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2024年3月の読書メーターまとめ

きゃれら
読んだ本
13
読んだページ
4658ページ
感想・レビュー
13
ナイス
724ナイス

2024年3月に読んだ本
13

2024年3月のお気に入り登録
1

  • 毒兎真暗ミサ【副長】

2024年3月のお気に入られ登録
3

  • 毒兎真暗ミサ【副長】
  • あまね
  • 轟直人

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

きゃれら
本書がベストセラーのころ、そういうの嫌いだしタイトルに反感あるしで手に取らなかったが、いつの間にか過ぎた30年が実にもったいないスゴ本だ。利己的という言葉を使って遺伝子に意思があるかのように思わせるが、これは自然淘汰による生物の成り立ちは遺伝子に意思があるかのように説明するのが分かりやすいという意味だ。遺伝子に視点をおけば、我々生物がその乗り物だという見方が実に色々なことをわからせてくれる。科学の本だが、ゲーム理論、行動経済学と密接に関係しているし、読むうちだんだん哲学的な思索に引き込まれていく。
きゃれら
2024/03/06 14:48

様々な生物のいろいろな生態、中には非常に奇妙なものや人間社会の縮図のように見えてハッとさせられるものが描かれている。それらが、自己と同一の遺伝子を残す、という方針を背景に考えると実に分かりやすく解説されていき、とても納得できるのだが、読んでいる最中は、爽快感より不快感がまさったりする。その原因の一部は、あまりにも身につまされるから、なのかもしれない。生物同士の騙しあい、特に親子や夫婦のそれは、人間社会そのものと思わされた。あー気持ち悪い。

きゃれら
2024/03/06 15:17

40周年記念版というけど、自分の年齢から引いて「はて?」と思っていたら、今のタイトルになってベストセラー化したのは30年前だとのこと。それで納得。初刊行時から40年間の科学の歩み(初版の誤り訂正含む)が脚注を読むことでよくわかるのも、この記念版のいいところだった。

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

きゃれら

ちょっと間が開いたけど、古典の勉強が人生で役立ったことない、ってのは、それは勉強したとは言わないだろう、ってことでしかないよね。自分もそんなに勉強してなくて、今頃色々古典を読んでるけど、もっと早く読めばよかったという反省ばかりだよ。年取って恥じることになるんだろうなあ。

エイダ(K.595)
2024/03/06 21:18

音楽の時間によいクラシックを、美術の時間によい絵を、家庭科の時間に昆布でだしをとることを。学校でやらないと、一生そういうものに触れないままになってしまう子はいると思います。

きゃれら
2024/03/07 07:15

>エイダさん 一生触れなくていい、というのも一つの意見でしょうが、触れて人生が豊かになったりする子供が結構いるはずですものね。それがなければ、親の言うとおりの人生を歩まざるを得なかった昔に戻っちゃうのかも。

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
13

きゃれら
いつ死ぬか分からないと思っているが、その意味が逆転していることに気づいた。19世紀の小説で登場人物がバタバタ死ぬのは、いつ死ぬか分からない世の中と実感させるが、今自分が思うのは「いつまで長生きしてしまうかわからない」ということだ。筆者はそれを死生観Aから死生観Bへの転換だと名付け、宗教が機能しなくなっていると論じる。ああ、そうだったのかと合点がいった。ベストセラー「ゼロで死ね」は80歳くらいで死ぬことをスケジュール化してそれまでの人生を計画する話だったけど、こんなの人類史上初めてだよね。
きゃれら
2024/03/31 09:16

市川團十郎白猿(本書内では市川海老蔵)さんが、父を白血病で、妻を癌で亡くした話がでてきて、生き急ぐ姿を少し心配していることが書いてあった。死生観Aの世界にいるのではないかとのこと。團十郎さんの今の活動を僕はそんなに気に入っていないのだけど、そう解説されると、ああなるほどなと思う。他の幹部俳優さんたちの間が疎遠に見えているのが残念なのだが、死生観の違いが根本にあるのかもしれないと思った。(細々と「伝統芸能の部屋」やってます。https://bookmeter.com/communities/338388

きゃれら
2024/03/31 09:19

社会的な死、の話は重かった。平均寿命というデータでは全然把握できないことだ。父も認知症で施設に入ってもらわざるを得ず、その日から事実上・・・、ということだったと思う。筆者がオウム真理教騒動で10年間そういう状態だったとさらっとお書きになっているのも、重い。

