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2024年1月の読書メーターまとめ

かわかみ
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感想・レビュー
16
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121ナイス

2024年1月に読んだ本
16

2024年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

かわかみ
ネタバレ重いストーリーだった。女性作家が友梨という女から手紙をもらうが、女と二人の友人の30年にわたる関係を小説に書いてほしいとしたためてあった。会って話を聞くと罪でつながった三人の女の悲しくて暗い人生の長い話であった。作家は三人が自分と同じ中学校の同級生であり、里子と真帆という二人の友人の名前に聞き覚えがあることに気がつく。最後に女がひとつ嘘をついたことと、小説に書いてほしいという願いの本当の目的(贖罪と供養)を知り、作家は執筆に着手する。嫌なエンディングではない。あり得ない話を考え、読ませてしまうのは凄い。
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2024年1月にナイスが最も多かったつぶやき

かわかみ

2023年12月の読書メーター 読んだ本の数:13冊 読んだページ数:2686ページ ナイス数:110ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1038892/summary/monthly/2023/12

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2024年1月の感想・レビュー一覧
16

かわかみ
ラブクラフトのクトゥルー神話をコミック化したシリーズの一冊。原作を読んでいないが、本作では登場人物のウイルバーとラヴィニアに人間味を加えたという。ウイルバーはまだ14歳ながら並外れた体格と知能を持っており、古代の魔術書を閲覧しに図書館を訪れた。彼の目的は旧神の召喚であり、それが果たされてしまうと人間は滅亡してしまう。それを阻止しようとする学者たち、ウイルバーが恋心を抱いた女性記者、そして目に見えない怪物が入り乱れる冒険活劇。
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かわかみ
ローマが地中海の覇者となった契機であるカルタゴとの戦争を詳細に描く。史上最高の戦術家の一人であったハンニバルに何度も叩きのめされたローマ軍だったが、彼らの優れた開放性によって築かれ機能したローマ連合という集団安全保障体制をハンニバルもとうとう打破できなかった。そして、ついにローマはハンニバルの戦術を身につけた若き名将スキピオを得てザマで勝利した。そのスキピオの晩年の失脚の様子は現代でもしばしば再現されている。また滅亡に至る前のカルタゴの出処進退にもいろいろと考えさせられる。
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かわかみ
ミナミは病院で目を覚ますが、自分がすべての記憶を失っていることに気がつく。夫と名乗る男や、一緒に住んでいるというその姉のことも思い出せない。美しい男と会った夢を見たが、これは誰なのだろうか?そして、どうしてミナミは記憶を失ったのだろうか?少しずつ手がかりを得て記憶が蘇っていく内に驚くべき事実が明らかになるノアール・ミステリー。狂言回しとして登場する渚とミナミの夢に出てきた美しい男との接触に余韻が残った。
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かわかみ
B.C753のローマ建国からB.C270のイタリア半島統一まで。王政から執政官が治める共和政に移行した後の方が貴族と平民の争いが激しくなったことは意外であり興味深い。ローマ人は成文法の導入に先立ってペリクレス時代のアテネに学んだが、ペリクレスの偉才に依拠した直接民主制は危ういと考えたのではないかと著者は記す。その他、ローマ人の開放性にも賛辞を送るが、弓削達氏によるとローマ人の知恵や気質だけではなく、アテネとローマの共同体の成り立ちの違いということになる。いずれにしても面白い本である。
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かわかみ
女優・麻子の視点で語られるミステリー。彼女の夫が脚本を書く舞台劇のために麻子たち役者が山奥にあるログハウス風の施設に集められた。脚本は毎日、幕の区切りのよいところで少しずつ配られ、芝居の稽古が進んでいく。その脚本は、役者たちが芝居の稽古をしている内に一人ずつ殺されていくというミステリーだった。ところが、その脚本と並行して集められた役者たちが一人ずつ死んでいった。しかも雪崩が起きたために麻子たちはクローストサークルの状況に陥って、施設に閉じ込められてしまった。事件の背後には愛憎の織りなす襞があった。
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かわかみ
著者得意のユーモアミステリー。不動産会社に職を得た恵美子は前社長の病弱な息子の世話を任される。ところが社内政治の軋轢で前社長派を追放しようとする現社長派が恵美子に失敗をさせようと面倒な問題物件の解決を次から次へと押し付ける。恵美子は困惑しつつも謎の男・犬頭とともに5つの問題物件の意外な真相を暴いていく、という短編集。ただし、問題解決の手段は人間ならぬ犬頭の超能力なので実に手軽にスイスイと事が運んでいく。ミステリーとしては安直なのだが、時代劇の水戸黄門のような勧善懲悪が気持ち良いのでつい読んでしまうw。
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かわかみ
ネタバレ重いストーリーだった。女性作家が友梨という女から手紙をもらうが、女と二人の友人の30年にわたる関係を小説に書いてほしいとしたためてあった。会って話を聞くと罪でつながった三人の女の悲しくて暗い人生の長い話であった。作家は三人が自分と同じ中学校の同級生であり、里子と真帆という二人の友人の名前に聞き覚えがあることに気がつく。最後に女がひとつ嘘をついたことと、小説に書いてほしいという願いの本当の目的(贖罪と供養)を知り、作家は執筆に着手する。嫌なエンディングではない。あり得ない話を考え、読ませてしまうのは凄い。
