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夜明けの縁をさ迷う人々 (角川文庫)

感想・レビュー
505

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simple_person19
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小川洋子「夜明けの縁をさ迷う人々」(角川文庫) この魂が未来永劫であるかのような、景色の連続体の中で身を委ねるだけの感覚になった。 現実から飛躍する世界観が到来するけれど、 それがまた何も変わらない日々を導いてくる。 小説もたくさん書きたくなった。 映画のためにも。
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coocoloba
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ネタバレ曲芸師、エレベータボーイ、涙売り…この世のものでないものまで登場する超現実で幻想的な物語の短編集。小川作品らしい秘密めいた偏愛の物語は、どこか恐怖を秘めていてグロテスクで美しい。巻末の解説で村田喜代子さんは、この短編集にある「奇妙な時間の連続性」と「永劫回帰的な世界」を指摘している。この短編集のみならず小川作品が「世界の縁からこぼれ落ちそうになる」人々を描くことで私たちが巨大な循環のなかにいて連続性を動かす部品としての自身に気づくのかもしれない。
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ドカ雪
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白昼夢を見ているような気持ちになる短編集。涙売りの少女の話が1番素敵。無条件の優しさでなく、芯のある優しさを湛えている彼女がとても魅力的に感じた。
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あきら らきあ
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小川洋子さんの作品は、私にとって、ついていけるものと、難しいものがあります。ギリギリついていけました。ひたむきさから狂気、ホラーに移る短編集面白かったです。なかでもイービーの話しが好き、パラソルチョコレートのセカイはすごい。人質達の朗読会に匹敵する、私にとって大切な短編集です。
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おにた
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不思議な短編集だった…!パラソルチョコレート良かった。 どの作品も気味悪さが印象的で、ふとした時に思い出しそう(イービーのこととか)。夢にも出てきそうでこわい笑
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ころこ
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どの短編にもおかしなところがある。それが現実原則を完全に逸脱していたらSFになってしまうが、そこには収まっている。が、ちょっと変なんじゃないかな…と主人公は変な対象に魅入られる。どこにも変だとは書いていない。9篇に共通しているのはこの感触で、魅入られている間の世界を描いていて、そこに没入できればスルスルと読み心地の良さを楽しめる。最も印象に残ったのは『涙売り』で、最後まで情景が浮かばなかったが、よく分からないまま読ませることは才能と言わざるを得ない。
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ほう⭐
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久しぶりに短編集を読んだからなのか? この本は私には刺さらなかった。 博士の愛した数式は とても楽しかったので この作家さんではなく、 この本が私には合わなかったんだと思う。
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ねぎ
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どの章も静けさの中に狂気がある。初めは穏やかな日常に思われるが、次第にこだわりが異常な執念へと変わり、最後はちょっとした怖い話みたいな。でも、小川さんが描く狂気って毎回そうだけど、それはそれでなんだか幸せにみえるんだよな。
0255文字
ひとみ
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タイトルが良い。中のお話は畏怖とひたむきさと、世の中の片隅に残された説明のつかないものをいろいろ混ぜました、というような。小川洋子ワールド。
0255文字
まーにゃ
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ネタバレどの作品も薄暗い中にコントラストが映える映像をイメージしました。中でもパラソルチョコレートと再試合が好き。パラソルチョコレートは不思議で温かい。再試合はいつまでも終わらない試合と身なりが汚れていく私に、しだいに現実を離れ、好きの永遠の世界に連れていかれる感覚になった。
0255文字
Satorito
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4.5-
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うりこ
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小川洋子24作目。「曲芸と野球」「教授宅の留守番」「イービーのかなわぬ望み」「お探しの物件」「涙売り」「パラソルチョコレート」「ラ・ヴェール穣」「銀山の狩猟小屋」「再試合」ー九つの短編。タイトルの〈さ迷う人々〉が登場人物を物語っているかのよう。それぞれ目立つこともなく、ひっそりと運命を受け入れている。小さな物語は、ひとつひとつ印象は異なるが、美しく怖い。筆は滑らかで、繊細な世界を描いていく。不可解である人々の影が、読者である私の中を通り抜けるような、ゾッとした感覚をも覚えた。どれも秀逸。読んでよかった!
うりこ

末尾の村田喜代子の解説も美しく、冴えていて、とてもよかった!

08/13 17:10
0255文字
なんしー
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幻想的で奇妙な9つの短編集 「イービーのかなわぬ望み」 エレベーターの中で生まれ、エレベーターの中で1人で育ってきた少年のお話 ただ慎ましく、好きなところで暮らしたいという願いが叶わないラストの描写が美しくて切ない 「教授宅の留守番」 教授の不在に留守番を任されていた女 留守番中に教授の元にはさまざまな贈り物が送られてくる 名誉ある賞を受賞したために、祝福されているのかと思いきや、贈り物の意味は別にあったことが明かされる 9つの物語の中で1番人間の悪意が感じられる
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はるたろ
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相変わらず耽美で少しよ悍ましさのある世界。涙売りの話は、終盤身の毛がよだつような思いだった。村田喜代子さんの解説がまたよい。小川さんは本当に発想の天才。
0255文字
eyemu
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恐怖というよりは不可思議。 なんとなく、不思議。 気持ち悪いとかでなく、不思議。 嗚呼、幻想的とはこういうことか。 みたいに、読み終わると思う。
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め
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静謐と陰鬱の境目にある物語が続いている。その違いは読み手側の主観と願いによるもので、現実問題起こっている状況はどちらとも取れるもので、小川さんは演出してどちらかの印象に誘導させようとしている意図はないようにとることができるのが面白い。 子供の頃、新潮文庫のグリム童話集を初めて読んだような気持ち。 単行本h、磯良一さんによる挿画挿画が、不気味な物語の切り替えの演出をかっていて、一冊の短編作品集としても非常に良い仕上がりだと思った。
0255文字
りんご
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いつもながら不思議な世界を描く小川洋子さん。今回も世にも奇妙なナイン・ストーリーズでした
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アルハ
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全体的な雰囲気を一言で表すならば耽美版世にも奇妙な物語。 「イービーの叶わぬ望み」の様な切なさを帯びた話もあれば、妊娠カレンダーに通じる悪意と毒全開の「教授宅の留守番」やブラック版幸福の王子の様な「涙売り」みたいな恋愛からくる執着の悍ましさを描いている作品もあったりと作者の作風を色々楽しめるフルコースみたいな構成。 ただ後味の良い作品はあまりないのですっきりしない気分の時には読まないほうがいいかな。
0255文字
はーしぇん
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ネタバレ世にも奇妙的な不思議な世界を覗き込む短編集。野球にはじまり野球におわる。作者代表作の『博士の愛した数式』でも野球観戦のシーンが印象に残っているが、よほど好きなんだろうな、野球。その2作は方や「最初の疑問が徐々に解き明かされる」もの、もう方や「ありふれた導入から徐々に雲行きがおかしくなっていく」ものとそれぞれ違う切り口でいて、どちらも(いい意味で)スッキリしないオチの小品で読後の余韻がなかなか良い。描写や仕掛けが個人的に好きだったのは『教受宅の留守番』と『イービーのかなわぬ望み』で、特に前者はみんな好きそう
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naga
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ネタバレ『イービーのかなわぬ望み』のラストが好き。「音もなく輪郭を失っていった」や、「砂時計の砂のように、はらはらと……こぼれ落ちていった」という表現の美しさにため息が出た。 『お探しの物件』の瓢簞屋敷のオチ「首に、のびてきた蔓が巻きついたものと推定」は、日頃より想像していたことだったので(我ながらすごい想像…笑)、今後も植物の蔓を見るたびにゾッとすることになるでしょう笑
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ナッツ
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本のタイトルに惹かれて手に取る。どこかもの悲しげで哀愁を感じる話が多かったかな。ただ無心に一途に信念を突き進む、当の本人達にはそんな理屈などひとかけらもないと思うが、読んでいて思わずエールを送りたくなった。こんな世知辛い世の中でも彼らのようにひっそり生きている世界があると思うと心温かくなる。
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peco
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過去に見損ねた夢に彷徨うかと思うとグロテスクな変形愛。 密やかな、濃厚な関係。二つの対象物は様々だが離れようにも離れられずもはや一体化してしまっている元は異物だったもの。そこに小川洋子独特の身体性が加味される。 決して後味のよい読後感ではないが読み手に何かしらの痕跡を確実に残す短編集。 和田三造氏の各短編の表紙絵が素晴らしい。
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Gotoran
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小川洋子らしさ満載の9編の短編。少年たちが野球をする側で、椅子を互い違いにいくつも組み合わせて練習する曲芸師の話、教授宅で留守を預かる賄い婦の話、エレベーターで生まれ育ちエレベーターで働き暮らすE.Bの話、涙を売る放浪娘の話など、どれもシュールだが、その世界観に入り込んでいく、いずれもオチというオチはなく、ゆっくりと消えていくが、余韻が残る。独特の空気が不気味で、でもどこか面白味もあって、ギリギリの境界を漂うような不思議な感覚の著者独特の世界観を垣間見ることが出来た。
0255文字
きさき
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★★☆☆☆: 短編集。どれも奇妙で、ちょっと気持ち悪い。ゾクゾクするお話でした。中でも、エレベーターに住む少年の話は面白かった。
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小夜風
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【所蔵】9話の短編集。本も薄く1話1話も短いのに物凄く濃厚で上質なお菓子を食べたような読み心地だった。小川さんの長編で大好きな作品がいくつかあるけど、短編でも満足度は変わらないの、凄いなぁ。いつまでもいつまでも読んでいたくなる。エレベーターのテスト塔、確か祖母の家の近くにあった。イービーを連れていってあげたくて涙が出た。どの話も濃厚なのに儚げで本を閉じたら霧散してしまいそうで、でも心の片隅にいつまでも残り香があるような…フッと甘い香りがするような、その中に腐敗臭も混じっているような、そんな作品たちだった。
0255文字
ささみ
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ネタバレ全体的に小川洋子ワールド 不思議で綺麗で残酷に怖くて引き込まれる <イービーの叶わぬ望み>と<パラソルチョコレート>が、好きな方かな さ迷う人々ってだけあって、幸せになれる話はなくて、読後感はあまり良くない
0255文字
林芳
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小川さんらしい作品。誰が書いたのか分からず読んだとしても小川さんでしょと言えるだろう。じゃあ何が小川さんらしいかを言葉にしようとすると、これが難しい。静謐で不穏で隠微で丁寧で。そんな単語を並べることしか出来ない。けれど、世間の片隅で生きている人たちへの諦観した視線であるものの寄り添う視線でもある描写が好きだ。
0255文字
なつみ
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★4
0255文字
遙
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不思議と恐怖、官能が入り混じったとても奇妙な短編集。 タイトルごとの表紙絵に和まされるけれど、まるで文章が生き物のように絡みついてきて、脳内を占領していくもそれはほんの短い間で、すっと耳から抜けていく感覚を味わえる。 教授宅の留守番 イービーのかなわぬ望み お探しの物件 パラソルチョコレート が好きでした。 小川洋子さんの引き出しをサラッと公開されたようでいて、まだまだほんの一部でしかない、もっと読みたいと思わせられる作品集でした。
0255文字
はや
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ネタバレ『パラソルチョコレート』が突出して好き。 古びた木造の二階家に一人暮らし。本当の職業不明。ひどい頭痛持ち。″私たち″に取って来させたサロンパスを小さく切って、こめかみに貼る事で対処していた、推定50代末のシッターさんが大好き。 ″顔にお化粧っ気はなく、髪は両耳の裏側までがすっかりあらわになるほどのショートカットで、いつも暗い洋服を着ていた。″ 考え方がサッパリしている人。自分の物語は自分のもので、相手の場合も然り。″私″がこの大人の庇護下のもと幼少期を過ごせた事、良かったんじゃないかな、羨ましく思う。
0255文字
ねこ
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あー小川洋子だー! を感じられる短編集。愛しいもの(同時に一般的には美しくはないもの)とその崩壊。もう戻れない日の憧憬、そら恐ろしくて振り向きたくはないもの。
0255文字
pirokichi
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ネタバレ9つの短篇。磯良一さんの装画と挿画の独特な画風が作者の世界観に合っている。野球少年と三塁側ファールグラウンドで逆立ちの練習をしている女性曲芸師、国立大学で用務係をしている私と同じ大学で食堂の賄い婦をしているD子さん、中華料理店のエレベーターで産まれたイービーとウェイトレスの私など、ありえない物語なのだけど、小川さんの即物的なまなざしで語られると、世界の片隅に彼らは本当ににひっそりと生きていて、更に私もあなたも彼らと同じように密やかで哀しくて愛しい存在なんだと思えてくる。村田喜代子さんの解説もすごくいい。
0255文字
m o 🍑
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どれもあり得ない話なのに,頭にスッと入ってきてとても不思議な本。全てに死や痛み…のようなものが存在しているし,狂っていたりする短編集。それぞれの人生。私の読み込みが浅くてタイトルを上手に吸収できなかったのは残念。どうしてこのタイトルなのかしら…「夜明け」というか「世界」の縁というかんじ。世界でもないかな。この世? おそらく小川洋子さんの作品は初めて読んだのだけど,想像力にとてもびっくりした。突飛なのに「そういうこともあるのかも」と思う,なんだか不思議な体験をした。
m o 🍑

