2024年9月の読書メーター 読んだ本の数:9冊 読んだページ数:2251ページ ナイス数:25ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/120363/summary/monthly/2024/9
沖縄やフィリピンへの理解にも、どこか優越感が滲む。 新憲法審議の途上、GHQから国務大臣をcivilianに限定する修正を求められ、語義は現役軍人と僧侶以外であり、金森案の「武官の職歴」と書いて若い退役将校の前途を摘むのを防ぐため「文民」との語を生み出したと証言しているのは興味深い(野村吉三郎大将の防衛庁長官起用を佐藤功が違憲としたのに対して投稿)。初期国会は、首相指名選挙と別に指名の議決をしていて混乱した事例も載る(68頁、現在は参議院規則20条2項で選挙により「指名された者とする」ことになっている)。
濱口雄幸、片岡直温、伊澤多喜男ら民政党系の人と交流があった。ことさら民政党系といった活動をしていたわけではない可能性が高い(解説)ようだ。帝人事件の検挙や拘留中の措置を正当化する小原直大臣の答弁については、良い印象に取り上げている(169-170頁)。
社保庁解体の分限免職の扱いが特に印象に残った(地裁で一部認容されて高裁で棄却されている。全労連系パンフレットの色彩が強い晴山・早津編著『公務員制度の持続可能性と「働き方改革」』が「戦って勝った」側面を強調しているのと対照的だった)。
鑓水三千男「法的視点から見た公立図書館はの指定管理者制度導入の諸問題」『図書館雑誌』2018.6, 389頁は図書館法13条が「公立図書館に館長……を置く」としていることと指定管理者制度の矛盾を批判し法改正なく適用できないとする。本書は当然指定管理者の責任者は「形式的にも、実質的にも「館長」になれるはずもない」(94頁)とするが、この規定には触れていない。鑓水が同様に疑問視する地教行法については「権限を持つものを固定する役割は持っていない」(41頁)としている。「置く」なら必置と見なくて良いということか。
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