読書メーター KADOKAWA Group

2024年10月の読書メーターまとめ

Sakurakunnn1
読んだ本
14
読んだページ
5258ページ
感想・レビュー
14
ナイス
113ナイス

2024年10月に読んだ本
14

2024年10月のお気に入り登録
2

  • CPT
  • TARO

2024年10月のお気に入られ登録
3

  • CPT
  • TARO
  • 燃え尽きタコ

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Sakurakunnn1
ネタバレ血を分けた孫娘の殺人計画を、死の床にあって託す権力者の妄執。その業に囚われ望まぬ人殺しをした和尚は、自身の運命をどう思ったのか。最早古典となった本作であるが、冒頭から解決に至るまで布石は十分。風流話がさりげなく散りばめられ、見立ての解読に繋がる点や、被害者を死体発見現場でなく道中の祠へ誘導しアリバイを確保した点は現代読者の目線で見ても尚、お見事。三つの殺人を三者で分担していると見抜くに至らなかったのは悔しい。振り返ると村の三役が強調されていたし、和尚の不自然な代替わりにも注意を払うべきだったか。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
14

Sakurakunnn1
ネタバレホームズ・ワトスンコンビはとかくホームズに関心が行きがちだが、この作品はジョー・ワトスンがとても魅力的だと思う。軍時代に培われたのか、即物的現実的な考え方を持っているくせに男を見る目がなく依存体質な所、シャーリーの奇人変人さを受け入れてしまう懐の深さがあっての作品だ。そこをベースにした上で、本家ホームズを踏襲しつつも引きずられすぎないシャーリーの名探偵ぶりが面白い。また本家と違い、シャーリーには自分の理解者、友人がいない寂しさの様なものが感じらる。女ホームズ&女ワトスンは初めて読んだとが、期待以上。
が「ナイス!」と言っています。
Sakurakunnn1
ネタバレクリスティを踏襲しつつ連続殺人の乗っ取りへとつなげていく「ABCキラー」が素晴らしい。「助教授の身代金」も含めて、犯人自身も把握していない事柄があると、事態が混迷を極めて面白い。二編とも短編故に犯人特定まで急転直下なのが惜しく、長編尺でやって欲しいくらいだ。一方「モロッコ水晶」はドアンフェアだ。これは本格ではない。
が「ナイス!」と言っています。
Sakurakunnn1
ネタバレやられた。いつもの金田一耕助後半登場パターンと思い込み、読み進めてしまった。今回は語り部形式で、読者は屋代の原稿を読んでいるのは明らかなのに…。どんでん返しを喰らった後に読み返すと、直記に対する屋代の態度も憎しみを押し隠した嗜虐的な印象を受け、趣深い。顔のない死体はセオリー通りの入れ替わりをチラつかせたアリバイ確保であったり、女の死体は入れ替わりに見せておいてストレートに八千代の死体であったりと、一見シンプルなくせに捻りが効いた展開に驚く。八つ墓村、獄門島、悪魔の手毬唄と本作で四大作品かな。名作。
が「ナイス!」と言っています。
Sakurakunnn1
ネタバレ東太郎=治雄は邪推出来るが、利彦とアキ子の爛れた関係の末の子とまでは想像力が及ばず。昭和の斜陽名家とあっては、現代人の我々以上の醜聞に感じるであろう。振り返って相関図を意識すると、情報の隠し方出し方の無駄無い話運びに嘆息。フルートの音色とともに死んだはずの子爵が現れ、家の者が次々に死んでいく。複雑怪奇な事件のうち、探偵目線では本命に見える殺人劇だけが、実は当初の犯人の計画にはない代物。偶然と不足の事態により、解決が混迷を極める…とはカー作品の雰囲気と似ている。子爵の代役仕事出来過ぎ。
が「ナイス!」と言っています。
Sakurakunnn1
ネタバレそれぞれの殺人事件の一番大きな”謎”は何なのか分からず、魅力に欠ける。タイトルから想像する陰惨な、ひょっとして呪いによって殺されたのではと疑いたくなるような事件を想像するも、蓋を開けると普通の殺人事件の連続でしかない。容疑者たる登場人物も個性に欠け、淡々と物語が進むし、読者が探偵役と受け止める古陶里が快刀乱麻を裁つでもなく、得意の民俗学の知識が鍵となる訳でもない。語り部の記憶喪失解消とともに全てが解決するのでは盤外勝負ではないか。但し僕=真白や古陶里との入れ替わりでなく、三人目という発想は面白かった。
が「ナイス!」と言っています。
Sakurakunnn1
ネタバレ現世から幽世に迷い込んでからの主人公の順応が早すぎて肩透かしをくらう。世界感の説明がセリフを通して為されるきらいがあり、巷に蔓延るという吸血鬼とその伝染の恐怖も薄い。途中から関わる主人公が吸血鬼の伝染に漢方が効くという謎の確信を持つのもあまり乗り切れなかった。またおしろいなど、事態の原因や解決の鍵が提示されたそばから使用されていくのも唐突だと思う。
が「ナイス!」と言っています。
Sakurakunnn1
