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ケチる貴方 (講談社文庫 い 163-1)

感想・レビュー
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はっせー
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「冷え性・脂肪吸引から見える不寛容さ」本書は2つの中編小説が収録されている。冷え性にまつわる『ケチる貴方』と脂肪吸引にまつわるお話『その周囲、五十八センチ』であった。どちらもグサグサと心に刺さるお話だった!冷え性な方や脂肪吸引をしたことがある人ならなおさら刺さる作品となっている😊
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seba
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ネタバレ広い意味での体質に切実に悩まされながら働く女性を描いた話が2編。石田さんの本は2冊目だが、今回もいわゆる男性社会の業界(私にとって身近で親しみやすい)が舞台になっており、身体についての悩みにジェンダーの意識も絡んできて尚更厄介。但し作品の本質はそこではなさそう。表題作の主人公の悩みは極度の冷え性だが、周囲への不寛容をやめた日には身体がポカポカしたという。表面積と蓄排熱の関係に準えたこの設定に作者らしさを感じた。自分らしさと体質改善という奇妙な二律背反の中で、自立して生きていくための落とし所はどこにあるか。
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さくら★もち
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ネタバレ身体に悩みを抱えた女性のお話2編。極度の冷え性だけど体格が良いため周囲に「寒い」と言えない女性が主人公の表題作は、私も冷え性なので、寒さに耐え温活への涙ぐましい努力を重ねる主人公には共感しかなかった。職場で求められる女性としての役割や他者への寛容さを嫌悪しつつ、我慢と無理をしてそれを火種に身体を温める姿は可笑しくも切実に感じた。脂肪吸引を繰り返す女性の話は、局部が細くなることよりもダウンタイムの痛みに耐えることへの依存性が高くなっていて狂気を感じた。自分の身体とどう生きるかを考えさせられる1冊だった。
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ねぎたま
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痛みには中毒性があると言うのはすごくわかる。
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たこ
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2024年12月13日第1刷発行。中編2編、ルッキズムと過剰な利他精神の苦しみと裏返しの快感が突き刺さる…。石田さん初読み。独特な締め方をする作家さんだなと思った。
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yu
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ネタバレ純文学?になれていない私でしたが、純文学にハマるキッカケになった本になるかもしれません。こちらは「何をしても万年冷え性の女性の話」と、「脂肪吸引に囚われた女性」という、女性に関する2作品が収載されています。女性こそ外見が良くなった瞬間から、または女性という括りだけで周囲からの扱われ方が変わったりするところにリアリティを感じてしまう一面、両作品の主人公たちの心の強さも見え、性別だけが与えるものって大きいんだなと心底思いました。
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M.T
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ネタバレ「冷え性」はたまた「太い脚」という自分のやっかいな身体性と向き合う二人。一方は社会との向き合い方を変えることでその身体性に変化が起こる。一方はその身体を多大なお金と時間をかけて変化させてきたことで社会における自分の扱われ方にも変化が起きていることを身をもって実感している。二人に共通しているのは、ままならない身体性を持っていて大変な労力を感じているしそれ故に生き方や価値観にも大きく影響しているけれど、そういう自分ときちんと向き合って、きちんと自分を愛してあげていること、なのかな。
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ちーこ
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身体にまつわるお話が2篇。極度の冷え性が、あることをすると身体が温まることを知る。ファンタジックなら設定だけど、現実でも目的があると面倒な仕事も頑張れたりするよなぁと思ったり。個人的には2作品目が好き。最後の文章にぐっときた!
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かくかく鹿々
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ネタバレ「我が友、スミス」が面白かったので、文庫化を待って即買い。ガッチリ、ムッチリなのに極度の冷え性の主人公、佐藤。利他的な行為を行うとなぜか一時的に冷え性が治ることに気がつき、本来は吝嗇で超利己的な性格なのに、周囲に配慮し人助けを繰り返す。利他というものは、本質的にその中に利己的なものも宿ってしまいがちであるけれど、佐藤にとっては、利他が利己にダイレクトにリンク。体温が上がることによってスリムになり、しかも周囲から好感を持たれるようになるのだが。。 利己と利他を身体感覚を持って考えさせられる佳作。面白いよ!
かくかく鹿々

