読書メーター KADOKAWA Group

感想・レビュー
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マナンナ
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ネタバレ霊感(?)が強く感受性豊かな弟、時々不幸な人のニュースに釘付けになるたちだったが、ある日湾岸戦争が始まると同時に、イラクの少年兵ラティーフが“中の人”と入れ替わってしまう。アラビア語で叫び、イギリスの日常生活では浮きまくってしまうが、戦地では必死。アメリカを憎み、自分は死ぬだろうと諦め、銃殺される味方を目の当たりにする。イラクでラティーフが享年13で亡くなると同時に、イギリスの弟・アンディは元に戻るが、戻る以上に何かを失う。両親は外との関わりが減る。ラシード先生への人種差別。父の戦争への昂揚がキツい。
0255文字
宙太郎
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ネタバレカバー折返しの紹介文で生まれ替りの話かと思って読んだんだが、ずっと真面目に戦争について、他者への思いやりについて考える本だった。イギリス人である主人公の弟とイラクの少年兵の人格が入れ替わることで、作者は主人公に(そして読者にも)戦争の恐怖と悲惨を目の当たりにさせる。人格交換という超常現象は、これをやるための方便なのだ。この事件はイラクの少年兵が戦死することで一応の終息となるが、主人公の家族は家族の絆を深めながらも、他者に対して積極的に救いの手を差し伸べることはなくなってしまったというラストが何とも切ない。
0255文字
Chiyo K.
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再読。やっぱりすごいなと思うのは、戦場を一切描かずに戦争の残酷さや末端の人間の苦しみを描いたことだ。なぜだかそれを知り得てしまったフィギスではなく、平凡な兄が語ること。さらに差別や無知や無関心が、二重三重に戦場にいる人を貶め苦しめること。湾岸戦争から30年以上がたってしまったけど、国際問題をめぐるこういう状況は変わっていない。
0255文字
わぴこ
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ニュースでしか知らない戦争の世界。取り憑かれた弟の行動で戦争を目の当たりにしているように感じる兄。 戦争の酷さは今もなお現実で起こっているのに近くでないと実感がない。しかし。色々考えさせられる1冊
0255文字
雨
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小学校の時に読んで、また気になって再読してみた。 周りにとっては面倒くさいのかもだけど、怪我している動物や貧困の子供、誰もが気にしないような内容に疑問と興味、優しさをもつ変わる前の弟の姿は本来あるべき人間の姿たのかなって個人的に思った。今世界でウクライナやガザで戦争が起こってるけどその本当の戦争の姿っていうのを知れたかな。自分の目で見て感じないと本当の戦争をわかることはできないかもだけど。でもまた読んでよかった
0255文字
憩子
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図書館リサイクル本
0255文字
HIDEYOSHI SARU(KUSA)
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ネタバレ弟の心が不安定になっちゃう話です。
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にゃんこ
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弟に起きたようなこと、実際にありそう...という怖さ。そして、実際に戦争を経験している人達もいる現実が、もっと怖い。他の著作も読んでみたい。
0255文字
はな
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「海辺の王国」が児童文学と戦争文学として傑作だったので、こちらも読んでみた。子どもの心を描くのが、そしてそれを突きつけるのがなんて上手いんだろうと今回も脱帽しました。父母や医師含め、どの目線からも考えさせられる。今だからこそ読む作品。戦争はもちろんだけれど、戦争に関わらず小さな事件でも芸能ニュースレベルでも、「テレビの中の出来事」に生きた人間が、生きた子どもたちがいることを忘れてはいけないなと思った。きっとこれからニュースを見るたびに、画面の中にフィギスを探してしまう。
0255文字
星落秋風五丈原
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湾岸戦争は、お茶の間に戦争がやってきた戦争だった。クウェートから撤退しないイラクへの国連の強制措置として多国籍軍が派遣された。現在のロシアのウクライナ侵攻とは異なり、国連の意見は一致していたのだ。1990年から1991年と一年余りで集結した事も、視聴者として戦争を見ていた人達が、迷いや罪悪感を抱く余裕を生まなかった。自分達の乗っかった側が正義だと疑わず、トムの父ホースィーも平気でこんな事を言っていた。子供達は、ミサイル攻撃をゲームの延長として受け入れていった。しかし、アンディはそうではなかった。
0255文字
niki
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児童書だが大人でも考えさせられる。私はきっと深読みしすぎていた。子どものように体感的に読むように意識した。 弟に湾岸戦争のイラク軍の少年兵が憑依する。「公平ってなに?世界は公平にできてないんだよ」と言う弟。子どもなのに現実を捉えてしまっている。 唯一明るかったのは兄が父に抱かれながら試合でトライを決めるシーン。感動。汗が輝く。 湾岸戦争の頃、私は小学校低学年だった。暗闇に緑のミサイルが走る映像をニュースで見た。訳者あとがきにあるように「テレビゲームのようでした」。 広島平和記念式典の中継を見よう。祈ろう。
0255文字
zero1
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戦争は遠くで起きている【他人事】。他人の痛みを感じなくて構わない?【自分の事】として意識しない危うさを描く。90年に始まった湾岸戦争。イラクがクウェートに侵攻。そんな中、英国に住むアンディ(フィギス)の様子がおかしい。兄の目から見た弟という視点で話は進む。精神科医と差別、戦争の善悪など児童書とは思えない内容。✴️明日から8月。猛暑の中、せめて今は戦争について考えたい。原題は【Gulf】。これは単に湾岸地域を指すのではない。読めば分かる。📚️本書を紹介してくれた読友さんに感謝。【良い戦争なんてない】
zero1

