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2023年8月の読書メーターまとめ

新田新一
読んだ本
51
読んだページ
8123ページ
感想・レビュー
51
ナイス
835ナイス

2023年8月に読んだ本
51

2023年8月のお気に入り登録
4

  • ムッネニーク
  • キムトモ
  • ykmmr (^_^)
  • yomineko

2023年8月のお気に入られ登録
4

  • 壱萬参仟縁
  • キムトモ
  • ykmmr (^_^)
  • yomineko

2023年8月にナイスが最も多かった感想・レビュー

新田新一
主人公は母が亡くなった後、自分の父親のことを調べ始めます。父親はミステリー作家でした。女好きで、性格も良くない人物。主人公は父が残した最後の小説のことを知り、その行方を追います。その過程で父の本当の気持ちを知ることになりました。父の小説はどこにあるのかという謎が面白かったです。その謎を解くことによって、親と子の間にある絆が浮かび上がり、心を打たれます。すべての謎が解明されると、作者の紙の本に対する深い愛情が伝わってきて、嬉しくなりました。
が「ナイス!」と言っています。

2023年8月にナイスが最も多かったつぶやき

新田新一

先月はナイスやコメントを有難うございました。今月もよろしくお願いいします。暑い日が続いています。どうかご自愛ください。画像はパリに行った時に食べたデザートです。2023年7月の読書メーター 読んだ本の数:60冊 読んだページ数:7633ページ ナイス数:453ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1010824/summary/monthly/2023/7

先月はナイスやコメントを有難うございました。今月もよろしくお願いいします。暑い日が続いています。どうかご自愛ください。画像はパリに行った時に食べたデザートです。2023年7月の読書メーター 読んだ本の数:60冊 読んだページ数:7633ページ ナイス数:453ナイス  ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1010824/summary/monthly/2023/7
いこ
2023/08/01 20:38

新田新一さん、先月はお友達に加えていただきありがとうございました<(_ _)> それから、いつもナイスやコメントありがとうございます!沢山読まれましたね~。すごい!!これから参考にさせていただきますね。今月もどうぞよろしくお願いいたします。

新田新一
2023/08/01 20:44

いこさん、こちらの方こそ有難うございます。先月のコメントやナイスも有難うございました。嬉しかったです。薄い本で、冊数を稼いでいました。教えてくださった『本屋の新井』は本当に良かったです。いつか地元の読書会で紹介しようと思っています。今月もよろしくお願い致します。

が「ナイス!」と言っています。

2023年8月の感想・レビュー一覧
51

新田新一
第一次世界大戦後の英国を舞台にした小説。キティはいとこのジェニーと共に、戦争に行った夫の帰りを待っています。戦場から帰ってきた夫は爆撃のショックにより記憶を失い、キティのことを覚えていません。夫は昔の恋人に救いを求めようとします。それで記憶を取り戻せるなら、と思いキティは夫に協力するのですが……。戦場の悲惨さを全く描かずに、戦争の残酷さを描いた傑作。かっての戦争では戦場に行った男性のみのが心と体を傷つけられると思いがちですが、女性も精神を損なうことが分かりました。救いのない結末が強烈な印象を残します。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
世界史は高校の時に力を入れて勉強したはずなのに、ほとんど忘れており、本書に出てくるケマル・アタテュルクのことも覚えていません。ケマル・アタテュルクは混沌とした中東で近代トルコの基礎を作り上げた人物です。トルコの近代の歴史は複雑で、読んでいると頭がこんがらがってきます。イギリスやフランスなどの列強、イスラム教の強い影響などを脱して祖国の土台を作り上げたケマルの功績には、心を打たれます。最大の功績と思えるのは、イスラム教を政治の場から排除して、政治と宗教を分離したことです。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
夫の転勤によりスウェーデンで暮らすことになった夫婦を描いた漫画です。1巻では主にスウェーデン暮らしの良さが紹介されていますが、この巻では難しさも描かれています。例えば、冬は日が射さない時間が多いので気が滅入りやすく、うつ病になる人もいるそうです。スウェーデンの人たちはキャンドルを灯したり、ローズヒップスープを飲んだりして、そんな厳しい環境を乗り越えます。最後に出てくるお菓子のサムラがおいしそう。クリームがたっぷり入ったマリトッツォに似たお菓子。これを冬の終わりに食べるそうです。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
詩や短歌、童謡など様々な分野で、歴史に残る作品を残した北原白秋晩年の歌集。作者は目の病気にかかっており、視力が衰えていく悲しみを表現した歌が、多く収録されています。そんな歌は読んでいると、胸が詰まりました。「春ふかき牡丹にぞ思ふかがなべて眼を病みしより幾とせ経たる」戦争中の戦意高揚の歌も多く収録されており、それらを読むと複雑な心境になります。北原白秋は死の直前まで歌を詠み続けたそうで、その気迫に圧倒されました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
大阪にあった焼き肉屋「焼肉ドラゴン」を舞台にした小説。登場人物たちの多くは、韓国から日本に来た人たちで、日本の社会に溶け込むことに苦労しています。「焼肉ドラゴン」で暮らしている人たちは、複雑な家族構成。子供を連れた男女が結婚して家族が作られました。万国博覧会に沸く当時の日本から取り残された人々の哀感が伝わってくる切ない小説です。命の儚さが、主人公の死を通して描かれて、結末では胸が詰まりました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
うさぎの小学校を描いた可愛い絵本。解説によるとドイツの古典的な絵本だそうです。古風で端正で、生き生きとした絵が素晴らしいです。うさぎたちの歓声や笑い声が聞こえてきそうです。狐に気をつけましょう、といった実生活でも役に立つことを学校で教えてくれます。うさぎたちは、勉強のために石盤と石筆を学校に持っていきます。これは昔の日本の学校の筆記用具でもあったそうです。このような歴史の一面を知ることもできる良い絵本でした。
yomineko
2023/08/29 09:15

