源流にあり、『エチカ』においては“〈能動性〉を持って生きる“というのがひとつのキーワードとなっている。そしてエチカにおける自由意志の否定と意識の概念は、現在の行動経済学にも繋がっている。 「同類の他人の表象ではなく、神の観念を意識することで他人との比較に陥ることなく、最高の喜びとなる」というスピノザの〈神の意識〉は現在の我々の意識に必要な神である。そして「自己・神および物を必然性によって意識し、常に精神の真の満足を享受している」という〈賢者の意識〉へと繋がる。
0255文字
nobidora
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いくら何でも難しすぎる。スピノザの入門書を他に読んでいたからなんとなく流れが分かったけど、新書だと思って読むと挫折すること請け合い。スピノザの人となりや当時のオランダが置かれた世界での立ち位置を踏まえることで、主著『エチカ』や『神学・政治論』『国家論』を読んでいく。本書の筆者は哲学者ではなく、行政とのバトルという社会参加という観点から知った。スピノザだけではなく、スピノザのことを書き、実際に活動する筆者について、スピノザや筆者のように「読む人」として、人々が受け継いできたバトンを差し出された気分になった
0255文字
にゃーご松崎
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新書であるのに読むのに随分時間が掛かった。新書というのは知識の概要とか表面をさらっとおさらいするイメージを勝手に囲っていました。全て咀嚼することは能わず、ただ朧げに今まで折りに触れ読んできたシュタイナーの人智学、論語、或いは仏教の理性的論者方の文章に触れた思いがします。スピノザの認識の三段階の先にはどうしても学解の対象ではなく実践の理解が示されている、と思いました。そういう意味では学問を超えているような。こんな知性が17世紀半ばにオランダで、民衆の理解し得ない共和制と共に息付いていた事実に驚くばかり。
0255文字
またの名
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400頁越えを出して岩波新書がとうとう壊れた。市井の独学者的なイメージを持たれるけど実は高度な語学教育を受けたスピノザが、どんな知識や思想にもすぐ矛盾を見出しつつ、その抜けてる所さえより整合した思考へ再構築し読む能力の持ち主として現れる(片方だけ行う人は珍しくない)。知性がめっちゃ高まることで事物が発生する秩序=順序に追いつき一致した観念の秩序=順序から、神または自然が発生する秩序を説明できるまさに最強で無敵の定義たる自己原因の観念が導かれる、読者も目を奪われていく完璧で究極のロジックを一つ一つ辿る労作。
またの名

スピノザにとって事物を説明する定義は、事物の内的本質をそれが発生する順序そのものに従って描き出す弱点なんか見当たらない唯一無二の観念じゃなくちゃダメだったためなのか、本書がこだわるのもスピノザが思考を形成していった歩みを順々に追いかける構成。人間が観念と並んで持つ身体の内には欲望や妬み嫉妬なんてないわけがないけど、事物もまた物体としての属性だけでなく観念を宿してることは、スピノザ的にネタじゃなく本気。それゆえ自然法則などの理性的認識を得る時には「自然界に存在している観念に直接にアクセスしている」

12/15 14:59
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yutayonemoto
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かなり難しい所もあったがなんとか読み終わった。神を論じる哲学者のことを随分と避けてきたのだけれど、いやしかし、スピノザは面白い。全集の『エチカ』と『デカルトの哲学原理』買っちゃった。今度は副読本としてこちらの書籍を使います。國分先生、ドゥルーズで博論書いたと思ってたんやけど、スピノザだったんですね。
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そね
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『中動態の世界』でもスピノザやエチカのことが書いてあったのでスピノザのことが気になり購入。 じっくり読まないとなかなか頭に入っていかなかった。『エチカ』を読んだことがないけどこの本と一緒に読んでいけばわかりやすいかもしれないと思った。スピノザの時代背景とともにどのようにエチカや国家論等が出来たのかわかりやすかった。 能動・受動の話や意識について、目的論の批判とかコナトゥスとか人は何に対して導かれ動いているのかに興味があるのかもしれないと改めて思った。
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おっきぃ
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新書で出すような本ではないボリュームと内容。スピノザという人がどういうことを考えてきたのか、その一端を知ることができる。自分が読んだ哲学史ではずいぶん雑な紹介しかしていなかったことがよくわかる。コギトにしても真理にしても、論理を徹底して考えていくなら、確かにそうなることは納得できる。もちろん一読しただけはさわりすら把握もできないのだけど。
