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2024年2月の読書メーターまとめ

ミネ吉
読んだ本
9
読んだページ
3814ページ
感想・レビュー
9
ナイス
228ナイス

2024年2月に読んだ本
9

2024年2月のお気に入り登録
3

  • はる
  • 73番目の密室
  • 小谷野敦

2024年2月のお気に入られ登録
2

  • はる
  • 73番目の密室

2024年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ミネ吉
面白かった。人間ドラマを最小限に抑えた純度の高い本格ミステリという感じ。捜査以外の描写がほとんどなく、地味と言っていい内容なのにぐいぐいと読まされてしまう。犯罪内容が小粒なところに妙な説得力があり、感傷一切なしの理詰めの捜査も小気味よく感じる。葛警部の食事がいつも菓子パンとカフェオレなのがなんか笑える。甘党なんだろうか。ミステリに通じているわけではないけど、オーソドックスなのに新鮮に感じる不思議な小説だと思った。
が「ナイス!」と言っています。

2024年2月にナイスが最も多かったつぶやき

ミネ吉

初まとめ投稿です。9冊は自分なりにがんばりました。1月は歴史もの、特に奈良に関係する本を多く読みました。 2024年1月の読書メーター 読んだ本の数:9冊 読んだページ数:3132ページ ナイス数:293ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1319577/summary/monthly/2024/1