私も飼育当番でした🐇🐇🐇可愛くて仕方ありませんでした😊小さい頃飼ってもいましたよ🐇🐇🐇

新田新一
2023/08/29 11:45

そうでしたか。飼われていたとは羨ましいです。うさぎの優しくて、穏やかな目が好きです。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
3000万円を払わなければ、ゲレンデを爆破するという予告がスキー場に届きます。利用客の人命を守るためにスキー場は要求を呑むことに。犯人の要求は次第にエスカレートしていきます。それでも警察には届けずに、自分たちで事件を解決ようとするのですが……。非常に面白くてワクワクしながら読みました。本格ミステリーではありませんが、結末の意外性は十分。最後まで読むと巧みに伏線が張られていたことが分かりました。登場人物たちも生き生きと書かれ、特に母を悲惨な事故で亡くした少年の描き方は巧いです。爽やかな読後感が嬉しい一冊。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
ニホンザルの子供の暮らしが描かれた絵本です。ニホンザルの赤ちゃんが生き生きと描かれた絵が魅力的で、眺めていると微笑ましい気持ちになります。毛の一本一本まで丁寧に描かれた挿絵が素晴らしいです。。サルは子供の時から社交的で、群れになって遊ぶことが分かります。最後のページに描かれていることに、じーんとしました。大人になっても、母猿との絆は続きます。このページの絵では、母猿の頭の上にちょこんと載っている、赤ちゃん猿が可愛かったです。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
この岩波書店の岩波ブックレットのシリーズは良い内容のものが多く、時々図書館で借りて読んでいます。自分が知らなかった社会や歴史の問題が簡潔にまとめられており、勉強になります。本書は、日本の辺境で生き続けている人たちの姿を撮り続けている民俗文化映像研究所の活動の紹介です。利益を出すことよりも貴重な暮らしの記録を取り続ける姿勢に、頭が下がる思いです。ありふれた芸能だと思っていた猿回しの伝統が一旦途切れて、関係者の努力で復活をしたことを、本書を読んで初めて知りました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
作者のことは知りませんでした。本に書いてある紹介によると宮沢賢治の友人だったそうです。3編の童話が収録されています。冒頭の序で、通俗的な童話は書きたくないと述べられている通り、作者の志の高さを感じる物語ばかりでした。表題作の「リルラの手袋」が好みです。少年はお姉さんからもらった手袋を失くしてしまいます。それは心のこもったお姉さんからの贈り物でした。少年と友達の友情が心に響きます。リルラは目に見える贈り物だけではなく、目に見えない、大切な贈り物も、この世にあることを知りました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
戦国時代に天皇が何をしていたかを書いた本です。お金がなくて葬式をするのさえ難しい状態で、それでも政務を続けました。戦乱が続いて、当時の室町幕府からの援助が途絶えがちでした。ただ、完全に途絶えたのではなく、中断を挟みながら細々と続けられていました。皇室に対する敬意は当時の武将たちも持っていたようです。歴代の天皇は昔から伝わる伝統の行事を続けようと奮闘。その意味で当時の天皇は、日本の古来からの文化を守ろうとした人々だったと言えます。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
シルバー川柳のシリーズは、本当に面白いです。地元の図書館に置いてあるので、ときどき借ります。図書館で読むと大笑いして、周りの人からにらまれることもあるので注意が必要です。本書で面白かった川柳を紹介します。「愛してるそれが今では息してる?」可笑しいですが、実感がこもっています。「夫婦喧嘩よくもこんなにネタがあり」喧嘩するほど仲が良いということかも。「かけたまま眼鏡がないと探す我」これに近いことが私にもあります(苦笑)「遺言は幸せだったと書くつもり」これはじーんとする句です。こんな句を探すのも楽しいです。
yomineko
2023/08/27 06:31