【追記】湾岸戦争で何を思い出すか。フセインの横暴に対する国連と多国籍軍。空爆に地上戦。憲法と日本政府の対応。現地から伝えたCNNのアーネット記者。燃える油田に油まみれの鳥。TVゲームのような映像。村上春樹はこの時期アメリカにいて【どうすべきか】深く悩んだという。人はすぐ忘れる。しかし忘れてはならない事がある。それを本書は訴えている。📚️この作者は描く内容が中々に深い。金原瑞人の翻訳も何冊かある。図書館で探して読みたい。

07/31 13:45
zero1

【追記2】作者のウェストールはカーネギー賞二回。93年没。彼ならロシアのウクライナ侵攻を、どう表現したか。✴️人は懲りない。だから多くの人命が失われ環境を破壊しつつも戦争は続く。我々が本当に解決しなければならない問題は病気の根絶に差別の撤廃。水や食料の確保に自然の保全。そして教育の充実。戦争している時間など無い。📚️プーチンよ、本書を読んで学べ。ミサイル好きな北朝鮮のデブも読め。増税大好きな岸田も読んで学べ。

07/31 14:14
0255文字
大粒まろん
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児童書とのこと。一種の偏向報道への問いかけのような作品。フィクションであれ、ノンフィクションであれ、その発生している事実は現地にいなければ、否、現地にいても個人の解釈で違ってきてしまうが、この場合、死者が出ても構わないと思ってる意見の対立があることに正当性を持たせたい両者がいるということだろうか。弟を通して、兄はまるで戦場カメラマンのような体験をすることになる。その後アッサリと平和は訪れる。が、読者は兄の体験を通して悩むことになる。そこに本当の問いかけがあるのかもしれない。非常に考えさせられる一冊。
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ワラスボン
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ネタバレ「フィギスはぼくらの良心だった」悲惨な出来事がニュースで流れていても「大変だなあ」とどこか他人事で思うくらいだったけど、もしそれが家族の身に起こったとしたら。湾岸戦争が始まった頃、「ぼく」の弟にイラクの少年兵が憑依して、日常が一変した。アメリカ側の攻撃に歓喜する父をよそに、弟は頭を抱えてベッドの下に潜り込む。遠く離れた場所で起きている事なのに、戦争の残酷さを目の当たりにした「ぼく」の心境が綴られていて胸が苦しくなる場面もあるけれど、ラシード先生の優しさに救われる。最後は「ぼく」の成長もみられて、よかったな
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kameyomi
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教えて頂き感謝。優れた児童文学だ。我々の周りにある深く切れこむ「Gulf」(原題でもある)。そこを飛び越える能力を持った主人公の弟は、我々の良心を現している。ロバート・ウェストールと言えば印象深いのが『かかし』で、こちらも素晴らしい作品だが、小学校図書館に赴任した時に配架されていたのに驚き、閉架処理してしまったのを覚えている。私としては、中学生から読んで欲しいと考えたのだが、上級生ならば大丈夫だっただろうか。
