戦前に金持ちのおっさんが買い集めまくった名画、恥ずかしながらその程度の認識しかなかった松方コレクション。その多くが売却されたり焼失したり行方不明になって無事に残った一部がフランスの管理を経て現在は国立西洋美術館に飾られているそうな。では絵画たちはどんな状況下で戦火を免れたのか、そこに原田マハさんは想像を巡らせる。主要登場人物のうち、実業家松方幸次郎は実在の人物で本名だけど、彼のアドバイザーで後に仏政府との返還交渉に臨む田代雄一は美術史家の矢代幸雄氏がモデルで、絵画の命運を託された日置釭三郎は架空の人物だ。
バブルの時代に名画を買い漁る日本企業がそりゃディスられたものだけど、松方幸次郎くらいド直球に「金ならある!芸術とか絵の意味とかよく分からんけど日本に立派な美術館を造るぞ!」とぶちかましてくれると一周回って清々しい(『いだてん』の治五郎先生で脳内再生されてた)。そんな面白可愛いおっさん松方氏と一緒に買い付けに同行し、やがて現存する作品群を日本に取り戻そうと奮闘する田代も、コレクションの管理を委ねられ異国の地で孤独と苦境に耐え抜いた日置も、絵画(タブロー)の魅力に取り憑かれ人生を捧げた愛すべき愚かものたちだ。
タイプ:どく分類:ものぐさほんよみ生息地:カナガワちほう主な出現場所:としょかん・ふるほんや特技:ひるね弱点:あつさ・さむさ・くうふく・ねむけ持病:かたこり・つかれめ
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます
戦前に金持ちのおっさんが買い集めまくった名画、恥ずかしながらその程度の認識しかなかった松方コレクション。その多くが売却されたり焼失したり行方不明になって無事に残った一部がフランスの管理を経て現在は国立西洋美術館に飾られているそうな。では絵画たちはどんな状況下で戦火を免れたのか、そこに原田マハさんは想像を巡らせる。主要登場人物のうち、実業家松方幸次郎は実在の人物で本名だけど、彼のアドバイザーで後に仏政府との返還交渉に臨む田代雄一は美術史家の矢代幸雄氏がモデルで、絵画の命運を託された日置釭三郎は架空の人物だ。
バブルの時代に名画を買い漁る日本企業がそりゃディスられたものだけど、松方幸次郎くらいド直球に「金ならある!芸術とか絵の意味とかよく分からんけど日本に立派な美術館を造るぞ!」とぶちかましてくれると一周回って清々しい(『いだてん』の治五郎先生で脳内再生されてた)。そんな面白可愛いおっさん松方氏と一緒に買い付けに同行し、やがて現存する作品群を日本に取り戻そうと奮闘する田代も、コレクションの管理を委ねられ異国の地で孤独と苦境に耐え抜いた日置も、絵画(タブロー)の魅力に取り憑かれ人生を捧げた愛すべき愚かものたちだ。