おはようございます😊このシリーズ、面白いですよね!悲哀があります!!!愛もあります!!!読みたい本に登録させて頂きました📚

新田新一
2023/08/27 07:08

yominekoさん、おはようございます。本当にこのシリーズは面白いですね。気が滅入っていても、これを読めば、ぱっと気分が明るくなります。悲哀や愛がある言うのは言い得て妙です。そんな句を読むと感動します。読みたい本へのご登録有難うございました。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
廃校になる高校を舞台にした連作。題には、高校は卒業するけれど、少女の心は持ち続けるという意味があるのかもしれません。瑞々しい筆致で書かれた素晴らしい小説です。恋や別れに揺れる少女たちの心が、鮮やかに描かれています。卒業式の前後を中心に語られているのが絶妙の構成で、どの物語にも切なさが漂います。私が一番好きなのは、一番目の「エンドロールが始まる」。先生に告白する少女の胸の内が描かれています。彼女の想いは届きません。でも先生はその想いをきちんと受け止めてくれます。先生の優しさは、彼女へのはなむけです。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
SFの古典として有名な一冊。主人公の不死人ヘドロックが、イシャー帝国から追われる身となり、宇宙へ飛び出します。よく考えるとつじつまが合わないところがあるのですが、主人公の身に次々と危険が起こり、ハラハラドキドキしながら読了。武器店という組織のしくみがユニークです。圧政と闘うために武器を作り続ける所です。銃の規制をしようとすると反対が起きるアメリカの社会の現実を反映しています。こう書くと武骨な話のようですが、結末近くでは時空を超えた恋愛が語られ、ロマンス小説としても面白かったです。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
ちょびは、町はずれのおばあさんの家にもらわれてきた子猫です。おばあさんはねずみ退治をして欲しかったのですが、ちょびは遊んでばかり。ある日おばあさんは天井にちょびを上げて、ネズミ捕りを命じます……。色鉛筆で描かれた絵に温かみがあります。ちょびが本当に可愛く描かれていて、猫好きな私は嬉しくなりました。昔飼っていた猫の子供の頃を思い出します。ちょびに打ち負かされたねずみたちが、家を去っていく場面はユーモアがあります。子供も大人も楽しめる絵本の佳作。
新田新一
2023/08/25 15:45

yominekoさん、知人が飼っている猫が若い時は元気でドタバタ暴れていて、何でも食べようとするのでびっくりしました。今は落ち着いた良い大人の猫になって、私にも懐いてくれます。yominekoさんの家の猫たちの健康を祈っています。

新田新一
2023/08/25 15:46

ミサさん、コメントを有難うございます。確かに猫を飼っていると、ネズミがいなくなりますね。私の家でもそうでした。この本は可愛くて楽しいので、よろしかったら、読んでみてください。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
登場人物が3人しか出てこない、密室で展開される劇です。チリのピノチェト政権下の独裁政治が背景にあります。妻は医師を拷問することによって、彼女の辛い過去を夫に突き付けることになります。救いがほとんどない暗い内容で、読み手を選ぶところがあります。独裁政権下では、誰もがひどい目に遭いますが、特に女性や子供が傷つけられることがよく分かります。独裁政権が終わった後も、その影響は途切れることなく、その国に住む人を苛みます。過去の救いようのない過ちから目をそむけてはいけない、という作者の祈りに似た思いを感じました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
子供たちと遊んでいた犬が、氷の上に取り残されます。その氷は流されて、岸辺から遠ざかっていきます。必死になって助けようとする子供たちの姿を、温かく描いたドイツの児童文学。繊細で生き生きとした挿絵が添えられていて、物語を引き立てています。特に斬新な物語ではないのですが、人間の持つ善意を信じたくなる内容で、読後感は良いです。後半で活躍するロシアの船乗りたちが、良い味を出しており、嬉しくなりました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
病気のために身長が133㎝で止まったままの女性を描いた作品。繊細できれいな絵が、非常に私の好みでした。自分の外見のために、吉乃華は心ないことを言われますが、それを跳ね返して生きる力を持っています。仕事をする時は「戦いに行く覚悟」という彼女は、凛として美しい人だと思いました。会社の後輩の岩見君が良い青年で、吉乃をサポートしてくれます。彼は軽い顔面麻痺を患っており、愛想がない男と言われます。この二人は恋仲になるのではと思っています。難しい主題を正攻法で描く作者の姿勢に痺れました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
高校生の時に『綿の国星』を読んで、大島弓子のファンになりました。この本は古本屋の100円均一コーナーで発見。昭和風のフラワーコミックスの装丁が良い感じです。漫画家志望の女の子が主人公の物語。鞠子は他の作品の主人公にくらべると普通の感じです。彼女の漫画にかける情熱はまぶしくて、大島先生もこんな感じで学生時代を過ごしたのかもと思いました。自分の身勝手な行動のために母が死ぬ場面は悲しいです。でもここで父と心が通じ合い、彼女が父を気遣うことにじーんとしました。古き良き時代の少女漫画のエッセンスを味わえる佳作。
ピンガペンギン
2023/08/22 18:40