0255文字
風に吹かれて
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「ぼく」の弟フィギスは人の心を読み取る不思議な力を持つ心優しい子だった。1990年、湾岸戦争が始まった夏、12歳のフィギスは「自分はイラク軍の少年兵だ」と言いはじめる…。  湾岸戦争のとき、テレビのニュースなどで映像を視聴する機会が少なくなかった。ビデオ・ゲームのようだとよく言われた。最先端兵器による攻撃は軍事施設のみを破壊し人間の血が飛び散らない戦争であるかのように宣伝されていたように記憶する。それはアメリカ側が編集した映像だったと思う。 →
風に吹かれて

 日本から見れば、本書のイギリスから見ても、海の向こうで行われている戦争ということだったに違いない。戦の現場に人間の生身が晒されていた。そのことに思いを馳せることは少なかったと思う。  子供たちの繊細な心が戦争の怖さを敏感に感じ取る。今も世界では戦争が行われており、連日テレビで映し出される。惨たらしい場面は避けられていると思われるが、人間がいるところに爆弾が飛んでくるという現実はどれほど子供たちの心を傷つけているだろう。 →

07/14 22:40
風に吹かれて

 児童書となってはいるが、本書は大人こそが読むべき物語である。  1993年刊。原題は“Gulf” 。『湾』。『へだたり』や『断絶』といった意味もあるそうだ。『弟の戦争』という邦題も素晴らしいと思う。

07/14 22:41
0255文字
ヴェネツィア
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ネタバレウェストールらしい語りの方法で問いかける湾岸戦争のもう1つの姿。語り手はラガーマンの父親を憧憬するが、同時にきわめて繊細な感受性を持つ少年。本書は「ぼく」が語る弟アンディ(フィギス)の物語。フィギスは、ぼくの願望(あるいは良心)でもあり、時として何者かがアンディに憑依した人格。イギリスに暮らす自分たちにはほとんど関わりのなさそうであった、彼方の湾岸戦争がフィギスの眼を通して目撃される。ハイテク兵器でピンポイント爆撃(本当だろうか)を繰り返し、地上戦では圧倒的な物量でイラクに攻めこんだ多国籍軍。それを⇒
ヴェネツィア

大粒まろんさん、よかったでしょう。私もアナーキー靴下さんのご紹介で知りました。

07/22 07:45
大粒まろん

(๑•̀ㅂ•́)و✧ハイッ!アナーキー靴下さんに感謝!!

07/22 08:15
11件のコメントを全て見る
0255文字
アナーキー靴下
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『かかし』が傑作だった著者、他作品も傑作揃いと聞き手に取る。本作は著者が湾岸戦争のあり方に激しい怒りを覚え書き上げたそうだ。私は当時13歳、主人公兄弟とほとんど変わらない。訳者は「スポーツの実況中継のように連日テレビに映し出された戦争」と書くが、そこまで鮮明には覚えていない。著者の怒りは、良い戦争、正しい戦争として、娯楽的に消費されたことだけでなく、テレビの向こうの出来事であると、容易に戦争から目を背けられることへも向けられていたのではないだろうか。テレビのスイッチを切るようには逃れられない物語を通して。
zero1