が「ナイス!」と言っています。

2024年2月の感想・レビュー一覧
9

ミネ吉
下巻ではついに望が周の軍師となり、商の受王を討ち、斉の国を建国するまでを描く。あとがきによると、太公望がどのようにして周の軍師になったのかについては、はっきりとわかっておらず、釣りをしているときに周の文王に声をかけられた、といった伝説ばかりが有名になっているとのこと。本書もおそらく作者の創造に依る箇所が多いと思うが、様々な望の知略がパズルのようにぴたりとはまり、あれよあれよと周の重要人物になっていく様は爽快で、小説としてはとても面白かった。また、漢字やその前身の甲骨文字にも興味を開かせてくれた。
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ミネ吉
中巻でも望の商王への復讐はまだまだ準備段階。展開はゆっくりだが、楽しく読めた。有名な酒池肉林のエピソードも出てくるが、祭祀としての意味合いを強調するなど、後代から悪しざまに書かれた商の受王(紂王)を極力公平に描きたいという思いを感じた。悪女として名高い妲己も今のところは魅力的な女性として描かれており、下巻でどう描かれるか楽しみな所。それにしても、会う人会う人に才を褒めちぎられる望は幸福な人だ、などと妙な思いを抱いてしまった。下巻は自己評価と他己評価が合わず悩める彪に、ぜひ活躍して欲しい。
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ミネ吉
初読みの恒川光太郎さん連作短編小説集。表紙絵から奇妙な動物が出てくる幻想小説集みたいなものかと思っていたが、短編のうち何本かはちょっと苦手な真性のホラーだった。特に「胡乱の山犬」は呼吸が苦しくなるような恐ろしさ。「猫どろぼう猫」は逆にホラーなんだけどちょっと笑えるというか、コントみたいな間の面白さがあると感じた。最後の二本「日陰の鳥」「音楽の子供たち」は、美しく物悲しさもある幻想小説でかなり好きな作品。全般的にはとても面白くて、他の作品も読んでみたいと思った。
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ミネ吉
ファウンデーションシリーズと同じ世界の長編SF。ある空間分析学者による惑星フロリナ消滅の警告を巡り、フロリナを支配する貴族層のサーク人、搾取される原住民のフロリナ人、銀河帝国となる前のトランター人がそれぞれの思いで暗躍する。個人的にはこれまで読んだアシモフの作品の中でも上位にくる面白さだった。サーク人によるフロリナ原住民支配は本当におぞましいが、現実世界でのモデルはいくらでも思いつくし、余暇で本を読めるくらいには恵まれた生活を送る自分の生活も誰かの犠牲によって成り立っていることには自覚的でありたい。
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ミネ吉
釣り好きの老人、というイメージしかなかった太公望の歴史小説。主人公の望は、羌という遊牧民族の少年。商王の墓に殉葬されるため襲撃を受け、生き残った少年少女6名で商王への復讐を誓うというストーリー。冒険ファンタジー小説を思わせる筋立てで、思ったより読みやすく楽しめる。紀元前1100年頃の話なので、大部分は著者の創作と思うが、しっかり歴史情緒が感じられる。甲骨文字からの漢字の由来など小ネタも面白かった。巻頭の地図の出来が良く、作中登場する地名がしっかり載っているのも地味に嬉しい。中巻が楽しみ。
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ミネ吉
ネタバレすごく良かった。18歳と8歳の姉妹、理佐と律は、身勝手な親から独立し、二人で水車小屋のある田舎街にやってくる。そこで多くの心ある大人たちに助けられて成長する。大人になった律が、自分のことを「多くの人の良心でできている」と感じ、そしてより若い世代に還そうとする。親切が世代を超えて連鎖する様に心が動かされる。現実もこういう世界であってほしいし、自分も考え方次第で力になれるのかもしれないなと思ったり。ヨウムのネネがいつも機嫌よく歌いしゃべり、児童書のようなイラスト相まって本当に愛すべき作品になっていると思う。
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ミネ吉
面白かった。人間ドラマを最小限に抑えた純度の高い本格ミステリという感じ。捜査以外の描写がほとんどなく、地味と言っていい内容なのにぐいぐいと読まされてしまう。犯罪内容が小粒なところに妙な説得力があり、感傷一切なしの理詰めの捜査も小気味よく感じる。葛警部の食事がいつも菓子パンとカフェオレなのがなんか笑える。甘党なんだろうか。ミステリに通じているわけではないけど、オーソドックスなのに新鮮に感じる不思議な小説だと思った。
が「ナイス!」と言っています。
ミネ吉
中国への返還直前の香港を舞台に、交換留学生の瀬戸和志が、かつての恋人の死の謎を解き明かす物語。小説は大変面白く、最後は感動して涙も流したが、読後心に残ったのは、前半で語られる保釣運動(尖閣諸島の領土返還を主張する運動)で日本人に向けられる厳しい目や、スラムで暮らす中国本土やベトナムからの移民の過酷な生活の描写であった。和志を通して疑似体験するアウェイ感に、読んでいて冷や汗が出る。日本で平和に生活をしていることを申し訳なく思う必要はないと思うが、たまたま恵まれているのだという意識は持っておきたい。
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ミネ吉
幻想的な短編小説集。自分的には大当たり。奇想という言葉がぴったりで、ゾンビものなど不気味な話が多いけれど、ユーモアもありギリギリ不快でないライン。伊藤潤二さんの漫画を思い出した。特に好きな3本は、「恐怖譚」詩人エミリー・ディキンソンを主人公とした物語。不気味描写にうなる。元ネタの詩も読んでみたが、逸脱が過ぎて笑わざるを得ない。「本棚遠征隊」小人が乱雑な本棚を苦心して登攀する話。小人の動きが妙に生き生きと伝わる。「エクソスケルトン・タウン」蟲の惑星×20世紀映画。どうしたらこんな組み合わせで話が作れるのか。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2022/02/20(848日経過)
記録初日
2021/03/07(1198日経過)
読んだ本
211冊(1日平均0.18冊)
読んだページ
74710ページ(1日平均62ページ)
感想・レビュー
173件(投稿率82.0%)
本棚
0棚
性別
自己紹介

くたびれた中年です。憩いを求めて読書をしています。

以前は集中できず、1冊読み通すのに苦労してとても読書好きとは言えなかったのですが、最近は色々なものを諦めたせいか、自分を消して本の世界に没頭し、1行1行の文章を味わえるようになってきました。

そんなわけで、なるべく実生活と遠そうなSF、ファンタジー、歴史ものなどを好んでいますが、決め事を作らずその時々の興味に応じてなんでも読みます。

<最近好きな作家>・・・ジャンルバラバラです
★米澤穂信
すっかりはまっています。簡潔なのに情景が浮かんでくる、臨場感のある文章が好きです。
★永井路子
史料を丹念に読み込んで作り上げた独自の歴史観があり、異なる作品同士も一つの世界を共有しているように感じます。古代が舞台の著作が多いのも好きな理由です。
★津村記久子
文章が体になじむというか心地良くてずっと読んでいたくなります。
★アイザック・アシモフ
SF界のBIG3の一人と言われているそうですが、あまり肩ひじ張らずに楽しめるエンタメ作家だと自分は勝手に思っています。

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