新田新一さん、こんばんは。この作品は未読ですが、「つるばら つるばら」という題の作品集が昔読んで良かったです。クリスマスの話でした。

新田新一
2023/08/22 19:18

ピンガペンギンさん、こんばんは。「つるばら つるばら」という短編集がありますね。確か積読だったと思います。良い作品集なのですね。ぜひ読んでみようと思います。コメントを有難うございました。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
主人公が一人でホテルに泊まって、自分だけの時間を楽しむというお話。非常に現代的だと思いました。どんな人でも、ここに描かれているように誰にも邪魔されずに、羽を伸ばしたい時があるのではと思います。ホテルでの滞在は楽しそうなのですが、孤独感も少し漂っています。作品の中に出てくるホテルはすべて実在するもので、ホテルのガイドとして読むこともできます。私は東京にあるThe Okura Tokyoに行ってみたくなりました。お風呂に入りながら、東京の街を眺められるのが良いです。ただし、1泊10万以上と高いのが玉に瑕。
yomineko
2023/08/25 08:35

おはようございます(*^▽^*)ホテルオークラ、行った事がありますが、お茶をしただけです☕宿泊が10万円ですか😲😲😲😲

新田新一
2023/08/25 09:19

yominekoさん、コメントを有難うございます。オークラに行かれたことがあるのですね。それはうらやましいです。お茶するぐらいがちょうど良いでしょう。一泊10万円はちょっと手が出ません。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
迷走思考修復機、時間幻燈機、人造虹製造猿など昔作られた不思議な機械について書いた本です。昔は何の利益にもならないような変なものが作られていたことに驚きます……。というのは冗談で、実際はないものを、まことしやかに描いた本当に面白い一冊。文語体で書かれた説明書なども出てきて、架空の機械の真実味を高めているのが愉快です。ビジュアル的にも優れていて、セピア色を基調とした本文は美しいと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
オースティンの3つの作品が収録されています。”Lady Susan "は書簡体小説です。手紙のやり取りを通して、悪女と言われるレディー・スーザンの生き方が浮き彫りになります。二十歳の時に書かれたとは思えない完成度です。”The Watons"は、富や階級に惑わされずに生きるヒロインを描く小説。的外れだと思うのですが、主人公をオースティン自身に重ねて読みました。”Sanditon”は英の保養地を舞台にした未完の作品。作者は健康を損ねていたそうですが、喜劇タッチで書かれ、軽妙な味わいがあります。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
モスクワにゆかりのある作家や詩人たちを紹介する本。詩的で美しい文章で書かれており、著者の文学者たちへの敬愛の念が伝わってきます。行ったことがないモスクワの街並みが浮かび上がってくる繊細な筆致が魅力的。全く知らなかったアンナ・アフマートヴァのような詩人について知ることができたので、有難かったです。ソ連時代の共産党の弾圧のことも書かれています。弾圧に屈することなく書き続けた文学者たちがいたことに勇気づけられました。ペンは剣よりも強しという言葉を、この本を読んで改めて実感します。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
表紙の絵が、可愛くてユーモラスだったので読んでみました。材木工場で働いている小さな蒸気機関車のお話です。ある時仲間の大きな機関車が、トラブルに巻き込まれたので救助のために一生懸命レールの上を走ります。ずっと昔蒸気機関車に乗ったことを思い出しながら読みました。ぼくだってきかんしゃだ、と小さな機関車が胸を張る結末が微笑ましいです。もう読まれなくなった昔の童話や絵本が好きで、よく読んでいます。懐かしい感じが好きですし、ほっとした気持ちになれるのが好ましいです。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
「壊れた風景」は結末が強烈な印象を残す戯曲。登場人物たちの他愛のない会話が暗転して、深淵が顔を覗かせます。「象」は難解な内容で、最後まで読んでも作者の言いたいことがはっきりしませんでした。もう一度読み返し、これは日本の社会の弱点を、表現したものではないかと思いました。病んだものや問題点を隠そうとする事なかれ主義です。この戯曲で言えば、原爆の傷跡です。二つの戯曲とも極度に抽象的な内容で、読む人によって受け止め方が変わりそうです。ベケットの『ゴドーを待ちながら』にそっくりで、言葉の多義性が生かされています。
えか
2023/08/16 21:10

こんばんは、新田さん。嗚呼、別役実さんの戯曲、ちゃんとハヤカワの文庫で出してくれているのですね。昔、単行本で読んでいて、面白かったのですが、別役さんが亡くなったあと、彼の新動物体系シリーズやら、不条理劇やら、どっかに残るのかな、と、不安だったのですが、彼の残した功績は演劇界にとって、決して小さいモノではないので、安心しました😮‍💨。

新田新一
2023/08/16 21:27

えかさん、こんばんは。いつも有難うございます。別役さんの作品は面白いですよね。だから、早川書房が出してくれていることに感謝です。この本は、ブックオフの100円コーナーで見つけて、大喜びで買いました。別役さんの戯曲は初めて読んだのですが、素晴らしい出来ばえで驚いています。えかさんが、書かれているように、日本の演劇界に大きな足跡を残した人だと思いました。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
主人公は母が亡くなった後、自分の父親のことを調べ始めます。父親はミステリー作家でした。女好きで、性格も良くない人物。主人公は父が残した最後の小説のことを知り、その行方を追います。その過程で父の本当の気持ちを知ることになりました。父の小説はどこにあるのかという謎が面白かったです。その謎を解くことによって、親と子の間にある絆が浮かび上がり、心を打たれます。すべての謎が解明されると、作者の紙の本に対する深い愛情が伝わってきて、嬉しくなりました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
この漫画は本当に面白いです。読んでいると、笑いが止まらなくなります。女子高に勤める星先生が主人公の物語。女子たちのエキセントリックな行動に戸惑いながらも、彼女たちを優しく見守る星先生に痺れます。一番最初の物語は、よくもまあこんな話を思い付くものだと感心しました。なぜか高校時代の星先生の肩にクワガタが載っている写真。生徒の一人がその写真のステッカーを作り、それがネットで拡散してしまいます。最高にくだらないのですが、最高に面白くて笑えます。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
怪獣のようなおじいちゃんが載っている表紙の絵が印象的です。実際、田舎のおじいちゃんの家に帰ってきたぼくは、おじいちゃんの怪獣のようだと思います。でも、おじいちゃんは優しい怪獣です。孫の僕のために、いろいろ世話を焼いてくれます。夜寝ていると、靴下をはかせたり、腹巻を着せてくれたりです。孫のことが可愛くたまらないおじいちゃんが、微笑ましいです。物語自体も面白く、味のあるユーモラスな絵は眺めていても飽きません。良い絵本に出会えたと思いました。
yomineko
2023/08/15 17:44

こんばんは~🌉面白そうですね👴👴👴読みたい本に登録させて頂きました📚

新田新一
2023/08/15 18:19

yominekoさん、こんばんは。お疲れ様です。ご登録有難うございました。面白くて、ジンとする良い絵本でした。よろしかったら、お読みください。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
酒井師の半生を描いた本を読んだので、今度は師の言葉をまとめた本書を手に取りました。優しくて、温かい言葉が並んでいて、心の中にすうっと入ってきます。一番感心したのは、自分の悪事について書かれていることです。例えば、蕎麦屋でアルバイトをしている時に、女性をいじめてしまったことが書かれています。このような自分の過ちを隠さない姿勢は、厳しい修行に耐え抜いたこととつながっている気がします。本書の一日一生という生き方は、大きな救いがあります。今日失敗しても、明日から新しい人生を始められるのです。
yomineko
2023/08/15 08:05

一瞬はもうその瞬間で元に戻れないんですよね!「Be here now」良い言葉をありがとうございます😊

新田新一
2023/08/15 08:26

おっしゃる通りですね。一瞬一瞬が大切だと教えてくれる言葉です。最近忘れていたのですが、yominekoさんのおかげで、思い出しました。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
やなせたかしが『食生活』に連載した1200字の物語集。作者の絵も収録されています。斬新なアイデアに基づいた、叙情的で優しい物語ばかりで、『アンパンマン』の生み親は、優れたストーリーテラーであることが分かります。やなせたかしは人間の中にある善性を信じる人です。そのことはここに収められた物語を読むと、よく分かります。「水仙の勲章」が好きです。貧乏のまま生きてきた童話作家。彼は人生の終わりに、受勲されます。でも、それよりもはるかに素晴らしいことが、彼を待ち受けていました……。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
知らなかったのですが、著者はフランスの有名な歴史学者です。歴史を固定化されたものではなく、動的なものとして捉えることが主張されます。2章で歴史学者は歴史のみに取り組むのではなく、様々な分野の学問にも精通しなければならない、例えば量子論さえも知る必要があると書かれており、著者の柔軟な姿勢には心を打たれます。全体的に熱っぽい文章で書かれ、著者の歴史にかける意気込みが強く伝わります。歴史学は人間が行うもので、人間は絶えず変化します。その変化を、この学問自体にも反映させなければならないことが、理解できました。
えか
2023/08/13 12:16

おはよう、ございます、新田さん。フランスって、昔の百科全書派のディドロやヴォルテールから始まり、歴史や物事を総合的に捉える気風みたいなものありますね。彼らの起こした百科事典なんて、時の宗教を敵に廻しても、科学的事実を優先させて、偉いものです。イタリア辺りの教会が権力を持っていた国より思想が柔軟だったんでしょうかね。

新田新一
2023/08/13 17:20

えかさん、コメントを有難うございます。返事が遅れて申し訳ありません。ディドロやヴォルテールのことは考えなかったのですが、その通りですね。フランスには権力者や宗教に屈しないで、科学的事実や歴史の真実を追求する流れがあります。フェーブルもその伝統を引き継いでいると思います。歴史は簡単に定義できるものではない、と言った卓見が書かれていました。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
『夜と霧』で有名なフランクルの自叙伝。90歳の時に口述筆記されたものです。暗く重たい内容ですが、駄洒落が好きだったと書かれた個所もあり、救われます。何と言っても衝撃的なのは、ナチスの収容所での体験です。父と母を殺され、妻とは生き別れに。病気の治療をするために銃で撃たれて穴だらけになる覚悟で、わずかな距離を這うようにして移動したことが書かれています。フランクルが作り上げたのはロゴセラピーです。人生の困難の中で、意味を見出す治療法です。このセラピーは、彼の血と涙から作られたものであることがよく分かりました。
えか
2023/08/12 18:17

いまのウクライナとロシアの戦争も、引き際が判らなくちゃ世界大戦に発展してしまいますものね。僕も物凄く、危惧しています。

新田新一
2023/08/12 20:07

ウクライナ戦争のことは、本当に心配ですね。大規模な核戦争になる恐れがあります。アメリカは頼りになりません。何とかおさまってほしいです。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
ベルギーの古き良きホテルを舞台にした童話です。精巧な古い鐘が鳴り響き、石畳の道が広がる街の様子がきめ細かに描かれており、旅行気分で読むことができました。主人公の二人の子供が巻き起こす騒ぎが可笑しくて、ユーモラスです。自分の料理に誇りを持っているシェフのムランが私の好きな登場人物で。絶えず料理のことを考え、自分の腕を磨いています。こんな職人気質の人たちが、ヨーロッパの街を支えているのかもしれません。物語の中に出てくるムランのレモンスフレは美味しそう。ちょっぴり切ない結末がよく出来た童話にぴったりでした。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
マティスとアンナは孤児になってしまい、他人の家にもらわれます。その家ではこき使われるだけで楽しみはありません。ある時赤い鳥に気づき、追いかけてみると大勢の子供たちが楽しそうに遊んでいる場所に着きます……。切ない童話です。楽しい時を過ごしながらも、子供たちは夢の国に住もうとはしません。最後は現実の世界に帰ってきます。勇気のある行動です。夢の国には、いつでも行けると気づきました。力強さを感じる結末が好きです。ここに、リンドグレーンの子供の可能性を信じる心が感じられます。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
著者が訪問した国の台所用品と料理のレシピを紹介する本。レシピ本であり、旅行記であり、写真集としても読める素晴らしい本です。読んでいる間中ワクワクしました。紹介される台所用品はその国ではありふれたものですが、よく見るとはっとする美しさがあります。レシピの中には作りやすそうなものもあります。フランスのチーズ入りマッシュポテトは、自分で作って食べてみたいと思いました。どの国にもお国自慢の料理があり、それは一つの民族が時間をかけて作り上げた、かけがえのないものであることが分かります。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
主人公は作家で、自分の性に違和感を持っています。ボーイフレンドができたり、編集者を好きになったりするのですが、自分が女性であることを完全に受け入れることができず、乳房の切除手術さえ受けます。作家として仕事にはこだわりを持っていて、良い仕事をしたいと絶えず考えて、それを支えにします。人間の性は簡単に二分することはできなくて、二つの性の間で揺れ動くこともあると思います。そんな宙ぶらりんの状態を繊細に描き出しています。好きだと告白してくれた男性と別れた後も、友達として付き合い続ける箇所がたまらなく好きです。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
ルソーの多彩な著書を簡潔にまとめた良書。名前だけなんとなく知っていた『新エロイーズ』と『エミール』の内容が分かって、読みたくなりました。15歳で祖国を離れ、貴族の援助を受けながらも、可能な限り自由に自立して生きようとしたルソーの生き方を尊敬します。多くの著作も、当たり前だと思われていることをもう一度考え直してみる内容で、自由に生きようとしたルソーにふさわしいものです。あらゆるものの権威が揺らいでいる現代社会で、ルソーの思想を学んでみる価値はあります。
新田新一
2023/08/10 07:53

おはようございます。目のことで、いろいろな苦労をされたのでしょうね。胸が痛みます。yominekoさんの目の健康を祈っています。

yomineko
2023/08/10 08:21

新田新一さん、ありがとうございます😊大事にしていますので大丈夫です✨✨✨

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
千日回峰行を二回達成し、生き仏と呼ばれるようになった酒井雄哉大阿闍梨を描くノンフィクション。まず酒井雄哉の半生が描かれ、後半で命を削る千日回峰行の凄まじさが迫真の筆致で書かれています。心底感動しました。本当に素晴らしい本です。大阿闍梨が足の指を怪我して、それを自ら切り落としてしまう箇所が圧巻。自分の体を傷つけてまでも、行をやめない気迫に圧倒されます。だらけてばかりいる自分が情けなくなりました。苦しみに耐え抜くことで、人間は霊性を高められるのだと思います。苦しい時は本書を思い出し、支えにします。
新田新一
2023/08/08 14:40

アマゾンで買えば良いですね。おっしゃる通り、本屋に行くのは、本当に楽しいです。積読本が多過ぎるのに、今日また買ってしまいました。

yomineko
2023/08/09 06:01

おはようございます😊私も読みたい本だらけで、昨日ちょっとだけ整理しました!!!

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
「胸のふくらみがこう語った」と「紀子が三人いた夏」の2編を収録。前者は女性の胸の美しさを語り続ける内容で、生々しくならず透明感があるところが作者らしいです。後者は、片桐義男しか書けない傑作。小説であり、映画論であり、さらに社会論でもあります。原節子の演技を論じながら、日本の社会の中にある女性を抑圧する歪みを浮き彫りにします。こじつけと批判することもできますが、私は正しいと思いました。昔の日本では、女性はただ子供を産むだけの存在と貶めれている面がありました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
終末期病棟を描くシリーズの6巻目。この巻では、「カルテ30」が心に残ります。コロナのために面会を禁じられた夫。でも彼は病院のスタッフの目をすり抜けて、入院中の妻に会いに行きます。スタッフは十分に注意しているのですが、夫の執念にはかないません。自分の畑で作ったトマトを持ってくる夫のことが気の毒でたまらなかったです。やがて、自分も倒れてしまい、妻と同じ病室に入院することに。救いのある結末に作者の深い優しさを感じました。
毒兎真暗ミサ【副長】
2023/08/09 09:23

『お別れホスピタル』も『透明なゆりかご』も沖田さんの視点は独特ですよね。

新田新一
2023/08/09 09:29

おっしゃる通り独特ですね。目をそむけたくなるようなことも、きちんと描かれているので尊敬しています。『透明なゆりかご』を初めて読んだ時の衝撃が忘れられません。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
旧仮名遣いで、読みにくい文語調で書かれていますが、読む価値はあります。フランスの作家ジッドが1936年にソ連を訪問した時の記録。昭和の頃ソ連を攻撃する記事やマルクスの人格を否定する記事を読んで、気分が悪くなったことがあります。私は社会主義は支持しませんが、その国で暮らしている人達まで否定したくないです。本書にもそんなところがあり、ジッドのソ連の人々への親近感が熱く語られている部分は、読んでいて嬉しくなります。同時にスターリンの独裁主義への警戒感が書かれ、ジッドの文学者としての感性の鋭さに感心しました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
お灸を始めたら元気になりました。よく眠れるようになり、やっかいな喘息と逆流性食道炎の症状が大幅に改善。お灸のことを知りたくて、いろいろ本を読んでいます。本書で体をゆるめるのがお灸の主な働きの一つと分かります。いろいろな体の不調の対処法が書いてあるのが素晴らしいです。例えば、イライラする時は足の太衝にお灸をし、肋骨の下をほぐすなど。私は台座灸を使っているのですが、これを読んで棒灸も役立つことが分かりました。憂鬱な時は、養生として、ため息ぐらいついても良いという著者の優しい言葉が、心に沁みました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
2020年の芥川賞候補作。作者はロックバンドのボーカリストです。小さな女の子から見た母親の姿が描かれています。子供の視点で描かれた小説は、よく読んでみると大人のものの見方や考え方を感じることがあります。でも、この小説にはそんなところはほとんどありません。完全に子供の立場に立ったもので、子供から見たこの世界が鮮やかに描かれています。自分の母親が後ろ暗い仕事をしていることが分かっても、主人公の女の子は母を慕い続けます。その健気さが胸を打ちます。彼女が母との関係を、自分の言葉で表現する結末が忘れがたいです。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
『チェンソーマン』は好きな漫画で、発表された時からずっと読み続けています。かなりグロテスクなところがあるのですが、作者の現代社会に巣食う悪を描き尽くそうとする意志が伝わり、共感します。この巻では主人公のデンジと落下の悪魔の争いが中心。頭からチェーンソーを出して闘うデンジの破天荒さは相変わらず。落下の悪魔という設定は絶妙で、人間が気が滅入って死にたくなる時の心に忍び寄ります。デンジは下品なことを絶叫するしようもない男ですが、人間の持つ生命力を体現しており、応援したくなりました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
フランス語を勉強していて、この本を繰り返し読んでいます。今回で3回目です。難しい文法用語が全く使われていないところが素晴らしいです。語学の勉強は好きですが、昔から文法は苦手で、日本語の文法もよく分かっていません。La Seine coup a Paris .(セーヌ川はパリを流れる)のような良い例文が多く出てくるので、一つ一つ覚えています。単語の末尾は発音しないことが多い、否定はne~pasで挟む、過去形にはaviorを使うといった基礎的なことは頭に入ってきたので、これを復習しつつ、別の参考書にいきます。
新田新一
2023/08/04 16:09

yominekoさん、ありがとうございます。大学の時の第二外国語がフランス語だったのですね。私はドイツ語でした。Duolingoは良さそうです。私も始めようかと思っています。確かにフランス語の語順は独特ですね。形容詞や動詞が後ろに来ることが、この本にも出ていました。

yomineko
2023/08/04 16:10

ドイツ語ですか!Duolingoでドイツ語も時々やっています😊英語は余りオススメ出来ないDuolingoですが、フランス語は楽しいです(#^.^#)ドイツ語も語順があれ?と思う時がありますよね!!!

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
全国の海が見える無人駅を紹介する本です。きれいな写真がたくさん収録されており、写真集としても楽しめます。本文の中に「鉄道情緒」という言葉が出てきて、味わい深いと思いました。列車の窓から見える海、カーブを描く線路、ポツンと立った海を眺めるためのベンチなど、無人駅には詩情があることが、本書を読んでよく分かりました。無人駅があるのは人口の少ない、寂れた田舎です。でも、そんな場所には都会では味わえない良さがあることに、気づかされました。流氷が見える北海道の北浜駅には、ぜひ一度行ってみたいです。
新田新一
2023/08/04 14:21

紹介してくださった動画を見てみました。yominekoさんは、きれいな方ですね。暑い時に翻訳の仕事は大変ですね。お体に気をつけて、お仕事をされてください。

yomineko
2023/08/04 15:35

見て下さってありがとうございます😊暑い時期、本当にシベリア出身の私は大変なのですが、何とか頑張っています😊新田新一さんもお体に気を付けて下さいね✨✨✨

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
2012年の芥川賞候補作。『ひっ』という人を喰った題名からして好みでした。純文学の中には分かりにくいものもありますが、これは読みやすくて話も面白かったです。社会に馴染めず流されるように生きている主人公は、知り合いのひっさんを追悼します。作曲家として成功を収めたひっさんは、主人公に「テキトー」に生きるように助言。この「テキトー」とは、世の中に適応せずに自分らしく生きることではないかと思いました。小説全体に飄々としたユーモアがあって、読んでいると肩の力が抜けてきます。意表を突いた結末に笑いました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
この作品のことは知らなかったのですが、地元の本屋で面白い漫画としてお勧めされていたので購入。主人公が不労所得を狙って購入したマンションで、心霊現象が次々と起こります。やけになった彼女はマンションの部屋にお化けたちを住ませることに決めました。暑気払いとして読み始めたのですが、それほど怖いところはありません。それは残念だったのですが、かなり可笑しいです。住人になったお化けの一人が、部屋でコールセンターを始めたのには笑いました。でも時々顔を出す化物たちはグロテスクかつ不気味で、ホラーの醍醐味を感じました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
聖職者の頂点に立つダライ・ラマの中に、詩人がいたとは知りませんでした。しかも、俗世に帰り放蕩で身を持ち崩したことに驚きました。自分の胸の内を飾らないで表現した詩は美しく、切ないです。良い詩が多いので、今でもチベットで愛好されているのは自然という気がしました。エロチックな内容のものもありますが、表現の仕方が美しくて言葉の美を感じました。巻末にはチベットの詩の歴史も書かれて、読み応えのある一冊になっています。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
イスラエルのキブツで暮らす兄弟のもとに手紙が届きます。それは彼らのおじさんからのものでした。父母と離れ離れになっていた二人は、自分たちの身内が見つかったことが嬉しくて、おじさんに会いに行こうとします。日本人には馴染みのない、戦争直後のイスラエルの様子が描かれた良い小説です。この兄弟のようにナチスの迫害により親を亡くした子供は多かったのではと思います。共同生活をするキブツの描写を興味深く感じました。紆余曲折を経て、二人が自分たちのおじさんと会う最後の場面は感動的です。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
私が愛読している絵本です。お母さんに頼まれてはじめてお使いに行った女の子の不安やときめきが、優しいタッチの絵で描かれています。この絵本を読むと、子供の頃のことが昨日のようによみがえります。子供の頃は近所のお店に行くのも、一つの冒険でした。そんな冒険がこの絵本には生き生きと描かれていて、大人が読んでも面白いです。だんだん少なくなっている昭和風のタバコ屋の絵を見ると、懐かしさで胸が締め付けられます。最後のお母さんが女の子を待っている絵を見ると、いつも温かい気持ちになります。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/05/25(1956日経過)
記録初日
2023/06/01(488日経過)
読んだ本
737冊(1日平均1.51冊)
読んだページ
119915ページ(1日平均245ページ)
感想・レビュー
737件(投稿率100.0%)
本棚
0棚
自己紹介

日本と海外の古典文学、SFとミステリー、漫画、児童書が好きです。どんな本でも丁寧に読んで、自分の言葉で感じたことを書いていきたいと思っています。よろしくお願いします。

好きな本10冊

夏目漱石 『道草』
三島由紀夫 『午後の曳航』
山本周五郎 『さぶ』

ジョナサン・スウィフト 『ガリバー旅行記』
グレアム・グリーン 『情事の終わり』
J・D・サリンジャー 『ライ麦畑でつかまえて』

レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』
フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るのか?』

チェーホフ 『桜の園』
シェークスピア 『ソネット集』

参加コミュニティ1

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