言い回しや表現も秀逸で、日常生活で使わせてげもらいたい。併録の「その周囲、58センチ」もグッドです。

01/16 20:13
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ちぃ
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ネタバレ言い回しが面白い小説。何度も笑った。 現実ではあり得ないレベルの冷え性の主人公。人に対するケチをやめる事で改善することに気づいてからは不本意ながらも人に尽くすことをやめられなくなるが、ある日ついに倒れてしまう。 人に対してケチで生きてきた事が悪い事だと私は思わない。自分を守るために培ってきたことを他人にやすやすと引き渡す事などしたくないし、自分を蔑ろにする事は苦しい。社会から歓迎される存在になりきって長年の悩みから解放されるか、自分を守るためにこれからも悩みと共に生きていくか。私ならどうするだろう。
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大粒まろん
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読友さんから貰ってきました。石田さんは言葉選びの巧い人だと思う。タイトルからして等身大の斜め上で、エッセイのような小説。短篇2つに出てくる彼女たちは自分以外に興味がなく自信がない。所謂コンプレックスの塊なのだけど、それをそうとは言わず、それらと独自の戦い方で話が進む。そして2つ目の最後の方に「ねえ、あなたのその両脚が、ずっとずっと、あなたを守ってきてくれたんだとは思わない?」という一文が出てきて、客観的な自己肯定感に帰結する。面白く読みました。芥川賞候補作もこのくらいの抜け感があった方いいかもしれない。
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シキモリ
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読み進める内に著者の経歴が気になり、調べてみたら広い意味で同業界にお勤めと知り、色々合点がいく。女性も増えたとはいえ、この界隈の中小ベンダーともなると旧弊の企業文化が残存する上、業務の属人化も著しい。自身のノウハウを教示することに逡巡する主人公の心情は共感出来、男尊女卑の価値観を押し付ける年配社員の醜悪さも目に余る。併録作「その周囲、五十八センチ」の『痛みに耐えることで得られるものが確約される』という打算的な思考にも頷くしかない。世間と己の間に介在するギャップに対して折り合いをつける難しさを改めて考える。
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とんとん
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文庫になったので再読。これが何の賞もとってない(野間文芸新人賞候補だったけど…)がちょっと信じられないくらいの名作。
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オスカー
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本屋さんで見つけてタイトル買い。金太郎のようにガッチリ、ムッチリな主人公。なのに、極度の冷え性。体温があがる方法がソレ!?な第44回野間文芸新人賞候補となった表題作と、第38回大阪文芸賞受賞の脂肪吸引をテーマにした「その周囲、五十八センチ」の2作収録。作者さんは建設業界の人と知り、納得。読みにくくもないけど、ちょっとズレているような、なんだか不思議な感覚の話。 『群像』エッセイ集|陰毛スプラウト/石田夏穂|tree https://search.app/HkprWF9inS6fN2pP7
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すと
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華奢な人のエアコン消しては許されるけど自分は違う、わかる 紅くない紅一点、耳が痛い
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Nabe
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極度の冷え性と戦う佐藤が新人の教育係になったことからなぜか体質が変わっていく表題作。古い価値観が蔓延る職場で媚びることなく生きてきた佐藤の言動は痛快である。職場で感じていたモヤモヤを見事に言語化して身を守ることに全力を注ぐ。しかしもし身を削ることを厭わなくなれば冷え性から解放されると気付いたら…。寛容も身を守ることも極端に描いていて読んでいて気持ちよい。ニヤリとしてしまう面白さだった。
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ささみ
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ファンタジーなのかSFなのか表現が独特 面白くてスルッと読めてしまうけど、マチズモってやつが所々出てきてて、もやっとする感じはあるかな もう一作品は脂肪吸引にとりつかれた女の人の話?
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nasu
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ネタバレ面白かった。見返り大事。『未来のオッサンは、現行のオッサンが育成すればいい』『大事なのは、ボーッとしないことだ。自分が変に使役されていたら、それを大目に見ないことだ』『畜生、アンコウの提灯が切りづれえ』『こんなに世界に歓迎されているのか』『見た目でものを言える人間になりたかった。どれだけ弱くても、クズ中のクズでも、見た目がよければどんな人生でも肯定され得る。異論はあるだろうが、それは良い悪いを超えたところで、確実に人の世に存在する価値観だ』
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