後書きの「小説を動かすものは,恋愛でもなければ,人間関係でもない。奇妙な時間の連続性であるとしか言いようがない。」というの,とてもよくわかる。

06/29 02:24
0255文字
syuppon
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0255文字
raizou27
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  久しぶりの小川洋子さんの作品。野球を舞台にした作品が、生き生きと躍動感たっぷりで素晴らしい。ホークスのファンでしたっけ?
0255文字
yumimiy
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大発見!先日読んだ村上春樹氏の短編集と小川洋子氏のこの短編集、作風や奇譚度が似たレベル、まるで双子の話を同時に聞いているようだった。だが、よ~く吟味するとやはり洋子氏の方が、刹那的哀愁が深い。9話の中から「イービーのかなわぬ望み」がまさにそれ、中華料理店のエレベーターの中で出産、置き去りにされた男の子はE・Bと名付けられ店員や客から愛されたが、E・Bはエレベーターの中だけが安息の場、決して離れることはなかった。だが、老朽化したビルは解体されることに、果たしてE・Bの運命は…。「曲芸と野球」は相互尊重の精神
なな

東京奇譚集、先日読んでみましたよ(^_^)v私もハナレイベイが好きかな。ピアノが弾ける人ってかっこいい。

03/28 19:50
yumimiy

あ!失礼しました。読んでみなきゃはこの本ですね😓是非、感想聞かせてください。

03/28 23:32
4件のコメントを全て見る
0255文字
futhork
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短編小説集。作者自身が書くことの快楽を追求した趣のある、エロスに満ちた短編が9編。独特のテイストでした。
0255文字
Fondsaule
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★★★★☆ 「曲芸と野球」 「教授宅の留守番」 「イービーのかなわぬ望み」 「お探しの物件」 「涙売り」 「パラソルチョコレート」 「ラ・ヴェール嬢」 「銀山の狩猟小屋」 「再試合」 ほんわかあり、ホラーありの9編の短編集。 曲芸師と野球少年の話や賞を受賞した教授の家の話が好きだ。
0255文字
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