こんにちは。遅くなりましたが読み終わりました。薄い本ですが時間をかけて読む価値がありました。改めて紹介ありがとうございます。📚️この作者は別の作品も探してみます。

07/31 14:20
アナーキー靴下

zero1様、コメントありがとうございます。私も読メで紹介いただいて知った本です。本との出会いが広がってゆく読メの醍醐味を味わえて嬉しいです。

07/31 18:00
12件のコメントを全て見る
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ばーばら
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比較的近年の湾岸戦争が描かれる、リアルな物語。誰からも憎まれて当然のようなフセインに対しても、単純に白黒つけないあたりは、著者の短編集「アドルフ」に描かれるヒットラーにも通じる。この作を読んで、萩尾望都先生の漫画作品「アロイス」を思い出した。リンクする。
0255文字
minimu
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「ひとつの小さな体のなかに戦争が丸ごとあった」…1990年、湾岸戦争が始まると、戦地から遠く離れたイギリスに住む12歳の少年、”フィギス”ことアンディは、突然「自分はイラク軍の少年兵だ」と言い始める。弟を通して、戦争というものの凄惨さを見つめる兄トムと、テレビを通して戦争のたった一側面しか見ていない大人たち。「良い戦争」などないのだという力強いメッセージ。
0255文字
ごまち。@浮上中
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最初は、いい家族の話…途中はね…うん えーっとなんでこの本を読んだかというとぉ国語でヒロシマの戦争というのをやっていて、戦争の本を紹介するってやつで図書室の先生が勧めてくれたので読みましたぁ
moonanddai

