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2024年5月の読書メーターまとめ

あじぽん
読んだ本
12
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4450ページ
感想・レビュー
12
ナイス
149ナイス

2024年5月に読んだ本
12

2024年5月のお気に入り登録
1

  • 中原れい

2024年5月のお気に入られ登録
1

  • 中原れい

2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

あじぽん
ネタバレ17年ぶりの伊良部シリーズ新刊。大病院のボンボンで、常識外れな振る舞いをし、注射に興奮するちょっとアレな精神科医。なのに診療の見立ては正確で、トンデモ療法で患者たちを癒してしまう。相変わらずの面白さだったが、今回はロックな看護師マユミちゃんが大活躍。時代が変化しても年をとらないのはサザエさん方式かな。なるべく早いうちに次巻が出ることを望む。
が「ナイス!」と言っています。

2024年5月の感想・レビュー一覧
12

あじぽん
ネタバレ男らしさに馴染めなくとも縛られる男たちを描いた掌編と短編。男が味わう生き辛さの解像度が高い。「球技が苦手な男子のためのスクールセラピー」球技が憂鬱だった学生時代。あの頃セラピーを受けていたらもう少しキラキラした青春を送れたかもしれない。「あるカップルの別れの理由」槇原敬之の歌を連想。もう恋なんてしないなんて言わないと強がる彼は、食事の支度を彼女に任せっきりで紅茶のありかもわからないような男だからフラれたのだと思う。「ファーザー」父親の体感を2ページに圧縮。自分ももう4分の3まで終えたのかと感慨深くなった。
が「ナイス!」と言っています。
あじぽん
社会性の欠落を自覚する研究者と作家が脳をめぐって対談。人が網膜で得る情報は百万画素。それを脳が補完した光景を視たものとして認識しているらしい。実在に鳴っていない音も耳鳴りとして現れる。私が私と認識できるのも記憶の産物。人が見ている世界は思った以上に仮想と現実が曖昧なことを実感する。終章で精神科医から発達障害とされる症状が説明されるが、身の回りの何人かに当てはまる。何なら自分にも。便宜上障害という言葉が使われているが、周りの環境に障害があったとしても、当人にとっては単なる性質に過ぎない。この認識を広めたい。
が「ナイス!」と言っています。
あじぽん
東京の中心で病院を家業とする一族に生まれ、お嫁さんになるべく育てられた華子。寂れゆく故郷を抜け出し上京したものの、資金難からの大学中退で夜職を転々とした美紀。東京山の手の上流階級と地方の寂れた漁師町。二人の生まれ育った境遇は全く別物だけど、とりまく環境はよく似ている。ともに地元を出ることなく子供の頃からの友人とだけ付き合う閉鎖的な世界。女は家に尽くすことが第一で、学問や仕事は二の次でいい。ある男を挟んで立場が対立するはずの二人が連帯するところに爽快感を覚える。女の義理って関係は時代を超えてもカッコいい。
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あじぽん
ネタバレイタリアの最南端、カラブリア州を故郷に持つ著者が語る食と家族の記憶。青魚の稚魚を唐辛子に漬け込んで練ったサルデッラ、腸詰のサルシッチャ。カラブリアの料理がどんなものか初めて知った。それがアルバニアをルーツに持つことも。数百年前オスマン帝国に追われたアルバニアの人々がイタリア南部に定住し、その末裔がドイツ人の奥さんをもらいイタリア北部に移り住む。同じような歴史は世界中のどこでもあったことだろう。どこかの料理が新しい地の影響を受け形を変化させながら受け継がれていく。料理が移動の痕跡に思えて感慨深くなった。
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あじぽん
ネタバレ小便と吐瀉と涙が入り混じった短編10篇。印象に残ったのは以下。「日本人じゃねえなら」娼婦と荒くれ者がいる酒場の雰囲気がどことなく西部劇っぽい。「サブとタミエ」サブを脱がすタミエがイカしている。「悪口漫才」二度目の人身事故を起こした男の話。酷い内容だけど不思議と解放感がある。これが一番面白かった。「おばけの子」娘から母への一方通行の愛情が悲しい。
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あじぽん
