読書メーター KADOKAWA Group

クラシック音楽オープンカフェ

コミュニティ参加メンバー
72

  • 雨
    • 2009年
    • 小/中/高校生

    本と音楽、あと猫が大好き

  • 一郎二郎
    • 兵庫県

    【自己紹介】60代。医療従事者。

    【読書歴】中高生時代はドストエフスキーや実存主義文学を読む。この時代は自己の探求を求めず、作品の素晴らしさに、ただ感動して本を読んでいた、幸せな時代だった。

    大学では、まず、亀井勝一郎「愛と認識の出発」の"精神は1つで

    ある。"という言葉に出会う。今まで自分の思想だと思っていたものが、折に触れての意見や感想にすぎず、すなわちリアクションにすぎないので精神と呼ぶに値しないと思い至り、衝撃を覚えた。以降、1なる精神を希求するようになった。
    次にフロム「生きるということ」との出会い。自分が価値のある人間だと思っていたのが、実は商品価値(学歴、知識、論理的思考力…)にしか過ぎなかった、と悟ったとき、裸の自分は無知で馬鹿で傲慢なだけであった。しかし、このソクラテス的無知の知の経験が、周囲の人々や未知の世界に対して自分を開き、世界が一挙に広がった。それまでで最大の読書体験となった。

    この後は社会に対して新たなかかわりを求める活動をおこなうが、読書はそれを支えた。また活動から浮上した問題を、突きつけられたのも読書からだった。
    デューイ「ブラグマチズム」では、言葉を、行動の前段階(インスプリット ディスポンス)であると定義する。ならば、言葉は関わりのあり方をその不在も含めて正確に表してしまう。
    吉原吉郎「望郷と海」の中に‘言葉の主体である自己が虚しいとき、言葉が耐えきれずに状況を離脱する。‘という意味の文がある。言葉は、状況を離脱する事により、自己の虚しさを突きつけるのだ。言葉=自己であることにより、私は自己から出る最大の根拠と考えていた言葉が根拠であり得ない事を知って、途方にくれる。
    この悩みは、ベルグソン「思想と動くもの」にある直観という思想、すなわち物を直接見ることが出来るという思想により一応解消される。

    しかし、最初の就職先が、労働時間が15時間で残業代がでないといったブラック企業だった事から、この社会はあまりに悲惨で個人の思想なぞ無に等しいと絶望した。それで自己探究を基礎とした大学時代のパラダイムが吹っ飛んで、頭も空っぽになった。それは仕事を変わってからも長く続いた。
    この状態から抜け出したのは、10年たってヴェイユの本「重力と恩寵」に出会えたからだ。ヴェイユは、恩寵以外のものは全て重力に似た下に降ろす様な力が働くという。だとすると、すべての事は"重力"か"恩寵"かである。"恩寵"の事は自分には分からなくても"重力"の事は分かるのではないか、"恩寵"はかっこに入れてひとまず置いとこう、人間にかかる"重力"について追求しよう、このように考えた。これで混乱状態にあった頭が整理された。そして構造主義を中心に"重力"の本を読むようになった。
    1995年ブルデュー「ディスタンクシオン」人間は普遍的人間として生きているのではなく、ある階級に属する人間としてのみ生きているのにすぎないと知った。例えば、ある人は上昇傾向にあるプロレタリアとして生きている。
    2001年ラカン「フロイトと精神分析技法における自我」"自我は自分に嘘をつく為にある"という革命的な認識が、この時期全体のパラダイムになる。
    アルチュセールは、'主体性は権力から呼びかけられて生じる'とし、フーコーは'真理は権力によって作られてある'と言った。(真理は存在しないのではなく、権力、あるいは社会に配置された"装置"により作られたものだ、と言った。)
    そして、2004年バルト「ローマ書講解」の"人は土から作られた者で、全ては死に支配されている"、という思想がこの時期を終わらせる。思考がどん詰まりになり、これ以上先に進めなくなってしまったからだ。

     思索をゼロから始めるべく、ハイデガーを読み、2008年アンチハイデガーのレヴィナスに出会う。レヴィナス「全体性と無限」により、私の今までの思考が、"水平"="重力のかかるもの"="全体性"として総括され、それとは異なる"垂直のもの"="無限のもの"="恩寵"を目指す、という新たな道が示された。これにより、私も全体性を求めるのではなく、垂直なもの=恩寵=神を求めるようになった。