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ゼブラ
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哲学関係では初めて読んだ本です。 あー、哲学ってまさに学問の総合格闘技の様な、自然科学や人文科学の知見を総動員して辿り着く境地なんだと理解しました。この本を書くには、長きに渡ってスピノザ当人の著作に向き合って、読者の立ち位置も含めて俯瞰した視点を得て初めて書けるという超ハイレベルな文章だと感じました。 神は存在する。それは自然法則そのものであると、中世の頃にそこまで辿り着いたスピノザの先見の知にも脱帽です。
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masabi
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【概要】スピノザの著作を執筆順に辿りながら、その思想を解説する。【感想】哲学の用語について具体例や用語の意味、現代での使われ方の違いなどが繰り返し表れ、理解を進める誘導が丁寧だ。意識・良心・善悪・神といった一般的な用語もスピノザ哲学では異なる位置を占め意味を持つ。おもしろいのは「エチカ」の執筆を中断し、他の執筆活動に移るという事実がそのまま解説にも反映されていることだ。よくわからなかったのは世界の表れである神と第三の認識で示される神の観念や永遠性との関係だ。それに幸福とがどう結びつくのがわからず。
0255文字
ぽん
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デカルトのコギト命題やホッブズの社会契約説を(批判的にというよりは)より精緻に読み込むスピノザの哲学の進め方や、ヘブライ語を聖書読解にとどまらず独自に文法書を書いてしまうところなど、スピノザの「読む人」としての姿を浮かび上がらせている。しかし新書で手軽に読めるというレベルを超える難解さは多分に含んでいる。
0255文字
なつ
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少し難しかったです。読む力が違うと受け取るものが変わる。当たり前を疑う力があると思考の範囲と深さが変わる。どうしたら「読める」人になれるのだろう。ほんの400年前のヨーロッパでは、「哲学する自由を認めねばならない」と主張することが当たり前ではなかった。スピノザは日本に生まれていたら、何を読み、何を考えていたのかな?"自然に"考えるってなかなか難しいな。《スピノザは読んでいる。受け入れつつも支配されず、体系の難点に目をやりつつも体系の中に浸る》*それは特性か本質か*身体の観念*行為は多元的に決定されている*
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一郎二郎
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社会的規範が弱まる17世紀、道徳と法の不一致が生まれた。ロックらは独立した中立的な意識を持つ個人というものを考え出し、国家に対峙させた。しかしスピノザは個人を原理としない新しい哲学を構築した。国家と対峙するのも個人ではなく、一人一人が具体的歴史を生きている集団=多数者であるとした。自己と神と物をほとんど意識せず、外部からの刺激に揺り動かされてばかりの無知者は、働きを受けるのをやめるや否や存在をやめる。それと似て、国家も、精神の導きをなくし、多数者の統一が保たれない状態になれば、その存在をなくすと述べている
0255文字
素朴実在論くん
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三種の認識の話のあたりがいまいち理解できなかったが、善悪の話や意識の扱い、原因の無限後退から探る自由意志の問題などは一応わかったつもりになった。 とてもおもしろい本だが、後半100ページを切ってスピノザの哲学体系が1つの形を成してからが真骨頂なので、そこまで300ページ強を乗り越えねばならないのはハードルが高いと言わざるを得ない。
0255文字
4492tkmt
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「エチカ」を読んだ気にさせてくれた。正直、中身はあまりしっくりはこなかったので、「はじめてのスピノザ」をよむか、やっぱり、「エチカ」を読むかで、もう少し深堀しようか。哲学書を読むとき、自分なりの解釈をしながら、考えながら読むんだろうけど、まったく見当違いの捉え方をしているんじゃないか?とか、不安にならないのかしら。詩みたいに読めばいいのかな?ちなみに、高校の倫理の先生は、おせんべいみたいな顔のおじさんだった。そういえば、いつも、白衣着てたな。。。
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スピノザ――読む人の肖像 (岩波新書 新赤版)評価67感想・レビュー108