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かわかみ
図書館で見つけた本で作者はアメリカ人女性。時代はヴィクトリア朝、主人公はアメリカ出身でロンドン警視庁の警部補に雇われた家政婦。警部補は紳士階級なのか彼女の他にも数名の奉公人を雇っている。人が良くて、あまり捜査に向いていないように見える警部補を支えるべく、また彼ら自身の楽しみのために奉公人たちは、彼らの同業者とのネットワークを使って捜査を進めるというミステリー。この着想が面白く、またストーリーは二転三転するが、伏線の回収がきっちりされている。
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かわかみ
この作家を知らなかったのだが、芥川龍之介や江戸川乱歩に西條八十までが絶賛または愛読したそうである。怪奇小説というに留まらず幻想的で美しい作品もある。本書には、ジム・ショートハウスという人物が登場する作品が多く含まれ、その点で統一性が見られるが内容は多彩で一言では表せない。表題作は奇想天外な怪異冒険譚、「野火」と「スミスの滅亡」は滅びの美しさや儚さを伴った幻想譚。「空家」のように古典的な怪談もあるが、それだけに留まらない。
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かわかみ
個人的に期待外れの本だった。3世紀はローマ帝国にとって危機に直面した時期とされるが第2章で様々な論者が語る危機を列挙した挙げ句に「衰退の理由を説明することを可能にするリストは、作ろうとすれば際限なく長くなるだろう」と述べたのを最後にローマ帝国の衰退には口をつぐむ。むしろ、ローマの文化、文明が現代ヨーロッパに生き続けていることを強調し、帝国にキリスト教が普及した歴史を詳述する。訳者も後書きでその辺を本書の欠点と指摘し、本書はEU史観の書ではないか、と疑っている。なんで本書を翻訳したのか?が率直な感想。
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かわかみ
ローマの帝国前期の歴史の叙述ではなく副題にあるように政治・社会の仕組みを詳説している。紀元前88年に終結した同盟市戦争の後で属州都市にローマ市民権が拡大されたことをもってローマは都市国家を脱したと日本では説明される。しかし、帝国前期はまだローマを中心とした都市国家の連合という性格であり、初代皇帝アウグストゥスも共和政の制度を利用しながら新たな君主制を創出したのだった。教養書ではあるが専門的な内容を含んでいる。
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かわかみ
本書を紐解くとローマは戦争につぐ戦争を続けてきたことがわかる。ローマは勝利とともに、降した敵国に君臨する帝国となっていったが、それは共和政の下であった。本村凌二氏の言葉によれば共和政ファシズムまたは共和政軍国主義であった。それはポリュビオス曰く王政・貴族制・民主政の要素をバランスよくミックスした政体ゆえに長持ちしたが、やがて繁栄と裏腹にローマ市民の階層分化が進む。グラックス兄弟の改革も頓挫、カエサルが共和政にとどめを刺し、オクタビアヌスが共和政を再興する素振りを見せながら、それをミイラ化したとする。
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かわかみ
昔、本作を新潮文庫で読んだのがラブクラフトのクトゥルフ神話に最初にふれた機会だった。太古の旧神というアイディアと呪われた町の描写に底しれない怖ろしさを感じたことを思い出す。正月なので肩がこらないマンガ版で再読したが、やはり、この神話世界は魅力的である。
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かわかみ
本作は昔、岩波文庫で読んだけれどもフランスの抑圧的な王政復古時代という背景をろくに知らなかったので、あまり理解できなかった。ジュリアン・ソレルの強烈な上昇志向と、そのために女性を踏み台にするエグさ、貴族や聖職者たちの陰湿さなど、まんが化されて際立った面もある。波乱万丈のストーリーと、レナール夫人の愛情に悔悟したジュリアンの最後、やはり傑作だと思った。
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かわかみ
プルーストさん、ご免なさい。原作は長大にして複雑な構成と難解な文章とされているので、正月休みに有名な作品を"まんがで読破"した。「赤と黒」と似たモチーフが見られるが、ブルジョア出身の文学を目指す青年が貴族社会の中で地歩を築いていこうとする上昇志向の物語であるとともに芸術と愛情、人生の美しさについても描いている。本作に頻出する同性愛は貴族社会の爛熟の象徴かも知れないがプルースト自身にも、そのような嗜好があったらしい。まんがで荒筋はわかったが、本来、交響曲を聴くように原作の世界観に浸るべき作品。
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かわかみ
中世の城郭は軍事的な防衛施設というに留まらず宗教的な聖地を拠点として城域展開されたケースが多い(「城館と聖地」)。冑佛信仰は頼朝に始まるとされるが武士たちの戦場における神秘体験に裏打ちされているのではないか(「戦士たちの冑佛信仰」)。関東の城館には天神を祀る曲輪が多いが朝廷に対抗する精神的支柱とされたのだろう(「関東武士と天神菅原道真」)。など、中世の武士と信仰のありように光を当てる興味深い論考がいくつも。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/08/18(1783日経過)
記録初日
2007/05/13(6263日経過)
読んだ本
818冊(1日平均0.13冊)
読んだページ
204443ページ(1日平均32ページ)
感想・レビュー
818件(投稿率100.0%)
本棚
23棚
性別
現住所
東京都
URL/ブログ
https://note.com/mshr3033
自己紹介

会社勤めをリタイアして、東京の多摩地域で悠々自適の日々を送っています。 趣味として、クラシックギターを下手の横好きで習っています。

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