    しかし、現在はキリスト教の求道生活に行き詰まった事もあり、"恩寵"に向かう道は挫折している。アガンベンは欧米起源の概念-政治.経済.義務.意志…-の神学的起源を示すと同時に神学の権力的起源を示す。"重力"と"恩寵"というデカルト的直交座標はもはやない。"重力"と"恩寵"はそれぞれ絡み合っている。いま向かおうとしているのは、この絡み合いだ。ただし、アガンベンにとって"恩寵" は、原初のキリスト教の中に原点の様に存在し、世界を変える起爆点として指し示されるのであるが。

    ここまで書いて、神無しに自力で救済を求めるのは罪である、というのが自分の姿だと思う。明日に何がどうなるかは、もちろん見当もつかない。自分が何処に連れて行かれるのか、自分に何が起こるか解らない、これが読書の最大の醍醐味である。(2023年3月30日現在の総括)

    PS. 読書は文学、歴史、美術、科学、ルポなど、割と幅広くやっている。最近は芥川賞作家を好んで読んでいる。

    2024/06/21
    覚え書き
    新しい直交軸 ライプニッツ的なモナド=感応の世界と数理的世界
    ウィトゲンシュタインをもじって
    考えうるものは、考えなければならない。
    考え得ないものは、感応しなければならない。

    覚え書き2
    男は普遍を目指すが、女は個を目指す。
    ノヴァーリス
    これって座標軸か
    女はモナドか

    2024/07/20
    座標軸に虚軸を加えるというのはどうか

    【読メレビューについて】基本的に"感想"はあまり書かずに、テキストをまとめる事に重点をおいている。"感想"の多くはリアクション、すなわち文に触れての自分の心理的反作用の如き物で精神とは別物だと考えるからだ。特に本を理解するかわりに"批判"で終わる事を避け、その本の可能性の中心を掴む事を目指す。耽美的な事項のレビューは避ける。

    【私の読書技法】○論理的な本を読む場合には、まず線を引きながら読みます。次に線を引かなかった所を飛ばして読みますが、線の横に線を引きながら読みます。以降これを納得がいくまで繰り返します。(この時、鉛筆やラインマーカー、サインペンを使います。)大概の本は5回も読めば理解できるので、難解と言われる本もこの方法により比較的短時間で理解できます。この方法の利点の1つは、何十年後でも本が残っている限り、短時間で読み返せる事です。理想は読んだ全ての本がまとめられ、関係付けられる事です。
    ○小説を読む時は、引っ掛かりがあった会話やイベント部分に線を引きながら読みます。読み終わってから、線を引いた所を読み返して、そこに何か意味があるかどうか、全体との関連があるかどうかを考えます。これで、表のストーリーではない、深層のストーリーが明らかになる事が多々あります。
    ○上記以外にも、本屋に行って、拾い読みをしたりします。この読み方だと1時間で10冊以上読めます。本はネットで買う事も多いですが、本屋は自分の基地だと思って大切にしています。
    ○分厚い本を読む時、持ち運びの利便のため、本を分割する事をよくします。見開きを開いて、垂直にカッターで切断します。そして、切断面に水溶性ボンドを厚く塗っておくだけです。切断すると、見栄えが悪くなるのと、整理がしにくくなるので、主に箱入りの本の場合におこないます。

    【好きな思想家】❤️アガンベン(ホモ サケル)、アルチュセール(資本論を読む)、❤️ヴェイユ(重量と恩寵)、❤️ウォーラスティン(世界システム論)、ヴィトゲンシュタイン(哲学探究)、カネッティ(群集と権力)、❤️キルケゴール(哲学的断片の完結的、非学問的後書き)、グラムシ(獄中ノート)、サルトル(存在と無)、❤️ドゥルーズ(千のプラトー)、❤️ニーチェ(権力への意志)、ハイデガー(存在と時間)、K.バルト(ロマ書講解)、ハーバーマス(イデオロギーとしての科学と技術)、❤️ブルデュー(ディスタンクション)、ブルトマン(新約聖書神学)、フロム(生きるという事)、フッサール(内的時間感覚の現象学)、ベンヤミン(歴史哲学ノート)、ベルグソン(時間と自由)、❤️ボンヘッファー(キリストに従う)、❤️マルクス(資本論)、マルクーゼ(1次元的人間)、❤️モルトマン(組織神学叢書)、ヤスパース(実存開明)、❤️ラカン(フロイトと精神分析技法における自我)、❤️レヴィナス(全体性と無限)
    【好きな作家 日本】❤️大江健三郎、夏目漱石、太宰治、❤️椎名麟三、❤️石川淳、遠藤周作、石牟礼道子、今村夏子、灰谷健二郎
    【好きな作家 海外】❤️ドストエフスキー、❤️サリンジャー、❤️カフカ、カミュ、❤️リルケ、ボルヘス、ウルフ、ホフマンスタール、ヘッセ、マン、ジッド、ロレンス、ジョイス