戦後の占領体制が形を変えて継続し、いまだ対米従属な日本国をいかにして自立させるか。左側からの改憲提案。戦後の憲法はアメリカが主導となって制定されたもの。しかしその理念には原爆投下の衝撃でつかの間回復したアメリカの良心が反映している。ナショナリズムからの対米自立は困難であり、自立には国際的に共感される理念を前面に出す必要があり、そのための改憲が望ましいとのこと。なまじ従属で成功しただけに対米自立が困難になったのだろう。かといって暴力行使で自立するのも無理である。なので国連を国体とする奇策もありかもしれない。
が「ナイス!」と言っています。
あじぽん
ネタバレ17年ぶりの伊良部シリーズ新刊。大病院のボンボンで、常識外れな振る舞いをし、注射に興奮するちょっとアレな精神科医。なのに診療の見立ては正確で、トンデモ療法で患者たちを癒してしまう。相変わらずの面白さだったが、今回はロックな看護師マユミちゃんが大活躍。時代が変化しても年をとらないのはサザエさん方式かな。なるべく早いうちに次巻が出ることを望む。
が「ナイス!」と言っています。
あじぽん
ネタバレ物語形式のお金の教科書。お金の増やし方ではなく、お金の意義と使い方に焦点を当てている。お金それ自体には価値がなく、お金の向こうにある誰かの働きに価値がある。お金には働く人を繋げる力があるが、そもそも働く人がいなければ社会は成り立たない。そして働くことは社会への贈与であるとのこと。お金という水が多少の大小はあっても満遍なく流れるのが良い社会なのだろう。真っ当な主張だと思うが少し不満も。自分の水たまりを大きくするため誰かが干上がることにも構わず、水の力で社会のルールを変える人たちの事はどう考えているのだろう。
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あじぽん
ネタバレ再読。闇雲の中の闇雲から湧き出た混沌小説。抜け作になりきれず、同胞の肉を喰らい、愚行の言い訳を重ねる私が栄光に入るのは、ラクダが針の穴を通るよりも難しいと思う。そんな私が救われるとしたら、犬のように主に忠実になればいいのか。それとも弥陀の本願で溢れ落ちることなく救われるのか。あるいは救いなど存在せず、普遍的と言われる価値感に従って生きればいいのか。わからない。どの教えも矛盾だらけの器に過ぎないのかもしれない。ただ一つ、光柱と毒虫の区別のつかない私が言えるのは、どうかお救いくださいの一言のみ。
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あじぽん
エロ本出身の漫画家が当時感じた違和感を振り返りながら、男の性欲が当たり前とされる社会のおかしさを問いかける。著者が25才頃の体験が中心で、時代でいうとゼロ年代。タブーとされる性の話を堂々とできる環境に解放感をおぼえながらも、それ以上に女性を性の対象としか扱わないことに嫌悪感を抱く。日本社会には男女の非対称が許容されている空間が多種多様にあり、どの男性も伝統的家族観の壁に守られている。振り返ると色々と申し訳ない気持ちになる。是非、電車内で女性の隣を選んで座ることを権利と思うような人に読んでもらいたい。
が「ナイス!」と言っています。
あじぽん
ある料理を成立させるのに最小限必要な要素は何か。そんな思考から生まれたミニマルレシピ集。まず作ってみたのは「まあまあしっとりサラダチキンとさらにおいしい鶏スープ」。妻が食べて一口目でいつもより美味しいとの感想。続いて作った「基本のミニマル焼売」も美味しくできた。塩と醤油を置き換える場合の割合や、野菜の蒸し煮の配合など勉強になることが多い。次回は「東海林さだお式チャーシュー〈改〉」からのラーメンか「めちゃくちゃおいしい本気の欧風カレー」を作ってみたい。が、その前に鍋ごと量れるデジタルスケールを揃えなければ。
が「ナイス!」と言っています。
あじぽん
ネタバレ西洋趣味の真面目な男が、カフェの女給を見そめて引き取り、蝶よ花よと愛でてるうちに、逆に調教されてしまう物語。読む前はナオミに妖艶なイメージを持っていたが全然違った。自由奔放で浮気性なのはイメージ通りだが、驚くほど蓮っ葉でガサツ。おまけに底意地も悪い。読者の目には魅力的にうつらないが、譲治に対しては腋臭を芳香に転じるような魔力を発揮する。悪い彼女のために女手一つで育ててくれた母を騙し、真面目に勤めていた会社も退職する羽目になる。溺れる男の愚かさを描きながらも愚かさ自体は否定しない。そんな懐の深さを感じた。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/10/07(1362日経過)
記録初日
2020/10/10(1359日経過)
読んだ本
607冊(1日平均0.45冊)
読んだページ
184627ページ(1日平均135ページ)
感想・レビュー
501件(投稿率82.5%)
本棚
4棚
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