お気に入りありがとうございます。ウェストールは好きで、時々読んでいます。あまり新しめのものは読んでいないのですが、よろしくお願いいたします。

01/30 10:36
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通りすがりのうさぎ
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小学生の頃の国語の教科書のおすすめページに載っていて、ずっと気になっていたので今更ながら… 同性愛への差別や人種差別、その他にも思想の違い等小学生には少し重い話かもしれませんが、舞台は違えども、ロシアのウクライナ進行が始まってしまった今、読んで欲しい1冊です。 平和な暮らしをしている自分と、どこかで必死に「今日」を生きている少年… 私はこの話を一生忘れられないと思います。
0255文字
yomite
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フィギスが伝えてくれたことは全部現実に起きたことだ。ニュースはいつもリアルに現場の映像を届けるがフィギスほどにはリアルではない。そして、それはどれほど想像力を働かせても対岸の火事のまま。そして、いずれ忘れ去る。明暗の対比がすごくて、後半特になんだよこれは!ってなってしまった。誰もとりこぼさないって一体どういうことだろうね? そう突きつけられた気分になった。こんな読後感は初めてだ。
0255文字
Momoko Nishikawa
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古書店で買った本。 イギリスの児童文学はすごい。 かなり変わった体験をする弟を兄の視点から描く。 この世界で共に生きることを考えた。 弟は遠くにいる人と心を通わせられる人、そういう感じやすさ、良心、優しさ、傷つきやすさをもっている。弟のまるで病いのような体験に寄り添った後の、語り手である兄の変化、家族の変化が少し痛々しく感じた。
0255文字
ひつじ
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ネタバレときめきも救いも無い「君の名は」。子供の頃にテレビで見ていた湾岸戦争、フセイン=悪=イラクとしか考えていなかったが、本当にそうだったのか。主人公にとっての弟は、もういない。それがとても心に刺さる。
0255文字
紫陽花
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遠くで起こる戦争は他人事で、ただのテレビから流れるニュースのひとつ。でも実際にはどこかで飢えに苦しみや銃弾に怯えて過ごす人々がいる。平和な国の人々が家で寛いでいる時、友達と遊んでいる時、ぐっすりと眠っている時も、戦争という名のもので誰かが誰かを殺し、殺されている。なんとか生き延びようと身を潜めている人々がいる。そして片方から見る正義や悪人は、他方から見れば悪でありヒーローでもある。物事は片側だけから見てはいけない。戦争とは誰の何のためにするのか。考えろ、感じろ、知ろとしろというメッセージが込められている。
0255文字
ケロリーヌ@ベルばら同盟
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1990年8月2日、ぼくの大切な弟の小さな身体の中で戦争が始まった。アンディは、赤ちゃんの頃から、怪我をした動物や、悲しんだり苦しんだりしている人を放っておけない、とても優しい子で、現実よりも本物らしい夢を見てはぼくに詳しく話してくれた。あの朝、イラク軍がクウェートに侵攻した朝。弟は、知らない人の表情をして、ぼくが理解できない言葉で歓喜の雄叫びをあげていた…。善と悪、勝者側の視点でのみ語られた湾岸戦争に激しい憤りを覚えたウェストールが、この世に「良い戦争などない」とのメッセージを込めて描いた心に響く物語。
0255文字
ぼっこれあんにゃ
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☆☆舞台はイギリス、主人公のトムは、3つ下の弟アンディに頼れるやつという意味のフィギスというあだ名を付けています。フィギスは感受性と好奇心が強く、新聞にあった飢えに苦しむエチオピアの子供の写真にのめり込み、食べ物に手をつけなくなるなど、時々可哀想な他者とシンクロすることがあります。12歳のフィギスは、中東で湾岸戦争が始まると、イラク軍の少年兵ラティーフとシンクロしてしまいます。トムは、圧倒的な兵力のアメリカに苦戦するラティーフの姿をフィギスを通じ見て、テレビに映ることの無い戦争の現実を知ることになります。
0255文字
knsm11
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湾岸戦争の少年兵が弟に憑依?して精神を乗っ取られる。弟は平和な場所にいる。だからこそ戦場の描写がよりリアルに感じる。昔テレビで見たSHOWのような湾岸戦争を思い出した。誰にとってもいい戦争、正しい戦争はない。中学生くらいの年代にオススメです。
0255文字
くみくみ
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弟アンディは繊細でこだわりの強い子だった。普段は明るくいい子なのに、ある事に心奪われると他のものが分からなくなってしまい周りを困らせた。湾岸戦争が始まった頃から弟が変わった。取り憑かれたようにわからない言葉を話すのだ。弟はイラク兵士の意識を共有していた…。戦争や飢餓など遠い世界で起こっていることのように思えるが、戦争の相手国の兵士が自分の家族として現れたらどうするか。本作は単に人格の乗り移りのような現象ではなく、相手国の人の姿を鮮明に見せたことで「弟が実際に意識の中で戦った戦争」を浮き彫りにしている。★4
0255文字
ava
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ネタバレ戦争とは程遠いごく普通の家庭に、リアルな戦争が流れ込んでくるお話。本当の弟は大部分で描かれていた弟なのか、それとも最後に描かれる変わってしまった弟なのか、それが気になります。
0255文字
にたいも
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ネタバレ湾岸戦争の少年兵と心と体がリンクしてしまった弟「フィギス」によって、ぼくが多角的にものを見る力や優しさを得た話。 フィギスとはぼくにとって何だったのか。 小学校高学年くらいから。
空猫

