蝶の名や通りの町はどこか異国感の漂うカタカナのものでまた現実味がない(「アルタッドに捧ぐ」と同じセンス)。しかし一転、蝶が観光資源となる経緯や町の歴史、鳥打ちたちの日々の行動、果てはある割烹のレシピまで執拗なまでのディティールが設定されていることで、まるでどこか時代や距離の遠く離れたところに、こんな町があるのではないかと錯覚させられる。後半にかけて天野の物語は急展開し、まるで喜劇のようなエンディングは何を意図したんだろうか。気負いしすぎず、筆者らしい中編小説となっていると思う。
結論:アルタッド萌え的な盛り上がりはないけど、金子ワールドは全開でした。
SF:ミステリー:ファンタジー = 5:4:3読みたい本を積んでおくのが幸せな本末転倒読書生活。好きな作家:森博嗣、円城塔、神林長平、飛浩隆、舞城王太郎、古野まほろ、福永武彦、グレッグ・イーガン
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蝶の名や通りの町はどこか異国感の漂うカタカナのものでまた現実味がない(「アルタッドに捧ぐ」と同じセンス)。しかし一転、蝶が観光資源となる経緯や町の歴史、鳥打ちたちの日々の行動、果てはある割烹のレシピまで執拗なまでのディティールが設定されていることで、まるでどこか時代や距離の遠く離れたところに、こんな町があるのではないかと錯覚させられる。後半にかけて天野の物語は急展開し、まるで喜劇のようなエンディングは何を意図したんだろうか。気負いしすぎず、筆者らしい中編小説となっていると思う。
結論:アルタッド萌え的な盛り上がりはないけど、金子ワールドは全開でした。