版画ではなく、板画。天才板画家棟方志功が世界に羽ばたくまでの助走の日々を奥さんの目線で綴った芸術と夫婦愛の物語。もじゃもじゃ頭に分厚い眼鏡、素直で豊かな感情表現とユーモラスなリアクション。看護師を目指すチヤの前に現れた小熊のような青年スコさ(志功さん)は、ゴッホに憧れる芸術家の卵だった。青森の貧しい鍛冶屋の三男坊として生まれ、上京して創作活動に励むもなかなか芽が出ない。結婚後も青森の実家暮らしで別居状態が続いていたチヤはしびれを切らし、まだ赤子の長女を連れて、友人夫妻の家に間借りする夫の元へと押しかける。
恥ずかしながら棟方志功が青森出身であることも、ゴッホのひまわりに憧れて画家を目指したことも、幼少時から目が悪く大人になって更に悪化したことも、西洋への憧れから子どもたちに自分をパパと呼ばせていたことも知らなかった。駆け出しの頃から戦争を何とか乗り切るまで、世界のムナカタとなる前のスコさの真摯なのに可笑しみのある姿がメインで、原田マハさんの他の作品と比べるとフィクションとの融合部分が少なめのシンプルな構成となっている。装丁は代表作の二菩薩釈迦十大弟子、題字と著者名も作品から抜粋した本物のスコさの文字らしい。
タイプ:どく分類:ものぐさほんよみ生息地:カナガワちほう主な出現場所:としょかん・ふるほんや特技:ひるね弱点:あつさ・さむさ・くうふく・ねむけ持病:かたこり・つかれめ
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版画ではなく、板画。天才板画家棟方志功が世界に羽ばたくまでの助走の日々を奥さんの目線で綴った芸術と夫婦愛の物語。もじゃもじゃ頭に分厚い眼鏡、素直で豊かな感情表現とユーモラスなリアクション。看護師を目指すチヤの前に現れた小熊のような青年スコさ(志功さん)は、ゴッホに憧れる芸術家の卵だった。青森の貧しい鍛冶屋の三男坊として生まれ、上京して創作活動に励むもなかなか芽が出ない。結婚後も青森の実家暮らしで別居状態が続いていたチヤはしびれを切らし、まだ赤子の長女を連れて、友人夫妻の家に間借りする夫の元へと押しかける。
恥ずかしながら棟方志功が青森出身であることも、ゴッホのひまわりに憧れて画家を目指したことも、幼少時から目が悪く大人になって更に悪化したことも、西洋への憧れから子どもたちに自分をパパと呼ばせていたことも知らなかった。駆け出しの頃から戦争を何とか乗り切るまで、世界のムナカタとなる前のスコさの真摯なのに可笑しみのある姿がメインで、原田マハさんの他の作品と比べるとフィクションとの融合部分が少なめのシンプルな構成となっている。装丁は代表作の二菩薩釈迦十大弟子、題字と著者名も作品から抜粋した本物のスコさの文字らしい。