が「ナイス!」と言っています。
きゃれら
ダレイオス王の遺志を結局引き継いでヨーロッパ侵略に着手するクセルクセス王の挫折の一代記ということか。クセルクセス遠征軍の内訳が延々と記述されるのを読むと、戦争にコミットなんかするわけない外国人部隊が多すぎて、数はすごいけどダメなんじゃないの?と思ったら案の定という話だった。一大プロジェクトが失敗してしまう経緯は、今と何も変わっていない。あるいは、ロシア、イスラエルも同じ道をたどってしまう可能性もあるのではないか。たいそう読みにくい本ではあるが、読み終えると楽しい読書だったと言える。
きゃれら
2024/03/30 11:50

遠征に失敗したクセルクセス王が女に溺れ、それを感知した妃が…、というのが中国の宮廷に起きた出来事とそっくりなのは驚く。ヘロドトスさんの世界には中国は存在しないので、引用したってことはないんだともうのだが、どうだろう。解説を読んで、そうかこれは講談だったんだと納得した次第です。

きゃれら
2024/03/30 11:53

ギリシャは結局ペルシャの侵略を撃退するのだが、ペルシャ軍との戦闘力の違いは、ポリス同士でしょっちゅうもめて戦争してたおかげなのだろうか。このあたり、戦国時代直後植民地化を逃れることができた我が国のことを思い出した。

が「ナイス!」と言っています。
きゃれら
都心の無人書店のワゴンにおいてあってタイトル・表紙デザインからしても軽めの自己啓発本と思いきや、硬派・重厚な思想書と言っていいエッセイだ。起きている間スマホに触らずにいられない我々の「注意」がマネタイズされ続ける異常な状況への抵抗を呼び掛けている。引用される作家は、エピクロス、スキナー、アレント、荘子、フーリエ、ル・グィン、ディオゲネス、ドゥルーズ、メルヴィル…。この中で特にアレント「人間の条件」とメルヴィル「代書人バートルビー」は本書の極めて重要な軸となっている。難しい議論だが一読の価値はある。
きゃれら
2024/03/28 08:13

著者のアテンションエコノミーからの脱出路は、バードウォッチングだったとのこと。言われてみれば、自分も読メに参加以来、読み友さんの影響もあり、鳥に目が行くようになった。うん、彼らはスマホ持ってないものな。ただ、本書の議論に手放しで賛成できないのは、バードウォッチングにしろサンクチュアリ訪問にしろ、みんなでやったら環境破壊なんだよね。何度も引用されるソロー(森の生活)さんが森で山火事起こしちゃったのは有名な話…。

きゃれら
2024/03/28 08:17

ここ読メは、脊髄反射が蔓延するSNSの中でも「読書」という超スローな要素が入り込んでいて、そこが快適なのかなと思うのでした。ナイス数とかどうしても気にしてしまう自分が悲しいですけど。

が「ナイス!」と言っています。
きゃれら
ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」の予習本を探していて、神保町の古本屋のワゴンで見つけた。昭和29年9月の第二版で改版前。正直読みにくかった。ケルト伝説の様々な伝承や詩をペディエという人が編集したものということで、主人公たちの一貫しない態度がいかにもそれらしい。ワーグナーは自分の不倫の恋が重なってしまってああいう壮大な作品になった、という解説をパンフレットで読んで納得している。自分の思いの丈を語ったり相手の不実をなじったりという言葉そのものはどうということもないのだが、音楽に載ると格別なんだよなあ。
が「ナイス!」と言っています。
きゃれら
いよいよ明日初めて観る「トリスタンとイゾルデ」の予習本。クラシックはバロック以前から現代まで幅広く聞いているのになぜかワーグナーは抜けていたのだ。「トリスタン和音から無調が始まった」という本書の記述を見て、もってるCDの中の序曲と愛の死を改めて聞くと、あら不思議、お気に入りリヒャルト・シュトラウスやいまいちなマーラーがそこにいるのに気づいてしまった。明日の観劇で、ワーグナー沼にはまる予感がする。そのための本としては、いい本だと思う。明日ももちろん携帯。
が「ナイス!」と言っています。
きゃれら
ひたすらにいざこざと戦争と略奪の経緯が綴られている。どこの政体も内政が安定すると外国へ遠征に行くのはなぜなのか考えてしまう。兵力を養い続けるため、ということなのかな。恨みの連鎖がギリシア側の足並みを乱している巻だが、ダレイオス王の傲慢な気まぐれもペルシア側にプラスとは思えない。下巻はいかに。
きゃれら
2024/03/18 10:10

