元ネタの番組を知らないと、楽しめないところはあるかもしれない。一番笑ったのは、「洋画劇場 哲学惑星大戦争」の以下のニーチェのセリフ。「ワシの哲学には、西洋哲学、西洋的価値観のすべてを転覆しうる強大なフォースが秘められておる。決して自己啓発の為のおもちゃなんかではない! ワシの"言葉"をつまみ食いして"元気が出た"などとほざく畜群は、深淵にでも投げ込んでやるわ!」(pp.200-1)。あと、とにかくベーコンとその死因ネタ擦りすぎ。
巻末の哲学用語解説にはこう書かれている。「心理的利己主義は、人間は本来、自分の利益に基づいて行動するという考え方。[中略]対する倫理的利己主義は、社会全体の利益のために自己の利益を追求すべきとする」(p.110)。後者はもしかすると、マンデヴィル流の「私悪すなわち公益」のつもりで書かれているのかもしれないが、倫理的利己主義ということで普通意味されているのはそれではないだろう。
あーそうか、マンデヴィルではなく、アイン・ランドが念頭に置かれているのかもしれないな。そうだとしても、倫理的利己主義をアイン・ランドだけに限定してしまうのは狭すぎると思う。
ためになった話を強いて挙げるとすれば、勝敗が運に大きく左右されることを防ぐためにデュースが設けられている、ということと、面白みのない試合を回避するためにバスケの24秒ルールが設けられている、ということくらいか。「同じ野球でも慣例に違いが多い日本のプロ野球とメジャーリーグ」という題のコラムでは、てっきりunwritten rulesが紹介されるのかと期待していたら、引き分けの有無や外国人のロースター入り制限の有無等、野球という競技の本質にはさほど関係のない話ばかり。うーん。
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元ネタの番組を知らないと、楽しめないところはあるかもしれない。一番笑ったのは、「洋画劇場 哲学惑星大戦争」の以下のニーチェのセリフ。「ワシの哲学には、西洋哲学、西洋的価値観のすべてを転覆しうる強大なフォースが秘められておる。決して自己啓発の為のおもちゃなんかではない! ワシの"言葉"をつまみ食いして"元気が出た"などとほざく畜群は、深淵にでも投げ込んでやるわ!」(pp.200-1)。あと、とにかくベーコンとその死因ネタ擦りすぎ。