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サウスムーン
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サウスムーン
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やり場のない悲哀を抱きつつ、自分の人生を続けていく。そのひたむきさが涙を誘う。震災は、津波は、放射能は、人々から何をどう奪ったのか。月日の流れの中で悲しみはどう姿を変えるのか。想像を超えたところにある苦悩。人の数だけある苦悩。様々な人々の気持ちの移ろいを教えてくれた。行方不明のまま死亡届を出す葛藤。魂でもいいから会いたいという祈り。未来も過去も根こそぎ奪われる絶望。姿形だけでなく最後の胸の内までも失う喪失。それらのやるせなさの中にも、それぞれの踏ん張りや踏ん切りが感じられて、新たな一歩を想像させてくれた。
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▸「しおりを本に挟むというのはそういうことなのだ。一番小さな未来を信じた証が、薄いひとひらのしおりなのだ」(しおり) ⁡ ▸「前だけ向いて走るのって無理なんだ、って…ときどき後ろを振り向きながらじゃないと、もたない」(記念日) ⁡ ▸「悲しみはある。ないといえば嘘になる。けれど、悔しさや無念や恨みだけは抱くまい、と自分に言い聞かせる。ひとはそのために、運命のせいにするという知恵を授かったのかもしれない。」(また次の春へ)

04/13 16:12
  • リリー・ラッシュ
  • ネギっ子gen
  • zero1
  • 竹園和明
0255文字
全1件中 1-1 件を表示

サウスムーン
さんの最近の感想・レビュー

家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった

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岸田 奈美
本当に文字通り、笑えて泣けた。絶望は何年も続いたし、毎日がただ悲しかった。でも…続きを読む
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/09/24(4569日経過)
記録初日
2012/02/28(4778日経過)
読んだ本
1867冊(1日平均0.39冊)
読んだページ
249660ページ(1日平均52ページ)
感想・レビュー
1782件(投稿率95.4%)
本棚
14棚
性別
血液型
A型
職業
専門職
URL/ブログ
https://www.instagram.com/tomotomo0131/
自己紹介

小中学生と本をつなぐ仕事に携わっています。
Instagramでも読書記録をつけています。
『水を縫う』『犬がいた季節』『おいしいごはんが食べられますように』のレビューを使っていただいたことがあります。
元中学校教員です。

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