ヘロドトスさんに(注)とか、外伝とかの本の構成を誰か教えてあげて欲しい…。こぼれ話、後日談、前日譚が全部一直線上に並べられていて、その上人名が多くて(誰かの息子の誰々の娘を娶った誰々…、知らんがな)、精読なんて無理。

が「ナイス!」と言っています。
きゃれら
本当の愛とか人生の真実とか信念とかとは向き合うことのできない主人公たちにずーっとイライラさせられる物語。イライラするのは、彼らをあまりにも愚かだと思いつつ、それが自分の姿でもあるのに否が応でも気づくからだろうか。彼らの会話はどんなに大切なことについてであっても必ず「嘘」が混じっていてそれにも苛立つが、自分だってそんなに本当のことを言ってるわけではないから。本当のことを言っちゃう人は、なんとかになってしまう。
が「ナイス!」と言っています。
きゃれら
イタリアの中流の人々の退廃を描いたということだが、第二次大戦前のことらしく、登場人物のほとんどは自分で身銭を稼ぐことをしないし、家事も召使任せで、今の感覚で見れば生活感はまるでない。最初は、作家さんが20歳でものにした作品ということも意識してしまい、あまりのめり込めなかったが、途中から若い男女の独白に「自分もこういうことで頭をぐるぐるさせてた」ことを思い出して、物語に入っていけた。男の子の「無関心」はどこまで引きずられていくのか、興味を惹かれながら下巻へ。
が「ナイス!」と言っています。
きゃれら
小説「イギリス人の患者」、映画「イングリッシュ・ペイシェント」で主人公が携帯しており、それそのものがちょっとかっこいいのと物語の中でも重要なアイテムになっていて気になっていた。当時のギリシアにおける「世界」(ギリシア、ペルシア、エジプト、リビア、インド)の歴史が、膨大な聞き取りに基づいて語られている。「まさか」という話もあるけれど、一つ一つのエピソードも面白く、長く読み継がれているのも納得。独裁制、寡頭制、民主制の比較という政体についての議論が載っているのはちょっと驚いた。先が楽しみ。
きゃれら
2024/03/19 08:35

この巻最後に地図が載っているのだが、「ガザ」が示されている。本書の頃と今とやっていることがほとんど変わってない。武器が高度化しただけにたちが悪い…。

が「ナイス!」と言っています。
きゃれら
大学で最初に入ったゼミの先生の本。おそらくその時買って以来積読だった。ルソーと、とあるが、もう一方の主人公としてヴォルテールもかなり力を入れて取り上げられている。フランス革命という大イベントを用意した18世紀フランス思想界に偉大な足跡を残した二人を軸に、人間の自由とは何かを考える二つの立場を丁寧に読ませてくれる。自分は一方的にヴォルテールの立場でものを考え、ルソーは理解できていないが、ルソーが「自然状態」に託した思いには共感できることを発見した。その気持ちは大人になる過程で封印してしまったのだけど。
きゃれら
2024/03/08 16:22

読み物として一番面白かったのは、世界史的に有名な冤罪事件「カラス事件」のことが書かれているところ。事件の状況が調書のように詳しく書かれ、いかにおかしな裁判であったかがよくわかる。事件前後の旧教vs信教の対立の苛烈さは、ちょっと前なら「野蛮な昔の話」と思ったろうけど、ウクライナやガザのことを思えば、今と何も変わらないかも。「自由」についての論考は今読んで面白いが、地元の図書館にはもはや置いてない。残念。先生、今頃読みました。面白かったです。

が「ナイス!」と言っています。
きゃれら
本書がベストセラーのころ、そういうの嫌いだしタイトルに反感あるしで手に取らなかったが、いつの間にか過ぎた30年が実にもったいないスゴ本だ。利己的という言葉を使って遺伝子に意思があるかのように思わせるが、これは自然淘汰による生物の成り立ちは遺伝子に意思があるかのように説明するのが分かりやすいという意味だ。遺伝子に視点をおけば、我々生物がその乗り物だという見方が実に色々なことをわからせてくれる。科学の本だが、ゲーム理論、行動経済学と密接に関係しているし、読むうちだんだん哲学的な思索に引き込まれていく。
きゃれら
2024/03/06 14:48