にたいもさん。ナイスありがとうございます。

10/24 09:50
にたいも

空猫さん、こちらこそありがとうございます。

10/24 09:56
0255文字
まき
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遠い世界で起こっている戦争は他人事だったのに、弟を通じて主人公の日常に食い込んできます。死んでいく人や、戦っている人が、もし自分の親や兄弟や友達だったら?今隣を歩いている人がいきなり目の前で銃殺されたら?それが自分だったら…?世の中には沢山の沢山の問題があって、全ての問題に思いを巡らす事はきっと気が狂いそうになるけれど、自分と無関係だと無関心でいることだけはやめたい。何よりもまず想像すること、知ろうとすることをけっしてやめてはいけないとこの本は訴えかけている気がします。フィギスのように。
0255文字
雪丸 風人
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昔から弟はたまに奇妙な行動をする。このごろは夜中に別人みたいになってる。しかもそんな時間がどんどん伸びてる。一体なんなんだ。お前は誰だ!謎を解く手がかりは、あろうことか戦火のただ中にあったんだ。ごく普通の家族が世にも不思議な現象に巻き込まれていく物語です。主人公の夢が叶い、英雄だった父と一緒にラグビーの試合に出るシーンが最高。その後の展開もハラハラし通しで、心底惹き込まれました。正しいとは何か、いま一度考えるきっかけになりそうです。読めば戦争に対する見方がガラリと変わるかも。(対象年齢は12歳以上かな?)
空猫

子供と児童書 読み合わせさん。ナイスありがとうございます。

01/31 08:23
0255文字
紫陽花と雨
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会ったことのない新聞写真の人物の名前を当てるような不思議な弟。ある日を境に弟の中に現れたのは、湾岸戦争真っ只中の少年兵「ラティーフ」だった。弟の体を通じて現れるラティーフから読み取れる・語られる湾岸戦争の悲惨さ凄まじさ。私も当時子供だったが、ニュース映像で夥しいミサイルが撃ち込まれる映像を見て「あの爆撃の中に町の人はもういないんだよね?」と怖くて誰にも聞けなかったことを思い出した。あの力はなんだったのか、もう消えてしまったのか。私たちに何かを問いかけてくる少年兵の眼差しが見えるような気がした。
かりんと(2020.5~🖼️色鉛筆画を描いています✏️)

戦争を身近に感じられる国だからこその感覚なんでしょうね。

01/16 02:53
紫陽花と雨

かりんとさん、報道されていない真実みたいなものがあるということを考えさせられます。

01/16 07:44
3件のコメントを全て見る
0255文字
だいふくこまめ
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湾岸戦争はテレビでみた映像を鮮明に覚えている。画面を通してミサイルが花火のように思えた。他人事であったことが、一気に現実的に見えてきた。当時、そこに生きていた人に思いをはせるとやりきれない。
0255文字
mataasita
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シンプルでスピード感あるフセインとアメリカの戦争を題材とした話。イラクで戦う少年兵が弟の夢に現れ徐々に憑依していく。トムは一般的な単純なアメリカの男たちと同じように強い父に憧れ、正義感に燃える。弟は精神病院に入れられ戦局の悪化とともに病室に塹壕を築き、現実に戻れず戦闘で仲間を失い狂気は増していく。トムは次第に気づく。戦争にかりだされれているイラク人は普通に家族を愛する自分らと同じ人間ということに。イスラエル人が丘でビールを飲みながらパレスチナへの爆撃に拍手している映像を思いだす。弟の戦争は終わっていない。
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moonanddai
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最近のマイブームは「万葉集」と「ウェストール」W。帯に、宮崎駿が「ぼくは、ウェストールがすきだ。」と書いてある通り、いくつかの本でカバー絵や挿絵も書いています。「ブラッカムの爆撃機」の時も書きましたが、戦場(戦争が行われている街も含めて)にいる人間の味わう、「寂しさ」「厳しさ」「悲しさ」がひしひしと伝わります。この物語は「湾岸戦争」。まさに戦闘を「ビジュアルなもの」にしたものでしたが、あの「巡航ミサイル」の飛び交う下にいる人々の思いを、「感じなければ」ならないのでしょう。
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美生orange
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ネタバレ2日間 良き理解者の精神科医の先生と出会えて良かった すごく先が知りたくてグイグイ読めました 親の立場 兄弟の立場からの目線が頷けるようにわかりました 家族愛がにじみ出ている小説
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ぶどう
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ネタバレ時々自分を失くしてしまう弟を通して、湾岸戦争の様子が描かれた物語。薄気味悪さとスリリングな感じでつい読み進めてしまった。
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