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思春期心性とサブカルチャー──現代の臨床現場から見えてくるもの

感想・レビュー
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takao
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ふむ
0255文字
人生ゴルディアス
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大変よろしかった。ゼロ年代みたいな、サブカル≒アングラみたいな前提から、著者のある種の自己主張として過剰に理解を示そうとしたり、物見遊山的に偉そうに分析してみたりするあれではなく、スクールカウンセラーがカウンセリングする中で聞いた作品と搦めて、伝統的な臨床心理の理解によって現代の思春期の問題(たまに大人も含まれるので、思春期は思春期状態として理解される)を解説してくれるという感じ。様々な心理的状態の言語化も素晴らしいのだが、やはり目線の置き方の良さがずば抜けているように感じた。
人生ゴルディアス

本書を読んで感じるのは、SNS時代に思春期を迎えてなくて本当によかったということ。LINEブロック祭りの頁とか共感性なんとかで死ぬかと思ったし、自分もやって本の中での事例のようになるだろうなと容易に想像できて辛かった。あと本書収録が長期の連載をまとめたもので時間軸が長く、Vtuberを扱ったところで「そういや最近声優になりたがる若者いなくなったな」みたいな長期観察者としての著者の気づきもとてもよかった。

01/08 11:25
0255文字
ソーシャ
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臨床場面で話題になるアニメやアイドルなどを題材に、著者が臨床で考えたことを綴った一冊。作品はやや古めのものが多いですが、作品を通じた思春期心性についての著者の考察の深みが味わい深く、ちょっとサブカルチャーの内容の話題を臨床場面でもしてみようかなと思える一冊でした。
0255文字
小鈴
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全24章。2010年代のカウセリング中に少年少女たちが作品に触れながら、著者が語る。一つの章は短いながらも作品を通して見えてくる現代の子どもたちの姿。この本を読めばどこかの章にきっとひっかかるだろう(作品名はコメント欄)。おわりにで、仏教の本を参照しながら近景(自分や家族)/中景(地域の文化や行為様式)/遠景(神仏や異界などの聖性)について説明し、近年は共同体の弱回りとともに中景が弱くなりサブカルチャーが中景となっていると分析している。フィッシャーの『友達の間で暮らす』とほぼ同じですよね。社会学的でした。
小鈴

ツイッターで誰かがこの本は良かったという感想を読んで買って読んでみたが、ほんと読んでよかったです。 紹介している作品は若干古いですが、作品の解釈には普遍性があると思いました。

12/09 21:48
小鈴

魔法少女まどか☆マギカ/ひぐらしのなく頃に/けいおん/▲恋バナ/▲BL/ハウルの動く城/嵐/AKB48/▲不良系男子と優等生系女子/▲クロノスとカイロス/▲イツメン/檀蜜とマツコ・デラックス/家政婦のミタ/▲SNS/▲うそ/君の中は。/欅坂のてちとマツコ・デラックス/▲目盛りの違い/▲人格の着ぐるみ(キャラ)/輪るピングドラム/海のトリトン →▲は作品ではなく、そのテーマについて著者が語ってます。 →海のトリトンは言わずとしれた手塚治虫の作品。古い作品ですが著者に衝撃を与えた作品として取り上げられている。

12/09 21:56
0255文字
hitotak
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20年以上小中高校でスクールカウンセラーとして生徒達と向かい合ってきた著者が出会った事例と分析が書かれる。初出が2010年頃のものもあり、論じられたアニメ作品も一時代前になっているが、そこで語られる思春期ゆえの様々な悩みは変わらず、むしろ更に生きづらい時代になっているようだ。○○キャラという着ぐるみを着て、キャラから外れた行動は許されず、人間関係の些細な失敗を深刻に受けとめすぎる子供たちの学校生活は厳しい。アニメや漫画の登場人物に共感し、現実逃避または自身の境遇に重ねることが心の支えであり、癒しでもある。
0255文字
石橋
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東畑開人が読んでいたので手に取る。とっても面白くて、色々腑に落ちること多し。思春期をいつまで経っても卒業できない(しない)現代社会についてよく考えたい。
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