読書メーター KADOKAWA Group

bb
さんの感想・レビュー

bb
新着
再読、やはり良かった。コメディタッチの群像劇で始まった物語が予想外の大団円をむかえる最終巻、線と構成のすばらしさをそれぞれ再認識。構成に関してはとにかく話がうまくて、このラストに至る話の流れはどの時点からの構想・計算なのか不思議に思う。物語世界の結末と作品表現上の主役は違っているようで、「彼」が渡そうと思ったアレはどの時点で渡すのを断念したのか、何のためにあそこに戻ったのか、など心情を想像してしまう(語りたい気持ちがわかる)。再読のたびに発見があり、今度は名前の記号性(A子)の描写に注目して読み直したい。
bb

線とベタ塗りだけ(トーンなし)で描き切ったビジュアル面も巧い。タッチはサラッとしてるんだけど、例えば人物は「かぐや姫の物語」みたいな余白のある感じ、食べ物(ロールキャベツとか)や建物・街並み(スカイツリーや谷中銀座)は正確な描写で描き分けられているのに、画面内でそれぞれが調和している。人物については(エロではない)官能性?というのも効果的に表現されていた気がする(作画的にも物語的にも)。たぶん線の強弱とかも意識的に表現されているはずで、それについてもまた読み直したい。

10/04 07:41
  • おとむらい
  • Nishiumi
bb

ふだんTVドラマを観ない自分にもドラマ化に向いてるというのはわかる。東京のシーンでは阿佐ヶ谷・谷根千などのロケを想像するのも楽しいしね。ただ数少ないネックがNYロケとアメリカ人A君役のキャスティングで、お金かかりそうだし現実的に誰に演じてもらうか想像がつかない(ハリウッドスターは無理だし国内キャストと違って彼だけ無名の人にするのも不自然)。まさかNYを大阪、A君も日本人俳優に、みたいな超大幅改変がされたら価値が大きく損なわれるだろうな。そこが悩ましい。

10/04 07:46
  • おとむらい
  • Nishiumi
bb

ここまで書いていてもまだ作品の作画や構成・演出や物語の一部について周辺をなぞっているだけのような感じで、この作品の根幹部分に言及できていない気がする。終盤で出てくる「海」の例えが味わい深く、自分はこの例でいうとどんなかな~と考えて結論は出していない。

10/04 07:56
  • おとむらい
ロンド

私も、この作品の構想・計算の見事さに感服しました。 「彼」がアレを渡すのを断念したのは、①3通目のメッセージを見つけ裏面を読んで、彼女と今一緒にいるべきなのはもう1人の彼だと確かめたから。②彼女も、もう1人の彼と一緒に生きていく方法を考えたい、と答えを出したからだと思います。そして、①を確かめるために、3通目のメッセージを探しに彼女の部屋に行ったのだと思います。

03/07 14:11
  • bb
0255文字
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bb
さんの最近の感想・レビュー

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読書データ

プロフィール

登録日
2010/12/05(5227日経過)
記録初日
2010/12/01(5231日経過)
読んだ本
1302冊(1日平均0.25冊)
読んだページ
373356ページ(1日平均71ページ)
感想・レビュー
357件(投稿率27.4%)
本棚
40棚
外部サイト
自己紹介

読書リハビリ中/昔の本も思い出しながら登録しています/「読了」の定義はジャンルによってケースバイケースで判断しています

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