  • にらばやし(呼)ねぎ

      高倉 健のことば: 人は誰でも幸せになるために、必死に悶えているんじゃないですか。 心を閉ざし、悩みながらも幸せになろうとする。 それは決してきれいごとではない修羅場です。 そういう生き方をしていても確実に幸せにむかっている。 そう信じたいのです。

      読ま

      ない本:ミステリー、ほのぼの小説、青春小説、恋愛小説、歴史小説、音楽小説、ご朱印系、茂木健一郎、その他なんかベタベタした本

      読む本:文体が好みに合うもの、自伝、ノンフィクション、悩み相談、音楽家が書く随筆、スポーツ選手が書く実用書、異文化や宗教などをわかりやすく書いたもの、ラクレ新書、脚本そのものと脚本まわり、裏ワザ的なもの、経済の本、その人の考え方や工夫が知れるもの、他膨大な検証を惜しまず現実を考察したもの

      肩書き:できることをやる委員会 初代会長(会員募集中)

    • you
      • B型
      • 事務系
      • 山口県

      読メの感想は自分勝手な記録の部分もあります。
      建築家に成りたかったが、能力も勇気もなく、いろんな決断の結果、結局単なる事務員。エネルギー・能力を効果的に使えず無駄に消耗。大敗は 免れたものの、見せ場も作れないまま 9回裏の2アウトランナーなし、完封負け目前

      の人生。ノンフィクション、ルポルタージュ、紀行文、戦争もの等困難な境遇で生きていくための指針を探しながら、叶わぬエロ系を時々挟みながら悶々としつつ人生の着地点を模索中。何物も成し遂げていない、そしてろくにsexもできなかった、ふがいない人生を送ってきたことの意味を整理中。
      よく読む好きな作家
      ノンフィクション、リアル系小説
      吉村昭、沢木耕太郎、松本清張、増田俊也、原田マハ、黒木亮
      家族、男女関係、官能、sex系小説
      窪美澄、山崎ナオコーラ、江國香織、乙川優三郎
      歴史、紀行文系
      井上靖、堀江俊幸、佐藤優、開高健、須賀敦子、宮城谷昌光、飯嶋和一
      流麗な文体系小説
      小川洋子、夏目漱石

    • ハナハナ

        ルネッサンスバロック時代の絵画、音楽とりわけ古楽器がお気に入りです。
        一番好きな作家は須賀敦子さん。歳と共に読み返したくなる作家の一人です。読んだ本は数年前に遡って登録しています。

      • ほんままこと

          読むこと、書くこと、猫を養うこと、クラッシック音楽、映画、料理が好き。読書メーターは2021年から開始。

        • かきぴー
          • 真竹
            • 事務系

            読みたいものを節操無くマイペースに読んでいます。お気に入りの登録・解除等はご自由にどうぞ。
            読書以外の趣味はバイオリン(レイトスターター)。アイコンは愛器。

          • ∀ラスカル
            • Meg
              • 1999年
              • 大学生
            • なつお
              • A型

              時を経ても色あせない美しさと輝きを持つ文章、心の奥に温かさが灯るような物語、生きていく活力をくれるようなお話に惹かれます。

              好きな作家

              遠藤周作
              三浦綾子
              幸田文
              山本周五郎
              藤沢周平
              司馬遼太郎
              浅田次郎
              宇江佐真理
              高田郁
              松井今朝子

              今年は読む

              冊数やお気に入りの作家を増やしていきたいと思っています。

              ( 2021.3. 5 )

            • みつ
              • 1959年
              • 三重県

              こんにちは。「読書メーター」で皆さんと交流できることを楽しみにしています。
               半世紀余り、手当たり次第に本を読んできました。愛読してきたのは、

              ・「モームの世界の10大小説」とその周辺
              ・いわゆる黄金時代の本格推理小説
              ・トーマス・マン
              ・ヘッセ
              ・プル

              ースト
              ・チェーホフ
              ・O・ヘンリ
              ・ジャック・フィニイ
              ・マッカラーズ
              ・ジェイン・オースティン
              ・紫式部(数種の現代語訳「源氏物語」)
              ・夏目漱石
              ・寺田寅彦
              ・内田百閒
              ・中里介山(「大菩薩峠」)
              ・永井荷風
              ・谷崎潤一郎
              ・江戸川乱歩
              ・石川淳
              ・尾崎翠
              ・福永武彦
              ・北村薫始め「日常の謎」を扱ったミステリ
              ・恩田陸
              ・丸谷才一(いわゆる雑文を中心に)
              ・吉田秀和
              ・大島弓子(漫画家)
              ・新幹線網が張り巡らされる前の時刻表(宮脇俊三氏が健筆を振るった頃)
              ・和漢朗詠集
              ・新古今和歌集
              ・「折々のうた」他の詞華集
              ・歳時記

               感想文は遠い昔の学生時代から大の苦手で、これまで記録も投稿も断続的かつ一部に留まっていましたが、皆さんに触発され、以前読んだ作品も含め少しずつでも投稿していければと思っています。(追記。2020年10月頃、遅まきながら読書メーターに参加できる歓びを本格的に知ることとなり、読書のペースが上がるとともにほぼ全ての本に投稿するようになりました。)

               読書の他には、クラシック音楽(地味めのものを中心に)鑑賞と、筆記具(インク含む)集めが主な趣味です。

               これからに向けて「積読本」「読みたい本(再読したい本・・これがまた多い・・を含む。)」を徐々に整理していたら、まだまだ増えていくことに気付きました。残りの人生でどこまで読むことができるのか、時々不安になります。
               これからもお付き合いの程、よろしくお願いいたします。

                (2020年11月28日に一部追加修正しました。)
                (2021年1月18日から19日にかけ、書き漏らしていた愛読する作者、近況を追加をしました。)
                (2021年3月7日に、愛読本としてマッカラーズを追加しました。)
                (2023年8月27日に、愛読本としてオースティンを追加しました。)

            • miffy.x.
              • AB型
              • 事務系
              • 東京都

              人文学系・翻訳物近代文学小説・クラシック音楽関連など

            • 田舎暮らしの渡り鳥

                一生、本の温泉に浸かっていたいがいかんせん。

                https://note.com/simabukurokai/ スローライフは今日もてんわやんわ」

              • oven_toaster

                  生きていた証しを残したい。

                • 栗かぼちゃ

                  最近また小説を読み始めました。いろんな作品を読めたらいいなぁと思っています。よろしくお願いします😌🍀

                • 1959のコールマン
                  • 1963年
                  • B型
                  • 事務系
                  • 神奈川県

                  音楽本を中心に紹介していくつもりです。音楽ジャンルは広範囲。他は興味のわいた本を。

                  ☆の点数は5点満点。評価ではなく、個人的満足度です。
                  私は基本的には何でも面白がるタイプなので点数は甘いです。
                  砂糖蜂蜜山盛ぶっかけです。
                  ☆5・・・・大満足!
                  ☆4.・

                  ・・・満足
                  ☆3.5・・・まあ満足
                  ☆3・・・普通
                  たまに☆2って事がありますが、それは失望した場合です。
                  今のとこありませんが、☆1の時は失望を通り越して怒りの場合です。
                  今後も無いことを祈ります。怒るエネルギーがもったいないので・・・

                  ・・・と言いつつ、☆0なんて出ちゃいました。あはは・・・。
                  これ以降無いことを祈ります。

                  理解不能、評価不能の場合は「保留」にして再読します。いつになるか分かりませんが・・・。

                • みっちゃん
                • ふじさん
                  • 北海道

                  趣味は、読書、クラシック音楽鑑賞、サッカー観戦、落語鑑賞です。
                  好きな作家は、
                  藤沢周平、宮城谷正光、宇江佐真理
                  沢木耕太郎、池井戸潤、山際淳司
                  乙川優三郎、横山秀夫、葉室麟、東野圭吾
                  原田マハ、中山七里、柚月裕子です。
                  若い頃から好きで読んだ作家は、

                  本清張、山本周五郎、藤沢周平
                  城山三郎、吉村昭、沢木耕太郎
                  山際淳司、宮城谷昌光です。
                  図書館で本を借りるようになって、
                  読む作家の幅が広がりました。古本屋の存在も大きいです。

                • マイケル

                    本は買って読む主義で、ノンフィクションを中心に東野圭吾など小説も読みます。数冊併読していますが、本屋で気になる本を見つけると直ぐに買ってしまうため、どんどん積読本が増えていきます。変な本ばかり読んでいると言われてきましたが、このサイトで同じようなマイナーな

                    本を読んでいる人がいることが分かりうれしくなりました。
                    そして、「ナイス」ありがとうございます。個別にお礼できませんので、この場を借りてお礼致します。本サイトに登録された本に興味を持ち、ますます積読本が増えそうで心配です。

                  全72件中 1 - 20 件を表示
                  読書メーターの
                  読書管理アプリ
                  日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
                  新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
                  App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう