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2025年2月の読書メーターまとめ

新田新一
読んだ本
30
読んだページ
4819ページ
感想・レビュー
30
ナイス
1532ナイス

2025年2月に読んだ本
30

2025年2月のお気に入り登録
5

  • K
  • レモングラス
  • フミ
  • たまきら
  • syaori

2025年2月のお気に入られ登録
6

  • 163
  • K
  • レモングラス
  • フミ
  • 逆丸カツハ
  • syaori

2025年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

新田新一
人間と犬の絆を描いた作品。多聞と呼ばれる犬が出会う人々の心を癒していきます。例えば、1話では認知症の女性の心の支えになります。簡潔で力強い文体で書かれているのが好みでした。叙事詩的な文体と言えるのですが、行間から叙情が感じられて、読み手の心を温かくします。多聞はいつも南の方角へ眼差しを向けています。これが一つの謎になって、物語を引っ張り、最終話でその謎が解けた時に胸が熱くなります。犬と人の絆の他に大きな主題が含まれており、結末でそれが分かった時は、作者の祈るような想いを感じました。
が「ナイス!」と言っています。

2025年2月にナイスが最も多かったつぶやき

新田新一

先月もナイスやコメントを有難うございました。今月もよろしくお願い致します。伯父の葬儀に出たので、まとめが遅れました。寒波襲来で凍えるような寒さになりました。おまけにインフルエンザも流行しています。皆さまどうかご自愛ください。2025年1月の読書メーター 読んだ本の数:35冊 読んだページ数:6047ページ ナイス数:1606ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1010824/summary/monthly/2025/1

いこ
2025/02/05 11:16

新田新一さん、いつもナイスやコメントありがとうございます<(_ _)> 共読は今のところなかったのですが、新田さんが読まれる本にはいつも興味津々です。レビューもお上手だから心惹かれるのかな。最近あまり本を読めていないのですが、復活するときには、ぜひ新田さんの既読本を参考にさせてください。今月もどうぞよろしくお願いいたします。あ、大雪には気を付けてくださいね。

新田新一
2025/02/05 11:28

いこさん、こんにちは。こちらこそいつもたくさんのナイスやコメントを有難うございます。変わった本や珍しい本を最近は読むことが多いので、共読はないのかもしれませんね。ちょっと残念です。私の下手なレビューをほめてくださり、ありがとうございます。体調が良くなってくるようにお祈りいたします。いこさんの心の籠ったレビューをまたいつか読みたいです。今月もよろしくお願い致します。

が「ナイス!」と言っています。

2025年2月の感想・レビュー一覧
30

新田新一
”Ruin”は英国の作家ブライアン・オールディスによる小説です。オールディスはSFで有名ですが、これは普通の小説です。主人公Hugh Billingの心の遍歴が描かれています。母の葬儀のために祖国の英国に帰って来た彼は、様々な出来事を通して自分の心の大きな傷に正面から向き合うことになります。心を揺さぶる結末に泣きました。あらゆる人にとって一番大切なことの一つは、両親に愛されていたかということです。以前やっていたカウンセリングのボランティアでそれを感じました。目の前で父親が事故死して、(続きます)
新田新一
2025/02/28 21:55

その責任を感じていたBillingは、自分は父親から愛されていなかったと思っていました。それが間違いだったと分かった時、大きな喜びが押し寄せます。親と子供の問題は非常に難しく、簡単に答えを出すことはできません。でも、どんな親であっても、自分の子供のことをその人なりに愛していると思いたいです。その愛はこの世の根底を支えるものと言えるかもしれません。この小説を読むことによって、親と子の絆のかけがえのなさを改めて実感しました。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
本書は、ネイティブアメリカンの作家James Welchによって書かれたものです。インディアンの血を引くJim Loneyがアメリカの社会で孤立し、命を落とすまでが、簡潔で美しい文章で描かれています。二人の女性が彼を助けようとするのですが、うまくいきません。二人は、インディアンと白人の世界を代表する人物で、二者の間で彼は板挟みになります。Loneyの孤独は現代人の多くが感じるものです。誰もが自分が所属できる場所を求めるのですが、見つけるのに苦労します。ここにこの小説の普遍性があります。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
平塚らいてうの言葉を紹介しながら、彼女の生涯を詳しく描いた本です。らいてうのことは思想家で、「元始、女性は太陽であった」という言葉を述べたことぐらいしか知らなかったので、非常に勉強になりました。様々な困難を乗り越え、力強く生きた生涯に勇気づけられます。特に感動したのは、1921年の時点で私は世界民と言い切っているところです。どの国の文化や風習は尊重されるべきですが、そこに固執していては平和は生まれません。女性としてすべての人間の命を尊重する精神から出たコスモポリタンな言葉は、今の時代であっても重要です。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
台湾の絵本作家ジミーの作品を読みました。中国語で書かれている原書です。中国語は分からないのですが、絵を見ながら読むとなんとなく意味が伝わってきます。これまで読んだ日本語の翻訳はカラーでしたが、これはモノクロでジミーの絵の緻密さがよく伝わってきました。ウサギの毛の一本一本まで丁寧に描かれています。小さな女の子が、大きなウサギの背中に乗って、不思議な冒険に出発します。無事に家に帰ってくるのですが、その後に思わぬプロットの展開があって面白かったです。これは子供たちの想像力の豊かさを讃えた物語です。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
とてつもない物語を読みました。ゲーテの『メルヒェン』です。題の通りおとぎ話と言えるもので、子供が読んでも不思議な物語として楽しめるでしょう。余計なことを考えない大人よりも、深いところで受け止められるかもしれなせん。大きな川があり、鬼火や緑の蛇が出てきて、一人のおばあさんが不思議な体験をします。最後は王と王妃が結ばれ、おとぎ話の定石通りに終わります。でも、描かれる人や動物、物が深い象徴性を帯びていて、様々なことを考えさせます。緑色の蛇が出てきて重要な役割を果たすのですが、(続きます)
新田新一
2025/02/26 18:48

すぱちゃんさん、有難うございます。ぜひ読んでみてください。レビューに書けなかったのですが、挿絵も神秘的で美しいです。本が好きでいろいろな物語を読んだのですが、私にとってはこの本がダントツの一位になりました。

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新田新一
スターリン時代のロシアの恐怖政治を子供の視点から描いた作品。目の覚めるような傑作で、独裁主義の恐ろしさが的確に伝わります。サーシャの父親が急に秘密警察に逮捕されます。途方に暮れた彼は何とか父を助けようとするのですが、無力な子供に出来ることはほとんどありません。サーシャがスターリンを英雄だと信じ込んでいる事に、洗脳教育の恐ろしさを感じました。救いのない話ですが、結末で僅かに光が見えます。政治的な主義主張では人間は救えず、ささやかな善意だけが人の心を救うのかもしれません。
兵士O
2025/02/24 13:53

怖い本のようですね。でも、決して他人事ではない作品という気がしました。新田さんはこういった社会に問題提起をする本も紹介されるので、目が離せません。積読本を読み終えたら挑戦したいです('ω')ノ

新田新一
2025/02/24 14:28

兵士Oさん、怖い本でしたね。教育を通して、独裁政治が作られるのだと思いました。お褒めの言葉有難うございます。基本的にエンターテイメントが好きですが、直感で良さそうな本だと思ったら、手に取ることが多いです。この本は作者による挿絵も良かったです。絵を描かれる兵士Oさんに向いている気がします。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
特殊清掃会社に勤めている男性の仕事を描いた漫画です。孤独死して、発見が遅れた人の部屋を清掃するような仕事です。私は沖田さんの作品が好きでたくさん読んだのですが、その中で『不浄を拭うひと』が一番暗くて、重たいです。かなり気持ちの悪くなることも怯まずに描かれています。日々このような仕事をされている人たちには頭が下がります。唯一11話は救いのある話です。心不全で亡くなった女性の遺品を父親と調べると、メモ帳に父への愛情が書かれていることが分かります。涙が止まらなくなる父親の姿が印象的でした。
兵士O
2025/02/24 13:57

試し読みしましたが、重い漫画ですね。でも、何か、大切なことが語られている気がします。いつか読んでみたいです('ω')ノ

新田新一
2025/02/24 14:25

兵士Oさん、こんにちは。いつもコメントを有難うございます。おっしゃる通り、重い漫画でした。この仕事のことをよく知らなかったので、読めて良かったです。日の当たらないものですが、こんな仕事がこの世を支えている気がします。ぜひ読んでみてください。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
自分を傷つけることや精神科に通うこと、生に対する違和感などが書かれた痛々しい詩集です。作者の血と涙によって書かれた詩集という気がしました。重たくて暗いのですが、一つ一つの言葉には重みと誠実さを感じます。これらの詩を書くことで作者が救われた面もあるのかもしれません。「ヒューストン」という詩は、私の不安は要りませんかという問いかけで始まります。ぐらつく心を描きながら、それをヒューストンという地名と結びつけ、詩的なリズムを作り出しているところがユニークです。最後の二行が強く心に響きました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
暗くなった子供園の探検をする男の子たちのお話。シーツをかぶった二人の男の子たちは、昼間とは違って見える園の中を歩き回ります。素朴で温かく、生き生きとした絵が心に残る作品です。読みながら、子供の頃に何かの影が生き物のように見えて恐ろしくなったことを思い出しました。カーテンが動いただけで恐ろしがる子供たちが可愛いです。最後はもちろんハッピーエンド。フィクションですが、このような体験をする子供たちは多いのではないかと思います。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
ペットと飼い主の絆を描いた17編。斜に構えた、シニカルな描き方になっていますが、基本的にじーんとする話が多いです。犬や猫とのつながりは、それだけ人間にとってかけがえのないものなのでしょう。8章では結婚せずに犬と生活し続けた女性のことが描かれています。年齢を重ねて、飼っていた犬たちも死んで、彼女は自分は一人であると思うのですが……。この短編は温かな読後感があります。一人ぼっちになったと思ったのに、犬たちが贈り物を残してくれていたことに気づくのです。彼女だけではなく、読者も救われた気持ちになる作品。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
イタリア語と英語の俳句が収められています。作者は中国在住のイタリア人で、エズラ・パウンドのイマジズムと禅に影響を受けているそうです。凝縮された表現で鮮やかなイメージを描くところや、神秘的な事を表現しているところに、その2つの影響を感じます。本当に素晴らしい句集で、切り詰めた言葉で、これほど深いことを表現できるのかと驚きながら読みました。印象に残った句を一つ紹介します。On his deathbed / Smiling / About the sea (死の床で 彼は微笑む 海のことを)コメント欄へ続きます
新田新一
2025/02/19 16:48

底知れぬ深みを感じる句です。この「海」はこれまでの人生と、死後の世界を表現していると思いました。これは私の解釈であり、絶対的なものではありません。読む人が自分の心に浮かぶイメージを大切にすればよいと思います。このように絶対的な解釈がなくて、人によって受け止め方が違うのが詩の面白さです。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
野球も漫画も好きなので、昔から水島新司先生のファンです。『あぶさん』を繰り返し読んでいます。『野球狂の詩』を読むのは初めてでしたが、いやあ、面白いこと。子供の時のように時間のたつのも忘れて夢中で読みました。女性として初めてプロの選手になろうとする水島勇気の物語です。オープン戦に勝てばプロとして認めるという球界の申し出。それを実現するために全身全霊で投げ抜く水原の姿に感動します。ひたむきに何かに打ち込む人間の美しさが描かれた傑作です。
かりんと(2020.5~🖼️色鉛筆画を描いています✏️)
2025/02/19 18:45

新田さん、水原勇気忘れかけていました!女の子だから速球投げても球質は軽いよなあ、でもかっこ良くて可愛いなあ、なんて思って読んでいました。水島さんのキャラクターを越える選手はまだ出ていませんね。大谷選手は次元が違うけど😅

新田新一
2025/02/19 19:10

かりんとさん、こんばんは。コメントを有難うございます。水島さんは本当に良いキャラクターですね。惚れました。可愛いし、綺麗だし、強靭な精神力があります。水島先生は魅力的な登場人物を作り出すことに長けていた、と改めて気づきました。先生がいま生きていたら、大谷選手も作品に登場させたかもしれませんね。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
やなせ先生晩年の詩集。表紙に一目ぼれして図書館で借りました。題と出発点に立って「一歩も前進していなかった」と嘆いている先生の姿が可笑しいです。笑える詩、しみじみする詩など色々なタイプの詩が収められています。詩集全体に共通しているのは、優しさとおおらかさです。くよくよしても仕方がないよ、しんどい人生だけど何とか生きていこうよ、というやなせ先生の肉声が聞こえてくる気がしました。「少年時代」が一番好きな詩です。勉強をせずに遊びまわり、故郷の山河に育てられたとは、私も同じなので深く共感しました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
子供向けの詩のアンソロジーですが、大人向けの作品も収録。例えば、ブラウニングの有名な「春の朝」です。子供向けの詩の中に置かれることで、詩のイメージの美しさや整った口調が引き出されています。この詩集で初めて読んだ石垣りんの「空をかついで」が一番印象に残りました。人はみんな空をかついできた。子供たちにも少しずつ空をかついでもらおう、と書かれています。ここに書かれている「空をかつぐ」とは、清濁ひっくるめてこの世を受け入れることではないかと思います。「すこしずつ」という表現にこの詩人の無限の優しさを感じました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
作者の原田宗典さんは、原田マハさんの兄です。どちらも良い作家であり、私はお二人の作品をすべて読もうと思っています。それぐらい惚れ込んできます。宗典さんの本の中でユーモアたっぷりのエッセイ集が面白いですが、この本を読んで戯曲家としても超一流だと感じました。一生懸命に生きてきた男女のことを描いた「彼の人生の場合」と「彼女の人生の場合」は傑作。笑いあり、涙ありの作品で、読んでいてじーんとしました。ブラジルに渡って何度もどん底の目にあいながら、そこから這い上がってきた男性を描いた前者には励まされます。
Major
2025/02/17 13:03

新田さん、こんにちは。週末の読書会はお世話になりました。またお疲れ様でした。昨夜は僕が寝落ちしてしまい、若干尻切れとんぼになった感がありますので、後ほどイベント欄に振り返りとまとめ等をUPしておきます。ご一読ください。ーさて、この作品は掛け値なく面白そうですね。タイトルからして哲学的でもあるし😄マハさんの方の作品は幾つか読んでいますが、お兄さんの方は未だ読んでおりません。この著作から読んでみたいと思います。^_−☆

新田新一
2025/02/17 14:43

Majorさん、コメントを有難うございます。こちらこそお世話になり、本当に有難うございました。継続して参加できずに申し訳ありませんでした。寝落ちされたのですね。お仕事の疲れが出たのだと思います。ゆっくりと休まれたことを願っています。確かにこの作品には哲学的なところがあります。感想に書いた2つの作品は自分の人生を振り返るきっかけになりました。よろしければ、お読みください。

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新田新一
世界的なベストセラー作家シドニイ・シェルダンの処女作。少しずつ読もうと思ったのですが、読み出したら止まらなくなりました。精神分析医のジャッドは自分の命が狙われているのに気づきます。まず病院の受付の女性キャロルが惨殺されました。その後も不審なことが次々と起こり、ジャッドは追い詰められていきます。一種のミステリーで結末で犯人が判明します。かなり意外な人物でした。ジャッドと美貌の患者の女性とのロマンスが織り込まれて、物語に花を添えます。題に込められている意味が分かった時、この小説の深さを実感しました。
新田新一
2025/02/18 07:50

mituさん、おはようございます。返事が大変遅くなり申し訳ありません。『真夜中の向こう側』ではないでしょうか。小説の評判を調べたら、面白いと絶賛されています。映画も面白かったと思います。ジェフリー・アーチャーのシリーズものもおもろしそうです。「百万ドルを取り返せ」は読み始めたらやめられなくなり、最後まで一気に読みました。アーチャーの小説は未読なものが多いので、これから読もうと思っています。

mitu
2025/02/18 08:19

新田さん、おはようございます☺️わざわざありがとうございます。そうかもしれません。映画を、TVですが、観た記憶は作家名と共に、あるのですが、なにぶん昔で…

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新田新一
この作品は、平凡な住宅地に住む様々な人々を描いています。中学生も出てきますし、70代と80代の夫婦も出てきます。犯罪を計画している危うい精神状態にある男性も登場。登場人物たちの書き分けは見事です。彼らが刑務所から脱走した女性の接触することで物語が進みます。読んでいて感動したり、爽快感を感じる小説ではありません。自分と同じように平凡な人達のくすんだ日常が浮かび上がります。それでも、私はこの小説に大きな救いを感じました。結末で脱走犯に向けられるさりげない優しさが描かれ、それには真実味がありました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
人間と犬の絆を描いた作品。多聞と呼ばれる犬が出会う人々の心を癒していきます。例えば、1話では認知症の女性の心の支えになります。簡潔で力強い文体で書かれているのが好みでした。叙事詩的な文体と言えるのですが、行間から叙情が感じられて、読み手の心を温かくします。多聞はいつも南の方角へ眼差しを向けています。これが一つの謎になって、物語を引っ張り、最終話でその謎が解けた時に胸が熱くなります。犬と人の絆の他に大きな主題が含まれており、結末でそれが分かった時は、作者の祈るような想いを感じました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
題の通り、動物たちのお休みの時間を描いた絵本です。作者は韓国の方です。コアラやゾウ、馬といった動物たちの眠っている姿が鮮やかな色遣いで、生き生きと描かれています。デフォルメの効いたユーモラスなタッチの絵は、眺めていて楽しかったです。ただ一羽フクロウが起きているという設定が気が利いていて、結末の笑えるオチにつながっていきます。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
主人公の家族全員が事故に巻き込まれ、記憶を失ってしまいます。命は取りとめたのですが、それまでのことは全く忘れたままで、翼は学校に行きます。そこでは、過酷ないじめが待ち受けていました。翼と友達の友情といったジャンプの王道路線の要素もあるのですが、不気味で底の知れないところがあり、読んでいると不穏な気持ちになります。特に「死」とあらゆる場所に書かれた翼の部屋は恐ろしいです。登場人物たちが感情を爆発させるように泣く場面が多いのが印象的です。現代社会の難しい面を反映させた作品と言えるかもしれません。
兵士O
2025/02/10 14:57

新田さん(!)コレ、気になっている漫画なんです。ただのジャンプの漫画でない所が気になっています。新田さんのレビューで改めて読みたくなりました('ω')ノ

新田新一
2025/02/10 15:53

兵士Oさん、コメントを有難うございます。私もずっと気になっている漫画でした。前作の『タコピーの原罪』が好きでした。この『一ノ瀬家の大罪』は暗くて重たいところがありますが、綺麗ごとばかり書いた漫画よりは、良い気がします。よろしかったら、読んでみてください。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
コンビニオーナーの苦労の多い生活を描いた一冊。まず休みがないことに驚かされます。休みが取れず働きづめで1057日。レジ打ち、商品の管理など覚えることが多過ぎます。色々なお客さんが来るので、その対応の難しさもあります。3章で悪質なカスタマーハラスメントに苦労したことが書かれています。謝罪に行ったら2時間炎天下で怒鳴られたそうです。本部へ払うロイヤルティーは最初は6割か7割程度でした。この金額だったら苦労の割に報われません。こんな苦しい仕事なのに著者は一生懸命働き、地域の人々に貢献。勤労の尊さを実感しました。
兵士O
2025/02/08 14:27

新田さん(!)素晴らしい本の紹介ありがとうございます。試し読みではしがきを読みましたが、オーナーさんの体験談にとんでもない気苦労を感じました。新田さんのレビューで書いてある通りです。この本も読んでみたいです('ω')ノ

新田新一
2025/02/08 14:42

兵士Oさん、いつも有難うございます。おっしゃる通り、素晴らしい本でした。読んで良かったと思います。図書館で偶然見つけて、良さそうな本だと感じました。気苦労の絶えない仕事で、著者に同情せずにはいられません。コンビニで働き続けるのは本当に大変だと思いました。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
『古今和歌集』の魅力を豊富な図版と共に紹介した本。私の好きな作家田久保英夫が序文を寄せています。本当に美しい本で、読めば読むほど眺めれば眺めるほど、愛着がわいてきます。前田青頓による「紅白梅」をあしらった表紙からして美しいです。昔書道をやっていたので、『古今和歌集』をめぐる書の美しさに感動。繊細で流麗な筆で書かれた書そのものが芸術だと感じました。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
自分の作った雪ダルマをお日様に解かされたくない男の子。彼はお日様に戦いを挑みます。冬眠中の恐竜も出てきて、お月様まで顔を出し……。せなけいこさんらしいユーモアのある、スケールの大きな絵本です。子供の頃に、雪だるまが解けていくのが嫌だったことを思い出しました。さりげなく大切な教訓を含んでいるところが素晴らしいです。それは憎しみの連鎖は続くということで、子供たちも分かってくれるでしょう。
yomineko@ヴィタリにゃん
2025/02/07 13:49

こんにちは~🐈せなけいこ先生ですね✨✨✨読みたい本に登録させて頂きました📚

新田新一
2025/02/07 14:09

yominekoさん、こんにちは。いつも有難うございます。せなけいこ先生の絵本は良いですよね。ユーモアがあって、面白いです。今日地元の図書館にたくさん置いてあるのに気づいたので、これからも読もうと思います。

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新田新一
冒頭で主人公は、東日本大震災で行方不明になった男性と会います。彼は彼女が住むドイツの街に来ました。ちょうどコロナ禍の時で、彼はマスクをつけています。これだけでも意表を突く展開ですが、後半では異なった時代を生きた寺田寅彦が生きた人間として出てきます。この世にいない人物が出てくるのは荒唐無稽に思えます。しかし災害で命を失った人達の死を受け入れるのは容易ではありません。亡くなった人たちの思いはこの世に残り続けます。本書は、作者が死者の声を借りながら描いた鎮魂の書です。繊細で陰影に富んだ文体に惹きつけられました。
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新田新一
吉井勇の短歌をまとめて読むのは、これが初めでした。生まれながらの歌人と感じました。自分の感情を率直かつ伸びやかに表現する家風で、読んでいて共感できる歌が多かったです。生活が苦しい中で書かれた短歌には強靭な意志が感じられて、強く勇気づけられました。良いと思った短歌を一つご紹介。「生きむ生きむあくまで生きむかく思ひ今朝も目覚めぬ病ひの床に」「生きむ」という言葉が三つ重ねて、生き続ける事への強い意志を表現した忘れがたい短歌です。
宵待草
2025/02/05 15:47

追伸 鹿児島で大雪とは!😲 新一さんも、どうぞご自愛下さいね!✨ 宵待草

新田新一
2025/02/05 15:53

宵待草さん、お心遣い頂き、有難うございます。

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新田新一
作者はノーベル平和賞の受賞者です。ここに収められている詩は、国家政権転覆扇動罪で逮捕され服役中に書かれたもの。詩の大半に妻である霞氏への深い愛情が表現されています。清らかで一途な思いであり、読んでいると共感せずにはいられません。僕は一生君の囚われ人で良い、といった表現を読むと、これこそが真の愛だと思われてきます。有名な作家や哲学者に言及した詩もあり、興味深く読めました。私はブロンテ姉妹を崇拝しているので、エミリーの短くて激しい生涯を描いた詩には心を打たれました。獄中で亡くなった作者のご冥福をお祈りします。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
キーツの詩を読んだので、盟友だったシェリーの詩も読みたくなりました。55連ある比較的長い詩で、キーツの死を悼んだものです。題の”Adonais”はキーツの事です。ロマン派の詩人らしく自然を描写しながら、"weep for Adonais"(アドナイスのために泣け)という言葉が繰り返されます。でも次第にトーンが変わって、嘆きから生を肯定する内容になります。死は人の生は終わりではなく、彼の生の証は自然と一体となり存在し続けると表現されます。シェリーの詩は伸びやかで朗々としており、この詩にも明るさを感じます。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
イギリスの詩人ジョン・キーツの最高傑作の一つと言われる「秋に寄せて」を再読しました。私はイギリスの詩が好きでたくさん読んだのですが、その中でキーツとシェークスピアの詩が一番美しいと思います。キーツの詩は韻の踏み方が巧みで、事物が繊細に表現されます。さらに人生や芸術の意味が詩の中で思索され、深みを感じる内容です。添えられた解説を読み、この詩が詩人の死の直前に書かれたことを知りました。秋の美しい情景を描写しながら、過ぎゆく季節に対する哀惜の情が行間に感じられます。自らの死を予感していたのかもと思いました。
兵士O
2025/02/03 20:56

新田さん、ボクは詩はほとんど読まないのですが、自らの死を予感していたキーツという詩人に、新田さんのレビューを読んで興味を持ちました。秋……確かにすべての生き物が眠りを迎える冬の前の季節です(>_<)

新田新一
2025/02/03 21:19

兵士Oさん、こちらのコメントも有難うございます。キーツは25歳の若さで亡くなりました。彼が若くして亡くなったことを考えると胸をつかれます。それに比べて自分はダメな人間のまま長く生きて、情けないと思ってしまうことがあります。それはさておき(苦笑)。キーツの詩は翻訳しても良さが十分伝わるので、機会があったら図書館で岩波文庫の対訳詩集を探してみてください。神話を題材にした詩をたくさん書いているので、兵士Oさんはお好きかもしれません。

が「ナイス!」と言っています。
新田新一
『このマンガがすごい』にランクインしたがきっかけで読み始めました。スーパーの裏で肩身の狭い思いをしながら、タバコを吸う男女の心の触れ合いを描いた作品。この巻は特に素晴らしく、最近の漫画の中で屈指の傑作。作者は人の心の襞を本当に繊細に描きます。主人公のサラリーマン佐々木と店員の山田さん(田山さん)が惹かれ合ってお互いを想う気持ちが少しずつ深まっていくの読むと、こちらの胸もときめきます。さらに非常に繊細で気を使いすぎる山田さんの同僚の苦しさもリアルに描かれて、心揺さぶられます。この作品に出会えて良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
新田新一
金子みすゞの詩は何度読んでも良いです。心が浄化されて、彼女の深い優しさに、心が震えます。表面的な優しさではなく、生きとし生けるもの全て、この世界の全存在に注がれる愛情です。例えば、「積もった雪」では、積もって下の方になった雪への心遣いが描かれています。雪にも優しさを向けられる細やかな感受性には驚かされます。解説を読んで金子みすゞの不幸な生涯を知りました。耐え難い苦しみや悲しみも彼女の優しさを破壊できなかったことを知り、勇気づけられました。
兵士O
2025/02/03 21:00

金子みすゞの詩はボクも大好きです。確かに新田さんが言われるように、どんな苦しみ、悲しみがあろうとも、弱いもの、小さなものへの優しさが行間から漂ってきますよね。新田さんと同じ詩人が好きで本当に嬉しいです(#^^#)

新田新一
2025/02/03 21:14

兵士Oさん、こんばんは。兵士Oさんも金子みすゞがお好きで、本当に嬉しいです。やった!と思いました。彼女の詩は本当に優しいですよね。どうしたらこんな優しくなれるのかと思います。見習いたいです。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/05/25(2114日経過)
記録初日
2023/06/01(646日経過)
読んだ本
968冊(1日平均1.50冊)
読んだページ
155287ページ(1日平均240ページ)
感想・レビュー
968件(投稿率100.0%)
本棚
0棚
自己紹介

日本と海外の古典文学、SFとミステリー、漫画、児童書が好きです。どんな本でも丁寧に読んで、自分の言葉で感じたことを書いていきたいと思っています。よろしくお願いします。

好きな本10冊

夏目漱石 『道草』
三島由紀夫 『午後の曳航』
山本周五郎 『さぶ』

ジョナサン・スウィフト 『ガリバー旅行記』
グレアム・グリーン 『情事の終わり』
J・D・サリンジャー 『ライ麦畑でつかまえて』

レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』
フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るのか?』

チェーホフ 『桜の園』
シェークスピア 『ソネット集』

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