様々な生物のいろいろな生態、中には非常に奇妙なものや人間社会の縮図のように見えてハッとさせられるものが描かれている。それらが、自己と同一の遺伝子を残す、という方針を背景に考えると実に分かりやすく解説されていき、とても納得できるのだが、読んでいる最中は、爽快感より不快感がまさったりする。その原因の一部は、あまりにも身につまされるから、なのかもしれない。生物同士の騙しあい、特に親子や夫婦のそれは、人間社会そのものと思わされた。あー気持ち悪い。

きゃれら
2024/03/06 15:17

40周年記念版というけど、自分の年齢から引いて「はて?」と思っていたら、今のタイトルになってベストセラー化したのは30年前だとのこと。それで納得。初刊行時から40年間の科学の歩み(初版の誤り訂正含む)が脚注を読むことでよくわかるのも、この記念版のいいところだった。

が「ナイス!」と言っています。
きゃれら
2024/3/2びわ湖ホール公演の予習、復習のため購入。知らない人にあらすじを説明してもなかなか理解されないのだが、オペラとしては最高に面白いと思う。音楽の素晴らしさに加え、この台本の懐の深さ味わい深さが、感動を高めてくれる。貴族の勝手なドタバタ恋愛コメディに、しかしなんでまた、こんなに感動するんだろう。小説だったら、なんじゃこりゃ、かもなあ。
きゃれら
2024/03/03 22:38

本書は、ト書きも対訳となっているのだが、びわ湖公演はとても忠実だった。前に見た新国立劇場の公演はちょっとアレンジされていたのかな。元帥夫人が後姿を見せながら去っていくのがめちゃくちゃかっこよかったんだけど、びわ湖のはちょっと印象違ったんだよなあ。

が「ナイス!」と言っています。
きゃれら
読んでいる最中はそんなに面白いわけではない。同じことを繰り返し説明しているのがしつこくもある。しかし全編及び当時とその後の受け止められ方が詳しい解説を読み終えるとじわじわと感動が胸に湧き上がる。読者の達人たちが「読むべき」と強調する意味がよくわかる。古い科学の書だが、現代から見れば極めて乏しい材料を基にほとんど間違いのない論を立てている筆者は本当にとんでもない人だ。当時はわかっていないこと(遺伝の法則やDNA やetc)、証拠のないことはその通り正直に書いている、昨今のSNSでは絶滅した誠実さもすごい。
きゃれら
2024/03/01 18:27

次か次の次は利己的な遺伝子に挑む予定。グールドの本も読み直したいし、理不尽な進化も再読したい。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/08/05(1355日経過)
記録初日
2020/07/12(1379日経過)
読んだ本
610冊(1日平均0.44冊)
読んだページ
219585ページ(1日平均159ページ)
感想・レビュー
588件(投稿率96.4%)
本棚
11棚
性別
職業
役員・管理職
現住所
東京都
自己紹介

小学生のころ、学級文庫にある本をどんだけ読んだか競争させられた時に本読み(名探偵ホームズ大好き)にはまりましたが(なんだ?その競争?!)、受験勉強で事実上頓挫。文学部に行ったくせに大学でもほとんど読書らしい読書をせず。20年以上前のパソコン通信参加時のミステリーフォーラム加入をきっかけに読書熱が復活して(チャンドラー&87分署!)一時1年200冊ペースで読んでましたが、今度は仕事が忙しくなりペースダウン。しかし、全く読まなくなる、というわけではなく、興味関心に従ってマイペースでやってました。
今年(2020年)のステイホーム禍をきっかけに読書メーターに出会い、再びペースアップ始めたところです。レコーディングダイエットじゃないけど、記録が残るって大切ですね。

というわけでよくいま読む本は、
経済学周辺
社会を切り取る新書類
海外文学
海外ミステリー

です。

好きな作家は…、いまは上げられないなあ。
前は素直に村上春樹(第1期全集そろえた)、って言ってましたが、アンダーグラウンド、がだめで、ダンスダンスダンスから積むだけになっちゃったんですよねえ。

プロフィール画像は、北海道旅行中すぐ近くにとまったのを撮った写真で、オオセグロカモメ、だそうです。サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥さん、ご指摘ありがとうございました!

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