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シキモリ
さんの感想・レビュー

シキモリ
新着
<ニューヨーク三部作>の最後を飾る作品。前二作同様、探偵小説のフォーマットを用いているが、ミステリー要素が最も強いのは今作であろう。読み手を牽引するストーリーテリングの妙技も冴え渡っている。ミイラ取りがミイラになるという物語だが、憧憬と憎悪の境界線、過剰な同一化に伴うリスク等を通じて、個々人のアイデンティティを司る要素が如何に脆弱であるかを改めて思い知らされる。最終的に妻子の存在が彼をこちら側に留まらせたのだが、それは他者を介した己の実存性を題材としてきた三作品におけるひとつの着地点でもあったのだろうか。
0255文字
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シキモリ
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2017/11/24(2683日経過)
記録初日
2016/09/16(3117日経過)
読んだ本
638冊(1日平均0.20冊)
読んだページ
257598ページ(1日平均82ページ)
感想・レビュー
638件(投稿率100.0%)
本棚
8棚
性別
血液型
A型
職業
営業・企画系
現住所
東京都
外部サイト
自己紹介

かなり周回遅れで活字の面白さに目覚めました。

毎日PCと顔を突き合わせる仕事柄、電子書籍は敬遠気味。
嵩張るし場所も取るけれど、やはり紙の本が好きです。

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