ネタバレ手毬唄の見立て殺人だというのに、唄の存在を探偵が知るのがこれ程遅いとは、なんと珍しい。家の醜聞を恐れたり、他家へ蟠りから情報を隠す村人たち、二十年前の事件の記録のなさと現代では考えられない壁が耕助の推理を阻む。八墓村では犯人が前面に出張ってくるが、本作の犯人は影に潜み、最後まで正体を悟らせない。とはいえ真相に至る道は、特に歌名雄の容姿が何度も強調されていることからきちんと示されており、素晴らしい。しかしだね金田一先生、犯人に検討がついてましたというのなら、もう少し救える命があったんじゃないかい。
が「ナイス!」と言っています。
Sakurakunnn1
ネタバレ山奥の旧家の当主が失踪宣告による死亡扱いとなり、遺言状の開封に伴って殺人劇の幕が上がるまでは良いのだが、展開に陰惨さはなく淡々と話が進むし、一族といい探偵サイドといい、キャラクターが弱い。過去の事件から翠がヤンデレ気質になった様だが、因果関係も弱い。祖父の死の衝撃が何故愛する者への束縛に繋がるのか。また棺からの死体消失トリックは見当がつき、第二第三の事件の機械仕掛けは驚きに欠け、犯人はというと想像が容易い。ハウダニット、フーダニット共に意外性がないのが難点。横溝オマージュという売り方にも難あり。
が「ナイス!」と言っています。
Sakurakunnn1
ネタバレ村が八つ墓村と呼ばれるようになった戦国の謂れから大正の悍ましい事件、それから二十数年たった戦後の昭和に三度陰惨な殺人劇の幕が上がる…と、出だしから読者を惹き付ける、作品の力が物凄い。連続殺人の犯人は読者のメタ的な視点からはあからさまだが、辰弥にとっては自身を導いてくれる心強い味方に見えるであろうし、全く尻尾を見せない、頭がよく周到で、冷酷な人物であり大変魅力的。村の言い伝えを狂信するが故の二者択一の殺人であると見せかけつつ、煙幕の中で田治見家の相続者狙っていく、恐ろしい人物である。
が「ナイス!」と言っています。
Sakurakunnn1
ネタバレ血を分けた孫娘の殺人計画を、死の床にあって託す権力者の妄執。その業に囚われ望まぬ人殺しをした和尚は、自身の運命をどう思ったのか。最早古典となった本作であるが、冒頭から解決に至るまで布石は十分。風流話がさりげなく散りばめられ、見立ての解読に繋がる点や、被害者を死体発見現場でなく道中の祠へ誘導しアリバイを確保した点は現代読者の目線で見ても尚、お見事。三つの殺人を三者で分担していると見抜くに至らなかったのは悔しい。振り返ると村の三役が強調されていたし、和尚の不自然な代替わりにも注意を払うべきだったか。
が「ナイス!」と言っています。
Sakurakunnn1
ネタバレ事件が起こった後で話が始まること、相手よりも主人公たちの方が強いことから人ならざる「アンロウ」の危険性がイマイチ伝わりづらい。また、主人公とヒロインたちの信頼関係も出来上がっているため、読者がとっつきづらい。話の構成、キャラクターの描き方は魅力を感じるため、非常にもったいない。アンロウが人の群れに潜み、異能の事件を起こす訳だがそこに捻りがなく、すぐに犯人として出てくるのも難点。灼眼のシャナの様な敵の強さやヒロインとのドラマ性、断章のグリムの様な意外性のある結末が、厨二ラノベには欲しい。
が「ナイス!」と言っています。
Sakurakunnn1
ネタバレ腕時計というたった一つの手がかりを元にロジックを積み重ねていく、地に足の着いた表題作が光る。まさに本格のお手本であり、これまで読んだ作家アリス作品の中で圧巻の出来と思う。犯行現場で壊れたのは被害者犯人どちらの腕時計か。何故犯人は部屋を掃除し、被害者の腕時計を持ち去る必要があったのかに着目しながら犯人候補を絞っていく無駄の無い構成に痺れる。加えて、有栖や同窓生たちは17歳の頃の自分と、成功や柵に囚われた今の自分を否が応でも見せつけられる場面が綴られており、何とも物悲しい気分にさせてくれる。
が「ナイス!」と言っています。
Sakurakunnn1
ネタバレ仮想世界内の宇宙空間設定とアタリを付けて読み進めるも、まさか「仮想世界と見せかけた現実世界の宇宙空間が舞台」とは、恐れ入った。いるはずのNPCが一向に現れないことや、ゲーム内の犯人が風魔法所有者でなく土魔法所有者であるという論理の持っていき方もお見事。今回の以相の目論見はゲームの参加者たちに”現実世界を仮想世界と誤認させ、殺人に対するハードルを下げる”という何とも陰湿で血の通っていないものであるが、あらかじめ解決に至る道筋もフェアに提示しているところに、”犯人”としての矜持を感じ取れる。
が「ナイス!」と言っています。
Sakurakunnn1
再読。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/01/09(1780日経過)
記録初日
2020/01/10(1779日経過)
読んだ本
208冊(1日平均0.12冊)
読んだページ
75758ページ(1日平均42ページ)
感想・レビュー
208件(投稿率100.0%)
本棚
6棚
性別
年齢
34歳
現住所
愛知県
外部サイト
自己紹介

遼来、遼来!

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう